2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全3件 (3件中 1-3件目)
1

今日のまとめ 1.ロシア株式市場は下落幅の約半分を取り戻した 2.株式市場の好調は原油高に負う部分が大きい 3.その一方で経済指標はまちまちである急速に戻すロシア株式市場ロシアの株式市場が急速に戻しています。RTS指数は1月23日に492.59のザラバ安値を記録し、去年5月の高値から約80%もの下落となりました。しかしその後は急速に戻しており、下落幅のほぼ半分を取り返しています。原油高に連動するロシアの株式市場ロシア株式市場が戻している理由として原油価格の堅調が挙げられます。天然ガス、石油、石炭などのエネルギーはロシアの輸出の65%程度を占めています。また原油の輸出だけでロシア政府の国家予算の40%が賄われています。天然ガスの輸出価格はブレント石油価格に準じて決定されることから原油価格の動向はロシアにとって極めて重要なのです。今年に入ってからの原油価格の反発で石油会社のキャッシュフローは改善しました。また国庫の歳入見通しが安定したことはルーブルの売り崩しを狙う投機筋が売りを仕掛けにくくなったことを意味します。政策面での進歩こうしたラッキーな要因に加えて、ロシア政府の努力に関しても言及しないわけにはゆきません。ロシアでは地下資源を掘り出した際とそれを輸出した際の二度、税金がかけられます。原油価格の上昇に応じて課税率が高くなる仕組みになっており、これが石油会社にとって大きな負担になっていました。しかしプーチン首相は東シベリア地方の石油開発を促進するために同地域から採れる石油については輸出税を無税にするという特例措置を発表しました。これにより東シベリアでは新しいプロジェクトが始動しています。長期的に見た天然ガス・セクターのリスクさて、欧州はロシアの天然ガス輸出の大事なお客さんですが、最近、チョッと不安にさせる展開があります。それは欧州の石油会社がシェール(頁岩)とよばれる泥板岩層から天然ガスを採取する手法を利用してドイツやフランスでの天然ガスの探索・生産に乗り出す計画があることです。この手法はアメリカのくたびれた天然ガス田で援用され、ここ数年、素晴らしい成果を上げています。アメリカで培ったノウハウを欧州大陸での天然ガス開発に使おうというわけです。もちろん、これらのプロジェクトは極めて実現可能性が低い、スペキュラティブな案件です。しかし若しドイツやフランスでこうした試みが成功すればロシア産の天然ガスにライバルが登場することになります。マクロ経済の状況はまちまち原油高の恩恵を受けてロシアの外貨準備はまた増加に転じています。しかし良いことばかりではありません。下のグラフのようにロシアの鉱工業生産の戻りは鈍いです。加えて小売売上高指数も低迷したままです。ロシアの政策金利であるリファイナンシング・レートもまだ引き下げられています。ロシアの場合、今年の初めまではルーブルの防戦に忙しかったので、金融は極端に引き締められたままでした。このため他のBRICs諸国に比べると中央銀行の金利政策は後手に回っている観が否めません。実際、BRICs諸国の中で今でも利下げ局面にあるのはロシアだけです。原油価格は6月以降、少し上値が重かったのですが、10月に入ってから一段高しました。このためロシアの株式市場も引き続き強い展開となっています。しかし上で見たようにロシアの景気回復にはちぐはぐな面も多く、原油価格頼みの、薄氷を踏む状況であることは忘れたくありません。
2009年10月26日

今日のまとめ 1.中国の輸出は力強くリバウンドしている 2.人民元が弱いドルにリンクされているのが好調の一因 3.内需のストーリーには異変が出ている力強くリバウンドする中国の貿易先週、中国税関総局が9月の貿易統計を発表しました。それによると下のグラフのように輸出も輸入も力強くリバウンドしています。いま輸出を例にとると、リーマン・ショック直後の去年の10月の1364億ドルから今年の2月には649億ドルまで、実に52%も落ち込みました。去年の11月に4兆人民元の景気刺激策が発表されたこともあり、この時点で世界の投資家は「中国株は当面、内需のストーリーで攻めるしかない」と投資方針を決めました。(私も当然、その一人です。)しかしここへきて輸出も輸入も鋭角的に戻してきており、輸出絶望論はどうやら間違っていたことが明らかになりつつあります。それではなぜ輸出は息を吹き返しているのでしょうか?中国の貿易の復調の理由リーマン・ショックの直後、消費の落ち込みを懸念した米国の小売業者は新しい在庫の発注を凍結しました。この在庫調整が終わり、再び在庫の積み増しの動きが出ていることが復調のひとつの理由です。もうひとつの理由が、最近のドル安です。去年の10月頃まで、中国は人民元を米ドルに対して緩やかなペースで切り上げてきました。しかし世界経済が混乱に陥ってからはこの切り上げを止め、レートは下のチャートに見られるように横ばいのままです。つまり人民元は弱い米ドルに再びペグ(連動)されてしまったのです。一方、他の新興国の通貨はこのところ軒並み強含んでおり、人民元の割安感が強くなっています。下のグラフは韓国ウォンですが、下に行くほど通貨が強くなっていることを表します。結果として人民元は人為的に割安放置されたことになり、これが中国の相対的な輸出競争力を大きく高めているのです。つまり最近の中国の輸出の好調はマーケット・シェア拡大の効果も関係していると考えるべきなのです。こうした展開を反映するかのように、中国発北米向けのコンテナ船のレートは最近、急伸しています。内需は様子がヘンになっているさて、この一方で内需に目を転ずるとこれまでのカンカンの強気のストーリーが少し崩れつつあります。先ず国内の経済活動を窺い知る格好のデータ・ポイントのひとつである中国国内の鉄鋼製品価格は軟調に推移しています。国内の建設活動はそれなりに上向いているので、なぜ鉄鋼製品価格がこうまで弱いのか、私には上手く説明できません。強いて言えば、4兆人民元の景気テコ入れ策の効果を先回りする形で投機筋が在庫を貯え込んだとか、そもそも零細な製鉄所が中国は乱立しており、それらの多くが増産に走ったとか、そのような理由ではないかと察します。折から中国政府は過剰投資を抑制するために新規の製鉄所の設備への投資を規制する行政指導に乗り出しています。銀行セクターにも暗雲?先週の金曜日に中国の銀行監督当局が4大銀行の幹部を呼びつけて、過剰融資を戒めるとともに将来予想される貸し倒れに対する引当金のカバレッジ・レシオを年末までに150%へ持って行くように指示しました。これは特に不動産セクターに見られ始めているバブルに対して、当局が監視の目を強化していることの表れです。バブルが大きくならないうちに締め付けに転じた銀行監督当局の今回の対応は高く評価されるべきだと思います。投資家の気迷いを反映する株価指数さて、このところの中国株のパフォーマンスは他のBRICs各国がビュンビュン値を飛ばしているのに比べるとイライラしてしまいます。これは上に述べてきたような微妙なストーリーの変化を目前にして、世界の投資家が気迷いしていることを反映しているのではないでしょうか?ただ、中国のファンダメンタルズは他のBRICs各国と比べても決して悪くないし、このところのアンダーパフォーマンスで割安感が際立ち始めています。ここは焦らずじっくりと次の方向性を見定めたいと思います。
2009年10月19日

今日のまとめ 1.オリンピックの経済効果は余り大きくない 2.もともと良好なブラジル経済のファンダメンタルズが注目されるきっかけにはなる 3.来年の選挙とIPOによる需給関係の崩れに注意すること株式市場はリオデジャネイロ五輪を織り込んでいなかった2016年のオリンピックの開催地がブラジルのリオデジャネイロに決定しました。地元ブラジルではオリンピック招致に対し高い関心があったのは確かですが、どの都市が開催地に選ばれるかの予想は難しく、当然、株式市場もリオデジャネイロ市の勝利を織り込んでいませんでした。経済効果はいかほどオリンピックの招致がどのくらいその国の経済に恩恵をもたらすのかに関してはいろいろな議論がありますが、直接的な経済効果は一般に考えられているほどは大きくありません。先ずオリンピックの開催準備に必要となる費用と、オリンピックにまつわる収入を比較すると殆どの場合が赤字であると言われています。一方、経済効果としては、北京オリンピックの場合、GDPの押し上げ効果は0.3から0.5%程度だったと言われています。これは意外に小さい数字であると言わざるを得ません。またリオデジャネイロの場合、すでに2014年のワールドカップ向けのインフラストラクチャ工事が進んでいる関係もあり、新規に必要となる工事は限られています。するとリオデジャネイロ・オリンピックの効果はむしろブラジルが世界経済を担う有力な国のひとつの仲間入りをするという象徴的な意味の方が大きいと思います。オリンピックは消費者のセンチメントを刺激し、成長への期待を補強します。またオリンピック開催は観光地としてのリオデジャネイロを改めて世界に紹介する機会となり、もともと魅力に溢れたこの都市に対する世界の人々のアウエアネス(認知度)を一段と向上するきっかけになると思われます。ブラジル経済のファンダメンタルズは良いブラジルの経済は1990年代後半にレアル・プランが導入されて以来、インフレ沈静化の方向にむかっています。インフレの鎮静化は金利の低下を招き、それは住宅ローンやクレジット・カードなど各種の消費者サービスをブラジルの人々が利用することが可能になったことを意味します。下のグラフに見られるようにブラジルの銀行サービスの浸透度は世界的に見てもまだまだ低いです。住宅ローンやクレジット・カードのサービスが今後普及するということは本格的な消費ブームが起こると考えて良いでしょう。ブラジルの賃金も近年の好調な経済を反映して着実に増えています。ブラジルは相変わらず世界で最も貧富の差が激しい格差社会ですが、貧困比率が低下してきているのは希望を持たせます。ブラジルのGDP成長率は今年こそ世界不況のあおりでマイナスを記録すると予想されていますが、来年は再び4.5~5%程度の成長率に戻るだろうと予想するエコノミストが多いです。オリンピックは今までブラジルに欠けていた「投資テーマ」を付与するブラジルの株式市場は欧州や米国のエマージング市場専門の機関投資家の間では「定番商品」として確固たる地位を保っています。しかし世界の一般の投資家にとってはまだまだ縁遠い存在であり、お世辞にも親近感が湧く市場とは言えません。別の言い方をすれば中国、インド、ロシアのようにわかりやすいストーリーに欠けていたのです。リオデジャネイロ・オリンピックはこれまでのブラジル株に欠けていた、投資テーマを提供するという意味で極めて重要な進展だと思います。もともとブラジル企業のコーポレート・ガバナンスはBRICsの中では最も良い部類に入り、とりわけADRをアメリカの証券市場に上場している有名企業の企業統治や情報開示はアメリカの企業をも凌ぐものがあります。今後注意すべき点このようにブラジルのストーリーは強気材料がそろっています。しかし不安材料が無いわけではありません。先ず政治面ではブラジルは2010年に大統領選挙を迎えます。国民、投資家両方から人気の高いルラ大統領はブラジルの法律で2期までしか務められないので、来年はいずれにせよ新しい大統領となります。歴史的にブラジルは大統領選挙の年は相場が荒れる傾向がありましたので、それは頭に入れておく必要があります。次に株式市場の需給関係ですが、今週はブラジル第4位の銀行が70億ドルもの超大型IPOでデビューする予定です。これは需給関係の悪化要因になります。その後もいくつかの大型案件が動いていると言われていますので、いずれマーケットがそうした新株の供給に耐えられなくなる局面が来ると考えておいた方が良さそうです。
2009年10月05日
全3件 (3件中 1-3件目)
1