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人には刺激が必要。そう改めて感じている。退院してまだ4日めだが、バァの様子は明らかに違っている。まず、表情がはっきりしてきた。言葉数は少ないものの意思表示など反応もよい。栄養を入れた後は心拍数も上がり少々ぐったり感はあるが、それでも水戸黄門に目を向けたり庭を見たり、手を動かしたり、と「動き」がある。退院後2日目の火曜日の夜のこと、その日5回目の栄養を入れようと、点滴様の調整弁のローラーで栄養を落とす速さを調整しようとしても、それがまったく落ちない。うん??まったく何が起きたかもわからない。壊れた?まずそれを疑ったが、バァの管から外すとポタポタと落ちる。それではバァの管の問題?栄養を入れる前には、胃に管があるかどうか毎回空気を入れて聴診器で確認するが、そのときはちゃんと胃で「ゴボッ」と音がした。でもどうやら栄養は入っていかない。すぐに病院に電話で確認。指示に従って針なし注射器で空気を入れてみる。今度は抵抗があって全然入らない。「引いてみてください」それも無理。「詰まったのかもしれないですね。 とりあえず、今日4回は入っているので そのままにして、明朝受診してください」とのこと。退院後3日目ではや、病院へ行くことになった。ダーリンの車にバァを乗せて病院へ。正直、車椅子に座っていられるかどうかが心配。ところが私の心配をよそにバァは車椅子に座ったまま、たくさんの人を久々に見た、という顔で行き交う人をキョロキョロ観察。しかも顔見知りの病棟の看護師さんに3人ほど会ってちょっとお辞儀したり、指先だけで手を振ったり、なかなかの反応。ダーリンが朝イチで順番をとってくれていたので待つこと小1時間で受診。ドクターにもクチパクながらちゃんと挨拶をしてその後、「何するんじゃ?」と生声まで聞かせるサービスぶり。ドクターも「声も出てますねー」と少し驚いた様子。「家に帰れてよかったですね」とドクターに言われうんうん、と頷く様子も。レントゲンで確認して管の詰まりが判明。そういえば、前回管を交換してからかれこれ1ヶ月以上は経つはず。そろそろ替え時だったよう。退院前に管の交換をお願いしておくべきだった。ドクターが管を入れてくれるのをさらに待って、結局トータルで病院に2時間半ほどいたが、バァは、ずっと車椅子に収まっていた。さすがに帰りはぐったりしていたが、空腹のせいもあったかもしれない。無事受診を終えて、ホッ。帰宅後すぐに栄養をいれ、座位で1時間ほど過ごしてそのあとはグッスリお昼寝。気のせいかどうか、退院してから、寝るときの熟睡度も増したように思う。昼寝後、ゴロゴロ、タンの音がするので計ったら血中酸素濃度が80にまで下がっていた。タンの吸引で98まで復活。吸引もだいぶん慣れてきた。病院でさらに刺激を受けてまた少し反応がよくなったよう。ゆっくりゆっくりでいいから少しずつ元のバァに戻ってほしい。
Jun 28, 2012
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昨日、6月24日、半年と2週間ぶりにバァが我が家に帰ってきた。前日、前々日と微熱がでたため心配したが看護師さんたちにもなんとか頭を下げ、車中では少しぐったりしながらも無事帰還帰った途端に、ここが我が家だったかと思い出したように表情がはっきりしてキョロキョロ。障子を開けてやると庭をキョロキョロ凝視。半年間、ほとんど外の景色をみることもなく白い壁と天井しか見てなかったもんね病院ではあまり興味を示さなかった、でぶちん、こと、くまのプーさんやひつじのモモちゃんを撫でていつものように布団の中に隠す栄養の注入とその後座位約1時間で合わせて80分から120分ずつ、これが1日に5回。その間に、オムツを替えたり、体を拭いて着替えたり、痰を吸引したり、手足の関節を動かしたり、体位を変えたりなどなどやることはいっぱい。介護の合間に仕事をする、というような毎日になりそう。だけど、自然と顔がほころぶ。バァが家にいるそれだけで幸せな気分。しかも、家にいると合間で家事などの用事もできる。病院で4、5時間過ごすことを思うと心も体も断然ラクふと見るとダーリンもニヤニヤ(ニコニコ?)嬉しそう。バァの退院で半年ぶりに断っていたビールも飲めるまた、3人の生活が始まる半年長かった。この日が来るまで本当に退院ができるかどうか正直、頬をつねりつねり。ドクターから退院の打診があってすぐにケアマネに今後のことを相談。痰の吸引器のこと、利用できるサービスのこと不安もいっぱい。ところが、社会福祉協議会のケアマネは言った。「医療系には弱いので病院のケアマネに変えたらどうですか? かかられている病院は訪問看護もしてますし」ケアマネの台詞か?と思いつつも病院で相談。ところがなんと、訪問看護はしていない、と。それを聞いた件のケアマネは、笑いながら「すみませーん。どこのケアマネにするか決められるのは 利用者さんですからねぇ」そう言った。いつ私がよそのケアマネに変えたいと言ったバァのお気に入りのケアマネが別の支所に異動になってバァが返事もしないような、元々バァとも私ともあまり相性のよくないケアマネだった。思い切って変えてもらおう。そして3代目のケアマネは落ち着いた雰囲気のサバサバした人。質問への返答も的確で速い。そして、求めている情報をきちんとくれる。他市で相談員をしている友人から・痰の吸引器は市で給付してもらえるかも・鼻から入れる栄養は、食事扱いのもの(全額実費負担)と 薬価(保険がきく)があるなどと聞いていた。2代目ケアマネは「病院で聞いて」という姿勢だったが、3代目は、市にも問い合わせ、病院の看護師長にも自ら出向いて会い、私がほしかった情報をくれた。入院中、月に25000円払っていた栄養代、退院後も続くと思っていたが、薬価の栄養を1週間試してもらった結果、バァは下痢もせず1割負担の栄養でもOKとなった。これが3週間分↓バァは、人工肛門なので障害者手帳を持っているため、主治医の意見書と申請書、業者の見積りの提出で日常給付用具として痰の吸引器の給付も決まった。吸引器はレンタルが月5000円、買い取りだと65000円と言われていたので、栄養代も合わせると大助かり。バァの肌を傷つけないよう、伸びてた爪も短く切った。ベッドやエアマット、車椅子、リビングから車椅子で外にでるためのスロープ、バァと暮らす環境は整った。あとは、室温の管理など体調管理だけ。バァが我が家で快適に過ごせ、少しずつでも元気を取り戻せるといい。ちなみに半年ぶりのダーリンのビールは子どもが初めてビールを飲んだときのように苦くておいしくなかったとか。それでもほろ酔いで、にやけていたけど。
Jun 25, 2012
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前回の更新から、はや、4ヶ月近く経ってしまった。この間、私はどうしていたか。まず、フリーだった仕事を「開業」にしたため、その準備に追われ、新たにちょっと遠方まで出向く仕事が入ったり、さらにさらに、ダーリンの仕事の事務をちょっと手伝ったり、日中ヒマを見つけては、バァの病院に通い、夕方は仕事がすんでから毎晩9時半まで病院で過ごし、帰ってから10時頃に晩御飯、食べた後はソファーでうたた寝、こんな毎日。結果、私の体重はまたまた増えたよう。あな、いみじ。さて、本題。もちろん、バァのこと。前回の更新時には比較的調子が良かったが、この4カ月、アップダウンの連続。2月末、下痢が続く。高カロリーの栄養を入れてもらうようお願いしたが、栄養がドロッとしすぎていて管に詰まりそうになり、断念。3月初め、レントゲン検査で肺炎がだいぶん落ち着いていることが判明。バァの刺激のために音楽を聴かせることに。MP3プレイヤーに入れているのはクラシック、昭和の懐メロ、童謡。3月半ば、下痢が頻回なのでドクターに相談。なんと、栄養が逆流して誤嚥につながらないよう、経管栄養の管を十二指腸にまで入れていたことが判明。人工肛門のバァは、いったいどこで栄養を吸収するのか?ドクターに交渉して、管を胃まで上げてもらいそれとともに、栄養後は最低1時間ベッドを起こしておくよう依頼。3月末、嚥下のリハビリを始めるもなかなか効果上がらず。時々おしゃぶりをくわえさせて口に刺激を与えてみる。4月初め、静脈から入れていた高カロリー点滴が取れ、点滴時間が短くなる。血液検査で肝機能の値が悪くCT検査。特に異常なし。病院の前の桜が満開なので見せてやりたいとお願い。ストレッチャーで酸素ボンベつき。4月半ば、回診に来られたドクターに「あれ、誰ぞい?」ドクター苦笑。4月末、経鼻経管栄養が1日600キロカロリーから900キロカロリーにアップ。「バァ、今日はあったかいよー」「朝からぬくかったわい」的確な返事「こんばんは」と声をかける看護師さんに「まだ早い」これも的確。5月初め、静脈カテーテルを抜いてもらえ、点滴がなくなる。キモチ、タンの量が減ってくる。少しだけ嚥下のリハビリが進みリハビリ師さんがゼリーを一口試す。ひと口で「もういらん」。日によってしゃべる日があったり、まったくしゃべらない日があったり、バァの口数に合わせて私たちも一喜一憂。熱は、6度7分くらいから7度5分までを毎日行ったり来たり。微熱が続く原因は特定できず。5月半ば、久々に8度越えの高熱。CT検査でおさまっていた肺炎がまた悪化したことが判明。栄養かタンか、ゼリーか?誤嚥の原因は不明。体力の消耗が心配。抗生剤の投与で2日ほどで熱がおさまる。5月末、酸素の管がとれる。血液検査、CT検査の結果、多少水がたまっているものの、肺炎が収まり、全体的に、先月よりも値が良くなっているとの診断。何カ月も続いていた微熱がほとんど出なくなった。血圧、脈拍、血中酸素値ともに安定。数値的には安定しているがまったくしゃべらない日が続く。頭への刺激が足りないのか?あまり反応がない日でも「歌を聴くか?」には頷き、音楽を聴くと少しキョロキョロし始める。そして、とうとう、ドクターから退院の打診が径管栄養やタンの吸引などの練習をして、バァを迎える準備ができ、このままバァの状態が落ち着いていたら退院できることに不安がないといえばウソになる。また熱がでたら?急に体調が悪くなったら?それでも、「バァが帰ってくる」その嬉しさの方が大きい。家にいれば一緒にいられる時間も増える。してあげられることもあるはず。「バァ、今準備してるから 準備ができたら元気に帰ってきてな」「おぉ」ここのところあまり返事もしなかったバァが大きな声で返事をした。毎日ビールのダーリンが、バァが入院して以来半年、アルコール断ちをし続けている。バァが帰ってきた日のビールはまさしく、五臓六腑にしみわたるだろう。2日前、久々にバァが複数文節をしゃべった。「みんな寝たか?」みんなって誰?と思いつつ「寝たよー」と答えると、「あんたも、早よう寝いよ」バァは肺炎にも半年の病院生活にも負けなかった。半年、長かった。バァの髪がこんなに伸びた。
Jun 9, 2012
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