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ロストポジション今自分がどこを飛んでいるのか分からない、、、そんな非常にヤバイ状況を指す言葉です。これに加えてギリギリの燃料しかなく、しかも悪天候、ついでに夜間という条件が重なると、まず助かりません。飛行時間わずか100時間、自家用免許取りたてでへっぽこパイロットぶりは今以上だった、忘れもしない22歳の秋。見事なまでに上の条件すべてを満たして、死にかけた経験があります。しかもアメリカで。「テレビの天気予報じゃあ今日も明日も快晴~♪」その日のセルフブリーフィング(?)はたったのこれだけ!日本で言えば東京から大阪くらいまでの距離を、免許取りたてでしかも独りで飛ぼうというのに、この緊張感のなさといったら・・・今では考えられません。飛行中にでも目的地のお天気を確認して、まずいと思えば引き返したり、目的地を変更することもできたはずなのに、「テレビでは晴れって言ってたしw」なんていう楽観と希望的観測が手伝うなか、知らず知らずのうちに死の世界へ足を踏み入れたわけです。そして気がつけば真夜中に雲に囲まれながら、異国の空で迷子です。当時の私はまだ「計器飛行証明」という、平たく言えば「外がまったく見えなくても飛べる」資格を持っていませんでした。だからロストポジションとはいえ、雲の中に入るのは法律違反です。といってもここで燃料切れで墜落したり、山に激突して死にたくないし、もし市街地上空ならば地上にも被害がでるかもしれない。お叱りを覚悟で緊急用周波数に呼びかけます。いえ、叫びます。私「ロストポジションです! 最寄の空港まで誘導願います!(泣)」しばらくすると、いかにもベテラン風のバリトンボイスの管制官が返事をしてくれて、レーダー画面で識別するからと、機器の操作を要求されました。管制官「オーケー、君の位置は把握した、ここからだと○○と○○が近いがそこまでの誘導でよろしいか?」○○空港と○○空港は国際線も飛び交う大空港! そんなところに降りたら最後、へっぽこ自家用パイロットが世界中に迷惑をかけるのは必至です。というわけで距離的には変わらない夜間は無人のローカル空港を要求しました。管制官「最終進入コースに乗る直前でレーダー範囲外になるが、それでもよければ誘導する。ところで君の名前は?」私「じゃあそれで誘導願う。。。My name is Cyndi...」管制官「シンディ? 女の子みたいな名前だなw オーケーシンディ、右旋回して○○○、5000まで降下せよ、、、計器進入は慣れてるな?」私「いえ、自家用しかもってません。それに燃料もほとんど無い、、、so sorry,sorry...(泣)」管制官「オーケー、あやまる事よりも今は着陸することだけを考えろ。こんな時間で腹も減ってるだろうが、それも後回しだ。その空港のそばにはマクドナルドがあるが、着いてから思い出せ。私も時々趣味で飛んでいる、言葉では限界があるが手順を伝える。(give youという表現だった)忙しくなるぞ。(kill youという表現)」このあと電波が途切れる直前まで、教官に教わりながら進入を続け、無事着陸できました。ウソのような話ですが、着地後に滑走路を出たとたんに燃料切れ・・・。誰もいないローカル飛行場、、、4時間ぶりの懐かしい地面にしばし寝転がって、生きていることを実感します。その日の遅い夕食は、例のマクドナルドでした。。。今でも鮮明に覚えている、一大教訓事件のお話でした。それからしばらく何週間も、相当なお叱りを覚悟して身構えていた私ですが、監督官庁からは何の連絡もありません。知り合いの管制官に勇気を出して告白しても、「無事だったからいいんじゃね?」の返事。さてこれが日本だったらどうでしょう?翌日からしばらくは、お役人さまの調査が入り、ずいぶん忙しくなったと思います。法律違反にかかわる罰則がどうこう、こういう人間に免許を与えたのはどの試験官だ? 訓練内容には問題はなかったのか? 本人の交友関係から浮かび上がるフライト直前までの挙動は? などなど、事細かな始末書と報告書作りに忙殺されたはずです。もちろんそんなお役人さまへの報告をないがしろにしたいわけではありません。因果をはっきりさせたいと考えるのは、監督官庁だったら当然なのかもしれません。ひるがえって生命が関わるほどの事例でさえも、すべて自己責任で片付けてしまうのが、自由の国アメリカの本質かもしれません。助けてもらいながら言うのはおこがましいですが、それがアメリカのうらやましくもあり、冷たくもあるところです。写真・・・飛行前ブリーフィング資料の一部。カンだけで飛ぶのは自殺行為。ブログトップへ
Jan 20, 2009
男の独りごはんについての考察。独りでファーストフード・・・OK独りでラーメン屋・・・OK独りでファミレス・・・無理かもorzどうしてもファミレスで食べたいのに、友だちのFOLLOWが何もない場合、ネクタイしてガストなりジョイフルなりに入店します。高級レストランはともかくファミレスでネクタイなんて、京都旅行に袴着て行くようなもんですが、つまりこういうことです、、、「あー今日も営業回り疲れる~、ネクタイ緩めよっと。お? また電話だよ、はいはい、あどうも、いつもお世話になっております~、あ、はい食事させていただいております、、、あ、例の件のご相談で? ありがとうございます~(電話するフリ)」要は仕事中のサラリーマンを演出することで、私に向けられていたであろう、、、ウェイターA 「おい、あいつまた一人でメシ食ってるぜ?」ウェイトレスB 「しかもいつもエビフライとハンバーグだしw」↑こういう目線を打ち消すのです。病的なまでの人目気にしいですねw自分のことなんか誰一人注目していないと気付くには、相当な時間が必要でした。というわけでここまでは昔話です。しかしながら今となっても独りじゃ無理なのは、焼き肉屋。そこばかりはネクタイしようが袴で行こうが、独りじゃ厳しい~!写真・・・てなわけで、うちで独り焼き肉やってみた。ブログトップへ
Jan 6, 2009
「○○行き○○○便にご搭乗予定の○○様、当便は出発時刻を過ぎております。至急○○搭乗口までお越しください。」この時期は、普段飛行機に乗り慣れていない方が多いのか、空港で行方不明になるお客さまがよくいらっしゃいます。地上で無駄に燃料を使いながら(地上ではAPUという補助エンジンで空調や電源確保する)、空港で繰り広げられる大捜査線の進捗をカンパニー無線で見守ります。見つかる見込みがなくて「置き去り」にする場合も、そのお客さまの荷物だけを運ぶわけにはいかないので、その捜索と取り降ろしに時間がかかり、大幅な遅れは確実になります。パイロットにとって負担になるのは、この遅れをどうやって取り戻すか!?という、社会的使命です。例えばお客さま待ちで10分遅れただけでも、空港混雑状況など綿密に考慮されたスケジュールから逸脱するわけで、普段遭遇しないはずの大渋滞に巻き込まれやすくなり、離陸の順番が10番目になることも珍しくありません。そしてこの遅れは、次のフライト・次の次のフライト、、、最悪最終便まで影響します。運航の指針として、すべての航空会社はどこも同じ優先順位を付けています。「安全性・定時性・快適性・経済性」安全性は言うまでもなく、左にいくほどおろそかにできない指針ですが、相当の遅れを取り戻すためには、この優先順位に従うしか方法はありません。要するに、快適性と経済性を(とりあえず)忘れてぶっ飛ばすのです。身近に例えたら、、、近距離で料金もったいないけど高速入ります~。この先未舗装でガタガタだけど近道だから通るよ~。わートイレ行きてー! 駐車場までアクセル踏みまくり~!!!そんな風に頑張ります、、、もちろん一番左の安全性は忘れてはいけません。安全性を脅かすまでに急いでしまい、ミスしやすい状況を作り出す状態を「ハリーアップ症候群」と呼びます。ここ数年で、「管制許可なしに離陸滑走を始めた!」などのニュースがありましたが、これらもハリーアップから来てる可能性大でしょう。さあ無事定刻に到着できると、「うぉー! 間に合った!!」と、充実感はありますが、定時を守るべくガタガタ道を疾走したおかげで、乗っているお客さまにとっては「落ち着けない」時間を過ごしたかもしれません。このように一人のお客さまが「遅刻」したり「行方不明」になるだけで、その他のお客さま全員も疲れるし、乗員も神経をすり減らします。まあ一番の予防方法は、経営がいう「徹底的な無駄省き」で極端に縮められたステイタイム(次のフライトまでの準備時間)を常識的な時間に改正することなんですけどね・・・。(これはグチですw)写真・・・空自F-2戦闘機。やっぱり一人乗りの飛行機はいいわあ(友人Y撮影)。ブログトップへ
Jan 3, 2009
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