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文庫で新シリーズスタート。こういう薄い文庫でシリーズ展開だと、先が待ち遠しい。もどかしい。1・風の刃田鶴藩筆頭家老の嫡男・吉倉伊月は、藩主長城守常寿が次男・圭寿に仕えている。筆頭家老・吉倉伊佐衛門の父と長城守の母は姉弟として濃い血縁で結ばれていた。長城守、圭寿のお供で鷹狩りに出た際、藩主が襲われた。刺客は鷹を操り、剣も伊月以上の動きを見せる。刺客に逃げられ、拝領の刀を折ってしまった伊月は、切腹の覚悟を決めるが、それを止めたのは刺客であった少年・燦だった。彼との出会いから、明らかになる真相とは―~ネタバレメモ~燦は伊月の双子の弟。尋常ではない能力を持つ「神波の一族」の生き残り。伊月と燦の母が神波の一族だった。だが、一族が管理していた金をめぐり、藩主が一族を討つことを決断。それを知った彼らの実母は自害。赤子だった燦は約定通り、神波一族の長で彼らの祖父・兎十が連れて行ったのだった。将来は分家して、寺子屋で教えつつ、戯作者になるのが夢というのどかな圭寿だったが、跡継ぎである兄が病で亡くなり、次期藩主として江戸行きが決まる。自分の血筋を知った伊月も彼と共に江戸へ。兎十は刺客は自分だと知らしめ自殺。祖父の遺言もあり、燦も江戸へ。燦を想う篠音、弟分の與次はこの地に残ることに。伊月・燦には隠された宿命があるらしい。~~~~~~~~~~~~~2・光の刃江戸での生活が始まり、藩の世継ぎとなった圭寿と共に窮屈な大名屋敷で暮らす伊月。異能の一族に生まれ育った伊月の双子の弟・燦も江戸の長屋で暮らしはじめていた。藩主となることを受け入れつつも、戯作者の夢も捨てきれない圭寿の頼みで、版元・須賀屋を訪れた伊月。その帰り、とある騒動を通して伊月は燦と再会する。大名屋敷内では、圭寿の命を狙う動きがでていた。~ネタバレメモ~須賀屋は神波の一族なのだろうか?神波の一族、伊月のことを知っており、戯作の作者が圭寿であろうことを予測しつつ、戯作者の才能は原石かもしれないとし、書き直すよう伝える。圭寿の作品は神波の一族がモチーフとなった「神波碧空伝」。圭寿は毒殺されようとしていたのだが、微量の毒の入った椀には手を付けていなかった模様。圭寿の危機察知能力(無意識らしいが)は異能である。このことから、彼も神波の血を引いているのかもしれないと思うのだが…。彼の夢は寺子屋→藩校へ。藩主となっても先を見据えている。圭寿に付き従い、伊月が家を継がず彼の影として生きるのではと不安になった義母・八重は、伊月の義弟であり、自分の息子が跡継ぎになることがないよう、伊佐衛門に離縁を申し出る。しかし、伊佐衛門はどのようになっても伊月が圭寿の影として生きるよう育てた(伊月に家は継がせない)と退ける。八重は前妻(伊月の実母)美加子が夫の心を今でも占めていることも理由だと告げる。燦も屋敷内の不穏な動きを嗅ぎ取っている。圭寿は自分が藩主となった時、燦にも手を貸してほしいと、燦と会いたいと伊月に告げる伊月に圭寿の危険を知らせた石崎が殺されたところで、続く。
January 31, 2012
建築探偵桜井京介シリーズ外伝。W大生(3年・21)だったころの神代宗が主人公。W大校内で出会った美少年・小森に頼まれ、絵のモデルになることを承諾した宗。小森の伯父は、宗の義父・清顕の紹介で会った、西洋美術史専攻の宮地教授だった。現在時点は2000年。神代55歳の時。西洋美術史研究者として、専門はイタリア・ルネサンス絵画、その中でも後期、16世紀のヴェネツィア派が中心の神代(私立W大学第一文学部教授)が、どういうきっかけで専門を選んだのか、複数の人物に聞かれたのがきっかけで回想。聞いた一人は、大学に入学して一年以上たつが、自分が何をやりたいか見えてこないという蒼(21)。1945年 宗誕生。1951年 宗の実母・藍川すず(旧姓中根)逝去(享年51)1964年 都立高校から現役で私立W大学第一文学部入学。1969年 W大卒業。(教授に論文を紛失され、意地で一年後、再提出)1971年大学院卒業。宗25歳。イタリア留学。物語は1966年、義父との距離をいまだとりかねる宗、小森との出会いによって事件に巻き込まれていくところと、過去、宮地と画家だった弟・葛城龍星との葛藤、留学時代に起こったこと、父との確執や、弟の死(自殺か他殺か事故か)について、カインとアベルの兄弟殺しやヤコブを祝福するイサクの話、贋作騒動も織り込まれて展開。それぞれの想いがすれ違い、時に誤解が悲劇を生んだ。~ネタバレメモ~葛城の贋作騒動に合わせて、神代の祖父で、画家だった仲根清太郎(この当時、そのことを宗は知らない)のこと(彼の模写も贋作として売られてしまったことで、彼は帰国後、精神を病んだこと)も織り込まれる。清太郎の性質を受け継いでいるかもしれないと心配した宗の実母・すずが、よその世界が見えてしまう質を持ちながらも、ちゃんと飼いならして生きているように見える清顕に宗を養子にしてくれるように頼んでいたことも明らかに。(その話を清顕にし、一年もしないうちにすず急逝)その後、そっと宗のために今回の資料を遺し、なおも謎と答えを残していた清顕。清顕視点で明かされる宗への想いはあたたかい。その資料に気付くのが今回(2000年)。最後の謎(仲根清太郎の贋作)が明らかになるのも遠くない、か?小森文也は実はフランスで亡くなっており、宗が出会った小森は彼に成りすまそうとした少女(小森の母に拾われ、彼を兄のように慕っていた)。事件に宗を巻き込んでしまうが、最期に彼をかばって死亡。宗は小森が実は少女だったこと、最後まで気づかず。宮地は事件後、W大退職。神代の論文を紛失したのは彼の後任教授。辰野は宗の危機に居合わせ助けるという、おいしい登場。
January 29, 2012
「陰陽屋へようこそ」続編。王子稲荷界隈ホストあがりの毒舌イケメン陰陽師・安倍祥明(子離れできない母が鬼門)がよろず相談ごとをうけたまわる占いの店「陰陽屋」で、今日も元気にアルバイトするのは妖狐・沢崎俊太。夜行性のため、昼間、学校では寝てばかり。入学したての高校の熱血担任・只野が乗り込んできて、バイトの危機!?俊太の両親(彼を拾った育ての親・人間)も健在。祥明がホストだった時の客が、占いが外れたから責任とって結婚しろと店に押しかけてきたり、俊太がほのかに想いを寄せる三井春菜にストーカーが?とか、義母・みどりの働く病院に幽霊が?など、こんかいもちょっとどたばた、ほのぼの、である。春菜をつけまわしていたのは、春菜の親友・倉橋怜のファンであり、春菜の取材していた委員長こと高坂に思いを寄せている遠藤の仕業。俊太が化け狐であることは祖母にもバレバレだったことが判明。そこから、祖母が小さいころに出会った妖狐・篠田のこと、篠田と祥明の祖父が友人だったことが明らかに。・・・病院にいたのは入院した妖狐だったり・・・?そのうち俊太の本当の親のことが分かったりもするのだろうか?
January 25, 2012
・聖なる血西暦2000年の暮れ、カトリックの総本山・ヴァティカン、ローマ教皇は龍緋比古の抹殺を決定。密命を受けた使者を日本に送り、復活した古代エジプト王と手を組むよう「究極の聖遺物」イエスの血を受けた聖杯のかけらを与える。だが、使者となった修道士セバスティアーノは、リュウ抹殺のために手を組むス・ネフィルに不審を抱き、また、リュウを擁護する透子の言葉を聞き、迷う。また、先輩夫婦が利用され、自身も巻き込まれた透子は絨毯屋の主人・源九郎兵衛に助けられる。九郎兵衛は1400年前のリュウの知り合いの鴉だった。毒を入れられたリュウが窮地に立たされる場面も。透子は龍への思いを自覚。セバスティアーノ(戸籍名:斉藤清太)は透子へ思いを寄せ、また、自身の信仰に揺らぎを覚える。・紅薔薇伝綺「聖なる血」の一件で負傷し、また、自身の立ち位置を決められず惑うセバスティアーノはリュウの家に身を寄せていた。ある夜、リュウの思いに感応(テレパスの能力も発揮)したセバスティアーノは、リュウの提案に乗り過去へ、13世紀イタリアの修道院に潜入することに。リュウが心を寄せた、異端カタリ派として炎の中に身を投じた少女・ロザムンドが転生していたかを確認するためだったのだが、修道院で次々に事件が起こる。魔に憑かれたのは誰か?少女は転生していたのか?万能ではないとは言うけれど、リュウがいると時空を飛び放題、で、過去と違うことが起こってもイレギュラーがあったから、ですべて済まされるし、セバスティアーノがいたらいたで、彼の能力がすごいからだっってなるし・・・そういや、第1弾なんて過去巻き戻し修正で、翠の死などはなかったことになったし、なんでもありな分、何が起こっても興ざめというか、また、過去ではなかったことになってるのかと。夢落ちばっかりってな感覚になってしまう。
January 24, 2012
・異神千夜日本の島から南宋人のもとに引き取られ、大陸に渡った仁風は、捕まってスパイとなる。仲間には大陸で窮奇を祀る村で巫女をしていたという女もいた。日本侵攻が始まるが、仁風の密告によって日本の危機は去る。だが、日本に置き去りにされた間諜仲間は女によって操られ、一度は逃げ出すも仁風は彼女との対決を決意する。女は鼬のような小動物を連れていた。・風天孔参り樹海に現れた一団は、風天孔参りをしているのだという。ガイドについていくと現れる風天孔に、一人ずつ入る。そこに入ると跡形もなく消失するのだという。・森の神、夢に還る女の影に潜み、彼女の夢に影響は与えてもそれ以上のことはなく、ひっそり寄り添っていたモノ。ソレは鼬行者となった、自分が生きていた時に縁のあった者と再会し、そして・・・。・金色の獣、彼方に向かう自由にさせて飼って?いた鼬に似た金色の獣。少年と少女。鼬の持つ不思議な力。同調。猫の墓堀人。鼬行者。稲光山がキーワードかな。どこか繋がっているようで、つなげると矛盾が出るような短編群。「夜市」の衝撃を超えるものはないなぁ・・・。
January 23, 2012
老舗旅館の長男、中学二年生の吉川逸夫は、自分がどこまでも”普通”であることを嘆いていた。同じクラスの文化祭の係が一緒になった木内敦子は、級友からいじめを受けており、誰よりも”普通”を欲していた。敦子は逸夫に小学校の時に埋めたタイムカプセルの手紙を一緒に取り換えないかと持ちかけてくる。彼女は手紙に自分をいじめた相手、どういじめられたかを書いたのだといい、それがある限り、いじめられたことを忘れられないからだというのだ。逸夫の家族は女将である母、頼りない事務長の父、女将を母に譲って、年の離れた弟の面倒を見る祖母・いく。敦子の家族は離婚後、働いているせいもあるが家のことに関心が薄いような母、ほとんどしゃべらない妹・史。旧家のお嬢様で、家を飛び出して旅館で働くようになったと話していた祖母の抱えていた秘密。一時期収まっていたが復活した敦子への陰湿ないじめ。ダムに沈むのは・・・。いくの育てる蓑虫が印象的。過去と現在が入れ子になって進む。もう間に合わないのかと思ったが、少しでも救いのあるラストでよかった。~~~~~~~~敦子は手紙を取り換え、自殺しようと思っていた。いじめられたから自殺、いじめた相手のせいで死んだと思われたくなく、タイムカプセルに入れた手紙の内容を当たり障りのない、楽しい生活だったと思われるような手紙と取り換えた。だが、一方でこの計画がどこかで失敗し、生きたいとも思っていた。敦子へのいじめが復活したのではないかとかすかに気付いても、確信が持てず、タイムカプセルの入れ替えに協力した逸夫。ギリギリで彼女の自殺を止めるも、彼女を本当に助けるすべが見つけられない。また、逸夫の祖母の過去話が嘘で、今はダムの底に沈んだ村に住んでいた頃の祖母の家は貧しかったこと、友人の死から父親の自殺、友人の死に責任を感じていること、祖父はすべて知っていたこと、などが明らかになり、彼女も変調をきたす。逸夫は二人と一緒に、自分に見立てた人形をダムに落とすことで、やり直しをすることを提案、実行する。
January 23, 2012
帰着準備号とあるように、番外編というか、総集編というか、インタビューあり、地図や企画ページあり、年表あり、短編あり、である。短編「橋の上」は磐音が佐々木道場へ入門前後の話。まだまだ若い磐音は、助けた娘の力になりたいと奔走するも、今のようにはいかず・・・。そんな磐音に玲圓が一喝。こんな日があったのだなぁ。という一編。故 児玉清氏もファンだったとか・・・。
January 22, 2012
不安を掻き立てられ、それでも読み進んでしまう恩田氏ならではの小説。月の裏側などを思い出した。最初、ホラーか?と思ったが、それは一瞬だった。伏線を張り巡らせすぎて回収しきれないのは相変わらず…のようだけれど、大筋はまとまっていたような。「何かが教室に侵入してきた」。学校で頻発する、集団白昼夢。夢を映像として記録し、デジタル化した「夢札」。夢を解析する「夢判断」を職業とする浩章も集団白昼夢を見た児童の夢札を見ることに。狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視た浩章は、そこにある符合を見出す。悪夢を変えることはできるのか。人は何処まで“視る”ことができるのか?夢の映像化、興味深いが、ちょっと怖いような、でも、見てみたいような。~ネタバレつれづれメモ~夢札の映像は、鮮明だったり、誇張されていたり、色がついたりつかなかったり。何かを暗示していることも多く、日本では基本的に医療分野のみ導入されている。機械の名が「獏」というのはいい。浩章の兄のかつての婚約者で、予知夢を見る女として有名だった結衣子。彼女が大規模事故に巻き込まれて行方不明(死亡として周囲は認識)となっていたはずだが、集団白昼夢を見た児童のなかで、鮮明にその情景を夢に描いた少女は、八咫烏を被る彼女を見ていた・・・。予知夢を見ることを自覚し、実験段階から夢札を引き、協力してきた結衣子だが、事故、事件などを未然に防ぐことがなかなかできず、周囲の注目、批判も受けていた。そんな結衣子が事故に巻き込まれた。実は事故後、とあるところで保護された結衣子は夢見がちとなっていた。彼女自身は夢を変える方法を探していたようだったが、夢札を引いたことのある人の夢を伝って出現(人々の意識にアクセス)していた。また、白昼夢のようにあらわれることも。このままでは彼女は夢だけではなく、現実にも介入してしまうようになるのか?集団白昼夢が続いたのち、集団消滅(行方不明:神隠し)も起こる。かつて秘かに彼女に想いを寄せ、彼女を支えたこともある浩章も彼女の幻を見、また、彼女が夢を渡るときのそばに自分もいたようだと知る。事件を追ううちに、胡蝶の夢状態、何が現実で何が夢か、他人の夢に入り込んだような錯覚にもとらわれるようになる。パニックの児童が仮面をかぶったよう(に皆同じに見えた)だったという表現は秀逸。夢札を引くと通路ができる。夢札を引くということ、引いた夢札をみるということ、人体にどんな影響があるのか、その結果がまだわからない頃だからこそ、危機感を持って注意深く観察しているところもあった。そして、夢判断のベテランは幽霊を見る。なぜ八咫烏だったのか、彼女が幼少のころに夢に見た鴉の足を埋める夢は何を意味していたのか。”あれ”の不気味さは結衣子ではなさそうだったのだけれど。彼女が変えたいとしていた夢・未来とは?・・・もう未来(予知夢)は見ないで夢の中にいる。それが彼女の願い。でも、起きて夢違観音を詣でるところでラスト。浩章と二人で。・・・浩章に妻いるけれども・・・。この後どうするのだろ?というのは下世話な心配?何故、再会がこの春だったのか?浩章に妻がいる設定は必要だったのか。この小説の終わりからどこへいくのか、気になるところである。その余韻がいいのかもしれないけれども。
January 13, 2012
放埓者と呼ばれた祖父の血が流れ、以仁王の軍に加わり平家に弓引いた父親が出家し、伯父のもとに弟と身を寄せることになった幼き日の日野忠範。ある日、浄寛という河原の聖と出会ったことから、ツブテの弥七、法螺房弁才などの河原者たちとも知り合い、彼らの暮らしに惹かれていく。後白河法皇が平清盛によって幽閉された頃、法皇に仕えていた日野家の暮らしは厳しくなっていた。日野家に仕え、支え、自分や弟たちにも何かと目をかけてくれる犬丸が六波羅童に捕まった。浄寛らの力を借り、影では後白河法皇の手下が暗躍し、犬丸を無事救出。その後、犬丸―後白河法皇の繋がりから、忠範には比叡山入山への道が開かれる。比叡山(天台宗)では範宴と名付けられた忠範はひたすら修行に励んでいた。だが、煩悩は消えず、悟りは開けず、焦る日々。比叡山内でも、幹部は血筋のいい出の権力争い、僧兵などもいりまじり、修行僧のなかにも出世を見限り、人里離れたところにこもる隠遁の聖などもいた。比叡山で若くして大秀才とうたわれ、当代随一の大学者と認められる法然房・源空が山を下り、草庵で念仏を唱えれば悪人でも救われるという教えを説き、民衆のみならず、一部権力者や武者たちに支持されているという。慈円に命じられ、法然房の草庵を初めて訪れた時には心に響かなかった教えが、様々な修行、経験、体験ののちに再び草庵を訪れた範宴の心に沁みこむ。比叡山を無断で離れ、法然房の弟子となった範宴は綽空と名を変える。誤解を招いても、それを利用し、既存の宗教、宗派を撃破しようという過激な弟子や、バランスを保とうとする古参の弟子、比叡山からの警戒、法然の教えを疎ましく思う者たち、教えを都合よく解釈して行動する者たち、範宴らに恨みを持つ元六波羅童の頭らが入り乱れ、穏やかな教えに不穏の影が。綽空は以前から心を寄せ、現在は恵信となった紫野と再会、のちに妻とする。法然上人の教えを記した選択本願念仏集の書写を許された綽空は、書写後、法然上人に善信と名付けられ、精力的に巷に出て専修念仏教えるように。過激な弟子の行動もあり、後鳥羽上皇により念仏停止の御触れが出され、一部は処刑される。法然上人(→藤井元彦に)や善信(→藤井善信に)は還俗させられ、それぞれ流罪となる。善信はこれを機に号(呼び名)を親鸞と改める。親鸞は妻・恵信と共に妻の故郷でもあり、叔父の一人である宗業が役目につく越後に、法然は土佐(讃岐国)へ。上下巻で終了ではなく、次は激動編に続くらしい。宗教というものは(だけでなく、様々な事象に通じると思うけれど)始めた人の思想とは違ってくるものなのだな・・・。さまざまな宗派があったり、修行にしてもどんな修行をするか、しないかもあるし、膨大な経典の中のどこを読むか、比叡山の中でも権力がいりまじって変節したものを戻したいと思う僧が出てくるが、戻すといってもそれまでに出来上がった仕組みに阻まれたりして大変だろうし、その中から抽出したり、大本に戻ったりしても、そこから始まればまた変わっていく。・・・。天台宗と浄土宗・浄土真宗の関係、成り立ち?や法然や親鸞のことを分かりやすく知ることができる小説。興味深い。
January 11, 2012
唯一の神の御名短編…中編集なのかな?・朝は紅茶の香り朝が苦手だったが、龍と透子の二人の仲に割り込むため、お茶を運ぶライラ(ライル)。・終わりなき夜に生まれつくとも龍の過去話。イエスの死後、砂漠をさまようリュウ(本当の名はない)。そこに現れたアダムの最初の妻と名乗る女・リリトは、彼をラハブ(ヘブライ神話の混沌の怪物)と呼び、イエスのための復讐をそそのかす。ティベリウス皇帝を殺害。自分の血を狙うリリトとの因縁はここから始まる。古代ローマ帝国が最も盛んだった時代、イエス死後から約100年の時を経て再びこの国を見たリュウ。そこにいたのは病みながらも偉大であったハドリアヌス皇帝だった。またもや現れたリリトを退ける。(皇帝に)自身の血をわけ与えようかと提案するも、病の快癒だけではとどまらず、不老不死になる可能性もあると聞いた皇帝は、その提案を断る。皇帝に仕える少年・トートもリュウの記憶に残る人物。・唯一の神の御名キリストの血をかすめ取った悪霊を追い、倭の国にたどり着いたリュウ。推古帝の治世のもと、リュウは摂政である厩戸皇子(聖徳太子)と出会い、主の面影を持つ皇子に惹かれ、羅?と名付けられ、彼につき従うようになる。帝の後継を巡り朝廷内の政争が激化。仏教推進派の皇子と対立する蘇我氏の血を引く、皇子の息子でもある山背大兄は異教・?教に取り憑かれてしまう。邪神に転んだことがあり、自身の肉体を捨て、邪神降臨を阻止するためにリュウと手を組む鴉登場。皇子を守り、またもや血の提供を拒まれるリュウ。その姿勢を潔いと思いつつも、彼の逝去を悼み倭を離れる。最後の、のちのイスラム教の預言者ムハマンドの妻にあったこともある、というくだりは必要なのか・な?まぁ、すべての宗教は創始者の思いとはことごとく別の形となってしまっているということを言いたいのだということはわかるけれど。・夜のやさしい獣200年前にリュウに血と名を与えられ、縛られてそばにいるというライルは、透子にリュウの血をもらい、自分たちとずっと一緒にいてほしいと告げる。透子は人間としてそばにいようと思う。
January 10, 2012
超伝奇小説だそうな。建築の描写が詳細なのは建築探偵シリーズからおなじみなのかな。そして、キリストっていう素材も好きなのかな・・・。吸血鬼、妖魔登場。・龍の黙示録保険会社をクビになり、職を探す柚ノ木透子(26)は、バーテンダーの仕事をしていたところから秘書の仕事を紹介された。雇い主は美術評論や翻訳を手掛け、オカルト分野では有名な著述家だという龍緋比古。先輩からは明治期にも同名の人物がいて、龍は吸血鬼だと脅される。面接に訪れた鎌倉の館で、龍は秘書を応募した覚えはないと言いながらも透子を雇うのだが。龍緋比古 赤子のころからイエスの血をもらい、実体を持った闇の者。 他の闇の存在のように飢えず、二千年の時を生きていることなどから、 キリスト教一派や闇の者らに絶えず狙われている。 イエスの死後、彼の血をかすめ取った闇の存在を駆逐し、イエス再臨を待望。 真名はない。ラハブと呼ばれたことも。 シモン・マグス、リリス撃退。 真実を伝えたのち、透子の記憶を消し、時間を巻き戻す。ライル リュウから血をもらい、実体化。少年、少女(ライラ)、哺乳類に変化可能。 リュウを守るため透子を警戒。柚ノ木透子 祖母がリュウを助けて重傷を負ったことから、彼の血をもらったことがある。 そのことから闇の存在シモン・マグスに利用され、 妹のような存在・翠を人質に取られる。 記憶を消されるも、取戻し、再びリュウの館を訪れる。再び秘書に。・東日流(つがる)妖異変青森の寒村に住む女子高生から受け取った手紙を読んだリュウが姿を消す。心配するライルに付き添い、透子も青森へ。そこには百年に一度行われる秘祭があるという。儀式の中心にいる「御還り様」とはイエスの息子か、吸血鬼か・・・?龍は女子高生・石塔小矢を助けようとする中で、イエスの再臨の気配のないこともあって自暴自棄気味になるが、透子の一喝を受け、持ち直す。透子は孫の小矢を助けたいとする生霊(於兎)の手引きで「御還り様」に対抗しうる荒覇吐の剣の当代剣士となる。闇の存在だった御還り様は龍の血を得られず、消滅。東北の被征服民に力を貸した荒覇吐=ラハブ=リュウ?剣を透子に託した姫神はその時の荒覇吐の妻?
January 7, 2012
燔祭の丘ようやく最終巻。姿を消した桜井京介。神代の話から推理し、京介が久遠アレクセイだったころに住んでいた館を探すため、北海道へ行く深春と蒼だったが・・・。京介が神代のもとに来る経緯がちょっと拍子抜け、だったような。個人的には。本編は終了だが、番外編の可能性はありそう。本編では描かれなかった神代のもとに来た直後、一般の生活になじんでいく過程というか、京介の高校時代ものぞいてみたいが、それは難しいのかな?~ネタバレメモ~1981年4月 久遠アレクセイ、工藤アキラの名で山奥にある全寮制の聖マカーリィ学院入学。(1年飛び級で中学生になっていた。)1983年11月半ば 学院で発砲事件と放火事件(爆破事件)が重なり、その後、学院は閉鎖。現在は修道院に。2002年~京介はその修道院となったところに軟禁…監禁?される。暗示で目が開かなくなる。2002年12月半ば 蒼、深春、京介を探しに北海道へ。進展なく、函館に蒼は残る。2003年3月 神代、消息不明に。神代はモイラと行動を共にすることに。2003年5月 蒼はカシマニキコ(ニキ)と出会い、久遠エレナらに会うことで、京介がアレクセイだったころに起こった事件を知る。深春は桜井了介に会い、またその後、綾乃とともに北海道へ。*年齢は2003年5月時点。久遠アレクセイ 33歳。=桜井京介。 母・ソフィアは自殺。実は父・グレゴリと血の繋がりのない。 自分を跡継ぎにしようといろいろ仕掛ける父に殺意を抱く。 監禁されていた修道院でアレクセイの罪と向き合うことに。 過去に学院で母のされた仕打ちを知り、 父を殺すため、級友を利用し、計画を立てる。 計画は狂い、後継者を失くすのも復讐の一環と自殺を試みる。 だが、傷ついた加島を助けるため、自殺を中断。 途中で気を失ったところを、門野・神代らに救出される。 「ボクハヒトゴロシ」の意味は加島を助けられなかったことによる。 その後、桜井京介として生きることに。 学院のことなどを封印していたが、箱の蓋が開かないか不安だったことが、 (特に夜)眠ることが苦手、本音をほとんど漏らさず、 いつも張りつめていたというところにつながるらしい。 今回の事件後、外部とのコミュニケーションが取れない状態となる。 初めは本当に。だが、その後はそのふりをして、 蒼・兼永・綾乃に介護される状態に。~2003年10月ごろまで。 それでも清算できなかった、父と繋がりがあったであろう 某ロシア教団の狂信者や、久遠家の遺産を狙う者らを 門野が正体を暴き、無力化するまで姿を消すことに。 海外を転々とし、2006年3月31日に戻ってくる・・・? 久遠グレゴリ 68歳。アレクセイの父。預言者のような存在でもあった。 アレクセイは1981年1月以来実際にあっていなかった。 アレクセイに自分を殺させることで、彼を後継者にしようと計画。 だが、モイラによって最後の望みも絶たれる。 久遠エレナ 63歳。グレゴリの妹。 事件を起こしたとされるアレクセイを跡継ぎとして認めず。 グレゴリの命を受けた松浦によって殺される。久遠モイラ 32歳。アレクセイの血の繋がらない妹。 久遠家の処刑装置として教育を受ける。 神代に求愛し、一時、二人で旅に出、蜜月を過ごす。 神代の優しさを感じ、彼から離れ、蒼の言葉から、 最後は蒼のためにグレゴリに手をかけようとした兄のため、 グレゴリを手にかけ、父と共に消滅を選ぶ。兼永規矩江 60代。家政婦。モイラの実母。モイラの実父は死亡。久遠家の姻戚。 松浦に襲われるも一命を取り留める。真鍋泉 50代。元医師。聖マカーリィ学院にも勤務していた。 松浦襲撃前に加島によって殺される。加島灑(あろう) アレクセイの元学友。加島家は久遠家の姻戚。 後輩だが、アレクセイが飛び級して入学しているため、同い年? グレゴリに騙され、利用され、去勢(真鍋が手術?)。 術後の不手際からか、血だらけのところを アレクセイが自殺を中断し、助けかける。 アロウの双子の姉、カシマ・ニキコ(ニキ)と名乗り、蒼に近づく。 また、アレクセイ(京介)を見張る修道士ニコライでもあった。 戸籍上は83年13歳で死亡したことになっている。白鳥雄大 アレクセイの元学友。両親、学院に反発。発砲事件を企てる。 計画参謀はアレクセイだった。 計画はグレゴリに利用され、自身は犯人に仕立て上げられ射殺された。 多和田哲朗 聖マカーリィ学院に勤務していた精神科医。 グレゴリの命でアレクセイの母・ソフィアと関係を持ち、 その証拠となるクロスと共にアレクセイにも魔の手を伸ばす。 クロスに仕込まれていた毒薬(ソフィアが自害用に細工)により、死亡。 桜井了介 61歳。元建築家。久遠エレナの元夫。 1974年8月、5歳の息子・桜井京介行方不明に。 1976年にアレクセイに会ったことあり。 1983年その息子の戸籍を、恩人・門野の頼みにより、アレクセイに貸す。 息子は両親の不仲を改善しようと、海でおぼれたところを救助され、 両親が自分を心配することで解決しようと考えたが、 そのまま亡くなったと思われる。(深春推理)松浦窮 30代。犯罪者。多くの患者を利用した彼も、グレゴリに利用される。 門野を襲い、京介も襲うが、高倉美代によって射殺される。門野貴邦 81歳。謎の実業家。幼き日のソフィアを知る人物。 6歳の娘をセーヌ川で亡くし、 そのことで責めた妻も亡くなった後にソフィア(当時8)に出会っていた。 ソフィアの持つクロス(十字架)は門野の娘のものだった。 高倉美代 門野の秘書兼ボディーガード。薬師寺香澄 蒼。24歳。京介と旧聖マカーリィ学院で再会。 グレゴリに利用され、命を握られるも、モイラによって救われる。 京介の介護・失踪後、復学。 2005年11月卒論執筆。大学院は教育学部を希望。臨床心理士を目指す。 ちなみに結城翳は大学を4年で卒業後、2005年4月に音大声楽家に再入学。 姉・響子は2003年に結婚。大阪へ。 遊馬朱鷺夫婦には2004年三つ子誕生。 栗山深春 34歳。フリーター。 最後まで京介に振り回さる。 綾乃の示唆で京介が介護が必要なふりをしていることを見抜くも、 そのことでまたもやほとぼりが冷めるまで姿を消す京介の 最後の挨拶を受ける羽目に。 京介の助言もあり、綾乃に求婚。2004年春結婚。 演劇制作やイベントの企画をする会社に入社。 2006年春 空想演劇工房の舞台を担当予定。神代宗 58歳。W大教授。 過去にアレクセイだけ助け、見捨ててしまったとの気持ちから、 モイラを受け入れる。 一時、退職願を提出したが、門野のにより休職扱いに。その後、復職。輪王寺綾乃 20歳。元霊感少女としてTVなどに出演させられていた頃の両親は、 実は本当の両親ではなかったこと、その後、輪王寺家ともめたその両親が 事故死したことから精神を病み、松浦のカウンセリングを受けていた。 門野が襲撃されたのち、深春と行動を共にし、北海道へ。 深春からの求婚をあっさり承諾。2004年結婚。2006年春第一子出産予定。デウス・エクス・マキーナ deus ex machina~機械仕掛けの神(作者のご都合主義みたいな言葉)
January 7, 2012
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