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「ジェネラル・ルージュの凱旋」映画化記念で作られたであろうファンブック?のようなもの。救急救命の虎・速水晃一が「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれることとなった伝説の物語(短編)あり。・ジェネラル・ルージュの伝説1991年10月―佐伯病院長率いる総合外科の新米医局員・速水晃一は、さぼるが適切な処置が出来る。看護婦になって三年目の花房は猫田主任の後始末を振られ、速水に振り回されていた。黒崎助教授は生意気な速水を図に乗らせてはいけないと彼の力を認めざるをえないと発言する世良をたしなめる。一方、売れない歌手・水落冴子は、マネージャー小堀と営業で桜宮に来る。そこで、同じ事務所で落ち目から逆転、ブレークしたバンド、バタフライ・シャドウと冴子の前マネージャーで、今は彼らのマネージャーである小林と会う。バタフライ・シャドウのメンバーはハリー、ボギー(久保)、キーボー(木村)、ザック(城崎)。彼らの挑発に乗り、彼らのライブでの飛び入りセッションの挑戦を受け、ザックのベースの力で才能の片鱗を見せた冴子。小林の妨害にもかかわらず、自分の舞台に協力してくれたザックとともに歌い、新たな魅力を引き出してもらう。だが、舞台である登場デパートで火事が。上層部の医師がことごとく出張、講演会などで不在の東城大学医学部付属病院。留守番役の速水はいち早く火事に気付き、田口や猫田の協力を得、大胆にも自分が責任者となって救急患者に対応することを宣言。だが、口で大きなことは言っても、初めての惨事に立ち会い、ふるえる速水。猫田が機転をきかせ(?)、花房から速水へルージュをお守り代わりにプレゼントさせる。他科の医師にも指示を飛ばし、講演会会場から駆けつけた黒崎、世良をも従えた速水は何とかこの難局を乗り切る。速水が命を助けた冴子(ほとんどはザックの応急処置が良かったのかも)は、自分の声が涸れ、以前の声に戻らないことから、助けた怒りを速水にぶつけるが、速水はその声で歌う恨み節なら必ず買うと約束する。(→以後、速水が冴子のCDを持っていることにつながるのだな)速水は命を失う怖さを知り、猫田に医師のスタートラインについたと認められる。城崎(ザック)は昔医学部で、勘当されたが、この町の目立つ病院の息子で、美人な妹たちがいるらしい・・・碧翠院の、ということか?桜宮姓でないのは勘当されたから?それにしても、「速水が花房(美和)のことが好きだから、お守りに花房の口紅を速水にあげてくれないか」・・・「そう言っておけば、一途な花房は速水のために働く」という猫田の発言は「~凱旋」につなげる布石だと分かるが、あまりにこじつけすぎたというか、無理がありはしないか?一番キーポイントとなる場面なだけに、発言内容が唐突過ぎる。猫田の千里眼という(言い訳)だけでは、(言い訳がもし)あったとしても苦しい。青白い速水の顔をみる周囲、患者を少しでも安心させるため、速水に口紅をぬらそうと思う猫田→自分は持ってないから、いつも常備している美和のをあげさせようの理由に、猫田からの「好き」発言は必要だろうか?現に隣できいていた速水は何をでたらめなことを。と言っている。花房にも安心して欲しいから、安心させるために速水に口紅をぬらそうという理由は秘密にしたかった?自分の口紅をつけた速水の奮闘振りに美和は惹かれた、でもいいと思うんだけどな。うーん、でも、それがきっかけでお互い何だか気になった。風な描写もあるし、まぁ、いいか。でもな(笑)・海堂以前/以後 1961-2009~著者自身が綴る、簡単な自分史。この思考回路、文体、どこかで見たことあるなぁ?どこにも喧嘩吹っかけそうな勢いは作中人物の色々な人に当てはまりそうだが、それだけでなく、どこかが(小説ではなく、自分のことを語るとき)森博嗣だった気がするが、と似ている感じがする。理系だから?と言ったら単純すぎて駄目だろうな。著者自身の立場として一番近いのは病理医の彦根かな?・自作解説や質問コーナー、登場人物紹介、人物相関図などがあるのは大変有り難い。ちょっと分かりにくいところもあるけど、作中に即した色々な表、分布図などがある。組み合わせ(長編はそれぞれペアになっている)「バチスタ」-「螺鈿」「ジェネラル」-「ナイチンゲール」「ひかりの剣」-「ブラックペアン」「医学のたまご」-「ジーン・ワルツ」「黄金地球儀」-「死因不明社会」「イノセント・ゲリラ」-「極北クレイマー」「外科医」-「未」短編は長編に対する従属関係「ゲリラ」-「東京都二十三区内外殺人事件」「未」-「2013年 第二回大日本ミステリ学会特別講演録」「たまご」「ナイチンゲール」-「モルフェウスの領域」「未」-「あおぞら迷宮」「未」-「平和的祭典北京五輪」「ジェネラル(凱旋)」-「ジェネラル・ルージュの伝説」カルトクイズもあるが、この本の中で確認できるだけでも2ヶ所、明らかに答えが違っているのだが、重版がかかっていれば直っているかな?(図書館の本は初版)
September 30, 2009
これもある意味地域医療の現実を訴える小説。著者は地域医療に従事する医者。デビュー作。もっとほんわかしていて、なおかつじんわりさせてくれる・・・かも。・第一話 満天の星連日の診察、宿直、救急医療の対応に追われ、ふと気付くと結婚記念日も過ぎようとしていた―信濃大学医学部卒業後、松本城近くにある本庄病院に勤務する5年目の内科医・栗原一止(いちと)は敬愛する夏目漱石先生の影響で話し振りがいささか古風で、変わっているといわれている。本庄病院は地方都市の一般病院としては大きく、しかも24時間、365日対応を掲げているため、宿直ともなると内科医であっても救急医として専門外でも奮闘しなければならない。しかも、戦力は自分と研修医二人と数人の看護師・・・大学病院の外科医局に入局し、本庄病院の外科に派遣されている砂山次郎は学生時代からの腐れ縁。初めて担当患者の死と接する新人看護師・水無に時に誤解されるが、後に理解され、ベテラン看護師・東西のフォローもぱっちりである。カメラマンの妻は撮影のため旅立ち、旅館を下宿に回想した風変わりな「御嶽荘」の住人男爵(自称・画家)、学士殿(哲学学生)と共に酒を酌み交わす。大学病院の医局に所属していない私(ドクトル)には医局からの誘いが来ている。最新医療に触れる大切さを次郎も説くが・・・患者の死に妻子、出来ることはもっとなかったか自己嫌悪に陥る私の前に、愛すべき細君・ハルが。中小病院は医局のお陰で保っている現実。大学病院の医局制度は崩壊しつつもどうなるか・・・。一見のどかな地の、戦場の様な地方病院の現実。かすかに漱石風?の文体も、硬くなく、ほんわか読める。・第二話 門出の桜大学病院で処置が出来ないといわれ戻ってきた末期癌患者の安曇さんを担当する私。彼女を見舞う老紳士は、昔安曇さんの旦那様に救われたことがあると告白。学士殿が自殺未遂。実は大学受験し失敗。事実を知る姉から、母の死を知らされたのだった。姉と一緒に故郷に帰ることを学士は決意する。一止、ハル、男爵はこれは門出だと送り出す。・第三話 月下の雪大学医局見学を勧める上司の大狸先生と古狐先生。向き不向き、大学病院から漏れてしまう安曇さんのような助からぬ患者、死に行く人に、可能な医療行為をすべて行うことが可能な現代医療においては「できることは全てやる」ということが必ずしも美徳ではなくなっている。最期まで周囲に気遣い、一止に感謝してなくなった安曇さん。迷いの末、一止が選んだのはとりあえず今は、手の施しようのない患者がひとりぼっちで死んでいる中、高度医療を学ぶ必要性がわかるまでこの(医療の底辺のようなby古狐先生))病院にとどまることだった。安曇さんの最期は、人の生き様・死に様というもの、潔さ、心遣いを感じ、心を打ち、考えさせられる。一止の名前は正しいを崩したもの。「一に止まると書いて正しい。本当に正しいということは一番は初めの場所にあるのかもしれない」
September 29, 2009
しまった、26巻より先に借りてしまったなぁ。前の巻でどうやら磐音は奈緒(の嫁ぎ先)を助けるために山形に行ったらしい。・石榴ノ蝿江戸目前の磐音一行。お家のために走る大村源四郎を助ける。磐音の留守中も切磋琢磨していた尚武館の面々だったが、磐音の指導を受けた勝ちを焦る利次郎は自信喪失。霧子の協力により復活する。おこんに注意を受けながらも、結局、笹塚らのためにひと働き。宮戸川の居直り強盗を撃退。宮戸川に行って鰻を食べ、江戸散策もしたいという家基の無理難題をこなすため奔走する磐音、桂川、弥助、霧子ら。
September 29, 2009
The summer when I was a detectiveミステリーランド第16回配本装画・挿絵は松尾たいこドラマでも有名な浅見光彦シリーズ(見たこと、読んだことないけど)の主人公・浅見光彦の小学生時代が描かれる。夏休みを恒例の軽井沢で過ごす光彦。この地の友人・峰男くんに紹介されたのは、東京の、光彦のクラスに転校してきた少女・本島衣理だった。少女を苦手に思っていた光彦だったが、誤解も解け、一緒に散策。そこでみたのは妖しげな大きな穴を掘る大人たち。様々な推理をしながら、行方不明になってすぐ見つかった女の人の謎、刑事も騙された穴の謎を解く光彦であった。
September 28, 2009
・白桐ノ夢武者修行中の磐音の弟弟子・松平辰平から文が届く。次期将軍家基から、人づてに宮戸川の鰻を所望された磐音は御典医・掛川国端と策を練り、届ける。当主となった品川柳次郎は、夫婦となる約束をするお有の言葉もあり、佐々木道場(尚武館)に通うことに。不思議な殴られ屋・向田と知り合い、道場に招いたりもするが、彼が脱藩した藩とのいざこざがふりかかる。怪我をした武左衛門にもう力仕事は無理だと心配する磐音ら。家のことを心配する彼の娘・早苗が尚武館に奉公に上がることに。磐音の義母、おこん、柳次郎の母、今津屋の後妻・お佐紀らが町散策と宮戸川で鰻を一緒に食べる。西の丸に忍び込んだ妖しげな集団は日光参拝の際の雜賀衆の後継ぎだったことが判明。遺恨ある戦いに決着をつける。
September 28, 2009
先日、映画「南極料理人」を観て興味が湧き、図書館で予約してみた。2001年5月に初版で早くも(本の崩壊が原因では無いようだ)書庫の本だったが、予約が続くということは、映画の影響だろうなぁ。昔の本が映画化すると、書庫の本の虫干しに丁度いいだろうなぁ、と関係ないことを思ってみたり。特に大きい事件が起きるわけでは無く、ペンギンも、ウイルスすら生存することを許されないドーム基地(有名な昭和基地よりももっと寒い地)で一年ちょっとを少人数で過ごす。そんな観測隊が描かれた映画は、何も大きな事件はないのにほっこり心に残る仕上がりでした。本は映画は大分脚色してたなぁ、とか、ココは大げさじゃなく本当に起こったことなんだ!と時には違いを楽しみながら、さらに映画には描かれず、気になってた所も解消できる作りでした。(ドームふじ基地への交通手段、トイレ、ウイルスのこと、イベント、などなど)一番の違いは主人公・西村淳=本の著者(映画では堺雅人)の性格。映画もいい雰囲気だったが、原作者はもっとあっけらかんといい加減。実際は9名で編成された「第38次南極地域観測隊 ドームふじ観測拠点越冬隊」。映画では8名。原作どおりの名前で登場する人と、ベースはありつつも、他の観測隊のエピソードかもしれないところ?、もちろん創作も盛り込まれただろうキャラクター、エピソードもあり。まぁ、実際半裸でマイナス60度以上のところで記念写真取ったり、標高も高く、息も切れる中で野球したりとありえなさそうなことが案外実体験に基づくものだったりもしてたが。一番違っていて可哀相だったように思えたのは奥さんの描写かな。映画はあれで十分面白かったが、実際はもっと素直に優しく送り出してくれていた。まぁ、ああでも脚色しなければ普通すぎてしまうというのはわかるのだけどね。お役所や、メンバーのことをこんなに暴露していいのか?と、ちょっぴりその後の人間関係が心配になったりもしたが・・・。実際のメンバー金戸副隊長(きんちゃん) ・気象庁から派遣。二回越冬体験あり。本山隊員(もとさん) ・国立極地研究所(以下「国~」)から参加した雪氷学者。越冬経験アリ。平沼隊員(ひらさん) ・「国~」から派遣された気象学者。初参加。林隊員 (りんさん) ・名古屋大学から参加の大気学者。風呂嫌い。福田隊員 (ドック) ・北海道の私立病院から参加した麻酔科ドクター。パワフル。川村隊員(浪速の兄ちゃん)・奈良女子大から雪氷部門のサポートで参加。新婚。西平隊員 (盆) ・共同通信社から参加の通信・機械担当。佐藤隊員 (主任) ・いすゞ自動車から参加の機械担当。西村隊員 (大将) ・調理担当として海上保安庁より参加。昭和基地の越冬に続き2回目。映画…名前が近いのは本人に近い設定とみた。西村淳 as堺雅人 ・調理担当本さん as生瀬勝久 ・雪氷学者タイチョーasきたろう ・気象学者兄やん as高良健吾 ・雪氷サポートドクターas豊原功補 ・医療担当主任 as古館寛治 ・車両担当盆 as黒田大輔 ・通信担当平さん as小浜正寛 ・大気学者
September 28, 2009
10代のための新名作と銘打った読書案内的短編集でした。各作家の短編集や作品から一編選び、気になったらその本を読んでは?という紹介文あり。・あおぞらフレーク 梨屋アリエ選べない選択が迫ると踏み切りの音がしてしまう美野里は、恋する相手を見ると空を壊してしまう後輩を見つけ、その結晶のかけらの味が気に入り、フレークを手に入れるため、後輩に協力することに。・しあわせは子猫のかたち 乙一人を避け、一軒家に越してきたが、そこには姿は見えないが、殺された前の住人もいた!彼女と彼女の飼い猫であっただろう子猫と共に暮らすうち、何か癒される主人公。彼は彼女が殺された犯人をつきとめる。懐かしい!以前、読んだな。と思い出した。可愛らしい話。・黄泉の階段 山田悠介死んだ恋人に言えなかった秘密を告白したいと、死者に再会できると噂の黄泉の神社を探す主人公。…読んだことあるような?=ネタバレメモ=盲目の彼女は双子の弟の恋人だった。弟の死後、弟のふりして付き合っていたが、いつしか彼女に主人公も恋をする。彼女のために死者となった彼女に再会しても真実は告げられなかったが、彼女は気付いていたとメッセージを残す。・植物図鑑 有川浩有川浩の名前を見て借りたが、「植物図鑑」の一章?プロローグ?が入っていた。ヘクソカズラにまつわる話。・小さな故意の物語 東野圭吾校舎から落ちて死んだ親友は自殺か他殺か?・・・これも読んだことあるような?
September 23, 2009
・鯖雲ノ城おこんを伴い、豊後関前に戻った磐音。無事に家族に再会。先祖、友人への墓参りをし、佐々木家への養子入り、おこんとの婚礼の許しを得る。後継ぎのいなくなった坂崎家には妹の嫁ぎ先・井筒家の次男・遼次郎が養子に入ることに。今津屋の計らいでおこんとの仮祝言も済ませる。関前藩に再び起ころうとしていた商人との癒着、国家老の父の命を狙う一団を阻止し、落ちぶれそうになっていた道場に活気をいれるという大活躍。磐音についてきていた弟弟子の辰平は武者修行の旅に出ることに。・荒海ノ津関前藩での騒動を丸く収めるのに一役買ってくれた福岡藩御用達商人箱崎屋の誘いで筑前博多に立ち寄ることになった磐音とおこん。その地にある道場に招かれ、気にいられたり、身分違いの恋により命を狙われる恋人達を助けたり。江戸では道場破りが続く佐々木道場。不在の磐音に変わり、師匠・玲圓が一気に撃退。依田家に婿に入った師範・本多は次期将軍・家基のいる西の丸の納戸方から、家基の側に仕え、彼を守ることが出来る西の丸様近習衆になることに。この出世は玲圓と上様御側衆の速水が考えたこと。品川柳次郎は女に走り家を捨てた父・兄に代わり、母とともに内職をしながら家を守る日々。出世し、引越した幼馴染・椎葉お有に再会。父に好色な男の妾になれと言われたお有は柳次郎に助けを求め、柳次郎の相談に玲圓、同心・木下らが協力、騒ぎは決着。また、柳次郎の家の憂き目に速水らが陰から力を貸し(権力乱用だが、それはそれ)、品川家を柳次郎が継ぎ、今津屋の尽力(脅しとも言う)により、父親の借金のかたに取られていた禄高も復活することに。磐音が中心では無い番外編が良い息抜きに。・万両ノ雪南町奉行所の番頭与力・笹塚孫一が追い詰めきれず、島送りとなった男が島抜けをした。男は盗賊の頭だとふんでいる笹塚は捜索を命じる。捜査大詰めに、偶然、男のたくらみを知り、一味とおこんと共に同道した磐音が登場。彼の活躍で一件落着。品川柳次郎は本所の住人でありながら速水や今津屋と付き合いがあること、前回のお有を妾にの件(相手は不正を働いていた為、あらゆる権力総動員でおとがめあり)で家での立場が弱くなったことから、お有の父もお有との付き合いを許す。大晦日ギリギリに江戸に帰着したおこんと磐音。佐々木道場には早くも二人の住む離れが作られ、一足先に磐音が住むことに。道場破りを撃退。佐々木家に無事、養子入り。佐々木磐音となる。今津屋に後継ぎ誕生。シリーズ初のあとがきつき。若い頃に同道したスペインの闘牛士の話が満載。・朧夜ノ桜御典医桂川国端と織田桜子の祝言に出席。おこんは速水家へ養女入り。佐々木磐音は佐々木家が将軍家を陰から支え、ほつれを繕う家系だと理解。相次ぐ道場破りが田沼意次親子に取り入ろうとする取り巻きらによるものだと知り、また、新たな刺客が放たれたことを江戸に帰ってきた三味線造りの名人・鶴吉より知らされる。鶴吉に店を持たせるために奔走しつつ、刺客を時に怪我を負いつつ撃退。江戸勤番となった井筒遼次郎(後に坂崎家に養子入りする予定)が佐々木道場に入門。瓦版屋の協力もあり、刺客を交わしたかに思えたが、おこんと無事祝言を済ませた夜にも襲撃を受ける。
September 23, 2009
2031年、探偵稼業が免許制(私立探偵認可制度)になっている近未来が舞台。免許の種類によって、捜査権限が違い、保護される部分がある反面、警察の手足となってサポートしなくてはいけないこともある。そんな時代。不思議な組織の関わる事件に巻き込まれたようで、それは決まった運命の様で―・・・なんかそんな設定読んだことあるような・・・まぁ、能力とか違うのだが、どこか、雰囲気?が恩田陸の常野物語のあるシリーズに似ている、のかなぁ?ぶっきらぼうな探偵・風祭は柴田氏が好きそうな探偵というか、オジサン設定かな。~ネタバレメモ~・秘密探偵を辞め、人を避けるような地に住んでいる風祭を訪ねた私立探偵のサラ。目的は以前、風祭が担当した人探しの件。今回、別の依頼人から同一人物を探して欲しいと依頼を受けたサラは、その人の消息を風祭が突き止めていたと踏み、彼に会いに来たのだった。探す目的人物・片桐萌は、とある宗教団体に所属していたこと、今回の依頼人・片桐睦月は萌の妹として育てられていたが、実は萌の娘で、萌の両親が睦月を宗教団体から守るために(孫を)自分たちの娘として育て、娘であった萌の痕跡を消していた。過去、それを調べ、両親に口止めを依頼された風祭は、その時の依頼人に彼女の行方不明と側にいる大事な人を大切にするようアドバイスしていた。・悪魔人を死に追いやるという女性を調べるサラ。半信半疑だったが、本当の名を持つという井瀬崎香織の周囲では実際に人が死んでいた。免許制度になってからの探偵は、自殺を誘発する化学物質などというモノがあるとして、人々の目をそらし、何かの実験、プロパガンダの手伝いを知らずにさせられることもある、利用されることもあると風祭に諭される。ルシファーの名をもつ井瀬崎香織との出会いは、サラの運命を加速させる。・飛び去りしもの服用した者の一部が、ハンストしたまま死ぬという悪魔的薬を、警察への捜査協力で調べるサラ。その薬に違法性はなかったが、一部の心に闇を持つ者が中毒症状を起こすというもので、服用したサラも同じ症状に陥る。彼女は曖昧な過去を知らなければならないと感じ始める。彼女に薬を渡し、愛を告げた医師・才賀は逮捕されれず。・神の狩人ルシファーを追い詰めようというレジスタンス組織に誘われるサラ。体調が万全で出ないこともあり、参加に消極的だったが、失踪した芸術家・藤堂エリザベスのことを調べる内にルシファーや才賀など人を自殺に導き、人類滅亡を防ぐ為に、一度世界は壊れなければならないと考える集団と、それを打ち消す作品のこと、そのうちの一つに幼い時のサラが描かれており、惨事に抗うように描かれたサラは、希望の象徴であり、ルシファーらの組織の敵として狙われていることがわかる。・船出殺された藤堂エリザベスの作品「神の狩人」はルシファーの力を相殺するものとして狙われていた。それを守ろうとした画廊のオーナー・エリコも死ぬ。だが、最期まで作品を守ることを考えていたエリコは、サラに作品の場所を暗号にして託した。風祭とともに作品を追うサラ。それは未来を予知できるルシファーの予言どおりで、才賀はその予言どおりならサラは彼らとともに行動するだろうというのだが―というところで続く。らしい
September 23, 2009
野分ノ灘佐々木道場の養子入りの件が決まり、宮戸川の鰻割きの仕事を辞めることになった磐音。田沼親子らが放ったと見られる刺客を撃退するも、それを調べた同心・木下が身動き取れに事態に。上様御側衆で道場の兄弟弟子・速水らの動きもあり、なんとか木下の件は収まる。故郷の父親は磐音の決めた生き方を許したが、複雑な母親の心境を汲み、磐音はおこんを伴い、関前に墓参りに行くことに。道場の弟弟子・辰平をお供に関前藩の借り上げ船に同乗することになった磐音ら。船旅の最中も諍いをおさめたり、刺客に狙われたりと相変わらず忙しい。
September 15, 2009
小夏と秋の絵日記高校一年のときから引きこもりになり、もうすぐ20歳になる小夏。銀座にお店を持ち、夜働く母親に代わり、家事は完璧。家を訪ねてくるのは奔放で恋の一部始終を報告に来る親友の秋だけ。そんな二人が遭遇した七つの出来事が描かれる連作短編集。~ネタバレメモ~・ひまわりの誘惑秋をナンパした男にはストーカーがいて、その女が秋を尾行し、小夏の家に。家しか居場所がない小夏は、秋の協力を得て撃退。・黒い傘、白い傘小夏の家のベランダから見える公園に、雨が降ってないのに傘をさす人影が―小夏をモデルに写真を撮りたい有沢巽と双子の卓也の仕業だった。・さくら、さくら(未亡人の)母親に恋人が―?秋と彼女の恋人ら協力で調べるも勘違いだったと判明。だが、その後、一度は勘違いだった相手・刑事の井上と母は付き合うように。・朝顔はまだ咲かない秋の恋人・俊雄の姪の朝顔が取り替えられた件を推理する小夏。・見えない人秋の策略に乗せられて巽と一緒に犬の散歩をする小夏。幽霊の正体見たりホームレス…と推理した巽と少しずつ外に出るようになった小夏は付きあうことに。・窓を閉めて引きこもりの原因となったいじめの元凶だと思っていた同級生に会う小夏。だが、本人が覚えてないような姿を見て逆にふっ切れる。・新学期母は井上と再婚、母が出て行った家で秋と同居生活がスタート。小夏はクリーニング店でバイト出来るように。長い長い夏休みが終わり、新学期が始まったと秋はそれを表現する。
September 15, 2009
Alice’s adventures in the baseball landミステリーランド第14回配本。装画・挿絵は謡口早苗お話を書くわたしが出会ったのはリトルリーグで活躍したアリスという少女。彼女は進学予定の中学では女の子のため入部できなさそうだという。そして、語り出したのは鏡をくぐった向こうの世界で野球をしたこと―鏡の向こうの世界では一足先に中学生になっている向こうのアリスは野球をしてなくて、こちらの世界で読書家、勉強家の安西くんが鏡の世界では野球部に入っていて、その野球部は弱い為、裏返しの日本一(最弱)を決める最終戦に進んでいた。助っ人を申し出たアリスだったが、左右逆の世界になれていなかったため失敗。安西くんを怒らせてしまう。だが、アリスが鏡の向こうの世界に来たきっかけとなった記者・宇佐木の裏の大会を廃止したいという提案に乗り、本大会の優勝者(最強チーム)と対戦することに。こちらの世界のライバルで、鏡の向こうの世界ではサッカー選手として活躍する五堂、同じくリトルリーグでピッチャーのアリスの女房役(キャッチャー)で、鏡の向こうではやはり野球をしていない兵頭それぞれに頼んで鏡の向こうの世界にきてもらい(こちらとあちらそれぞれ交代してもらい)、アリスの最後の試合が始まる―すんなり読めるお話。
September 15, 2009
相変わらずの万城目ワールドだが、人知の及ばない力がない分、無理がある(笑)豊臣家の末裔を本人に知られずにこっそり、でも、大阪中の男(条件あり)で守れ!末裔が危機に陥る時、「大阪国」は立ち上がる―~ネタバレメモ~豊臣家を持ち出した為、残念ながら名字(名前)でネタバレしてしまうのがもう・・・。国家予算が正当に使われているか調査する会計検査院の三人、松平、鳥居、ゲーンズブール(旭)。不審な国家予算は日本が大阪国と条約を結び、長きに渡って使われていた。それを認めないとした松平は大阪国と対立。立ち上がった大阪国(18歳以上の男子。父親が亡くなる直前、秘密は受け継がれる)は、大阪を全停止して集まった!知らずに守られているため、自覚も何もないままなのは中学生の橋場茶子。女子になりたい幼馴染・真田大輔(父親が持ちまわり大阪国総理)を守り、彼をいじめるやくざの息子で先輩の蜂須賀に立ち向かって大騒動を起こす。それが、大阪国に予算を計上するのが面白くない内閣府から送り込まれた旭もかんだ計略に利用され、大阪国と会計検査院との対立が生まれた。大輔は中学生だが、父が総理で、真田家の男が代々豊臣家の末裔を守っていたため、父から秘密を知らされる。対立するが、死んだ父に反発し、秘密の受け継ぎを知らずに突っぱねていたことを知った松平が折れ、予算は今後も大阪国におりることになりそうだ。旭は実は大阪出身で、女は知っているが見守っている、男だけが知っていると思っている大阪国の実体がみたいと偶然舞い込んだ仕事(計略)にかんでいた。予算の使い道でもある、末裔の非常事態に大阪が全停止すること、これに意味があるのか・・・だって、集まったところで末裔が助かる訳でもないのが分かるのに。まぁ、末裔の為の名目で、大阪国(予算)維持のための集合ということなのだが。下らないと思われるような所に血の絆、プライドをもって力を注ぐ。粋なようだが、いかんせん設定の無理が祟って素敵さが生かしきれてないようなのが残念。
September 8, 2009
こちらも架空の設定が多用される短編集だが、現実にある概念というか、問題に通じるものがある。奥底に流れるものは深いが、ちょっぴりとっつきにくい話もある。・七階闘争七階で事件が多発した為、私の住む街では七階が撤去されることが決定された。何気なく七階に住んでいた私は、気になる女性が七階を守る運動をすることから七階護持闘争に一緒に参加することに。無関心な対象に対する理解の拒絶、無意識による隔絶、人の悪意の集積による嫌がらせなどを経て、結局、七階は撤去される。私は他階に移り住んだが、最後まで運命をともにした女性は七階とともに消滅する。その後、今回の騒動である七階撤去が仕組まれていた可能性を知った私は、失って初めて彼女が守ろうとしていた、かけがえのない七階を感じた。そして、別の街で起こった七階護持闘争に参加することに―反対運動のひとつにある、新築物件の他階に「七階」だと思い込ませるものがある。「刻まれた明日」の道守など、モノに概念を植え込んで安定させるという発想が三崎氏の根底にあるのだろう。無関心な対象に対する~というくだりはさまざまなところであることだろうな。・廃墟建築士人の不完全さを許容し、欠落を充たしてくれる、精神的な面で都市機能を補完する建築物であり、都市の成熟とともに、人の心が無意識かつ必然的に求めることになった「魂の安らぎ」である廃墟。廃墟建築士(初めから廃墟にするために計画して建てる。人は住まない)である私は愚直に廃墟を作る。国際的にはまだ三流評価の日本の廃墟だが、周囲の理解を経て、少しずつ増やしていく。かつて育てた男が独立した後に廃墟事業を拡大するが、偽装が発覚。偽装の再発防止策に奔走した私は、廃墟建築士を目指したきっかけの連鎖廃墟を妻と訪れ、これからはここで働く決意を妻に告げる。安全、規則を破っても事業を大きくし、派手に見せる側、地味でも愚直に作る側、これは色々なところに変換して考えられる。・図書館田舎の図書館の夜間開館の依頼を受け、派遣されてきた私。図書館調教マニュアルにより「仕事」、図書館の意識をさぐり、声なき対話をする。夜間だけ野性を取り戻す図書館は、かつて「本を統べる者」と呼ばれ、多数の本を引き連れて世界の空を回遊していた。それが組織的に本を略奪する狩猟者の跋扈により、絶滅の危惧に瀕し、多くが憤死。その状況を憂いた賢帝により、人間の知の欲求に応える代わりに、生命を脅かされぬ補償を得、建物に囲い込まれ、「図書館」と呼ばれるようになったのは今から800年ほど前のこと。そんな「図書館」も夜には「野性」を取り戻し、本は飛翔する。時に人を襲うこともある図書館の意識をさぐり、時には調教、誘導し、夜間開館に導く。夜間動物園の図書館バージョン。だが、安易に考える依頼主、危険を軽視し、野心をもった館員の勝手な行動により、本が暴走。それを鎮めたのは社長だった。地につながれ、奪われてもなお、静かに牙を研ぎ続ける。利益や自尊心の為、「野性」を軽視した代償は大きい。・蔵守何があっても蔵を守る。それが蔵守。システムと伝統のはざまに立たされ葛藤したり、中身が空だと知ってもなお、プライドを持って職務を全うする蔵守。人間と蔵自体、それぞれの蔵守のそれぞれの戦いが描かれる。無意味に見える職務にも意味があること、だが、視点を変えるとそれは仕組まれたものである時があること、人為的に破壊されたもののなかには取り戻せないものがあること、物語の奥底に流れる意味は深い。
September 8, 2009
しゃばけシリーズ第8弾かな?・はじめての眼を患った母を診た医者が嘯き、母が傾倒する生目神社への再建、それに伴う地鎮祭の為の鎮壇具・七宝を集めようとするお佐衣。彼女に心惹かれた(おそらく初恋)12歳の若だんなは、彼女に協力しつつも、彼女の母の仮病、眼医者の詐欺を見抜く。眼医者は逃げるも、生目八幡宮の主神・品陀和気命の罰があたり川へ落ち、七宝は河童が手に入れたらしい。年上のお佐衣は簪職人と駆け落ちをし、若だんなは涙をこぼす。これはただの過去話ではなく、ここが原因で今後の話は展開。・ほねぬすびと突然若だんなの目が見えなくなり、長崎屋に激震が走る。佐助と仁吉は若だんなの目の光を取り戻す為に奔走。そんな時、長崎屋に武家が頭を下げてまで干物の搬送(船)を依頼。だが、その荷が無くなり、長崎屋が弁償の危機に。目は見えなくても、耳などが鋭くなった若だんなは、依頼主の策略を見抜き、事なきを得る。若だんなの失明は、品陀和気命の仕業。七宝の代わりに昔に見たことがある若だんなの目を持っていってしまった *ほねぬすびと~「骨盗人」相手の骨折りを盗む。ただ働きをさせる者。の意・ころころろ河童が得た七宝を探す仁吉は、見世物小屋に捕まった河童に会う為になぜか河童を食べて力を得たい死者の魂の入った人形・小ざさ、見世物小屋から逃げてきた妖怪が見える少年・万太、同じく見世物小屋から逃げてきたが、仲間を助けたい妖怪らを抱え込むことに。仁吉は若だんなを思いつつ、彼らすべてに協力し、助けた河童から七宝の一つを手に入れる。亡くなった母に会いたい小ざさは黄泉へ(成仏)、広徳寺の寛朝に相談し、万太は秋英の弟弟子になることに。・けじあり小間物屋主人佐助はおたきと二人で店を切り盛りしていた。だが、毎朝「けじあり」と書かれた紙が見つかり、おたきは鬼を恐れ、店はいつの間にか大きく、奉公人まで現れる―広徳寺にあった妖が憑いた枕で生目神が寝たという情報を得た佐助が枕に憑いた男を思うあまりに鬼と化したおたきを救い、七宝の一つを得る。「怪事あり」のメモは、件の枕で寝たまま起きない佐助を心配した若だんなが寛朝に頼んで送ってもらっていたものだった。・物語のつづき七宝を含めた長崎屋手持ちの素晴らしい玉を入れた神用捕り罠を使って生目神を捕まえた一行。正解すれば若だんなの目を返すという生目神の条件を飲み、様々な昔話の続きを正しく予測できるか試される。最後に生目神が人間不信に陥った原因である、消えた神の恋人(人間)の行方(神と寿命が違う為、おそらく亡くなっていること。神とは時間間隔が違ったことが原因)を推理した若だんなに日の光が戻る。同じく人間とは寿命や時間観念が違う仁吉と佐助だが、若だんなの側にずっといると誓う。
September 8, 2009
梅雨ノ蝶おそめが縫箔職人に奉公に出た後の話。佐々木道場改築終了。柿落としは弟子も含めた強豪剣客の大試合に。婿入りが決まった師範・本多の代わりを勤める磐音に、玲圓から磐音に佐々木家への養子縁組の話が。受諾した磐音。おこんは速水(武家)の養女になった後、武家である佐々木家養子となる磐音と婚礼の予定。今津屋の後妻・お佐紀に懐妊の気配。おこんが奉公を辞める日も近い?磐音を襲う刺客。手傷を追い、今津屋にお世話に。刺客は城中からのものらしいが、二度目は撃退。今津屋を狙った盗賊も撃退。
September 8, 2009
・捨雛ノ川拡張中の佐々木道場の地中から、刀と異国の通貨が出土。刀は天神髭の百助に。南町奉行所の手入れに参加するはめになった磐音と品川。騒ぎに乗じて金をちょろまかそうとした竹村には笹塚からキツいお灸が。今津屋のために働き、おこんに心配をかけ、正月を迎える。佐々木道場師範・本多鐘四郎に入り婿の縁談が。縁談を受ける為、初恋の人の幸せを見守り吹っ切ろうとする鐘四郎だったが、変わり果てた初恋の人に驚く。おそめが縫箔屋の奉公を固く決意。怪しい唐人と対決する磐音。
September 2, 2009
RIKOシリーズや、聖なる黒夜、最近では花咲慎一郎シリーズにちらりと姿をあらわすようになった元刑事・麻生の話。時系列順ならば、所轄刑事・麻生龍太郎→聖なる黒夜→本書→聖母の深き淵→月神の浅き夢、だそうな。・OUR HOUSE 引っ越した家のタイムカプセル探しを依頼した女性の話。「聖なる~」後の練と麻生が描かれる。・TEACH YOUR CHILDREN受験面接の恨みを教師になってから晴らそうとする女性の話。麻生が所轄刑事だった頃に少年係の刑事で出世を目指していたが、今は同業者になっている沖田慶子と再会。 ・DEJA VU風邪を引いていった調剤薬局で出会ったバイトの青年にどこか覚えのある麻生。彼が殺人の容疑者になりそうだとの知らせを受け、彼の無実を感じる麻生は奔走。彼がかつて逮捕した男の息子だったことが判明。事件を通して、辞めても警察側の人間だと実感する麻生は、足を洗わない限り一緒にいられないと練に伝える。・CARRY ON元東京地検の検事で今は弁護士の後藤(今は離婚して早坂)絹子に再会。彼女の依頼を受けたが、その裏に隠された陰謀にも巻き込まれ、人助け。人の裏と表を垣間見る。・Epilogue練が前組長の遺言を受け、春日組若頭に就任することを決意。麻生に別れを告げる。このずっと先は最近の花咲慎一郎シリーズでかすかに垣間見れる(環がほのめかす程度)が、はっきりとはしないままである。
September 2, 2009
連続短編集。まっすぐ幸せになるようにと名付けられた直幸が書店で見かけたのは、まるで絵画のような美しい女性だった。友人の紹介でその女性と知り合い、やがて二人の交際が始まる。だが、彼女の持つ深い闇は消えず、度々陰が顔を出す―思考遊びのような設定が多い。~ネタバレメモ~・ふたつの時計川端直幸が書店で見かけた女性・高野秋は、転職した元同僚・黒岩正一と同じ会社で恋人の太田千草と同じ会社だったことから紹介される。同じ腕にピンクと黒の時計をはめる秋。それは彼氏説や遺品説ではなく、過去にした大きな決断、それを迷い、それをしなかった時間を刻んでいるのでは?と直幸は推理し、秋が壊れることを心配する。秋は支える人が必要だと直幸に黒の時計を渡す。・ワイン合戦二人が付き合い始めたことを正一、千草に知らせた席(居酒屋)でワインボトルを一人一本ずつ頼み、各自途中まで飲んでそれぞれ持ち帰るカップルを目撃。直幸は彼らはW不倫で、好きな相手がいるところでそんなせこいことをしないと言う家族へのアピール(カモフラージュ)だと推理。・いるべき場所ショッピングセンターで親を呼び出してほしくないという迷子(?)の少女・みさきと出会う二人。虐待、捨て子説など考えるが、彼女に接着されていたリュックに一千万円入っていたことなどから両親は既に亡く(自殺)、自分たちでは殺せない為、お金に眼がくらんだ人間にみさきちゃんを殺してもらう計画だったのでは?と推理。・・・これが一番無理があった。・晴れた日の傘千草と婚約した正一。千草の亡き父から正一に託されたのは一本の傘。それには私も護った娘をこれから護ってほしいとのメッセージだった。・・・素敵なようで回りくどくて誤解の危険があるメッセージだなぁ。・まっすぐ進め秋が実家に帰らないと決めた五年前の彼女の誕生日。その日、彼女の双子の妹が両親を殺して自殺していた。帰郷しなかったこと、精神不安定だった妹と距離を置いたことを悔いてふたつの時計を持っていたことを秋は直幸に告白。直幸は妹・紅葉が秋を殺すつもりはなかったことを解き明かし、秋と二人でまっすぐ生きていくことを誓う。
September 2, 2009
ほんのりのんびり微笑ましい「神去りなあなあ日常」の後に読むと、打って変わって爆笑の嵐、である。ロマンス小説の翻訳家が、自分の恋人との問題を盛り込んで訳してしまう「ロマンス小説の七日間」を思い出す暴走っぷり。このギャップがまた三浦しをんなんだろうなぁ。「光」みたいなものも書けるし。左遷部署である社史編纂室のメンバーは、課長以外姿を見たものがいない幽霊部長、実質的な室長でありながら、あと一年で定年をいいことに遅刻常習犯の本間課長、幸代の二年先輩で、専務の愛人と付き合って左遷されたと噂の矢田信平、出世を望まず、同人誌を作る時間を確保する為に昇進を断った川田幸代、営業から来た後輩みっこちゃんの五人。なんともゆるゆるな課は最低最悪だと思いながらも仕事はこなし、休憩中に社内のコピー機で同人誌(BL系)をコピーしても周囲に気づかれないことはありがたいと思う幸代。恋人でお金がたまるとふらっと旅に出る洋平も幸代の趣味には寛大だ。周囲には気付かれず、学生時代からの同人仲間とコミケに参加を生きがいにしてきた幸代だったが、それを課長に気付かれ、しかも、課長が社史編纂室でも同人誌を作ると言い出した―会社に隠された重大秘密を知った面々の行動に、幸代の小説(BL)、課長の小説?(時代劇風)がはさまり、なんとも軽やかというか、コミカルというか、真面目に不真面目なこの話、ついつい笑ってしまうので外出先での読書はオススメできないつくりでありました。~ネタバレメモ~適当に相槌を打っていた面々だったが、社史編纂の過程で会社が大きくなった裏に隠された重大秘密(取引国の王などに嫁がされた女性の存在。物語り好きな彼女が交渉窓口となる為の原稿用紙など)に気付いてしまう。しかも、その事実を隠蔽しようとする上層部の妨害にもあい、一致団結!左遷前は能力のあった面々(課長は王に嫁いだ女性の甥っ子というコネ入社なので除外)は奔走。裏社史を同人誌にしてコミケで販売することを決意した!!なんともコミカルな方法で会社と対立。同人誌を作れるようにといらぬフォローで資料室配属になった幸代とおまけの課長以外は元の部署に。あやふやな洋平との関係も、結局は大きな変化は無いのだが、ちょっといい感じなラスト。
September 2, 2009
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