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欠けてゆく下弦の月。満ちてゆく上弦の月。明治時代の花王のマークは、右を向いた月。この下弦の月は、これから欠けてゆく月。しかし昭和に入り、月は左を向きます。つまり上弦の月は、これから満ちてゆく月。そして顔も若返ってゆくのです。花王は未来への希望を、そのマークに託したのです。月は人の心を、揺さぶります。虚空に浮かぶ、優しい光に。失うのではなく、満たされること。滅びの美より、生き抜く美。それが、今の時代が求める、真の美。「花王マークの変遷」
2008.01.31
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昨日、10万ヒットを迎えました。体調不調で日記を更新できず、すみませんでした。しかしこの記念日をこの様な形で迎えるのも、私らしいのかもしれません。振り返りますと、1万ヒットが2006年12月11日。1年1ヶ月強で、9万ヒット増えたことになります。急ピッチで数十万ヒットを迎えるかたも多い中、決して速いペースではありません。それでも続けてこられたのは、みなさんの応援があったから。ほんとうに、ありがとうございました。ブログを始めてからは大病知らずの私でしたが、久々に寝込んでいます。今は、病床でブログに向かわれるかたの気持ちが、少しだけ分かる気がします。普段は、私は日々の時間の重さを、あまりに軽く考えています。今日もまた時が過ぎ、私たちに残された日が1日減りました。日々、カウントダウンは進んでいます。ブログは時間がかかりますが、無駄な時間とは思いません。最近、著書,執筆が多く、今も5件の原稿と格闘中。その他に学会発表、いや、それ以前に本業とやるべきことは多い日々。それでも、私にとっては、今ほどゆったりと時が過ぎている時期はありませんでした。この状況を利用して、またブログの活動を記念して、すこしいたずらを考えています。ご紹介は数ヶ月先になりますが、いずれご紹介いたしましょう。数ヶ月先のその時まで、みなさん、一緒にブログを続けましょう。今日を楽しみ、明日に夢を見る。その希望に満ちた限りある日々を、これからも皆様と一緒にすごしたいと思います。今まで、ありがとうございました。そしてこれからも、よろしくお願いします。
2008.01.30
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花粉症がきっかけで、気管支炎になってしまいました。胸が痛い・・・。筋肉注射を打ち、薬を飲んで休みます。皆様へのご訪問は明日にかけて、寝たりおきたりしながらとなります。すみません。10ま・・・ヘ(X_X ;)/ ヘロヘロー。。。(lll __ __)バタッ
2008.01.29
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似ていても、違うものがあります。イカとタコ、どちらもスミを吐く。しかし料理に使われるのは、いつもイカスミ。タコスミのパスタはありません。イカスミは粘り気がありますが、タコスミはさらさら。パスタに、タコスミは使いにくい。イカは敵から逃げるとき、スミを塊として吐き、自らの分身とします。そして、敵の気をそらして逃げます。一方、タコはスミを煙幕として使います。そのため、イカスミは粘り、タコスミはさらさら。料理のために、イカスミは粘っているのではありません。またイカスミは、タコスミの30倍のうまみ成分も含まれます。さらにタコスミには、敵を麻痺させる成分も。そのため、イカスミはおいしく、タコスミはおいしくありません。タコスミが料理に使われない理由は、ここにもあります。セピア色は、イカスミから生まれた顔料。本来のセピア色は、黒褐色。しかし今では、セピア色も似て非なる色。似て非なる味を持つ、イカスミに感謝。似て非なる色を持つ、セピアに感謝。いつかは、この日記を書く、このときも、セピア色に変わるかもしれません。感謝の日々を、続けたい。いつかはくる、そのときまで。セピアにかわる、そのときまで。
2008.01.29
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イグノーベル賞の受賞内容を、あらためて拝見しました。イグノーベル賞は、風変わりな研究に対して与えられるノーベル賞のパロディ。例えば、ジャック・ベンベニストは、「水が知性的な液体で、ある出来事を覚えることができるという発見」に対して与えられました。さらに「水は記憶を持つだけでなく、その情報を電話線やインターネットで送信することもできるという発見」で、2回目のイグノーベル賞を受けています。もちろん、どちらも眉唾な発見です。 ロバート・マシューズの、「トーストはたいていバターを塗った面を下にして落ちることの実証」、ジリアン・クラークの、「床に落ちた食べ物を5秒以内なら食べても安全か」の研究などは、なんとも愉快です。これらの中で気になるのは、日本の受賞者。「たまごっち」は、「数百万人の仕事時間を、仮想的なペットの飼育に転換したことに対して」、「バウリンガル」は、「コンピュータによって自動的にイヌ語をヒト語に翻訳する機械の発明で、種のあいだの平和と調和を促進したこと」で、イグノーベル賞を受けています。ちなみに、今日の右下の商品は、「ごきげんニャンコのきもち」です。いずれも日本では話題になった製品ですが、海外では違和感があるようです。しばしば話題になりますが、海外では日本人のペットへの対応が異常に映るようです。ペットを人と同格に扱うことに、抵抗がみられます。昔の日本人は、眼鏡をかけて、カメラを持った姿で、海外の漫画に登場しました。いずれは、ペットを抱いた姿で日本人が描かれるようになるかもしれません。もしそうであれば、それを甘んじて受けたいと思う、動物好きの私です。「イグノーベル賞受賞者」
2008.01.28
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弟切草。映画でも知られたその花は、傷によく効く薬草でもある。そのお茶は、脳卒中,リュウマチに効くとされ、酒も造られる。弟切草に含まれるタンニンとセレンは、肝炎や癌にも効くという。しかし、忘れてはなりません。弟切草の花言葉は、「恨み」、「敵意」なのです。弟切草の悲劇の伝説。鷹匠の晴頼は、鷹の傷を治す名人。それは門外不出の、薬草による治療でした。ある日、その薬草の秘密を外に漏らした弟を、晴頼は切り捨てます。そして弟の恋人も、後を追うのでした。その弟の血潮が飛び散った草花が、弟切草だといわれます。この花言葉や伝説にふさわしく、弟切草は毒草でもあります。しかもその毒には、まさに深い恨みがこめられています。弟切草に含まれるヒペリシンには、体内の光化学反応を異常促進させる作用がある。日陰では問題ないこの成分。しかし弟切草を口にしたものが陽の光に当たったとき、突如として牙をむく。皮膚炎、脱毛を起こし、場合によっては皮膚の壊死に到る。特に家畜の被害が多く、皮膚の白い牛などが特に影響を受ける。弟切草を食べる蛾の幼虫もいるが、彼らは葉を丸め日傘代わりにし、その陰で生活する。色白の私は、皮膚が弱い。もし私が弟切草を口にしたなら、光を避け続けることになるだろう。弟切草を欲するなら、闇に生きるしかありません。それは弟切草の「恨み」と「敵意」の挑戦状。そして、弟切草のもうひとつの花言葉、「秘密」のベールに隠された、大きな罠に違いありません。
2008.01.27
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「水平線までの距離は何キロか?」は易しい数学の本。初めに答えが示され、それから説明となります。ですから、答えを明かしても良いでしょう。水平線までの距離は、約5kmです。5kmは近い距離に思えます。地平線も同じく5kmですから、遠くに見えても、容易にたどり着けるかもしれません。水平線の向こうに行けないと考えれば、それまでです。しかし意外にも、近い距離なのです。限界を、自分で決めてはなりません。どんなに近くても、永遠にたどりつけなってしまう。遠くにあると思えることも、意外に手が届く距離にあるのです。無理と決めるのは、ひとのこころ。可能にするのも、ひとのこころ。そして、幸福をもたらすもの。それも、ひとのこころ。
2008.01.26
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花粉症に苦しみながら、花について考えました。春になれば、綺麗な花々が咲き乱れます。花は生命の源。その種の繁栄のために必要なもの。それでも不思議な花もあります。竹の花はなぜ咲くのか、不思議でした。地下茎からたけのこが生え、次々と増えてゆく竹。その竹が、なぜ何十年かに一度、花を咲かすのでしょうか。竹の花の咲く周期は、意外にも判明していません。モウソウチクが67年、マダケが120年と考えられているくらいです。竹は花が咲くと、枯れてしまいます。その竹の花が咲く年は、不吉な年と言われます。その理由は竹の実に栄養が豊富なためと、昔、聞きました。竹の実を食べ、野ねずみが増えます。そして増えた野ねずみが田畑を荒らし、凶作となるからと。自身は枯れるにも関わらず、花を咲かせる竹。それは土地がやせることに理由があります。土地の栄養がなくなり、地下茎を使っても十分に竹が育てなくなったとき、花は咲きます。それは栄養豊かな、新天地を目指すため。竹が開花による死によって得るもの。それは、新世界への希望。死と生、破滅と希望、苦悩と夢。それらは、常に表裏一体のものなのです竹の花。それは、不吉な花ではありません。希望に満ちた、旅立ちの花なのです。
2008.01.25
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美しい羽を持つ孔雀。雄鳥の羽は、まばゆいほどに美しい。しかし雌鳥の羽は、茶色く、地味で、目立たない。それは、自然が与えたごく自然なからくり。卵を産み子孫を残すために、雌鳥はその身を守らなくてはなりません。そのためには、目立たない姿が良いのです。一方で雄鳥は、求愛のために、美しい羽で着飾ります。しかしその美しさは、命がけの危険をもたらすものなのです。命がけの愛により、子孫が生まれます。そして、雌鳥も卵を産み、年老いてゆきます。その年老いた雌鳥には、雄鳥の様な綺麗な羽が生えてくるのです。本来、孔雀は美しい羽を持つもの。それが若い雌鳥では、女性ホルモン、エストロゲンで抑えられていたのです。そして年老いて、女性ホルモンが失われると、美しい羽が雌鳥にも与えられます。まるでご褒美のドレスのように。時とともに、美しくなる。それは、人も同じです。経験の積み重ねにより、人は内面から美しい光を放ち始めます。時とともに増す、内面の美しさ。自然が人に与えたその優しい美しさは、究極の美と呼ぶ他の、何物でもありません。
2008.01.24
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少し気になることに、気がつきました。リンクをご覧頂くと分かりますが、私のブログが丸ごとコピーされています。私はこのエディタ・コミュニティをよく存じませんが、著者は「pktake」さんになっています。他の方のブログでも拝見した例ですが、ある意味でブログの乗っ取りかと思います。どなたか、このエディタ・コミュニティについて、ご存知のかたは見えませんでしょうか。【エディタ・コミュニティ】 西洋陶器を求めて - 国内外の洋食器 - /著者:pktakeさん寂しいのは、読者の少なさ。人気がありませんね。悲しくなります。また、ご指摘のとおり、私は感情的な奴です。はい。情報がございましたら、教えてください。
2008.01.22
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最近、アクセス障害が楽天さんで多発して、皆さんはお困りではありませんでしょうか。今日も先ほどからアクセス障害で、多くの方の日記にコメントが書き込めません。皆さんの日記を読ませてはいただいていますが・・・。かろうじでBBSには書き込める場合がありますので、そちらにはコメントしたかたもございます。コメント書き込みできなかったかた、すみません。また時間をおいてトライいたします。さて、この日記は書き込めるでしょうか?
2008.01.22
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「モディリアーニ ― 真実の愛 ―」を拝見しました。ようやくですが、Yahoo動画で無料配信されているのに気がついたのです。2月1日までの配信。早速拝見しました。とても良い映画でした。前半は単調で駄目かと思いましたが、後半とても良くなります。特にチャプター4以降が良いですね。1920年頃のエコール・ド・パリの画家たちとの関わりも見ることができます。モディリアーニの生き方は、無鉄砲。後先を考えない無鉄砲は、「無点法」から来ています。つまり、漢文で返り点や送り仮名がないこと、わけが分からないことです。それが鉄砲の伝来とともに、無鉄砲の当て字に変わりました。「真実の愛」の中で、モディリアーニと対立するピカソは、いつも鉄砲を手にしていました。対するモディリアーニは無鉄砲というより、「向こう見ず」の方がしっくり来ます。また映画を見ると、ジャンヌの行き方に賛同できなくなってきます。特にお腹の子供のことを考えると。モディリアーニは、心をこめてジャンヌを描きます。体を酷使してまで。その答えは、彼の作品にあります。きみの、こころがつかみたい。そして、それができるまで、目はうつろなままで、いるしかないから。【動画】 「モディリアーニ ― 真実の愛 ―」【過去の日記】 「アメデオ・モディリアーニ」
2008.01.21
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しずかに、おだやかに、何かが変わってゆきます。気温は上がり、温暖化が進みます。気温の上昇は、昆虫たちの助けになると思いがち。しかし、それは違うのです。カイコは卵で越冬します。卵には工夫があります。卵が凍りつかないために。それは卵中のグリコーゲンを、不凍液に変えるしくみ。そしてそのグリコーゲンの分解には、秋の暖かさが必要です。その後の厳しい冬。寒さの中で、不凍液はふたたびグリコーゲンに戻ります。そして春を迎えると、カイコの幼虫が孵ります。そのグリコーゲンを栄養にして。このグリコーゲンの再合成には、厳しい冬の寒さが必要です。秋のやさしい暖かさと、冬のきびしい寒さ。ともになくては、カイコは生まれません。暖冬はカイコには、むしろ残酷な仕打ちなのです。やさしさと、きびしさ。それは、人も求めています。うけとめなくては、なりません。やさしい光のもとで、生のよろこびを。厳しい寒さのなかで、生きることの奇跡を。そして春には、おだやかな風がふきますように。世界が、やすらぎでみたされますように。
2008.01.20
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強くペダルを踏み込んで、自転車を加速させる。しかしそこは、砂利石が散らばる悪路。マウンテンバイクのハイグリップタイヤも、空回りせざるを得ない。もし2WDの自転車があれば・・・。東洋理科大学と日本ロボティクスは、共同で2WDの自転車を開発しました。それは駆動トルクキャンセル機構と、フロントのフリーハブで実現されています。2WDではペダルを踏むと、ハンドルがふらつきます。しかしフロントが空回りし、トルクがキャンセルされるため、ふらつきは起きません。またコーナーでは、内輪差で曲がれなくなるタイトコーナーブレーキングが起きますが、それもトルクキャンセル機構で対応できます。こうしてできた2WD BIKE TERYO SPIRALは、異次元の走破性を発揮します。もう悪路を恐れない。砂利道も、ぬかるみも、雪も、起伏も、ものともしない。段差を乗り越え、坂道を駆け上る。そしてコーナーを力強く駆け抜ける、ハイテクマシン。それが2WDバイク。一度、このマウンテンバイクに乗ってみたい。*下記はショップのリンクですが、退店しています。メカニカルリンクのこの自転車に乗りたいものです。楽天ショップには、チェーンリンク式しかありません。2WD BIKE MTB TERYO
2008.01.19
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世界初の宇宙船有人飛行。ガガーリンは公式には、世界初の有人の宇宙飛行士とはいえません。ガガーリンの宇宙からの帰還は、現在ではこう判明しています。1961年4月12日7時25分。逆噴射ロケットに点火。しかしトラブルが発生。機械船と降下船の切り離せません。このままでは落下速度が速すぎ、大気の摩擦熱で燃え尽きます。しかし限界高度寸前で、機械船の分離に成功します。そして高度約7kmで、降下船から座席とともに射出。打ち上げの108分後、パラシュートで地面に降り立ちます。問題はこの着地。当時、国際航空連盟が定める有人飛行の認定基準がありました。それは、「宇宙飛行士が宇宙船に乗った状態で、着地または着水すること」とあります。そのためソ連は、ガガーリンは降下船に乗って着地したと、虚偽の発表をしていたのです。つまりガガーリンは、公式には世界初の有人宇宙飛行士ではありません。ガガーリンには多くの謎があります。帰還後に、彼が精神的に追いつめられたことは知られています。それほどに、彼には国家からの大きな圧力がありました。しかし1968年のミグ戦闘機での墜落事故死で、それも永遠の謎となりました。そしてその事故にも謎があるのです。地球の青さを除いては、宇宙は暗黒の空間でした。そしてガガーリンの周辺も、やはり暗黒に包まれていました。「地球は青かった」闇の中の光は、本当に眩しく、そして美しい。
2008.01.18
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へなちょこを見たい。もちろん、未熟者の意味の「へなちょこ」ではありません。その語源となったという「へな猪口」です。明治14年か15年ごろ、新聞記者の野崎左文が「へなちょこ」の言葉を使ったといわれます。彼が手にした猪口は、へな土で出来ていました。へな土は荒壁を塗るときに使う耐火度の低い土。この土で作った猪口は高品質とは言い難く、そのため「へなちょこ」の言葉が生まれたといわれます。もっとも俗説ではありますが。野崎左文が見た猪口には、外側に鬼の面、内側にはお多福の面が描かれていました。そして酒を入れると、じゅうと音がして酒を吸い込んだと言います。この猪口を見てみたい。低音焼成のへな土。上物とはいえなくても、楽焼に相応しく、土味のある猪口なのでしょう。お酒を頂きます。へなちょこに、飲まれる前に。お多福様に、飲まれる前に。
2008.01.17
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福寿草。テレビでも山菜と誤報されたことのあるこの花は、強い毒を持つ草。心臓麻痺を起こすアセトボキシンの他に、20種類もの毒を含みます。その根を10cmほどやかんで煮詰め、飲んだために亡くなった方もいます。福と寿の名を持つこの花は、福の神ではなく、死神がとりついています。水辺に咲くスイセン。その球根の毒、リコリンが嘔吐を招くことは知られています。しかし葉に触れたり、匂いをかぐことでかぶれる人もいるのです。それはフサザキスイセンに限ったことですが。スイセンの花がうつむき顔を挙げない理由は、その秘密にあるのかもしれません。うつむく白い花といえば、スズランです。ウエディングベルを思わせる、その純白の花は、幸福を予感させます。しかしその赤い実で失われる幼い命は、今でも数多くあります。実にある3種の毒。そのうちコンバラトキシンは、耳掻き一杯の量で人を死に至らしめます。その心臓毒は水に溶けやすく、花を生けた花瓶の水にも殺傷力があるのです。生前結ばれなかった恋人同士が埋葬され、その墓から咲いた花。それがスズランと、北欧の伝説は伝えます。スズランには、恋人達の恨みが込められているのでしょうか。可憐で、汚れなき花に与えられた、冷酷な毒。スズランを口に舞う乙女に、幸せのウェディングベルの音は届きません。花が、彼女に伝えるメッセージ。儚きものは、永遠に美しい。【関連日記】銀杏の悲劇 ― 毒のある植物 ―
2008.01.15
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病気というのは侮れないものです。今日は珍しく、NHKスペシャル「新型インフルエンザの恐怖」のお話です。H5N1型の鳥インフルエンザの人への、さらに人から人への感染が確認されました。流行すれば、日本でも64万人の死亡が予想されています。治療法に確証が得られておらず、誰も免疫のない病気は恐ろしいものです。流行すればワクチンも足りず、誰からワクチンを投与するかという、救うべき人の残酷な選択をしなくてはならないとのことです。私はインフルエンザも肺炎も経験があります。しかし、最も恐ろしかったのはマイコプラズマ感染症。症状の軽いマイコプラズマ感染症を、私は単なる喉の不具合と思っていました。しかしその不調は約2ヶ月続き、そこでさらに風邪を引きました。すると喉が腫れあがり、声がまったく出なくなりました。喉からかすれ声さえ出ない体験は初めてで、急遽、通院を始めます。病院でも、筆談でしか症状は伝えられません。そして抗生物質を投与し始めますが、まったく効きません。マイコプラズマには、抗生物質は効かないのです。40℃の高熱が出て、1週間で体重は10kgf近く落ちました。声も出ず、点滴を打ちながら、ようやく恐怖を感じ始めました。ここで、マイコプラズマではとの診断で薬を変え、急速に回復に向ったのです。適切な医療処置が受けられない場合、病気は恐ろしいものです。マイコプラズマ感染症の様に弱い病気でさえ、もし薬や点滴が足らなかったら助からなかったかもしれません。ましてや新型インフルエンザなら。その後、私はうがいや手洗いを励行し、少し調子が悪いとマスクをするようになりました。それ以来、重い風邪を引くことはなくなっています。過剰反応は不要ですが、防衛策をとって損はないでしょう。――――――――――――――――――――――――「鳥インフルエンザ、日本で64万人死亡も 中国で人に感染」(1月11日21時35分配信 産経新聞) 中国で10日、鳥インフルエンザの人から人への感染例が初めて確認されたが、このウイルスが人に移りやすく突然変異して「新型インフルエンザ」として上陸したら、どうなるのか。日本では64万人が死亡し、経済的にも損害が約20兆円に達すると未曾有の被害が予想されている。一部企業は極秘で対策を進めているが、欧米系企業と比べ、大半はまだ危機管理の意識が薄いようだ。(津川綾子) 鳥インフルエンザが人から人に感染し死者が出たのは、これまで東南アジアを中心に数例報じられていた。中国衛生省が10日、南京市の男性が、鳥インフルエンザ(H5N1)に感染・死亡した息子から感染したと発表。専門家の間では鳥インフルエンザが人に感染しやすく変異した「新型」の発生が時間の問題といわれており、日本上陸も現実味を帯びてきている。 実は、日本でも最悪のケースを想定して、シミュレーションがされている。 《1人のビジネスマン(東京在住)が海外出張先で鳥インフルエンザの「新型」に感染して帰国。だが、感染に気づかず電車で会社に通勤した場合、帰国から10日目には首都圏で22万4000人が感染。京阪神にも飛び火し、2万4000人が感染する》 国立感染症研究所はこのように、人に免疫がない「新型」がまたたく間に全国へと広がると予測。厚生労働省は国内で1人の発生から2500万人が感染して病院に行き、約2カ月で64万人が死亡すると推計している。
2008.01.14
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ハテナという生物がいます。それは学名hetena arenicola、「砂の中に住む謎の生物」の意を持つ生物。2000年に和歌山の海岸で発見された0.03mmのべん毛虫。体内には藻類を共生させ、動物だが葉緑体を持ちます。つまり半分、植物。変わっているのは、分裂し、次世代に生まれ変わるとき。ふたつに細胞分裂すると、一方にのみ葉緑体が受け継がれます。そして葉緑体をもつハテナは植物に、もたないハテナは動物になります。さらに動物のハテナが藻類を食べると面白い。藻類はハテナの体内に共生し、ふたたび葉緑体を持つのです。こうして、ふたたび半分動物で、半分植物のハテナができるのです。ハテナは15億年前に、植物が葉緑体を共生させて、多様化や光合成を始めた進化の途中を残した生物と考えられています。ギリシア神話でダフネは、アポロンから逃れるため、月桂樹に姿を変えました。動物から植物へ。その変身を、ハテナは今も続けています。高名な学者はハテナと名付けました。しかし、良い物を取り込んで進化すること。それは、私たちの学習に似た、ごく自然な進化なのです。
2008.01.13
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昨日、95,000ヒットを迎えることができました。ありがとうございます。95,000ヒットに最も近かったのは、95,002ヒット目のSIR JAPANさんでした。ありがとうございます。皆様の応援には、本当に感謝しております。また昨日は、更に嬉しいことがありました。自宅に可愛いわんちゃんの置物が届いたのです。それは、0722よしさんの15,000ヒット目となったカウプレです。0722よしさんは、工房マツモトを営まれる陶磁器の専門家。陶磁器に、実にすばらしい絵付けをされます。一度、HPをご覧ください。最近、私は連続でキリ番となりましたが、これは全くの偶然です。いつもの様にコメント返しにお邪魔して、キリ番となっています。これもブログならではのご縁だと思います。これからも、皆様とのご縁を大切にしてゆきたく思います。よろしくお願いいたします。
2008.01.12
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わたしは時々、お話の様な日記を書きます。お話といえば、おとぎ話。今日は、おとぎ話について書きましょう。室町時代後期に現れたお伽衆。古老の彼らは、戦国武将に使え、その合戦の逸話を語ります。如何に武将が勇敢に戦い、如何に偉大かを。お伽衆では、豊臣秀吉に仕えた曾呂利新左衛門(そろりしんざえもん)が有名です。後世に名が残るほど、お伽衆は重要な役目を持っていたのです。後にこの「お伽」をとって、「御伽草子」が書かれます。これは一寸法師などの、今日でいうおとぎ話。やがてお伽衆は廃れ、名を借りた「おとぎ話」のみが残ってゆくことになるのです。時が経ち、人々の心に残ったのは、屈強な武将の武勲ではなく、小さな一寸法師のお話でした。昔のお話の日記のひとつです。【古い日記】「夢の間だけでも、かなうなら ― 純白の紙 ―」***************************上記の古い日記に、北猫さんのコメントがありました。北猫さんが退院するときのこと。そして下記の日記で、北猫さんを思い出しました。【古い日記】「北海道への遠い旅 ― とおさんペンギン ―」私は、何も分かっていませんでした。
2008.01.11
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おみくじを3回引いたら、3回とも大吉だった人がいました。これは運が良いことなのでしょうか。おみくじの割合は、吉が65%、凶が30%、半吉が5%といわれます。大凶はほとんどありません。もちろん、神社仏閣で差はあります。十分多量におみくじがあるなら、3回連続で吉が出る確率は27%。大吉では確率は下がりますが、大凶を引く方が難しそうです。大凶はめったに引けないので、むしろ縁起が良いともいわれるのです。末吉は時間が経てば、吉になるといわれます。中吉は、言い換えれば中凶ともいえます。吉も凶も、気分次第。運に頼らない幸せを、自らの手でつかみましょう。今年がすばらしい年になるように。2008年の日記の最後のページに、幸せの言葉を残せるように。
2008.01.10
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やあ、こんにちは。クールミントガムを見ると、思わずこう声をかけたくなります。しかし、みんなは気がついているだろうか?きみのその挨拶に。1993年から5羽に増員されたペンギンたち。その2羽目は、左手を挙げて挨拶しています。しかしその左手は、私たちへの挨拶ではありません。旧パッケージで40年間連れ添ったクジラへの、敬意がこめられているのです。2006年に復活した旧パッケージには、ペンギンとクジラがいます。それは1960年から続いた南極イメージの図柄。昭和31年、南極観測隊に供給するために生まれた、ビタミンC配合のガム。それがクールミントガムです。ペンギンを愛し、クジラを愛し、南極を愛するクールミントガム。あの5羽のペンギンたちは、地球の温暖化をどう感じているだろうか。やあ、ペンギンくんたち。きみたちは、今もまだ、ほんとうに元気なの?
2008.01.09
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水玉模様のパッケージの飲物、カルピス。その水玉模様は、カルピスの創業者、三島海雲のモンゴルの思い出。彼がモンゴルで飲んだ酸乳が、カルピスの原点。1922年の七夕に発売されたのにちなんで採用された水玉は、あの日、彼がモンゴルで見たあの天の川。当初は青地に白の水玉模様。それが1953年には反転し、白地に青い水玉模様となります。それは戦後の復興を反映した、明るい希望の象徴。モンゴルの空に始まり、日本の崩壊と復興を見つめてきたカルピス。空に輝く星を目指して、人々は努力を惜しみませんでした。人種差別と言われ、平成2年に姿を消した黒人マーク。問題視されたけれども、そのマークも私たちを見守ってくれました。日本らしい飲物を挙げるなら、私はカルピスを選ぶかもしれません。あまたの星を飲み干して、純白に浮かぶ水玉を光に変えて、明日への希望を強く、そして優しく、持ち続けるために。
2008.01.08
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いよいよ、本格的にお仕事を開始するかたが多いことでしょう。その前に、くつろぎのお時間を。柔らかい布団や毛布の上で、眠そうなとき、気持ち良さそうなとき、ねこさんは、前足をフミフミします。そしてフミフミは、いつまでも続きます。仔猫は母乳を飲むために、母猫の乳房を前足で押す行動を取ります。その行動の名残といわれるフミフミ動作。猫好きのかたは良くご存知ですが、この時のねこさんはとても幸せそう。母猫を思い出しているのでしょうか。わたしも、もう少し布団をフミフミしたいのですが、働かなくてはなりません。仕方なく、ねこさんの動画をお届けいたします。残念。【YouTubeから】 フミフミこねこ
2008.01.07
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初詣で祈祷を受けられた方も多いでしょう。正月は私たちが祈祷を受ける、数少ない時期です。しかし昔は、病気も祈祷で治していました。その祈祷する医師を、野巫医師と呼びました。野巫は田舎の巫女、または祈祷師のことです。「野巫」は「やぶ」と読みます。つまり野巫医師は、やぶ医者です。やがて医学は進化し、技術が劣り祈祷に頼る医師をやぶ医者と呼ぶ様になりました。もしあなたの病気を祈祷で治そうとするお医者様がみえたら、その人こそ、真のやぶ医者なのです。野巫医者に歴史的な価値はあるのかもしれません。しかし祈祷は、正月に済ませてしまうのが良さそうですね。
2008.01.06
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愛知県美術館のロートレック展もまもなく終わります。その人生に興味を持ちながらも、私はロートレックを理解しているとは言えません。パリの有名キャバレー、ムーラン・ルージュのための宣伝ポスター。それを手がけた彼は、身長153cmの小柄な男性でした。遺伝的とみられる骨粗しょう症に加えて、幼い頃の骨折。それがとても足が短い彼の外見を作り上げます。しかし彼は、自らの外見をジョークのネタにし、酒場で陽気に酒を飲みます。酒はアルコールのきついアブサン。その彼も自身に対する差別を感じていたようです。彼の描く絵は、踊り子や娼婦といった夜の女性。差別されるものへの愛情が、彼の絵にはこめられています。猛烈に絵を描き、猛烈にアブサンを飲む。そして酒で体を病み、1901年、わずか37歳で夭折します。ロートレックの絵がお洒落で陽気です。彼自身がジョークを好んだ様に。それゆえに、私は本当の彼を理解できません。彼がなぜ、酒と娼婦と絵に命をかけたのかを。人の本当の苦悩を理解することは、かくも難しいことなのです。そして、いつかはロートレックを理解したいと思うのです。【ロートレック展】 愛知県美術館 ロートレック展
2008.01.05
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皆さん、お忙しそうですので、今日は短めのお話を。世界で一番大きな生物は何か、気になっていました。皆さんは、何だと思われますか?くじら等考えましたが、違いました。大きさが8.9平方キロメートル(km^2)の大きさがある生物が答えです。さて、何でしょう?これほどの大きさがあるのは、動物ではありません。答えはオニナラタケ。実はキノコなのです。2000年にアメリカ オレゴン州のブルーマウンテンで発見されたオニナラタケのコロニーは、世界最大の大きさがありました。広大な森を覆うキノコは、全てのキノコが菌糸で繋がった巨大生物。しかも寿命は2400年とされています。生物の世界は、人の常識を超えるものです。【これはかわいいオニナラタケ】 オニナラタケ
2008.01.04
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今日は七福神最後の神、弁才天。ビンズー教での本名は、サラスヴァ-ティー。サラス(水)、ヴァーティー(富む者)から、インダス川を神格化した水の神です。水の流れは、音楽に通じ、芸能の神ともなります。日本での弁才天は、しばしば裸です。ヒンズー教で裸体が描かれるためと思われがちですが、そうではありません。弁才天は、インドから中国を経て、日本に来ました。中国では裸体は禁じられ、当然、服を着ていたのです。ただし弁才天の像を裸体で作り、その後に綺麗な衣装を着せる方式でした。そして衣装が痛むと、随時、着せ替えていたのです。しかし日本では、裸体への関心が高く、裸のままで像が置かれることになったのです。少し気の毒な弁才天。この寒空の中、彼女は意に沿わず、裸のまま好奇の目に晒されるのでした。*今日で、七福神は終わりです。連作となり、すみませんでした。明日からは、いつもどおりの気ままな日記に戻ります。【関連日記】 人とは違う生き方を ― 布袋 -【関連日記】 悲しみを内に秘めて ― 恵比寿 ― 【関連日記】 もう血に飢えることはない ― 大黒天 ―【関連日記】 時とともに変わる ― 毘沙門天 ―【関連日記】 星のように消えてゆく ― 福禄寿と寿老人 ―
2008.01.03
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軍神、毘沙門天。別名を多聞天。勝運の善神として名高い毘沙門天も、大黒天同様に闇の過去を持ちます。インドで毘沙門天は、宮毘羅(くびら)と呼ばれていました。宮毘羅は悪鬼の隊長で、凶悪な悪神。財宝を盗み出し、蓄えていたともいわれます。しかし宮毘羅は、金比羅と同一神。つまり水の神としての善良な面も秘めていました。やがて日本に渡り、毘沙門天となった彼は、吉祥天を妻とします。そして家庭を持つ、子育ての善神として変わってゆくのです。家庭が毘沙門天を変えました。仏法を守護し、勝運をもたらす毘沙門天。全てを聞き逃さない知恵の神、多聞天。その2面を持つ今の彼は、七福神と四天王を掛け持ちする重要な善神です。時の流れが、毘沙門天を善神に変えました。良い人生経験は、人を善に導く。暗い過去を持つ毘沙門天は、わたしたちにそう語りかけます。【関連日記】 もう血に飢えることはない ― 大黒天 ―
2008.01.02
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新年、あけましておめでとうございます。旧年中は、大変お世話になりました。今日は、まず眠られる方も多いかと思います。良い初夢をご覧ください。初夢は、一富士、二鷹、三茄子。諸説あるものの、庶民の憧れを表したと言われます。駿河で一番高い富士山。続いて高い愛鷹(あしたか)山。元禄時代に高値だった駿河の茄子。高いものへの憧れが、夢となって現われます。憧れを描く初夢。皆さんの初夢が、大きな夢を描かれますように。そしてその夢がかないますように。可能性に満ちた新しい年が、また始まりました。その新たな日々の輝きを、是非、皆さんの日記で拝見させてください。そうすればわたしも、少なからず幸せを感じることができるから。昨年同様、今年もよろしくお願いします。
2008.01.01
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