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Jan 31, 2022
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テーマ: 城跡めぐり(1306)
カテゴリ:
滝口康彦の備中兵乱の純歴史小説「鬼哭の城」によると、備中兵乱では備中松山城は全山城塞化されたものの、城主の叔父の裏切りにより寝返りが続発して、毛利・宇喜多勢の攻撃に三村勢は壊滅してしまう。備中松山城については、以下の描写がある。
「備中松山城は、東は尾根続きで吉備高原につながり、西もまた甲部川を渡れば、吉備高原が備後まで伸びている。
 松山城は、最高峰の大松山が約四八〇メートル、小松山、天神丸はやや低い。石垣はないが、三面の断崖絶壁が寄手を阻む天険をなしていた。」と。
 甲部川とは、現高梁川のことで、現最高峰は天神丸487m。地図の等高線を追うとまさに記述のとおりだ。城からは直下に高梁川の深い碧の川面が見えた。

 その毛利も関ヶ原では敗北し、当時の絵図を見ると城は荒れていたらしい。江戸期に入ると修復が始まり、現在の姿の原型が整えられていったらしい。
 備中兵乱から約三百年、備中松山藩主板倉勝静の幕末の激動の時代、山田方谷が起用され、藩をあげて倹約、殖産に励み、財政再建がなされ、城の強化もされたらしい。三方の断崖以外に唯一尾根が続く地点の整備はこの時らしい。
 「大たわの堀切」とその番所がそれで、城内最大の堀切に防備の工夫が施されたらしい。「たわ」とは、撓む・たわむからきている言葉で稜線の鞍部をさすらしく、まさにこの地点を表している。

(岡山県中世城館跡総合調査報告2020はこちら)


 板倉勝静は名君でその事績を追うとドラマチックな人物像に心が震えてくる。老中首座として活躍し、闘う姿は好ましい。
 城主が老中首座として幕府にあって藩には不在の中、鳥羽伏見の開戦により朝廷から備中松山藩追討令が岡山藩にだされる緊急事態が勃発する。もともとは、長州とは戦うつもりであった松山藩であったらしいが、岡山藩に対して無血開城するように藩論をまとめ、藩と領民を救った方谷の舵取りは、実学と実践にたけた学者がなした業績として、当時の学問の現実的な力に改めて目を見張る。

 いまある見事な城のこの姿は、勝静と方谷なしには、残っていなかったと言うことか。

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Last updated  Feb 25, 2024 10:25:21 PM
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Re:無血開城 備中松山城 2022.1(01/31)  
うしまる さん
幕末の浪漫ですねぇ。

徳川慶喜に忠誠を誓う備中松山藩と、時勢を読んで新政府側に付く岡山藩。幕末期に全ての一国一城の主に付きつけられた究極の選択でした。
武士道としてのあるべき形、統治者としてとるべき方策、もちろん単純な損得勘定も含めて、さぞかし日本中が大騒ぎだった事でしょう。

当時の藩主や将軍などの統治者は、司法権まで併せ持つ絶対的権力者であったにも関わらず、部下の進言を良く聞き、受け入れる度量も持っていたように感じます。明治維新は壮大な内乱とも言えますが、諸外国の介入を許さず完了した経緯は、日本史の中でも群を抜いて惹き付けられる感じがします。


話はコロッとかわりますが、岡山城も素敵ですよね~。 ٩(ˊᗜˋ*)و 何時か訪れたいと思ってます。 (Feb 12, 2022 07:08:30 AM)

Re[1]:無血開城 備中松山城 2022.1(01/31)  
うしまるさんへ
本当にそうですねぇ。武士たちの変化への対応力、義の貫き方、伝統を乗り越えて新しい国造りめざした志、魅力は尽きませんね。惹きつけられます。
大変動を成し遂げた根底には、江戸時代に学ぶことを鍛えた頭脳があったからだと思っています。
岡山藩は、名君池田光政の時に庶民の学校が各地に開設され、その後、財政的に閑谷学校に統合されますが、各村の担い手を育てる目的で各村から賢い子が集められ鍛えられたそうです。
学ぶ力を育てていたようで、新しい知識、技術も学べる知的体力が鍛えられていたような気がします。
現代でもスティグリッツが、従来の西洋型の経済発展モデルは限界で、重要なのはラーニングソサエティと言ってるらしいですが、日本は昔から名君に学びが重視されてきてるようです。特に名君は藩校を強化してますね。備中松山藩も藩校が設けられ、教育が活発だったようです。
岡山城は、米軍の空襲で消失ですが、再建され、みどころあります。閑谷学校は江戸時代の木造講堂がきれいに残ってましておすすめです。 (Feb 12, 2022 07:08:45 PM)

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