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柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺法隆寺の石碑にもある、正岡子規の句。この句を詠んだ時、子規は結核性の脊椎カリエスに苦しんでいました。雅号、子規。彼は結核になり、喀血します。当時の結核は、死に至る病。この血を見た彼は、以降、子規と称します。子規は、ほととぎすの異称。ほととぎすは、血に啼くような声で、そして血を吐くまで鳴くと言う。血を吐きながら、句を詠み続ける彼。それはまさしく、ほととぎす、子規そのもの。雑誌「ホトトギス」を創刊し、ほととぎすにこだわった子規。身を裂く痛み。詠み続けることが、生きる意味。それでも、結核性脊椎カリエスは、ついに子規の命を奪います。柿食へば 鐘が鳴るなり 法隆寺夕闇迫る法隆寺。柿の色が、一瞬鮮やかな、血の色に思えました。
2008.07.31
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淡水に住む忍者、ミジンコ。ミジンコの複眼は、ひとつしかありません。正面からミジンコを見ることは少ないので、気がつきませんが。彼らは25℃付近を最も好み、この温度では生まれてわずか2日で卵を産みます。もちろん、餌となる植物プランクトンが十分にあればですが。しかしこの温度は、ミジンコを食べる敵も好む温度。ミジンコは、季節で形を変えます。夏は、ミジンコは頭部にツノを持ち、シッポも長く尖ります。トゲトゲは、ミジンコを食べる蚊の幼虫に食べられないため。忍法、トゲトゲの術。魚の匂いをかぐと、ミジンコは体が小さくなります。大きいと、魚に見つかりやすくなるから。忍法、チビチビの術。水中の酸素が減ると、ミジンコは赤くなります。体内にヘモグロビンを作り、酸欠に対抗します。そして酸欠の水中には、敵となる魚もいません。忍法、水遁の術。夏の紫外線に弱い彼ら。紫外線が強いと、メラニン色素を作って黒くなります。忍法、日焼け止め。小さく身を潜めて敵をかわし、様々な工夫で身を守る。隻眼の忍者ミジンコ、ここに参上!【参考】 ミジンコ【参考文献】 花里孝幸:「ミジンコ その生態と湖沼環境問題」,名古屋大学出版会,(1998),230P
2008.07.30
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「不思議の国のアリス」の作者、ルイス・キャロル。本名は、C.L.ドッジスン。オックスフォード大学の数学講師で、写真家の彼。彼のイメージは、写真家としての活動によって形作られています。彼は少女の写真を多量に撮り、名簿にも107名の少女の名があります。洋服を着た少女、仮装した少女、裸の少女。その作品自体、学寮長の娘で10歳のアリスに捧げられたもの。彼が独身だったこと、そして彼の次の言葉も、いわゆるロリコンの印象を人々に与えます。「子供が好きだ。男の子を除いて。彼らには全く興味を感じない。」彼自身は、天才の特徴を備えています。天才は、右脳が発達していると言われます。そのため、左脳が司る、言語、数学、文字認識、人の顔の認識などが、しばしば劣ります。また左利きが多いとも言われます。彼も言葉に関しては、吃音症の障害を持っていました。数学講師でしたが、数字が覚えられませんでした。写真家なのに、人の顔をほとんど覚えることができませんでした。そして、左利きでした。彼のイメージはゆがんでいますが、その作品が少女への偏愛からもたらされたことは、否定できないようにも思えます。しかし、それは彼の様な天才が持つ、非凡性によるのかもしれません。「不思議の国のアリス」は、風刺的な作品。その作品には、社会的な地位のある大学講師でありながら、言語や記憶に苦悩する、彼自身が反映されているようにも思えます。ルイス・キャロルとして成功した彼。しかし本当の彼、C.L.ドッジスンが如何なる人物か。その問いに答えられる人は、今はもういません。
2008.07.28
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コパンダくんは、とても恐い話を聞いてしまいました。とても巨大な電気クラゲが、大空に現れるというのです。しかも、その電気クラゲは、時には赤く、時には青く光るとか。不気味に赤く光る、巨大な電気クラゲ。それは、コパンダくんには、悪夢でしかありません。あぁ、なんということでしょう。ようやく、電気ウナギの夢を見なくなったのに。あまりに、気の毒なコパンダくん。では、コパンダくんのために、少しお話しましょう。その電気クラゲの名は、スプライト。1989年に、雷雲,暴風圏の上空に現れることが確認された、巨大な謎の発光現象。形はクラゲの様で、大きさは1000kmにも及びます。しかし、わずか10分の1秒の発光で、眼で捕らえるのはぎりぎりです。さらには、眼に見えない1000分の1秒の発光、エルブスもあります。だから、コパンダくん、おびえないで。スプライトも、エルブスも、遥か上空の出来事。地上には、降りてこないから。それに、コパンダくん、知っているかい? その名前の意味を。スプライトは妖精、エルブスは小妖精。恐がらなくていいんだよ。あの光は、妖精たちの儚い舞なのだから。大空に、一瞬きらめいて、そして消えてゆく。そんな彼女たちの舞を、コパンダくんは、もう恐がることはありませんでした。【参考】 スプライト【過去の日記】 コパンダは 電気うなぎの夢を見るか? ― 感電 ―
2008.07.27
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熱帯夜は、お酒を飲んで眠りたい。この暑さでも、お酒が飲めない下戸の人は気の毒に思う。お酒は熱帯夜を、忘れさせてくれるから。酒豪,下戸には、遺伝があります。しかも、欧米、アフリカなどには、下戸はほとんどいません。下戸は、アジアだけの特別な遺伝。アルコールを分解してできた、アルデヒドを分解できない人は、お酒が飲めません。アルデヒド分解酵素ALDH2には、2種類の遺伝子があります。アルデヒドを分解するN型と、分解できないD型。これは両親の遺伝で、NN型、ND型、DD型の3種になります。NN型は酒豪。しかしND型はNN型の6%しか分解できず、DD型はゼロ。つまりDD型は下戸で、お酒を飲むのは危険です。日本人では、40%がND型、4%がDD型。欧米、ロシア、オーストリアなどは、ほぼ全員がNN型。日本人は、世界中で最もお酒に弱い国民。そもそも日本には、初め縄文人がいました。縄文人はN型のみ。そこに突然変異したD型遺伝子を持つ、弥生人がやってきました。お酒に弱い弥生人。ちなみに私は、おそらくND型。つまり、縄文人+弥生人。躍動的な造形の縄文式土器。質素で実用的な弥生式土器。なるほど、私がどちらも好きなのは、縄文人と弥生人の遺伝を持つからですね。陶磁器好きも、遺伝のさだめ。ならば、自然のさだめに身を任せ、陶磁器を、コレクション、コレクション。
2008.07.26
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モンシロチョウのさなぎ。幼虫は、さなぎの中で、蝶に変わります。あのさなぎの中では、何が起きているのでしょう。さなぎの中で起きていること。それは、幼虫の体の細胞の死。この細胞の死、アポトーシスには、さなぎの中でできるピエリシンが作用します。ピエリシンは、細胞を殺す不思議な物質。さらにピエリシンには、別の魔法の力がありました。それはがん細胞だけを殺す、夢の力。さなぎの中の体液は、抗がん剤になるのです。モンシロチョウのさなぎ。さなぎの恵み、それは美しい蝶の姿。さなぎの恵み、それはがんを防ぐ魔法の薬。厳しく、しかしやさしい自然。自然は、さなぎの中に、明日への希望を残してくれていたのです。【参考図書】 赤池学:「昆虫力」,小学館,2006年,197P
2008.07.25
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今まで、書くことをためらっていた日記。それを、今日は書きましょう。史上最強と言われる生物がいる。それは、クマムシ。乾燥しても、水を注げば生き返る。120年後も生き返り、放射線にも耐える。マイナス270℃の低温にも、150℃の高温も平気。電子レンジで加熱しても死なない。クマムシ伝説は、生物学者の間にも語り継がれている。しかし実体は、やや違います。乾燥には耐えますが、ゆっくり乾燥させなければなりません。シーモンキーと同様に、乾燥後に水を与えれば動き出します。これを乾眠と呼びます。120後に復活するのはデマらしく、9年ほどしか乾燥では生き残れません。乾眠では、高低温、放射線にも耐えます。しかしその後、クマムシが生き残れるとは限りません。史上最強と呼ばれるクマムシ。それは「となりのトトロ」の「猫バス」に似た、8本足でのこのこと歩く生き物。近所のコケに住んでいます。そして、その大きさはわずかに0.8mm。不器用で、歩くことも下手なクマムシ。こけてもがいたり、そのまま乾燥してしまうことも多くあります。小さな2つの目は、とてもかわいらしい。史上最強は、学者らの冗談混じりの愛称でしょう。放射線にクマムシは、宇宙から来たとさえ言われます。ますます、クマムシ伝説は高まってゆくでしょう。我らがヒーロー、クマムシ。誰もが、無限の可能性を期待します。このちいさな、不器用な猫バスに。【参考】 クマムシ クマムシの情報はネットに多く、ファンクラブもあります。ぜひ関心のあるかたは、ネットで検索ください。【参考図書】 鈴木忠:「クマムシ?! 小さな怪物」,岩波書店,2006年,116P
2008.07.24
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今年は、オリンピックの年。苦戦が続く、日本陸上界。その中で、マラソンは日本期待の種目です。日本人の体は特徴的。筋肉には、収縮速度が速い「速筋」と、速度が遅い「遅筋」があります。日本人の体の筋肉は、平均で遅筋の割合が70%です。一見良くない遅筋ですが、疲れにくい筋肉です。遅筋は酸素と結合するミオグロビンを多く含み、酸素不足になりにくいから。長時間、運動を続けられます。短距離選手は遅筋が50%、マラソン選手は80%です。つまり、遅筋が平均70%の日本人は、マラソン向き。あせらず、ゆっくり、着実に。それは、わたしたちに、できること。わたしたちに、求められていること。
2008.07.22
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なぜ、三毛猫の雄は、とても珍しいのでしょうか。哺乳類の雄雌は、性染色体で決まります。性染色体は、X染色体とY染色体の2種類。猫は性染色体を、2本ずつ持って生まれてきます。XとXを持つ猫はメスに、XとYを持つ猫はオスになります。「黒い毛になる遺伝子」も「茶色の毛になる遺伝子」もX染色体に含まれます。Y染色体では、毛の色は決まりません。つまり、「黒い毛のX」と、「茶色い毛のX」を持つと、三毛猫になります。三毛猫は、X染色体を2本持つ、メスでしかありえないのです。しかし、オスの三毛猫も発見されています。オスの三毛猫は、なんとX染色体を2本、Y染色体を1本持っています。しかも、このX染色体が、黒毛Xと茶毛Xでなくてはなりません。第3の奇跡の染色体を持つ猫、それがオスの三毛猫。*今日で日記を書き始めて、2年になりました。2006年7月21日から、日記を少しずつ書き始めました。日記の総数は、今日で712本です。思えば2年も日記が続くのは、私にとっては奇跡的。まるで、オスの三毛猫のよう。(笑)おそらく、私の持つ2本の染色体では、2年は無理だったことでしょう。しかし皆さんのご訪問やコメントという、第3の奇跡がありました。第3の奇跡を持つ三毛猫の様に、奇跡でブログは続いています。これからも、まだ奇跡を続けてゆきたいと思います。第3の奇跡、皆さんの応援がある限り。2年間、ありがとうございました。また、これからも、よろしくお願いします。
2008.07.21
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突然ですが、この湯呑をご存知でしょうか?左が上から見たところ、右が裏の高台です。 1年ほど前に入手した、この湯呑。シーサが面白いものの、使いにくい湯呑として保管していました。底の穴は、焼成時の割れを防ぐためと思っていました。しかし、この湯呑の正体が、突然に判明したのです。話は変わりますが、紀元前1世紀ごろの古代ギリシアに、ヘロンという偉人がいました。数学のヘロンの公式や、蒸気機関を利用した自動ドアなどの数々の発明を生み出した人。まるで200年以上生きたかのように語られる、謎の人物でもあります。そのヘロンの発明のひとつに、「戒めの盃」があります。それは、サイフォンの作用を持つU字パイプがついた盃。ある深さまでは、水を注いでも何も起きません。しかし水を入れすぎると、一気に水が流れ出し、盃が空になります。サイフォンの原理によるこの盃。面白いので、ストローと紙コップで自作しようかと考えていました。しかし、そこで「八分茶碗」という名を知りました。沖縄の「八分茶碗」は、別名「教訓茶碗」と呼ばれます。写真を見て驚きました。まさにそれが、私の持つ謎のシーサの湯呑だったのです。さっそく、水を注ぎます。ある深さで、急に底からあふれ出し、空になってしまいます。そして、これが「八分茶碗」であることが、実証されたのです。用途の分からない物を持っていること。今までシーサがサイフォンであることに気づかなかったこと。八分以上に水を入れたことがなかったこと。ご指摘の箇所は、満載ですね。もし知らずに、お茶やお酒をたくさん入れていたら大惨事になるところでした。何事も八分目が良いという、戒めの茶碗の教え。コレクションも、ほどほどにということなのでしょう。しっかりと教えられ、そして危うくだまされるところでした。2000年以上を越えた、ヘロンの悪戯に。【参考】 「戒めの盃の原理」
2008.07.20
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人が持つ生体時計、サーカディアンリズム。生物は、それぞれの体内時計を持っています。しかし、人の様な昼行性の生物では、体内時計の1日は24時間より長くなっています。一方で、ねずみの様な夜行性の生物では、体内時計の1日は24時間より短いのです。このままでは、生物は地球の自転のリズムに合いません。その生体時計を、24時間に合わせるのが、太陽の光。朝、起床時に太陽を浴びることで、生体時計はリセットされます。光は、人のリズムを整える、大切な治療薬。光には、人の心を落ち着かせる働きもあります。ストレスやうつを抑える、体内物質セロトニン。セロトニンは、睡眠中に作られ、朝の光を浴びることで分泌されます。光がなければ、人の心は乱れてゆきます。そして、睡眠不足はセロトニンを減少させ、人の心を乱す猛毒。人は起床して、14時間後に睡眠を促すメラトニンが分泌され始めます。しかしこの時、強い光を浴びると、メラトニンの分泌は止まり、睡眠不足に陥ります。寝る前の強い光は、睡眠不足を招く毒。安らかな睡眠の秘訣は、寝る時刻に向けて、だんだんと光量を落とすこと。良質の光を浴びることは、心の治療に役立ちます。ニューヨークやロンドンでは、「光カフェ」があります。喫茶店で、特別の良質な光を浴びて、心を落ち着かせることができるのです。ネットカフェで、長時間過ごす日本人。夜行動し、寝る前に朝日を浴び、睡眠不足を繰り返す。それは、体内時計を狂わせ、心を乱してゆく自虐的行為。光カフェで、静かに心を整える欧米人。朝起きて、朝日を浴び、規則正しく眠る。それは、体内時計を調整し、心を落ち着かせる自然な行い。サーカディアンリズム。人は太陽の光に目を開き、夜の闇に目を閉じる。太古からのこのリズムは、いかに文明が進化しても、変わることはありません。【参考図書】 「人生が10倍良くなる照明の法則」、中島竜興、講談社、2008年、175P
2008.07.19
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カラスほど、落ち着きのない鳥はいない。キョロ、キョロ、周りを見渡して、尾羽をふりつつ、別の場所へ。ヒョコ、ヒョコ、小枝を振り回し、飽きたらポイと捨ててしまう。チョロ、チョロ、キョロ、キョロ、あっち、こっち。それが、カラスの一日に思えます。遊んでいるとしか思えないカラスの様子に、思わず本を読みました。そこには、やはり思ったとおりのカラスがいました。電線にぶらさがり、大車輪をするカラス。滑り台を滑って遊ぶカラス。雪に倒れこみ、自分の形を残して楽しむカラス。やはり、カラスは遊んでいました。脳の重さと体重の比を、脳化指数と呼びます。この値が大きいと、知能が高いとのある程度の判断になります。ヒトの脳化指数は0.89、イルカは0.69、チンパンジーは0.30。イヌは0.14、ネコは0.12。そして、カラスは0.16もあります。カラスの脳化指数は、イヌ、ネコより高く、スズメも0.12ありますが、ハトの0.04、ニワトリの0.03とは別格です。カラスは、とても知的な鳥。2001年、「ネイチャー」に、道具を作るカラスが発表されました。葉を噛み砕いて棒状にし、虫を引き出す道具にするカラスがいます。2002年、「サイエンス」に、針金をフックの様に曲げて、虫を吊るカラスが紹介されました。まさに、道具を作るカラスです。遊んでいるように見えたカラス。まさに、カラスは遊んでいたのです。
2008.07.18
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今日も、縁起物。玄関脇、お店の入り口にある盛塩。なぜお店の入り口に、塩を盛るのでしょう。塩は、もちろん清めの意味。しかし他に、夏にふさわしい、別の理由も。昔、高貴な人は、牛車で移動しました。牛も歩けば、疲れます。特に夏は、牛は塩を欲しがります。お店の前に塩を置けば、牛は立ち止まり、塩を舐め始めます。あまりに店の前から牛が動かないため、人は仕方がなくお店に入るのです。そうしてお店は、多くのお客を集めました。それを真似、千客万来の縁起物として、盛塩が店の入り口に置かれます。工夫をして、勝ち残る。盛塩は、まさに商人の知恵の結晶なのです。
2008.07.17
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間もなく、掘りつくされるレアメタル。価格が急騰するレアメタル。それらの微量金属が、地球から掘り出せる年月は残りわずか。液晶テレビに必要な、インジウム。数年で価格が8倍に上がりました。そして、あとわずか6年でインジウムは掘りつくされます。このままでは、液晶テレビの買い替えも難しい。プラスチックの難燃剤、合金として必要な、アンチモン。プラチナより高くなったこの金属。掘りつくすまで、あと13年。鉄鋼、ステンレスに不可欠な、ニッケルはあと43年。マンガンも42年。モリブデンも46年で掘りつくされます。資源のない、日本の将来はとても暗い。ゴールドマンサックスの予想では、日本のGNP成長は横ばい。そして、2016年頃、中国のGNPに抜かれ、2030年頃には、インドにも抜かれます。そしてその頃、日本のGNPは、中国の1/3、アメリカの1/4に。日本では、レアメタルを使わない技術開発が不可欠です。そして、レアメタルのリサイクルもとても重要。レアメタル。それは、日本の生命線。レアメタルと共に消え去らぬよう、日本は努力しなくてはなりません。【参考】 「レアメタル」、産業技術研究所編、工業調査会、2007年、208P
2008.07.16
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小さくて、よく見ればかわいいねずみさん。ねずみさん、ねずみさん。あなたは、とっても縁起がよい。多産で、子孫繁栄の縁起物。ねずみさん、ねずみさん。あなたは、とっても神聖。大黒様のつかいです。ねずみさん、ねずみさん。あなたは、とっても働き者。寝ず身(ねずみ)と言って、休まず働きます。ねずみさん、ねずみさん。あなたは、とっても正直者。忠(チュウ)と鳴き、うそは申しません。いくら寝ず身に働けど、正直は天賦の才。私も真似て、チュウ、チュウ。【過去の日記】 もう血に飢えることはない ― 大黒天 ―
2008.07.15
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ナポレオン3世の皇后ウジェニー。彼女は月の神秘的な力を信じ、ルナソサエティを開催しました。満月の日や月曜に、舞踏会を開催した彼女。彼女は真珠を愛し、舞踏会でも身にまといました。真珠には、月の力が宿ると考えたから。30歳で初産の彼女。それは難産でした。しかし彼女は、月曜には月神アルテミスの加護によって生まれると信じました。事実、王子は月曜に誕生しました。王子の誕生の翌年、アメリカで淡水真珠が発見されます。海水真珠より、貴重で美しい真珠。ウジェニーは淡水真珠をことのほか気に入り、「クイーンパール」として広まります。ウジェニーは、ナポレオン3世にも、王子にも先立たれます。そして40年もイギリスの片田舎で生き、天寿をまっとうします。彼女は最期まで、真珠とともに過ごしました。神秘的な真珠の色。純粋な白に、華やかな橙に、気高い淡い紫に、輝いて。人の心を和ませ、そして静かに、なだめてゆく。月が満ち、欠ける様に。【過去の日記】 使いすぎに注意しましょう - ジョセフィーヌ -【参考文献】 「淡水真珠」、山中茉莉、八坂書房、2003年、125P
2008.07.14
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日本が上陸を恐れる伝染病のひとつ、西ナイル熱。中東、北アフリカの風土病だった西ナイル熱は、1999年にアメリカに上陸しました。そしてわずか3年で、アメリカのほぼ全土に伝染しました。西ナイル熱は、蚊によって伝染。そして、蚊から鳥にうつり、さらに別に蚊に広がります。アメリカの急速な感染地域の拡大は、この鳥によるウイルスの拡大によります。感染しても80%は発症せず、重症となるのは1%。しかしそれでも、2002年のアメリカでは、284人が死亡しました。また死者の大半は、50歳以上でした。恐ろしいのは、まだワクチンがないこと。また日本脳炎の様に特定の蚊を駆除すればよいのではなく、イエカ,ヤブカの多くの種類がウイルスを運びえること。日本でも12種類の蚊が、西ナイル熱のウイルスを媒介します。さらにウイルスを運ぶ鳥は、カラス,スズメなどの220種類。しかも鳥は感染しても無症状なので、元気なまま広範囲にウイルスを運びます。日本でも2005年に、海外旅行者で発症が確認されました。ワクチンがなく、急速な感染力を持つ伝染病の上陸は、時間の問題です。蚊に刺されることを恐れない日本人。かつては、平清盛や藤原道長が日本でもマラリアで亡くなっています。蚊を恐れた昔の日本に、また戻ってしまうのかもしれません。【過去の日記】 「沈黙の春」が奪った命 ― DDT ―
2008.07.13
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蚊は今日も、人の血を求めて彷徨います。人を刺すのは、メスの蚊です。蚊や蝶は、「匹」ではなく、「頭」と数えます。まるで巨象のように。蚊に刺されやすい人。それはO型の人。次に蚊が好きなのはB型の人。A型、AB型は、あまり好みではありません。蚊に刺されやすい人。それは体温の高い人。蚊に刺されやすい人。それは体の大きい人。体表面積の広い大人は、子供より蚊に刺されやすい。蚊に刺されやすい人。それは色の黒い人。蚊に刺されやすい人。それはビールを飲んだ人。炭酸ガスに、蚊は集まります。蚊に刺されやすい人。汗をかいた人。汗の中の乳酸に、蚊は引き寄せられます。日焼けして、ビールを飲む、汗かきのおじさんたち。奥様方、ゴルフに出かける、彼らにはご注意を。彼らは、いそいそと出かけます。何十頭もの、魅惑的な、メスの蚊のハーレムに。そこでは、彼らは“おおもて”なのですから。
2008.07.12
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私たちを守ってくれる犬。犬は、安産の守護神。犬が多産な動物であることが、ひとつの理由。しかし犬が姿を現すと、男の子が生まれるとされるのは、さらに理由があります。「犬」の字の点を上に動かすと「天」になり、点を下に動かすと、「太」になります。つまりは皇太子が生まれるとされ、男の子の安産につながります。生まれた子のおでこに、「大」や「小」を書く風習もあります。これも、初めは「犬」と書いていたそうです。犬は、子供を守ってきました。張子の犬のお守りを、子供に贈る地域もあります。これも文字がその理由。「犬」に「竹」をかぶせると、「笑」に似た字になります。つまり、にこやかな子供になって欲しいという願い。犬は、私たちを守ってきました。昔も、今も。いつまでも、「笑い」をもたらすために。
2008.07.11
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真実は闇の中。フランス人哲学者、そして数学者の、偉大なるルネ・デカルト。スウェーデン女王クリスティーナに招かれたデカルト。彼は、朝5時に起き、寒い街を宮廷に毎日通いました。そのため、肺炎にかかり、なくなったとされています。しかし近年、デカルトは暗殺されたという説があります。それはデカルトの最期を書き記した、医師の書簡が調べられたから。医師の書簡には、死因は胸膜炎と書かれています。肺炎の記述はなく、その症状に、セキ、発熱がほとんどありません。突然、2日間意識不明となったデカルト。その後、2日間、眠らず、食べ物をとりません。そして血尿などの症状の後、10日後に亡くなります。これは、砒素と睡眠薬を飲まされた時の症状。砒素を吐き出させないため、睡眠薬を与える暗殺が当時なされていました。暗殺は、女王クリスティーナの改宗の意志にあるとされます。プロテスタント大国スウェーデンの女王は、カトリックに改宗しようとしていました。そしてデカルトは、その女王に改宗を推奨したとみなされたのです。真実は分かりませんが、デカルトが宗教家から憎まれていたのはたしかです。彼の哲学が、神を否定すると考えられていたから。いずれにせよ、デカルトの死後、女王クリスティーナは改宗します。多くのいさかいや、犠牲者を多数生みつつ。国家の運命をも左右して。そして、クリスティーナの改宗の理由。それは、「暖かいローマで、日光浴を楽しみたいから」でした。
2008.07.10
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冷たい水が、おいしい季節。ウィスキーの水割りには、おいしい水が肝心です。厚生労働省「おいしい水研究会」の資料を見ていました。おいしい水とは、ミネラル、硬度、炭酸ガス、酸素を適度に含む水とのこと。当然、カルキを多く含む水は、おいしくありません。人工10万人以上で、水道水のおいしい都市は次のとおり。北海道:帯広,苫小牧、 青森県:青森,弘前、 秋田県:秋田、栃木県:宇都宮,小山、 群馬県:前橋、 埼玉県:熊谷、富山県:富山、高岡、 石川県:金沢、 福井県:福井、山梨県:甲府、 長野県:松本、 岐阜県:岐阜,大垣、静岡県:静岡,沼津,富士宮、 愛知県:名古屋,豊橋、 三重県:津,松坂、 鳥取県:鳥取,米子、岡山県:岡山、 広島県:広島、 山口県:山口、高知県:高知、 熊本県:熊本、 宮崎県:都城なるほど。では、ウィスキーの水割りを。ところで、近畿地方は・・・・。
2008.07.09
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ペットを苦しめる病気、フィラリア。以前、知り合いの飼い犬も、フィラリアでお別れせねばなりませんでした。体内の糸状の虫フィラリアが、心臓に寄生する病気。そのために、血行不良から突然死を迎えます。フィラリアは、トウゴウヤブカによって運ばれ、イヌに寄生します。蚊に刺されないのが一番ですが、外で飼う場合は困難です。そのために、予防薬「イベルメクチン」があります。これは幼虫の段階で、幼虫を退治する薬。成虫のフィラリアとなっては遅いのです。効果は1ヶ月。月に1回飲ませれば、予防効果が持続します。問題は、なかなか食べてくれないこと。上手く食べさせるコツが必要です。日本のイヌへのフィラリアの感染率は50%超。今なお、多くの友人が、この病気に苦しめられています。予防薬を、お願いします。少しでも長く、一緒に、生きていたいから。
2008.07.08
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中国では「天河配」という戯曲が、七夕に演じられます。貧しい牛郎が、水浴びしていた天女に出会います。牛郎は天女の羽衣を隠し、天女は帰れなくなってしまいます。そして天女は、牛郎の妻となり、やがて子供にも恵まれます。しかし天女は、女神の西王母(せいおうぼ)に見つかり、天に連れ戻されます。牛の力を借りて、天に昇る牛郎。天女に、あともう少し。その時、西王母は天空にかんざしで線を引きます。その線から、みるみる水が溢れ出し、それは天の川に変わります。ふたりは天の川で隔たれて、もう逢うことはできません。そして七夕に日に、ふたり、そして子供とも再会が許されるのです。夜空が街の光で明るくなり、星も見えなくなりました。天の川も見えません。天の川のない夜空で、ふたりは再開できているのでしょうか。
2008.07.07
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縁起の良いカエルの声が、昨晩も聞こえていました。縁起物としてのカエル。水神であり、天候を予知するカエルは、古来から神。カエルの名も、縁起がよい。幸せを祈って、福がカエル。旅の安全は、無事にカエル。財布のお守り、お金がカエル。入院しても、早くカエル。体の色も縁起がよい。緑、つまりは松葉色。年中色を変えない松葉の、縁起のよい色。私が好きなのは、目的達成の縁起物のカエル。名古屋にいたときに、小野道風の資料館にも行きました。書道の三蹟の小野道風。道風は、何度も柳に飛びつくカエルを見ました。そして、努力の大切さを知り、三蹟になるほど努力したそうです。カエルは、努力と目的達成の象徴。カエルの声が、聞こえます。本当に縁起がよいこと。それは、カエルが生きる、自然が守られていることかもしれません。
2008.07.06
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七夕に再開する、織女と牽牛。なぜ、ふたりは、この天気の悪い梅雨に、再開しなくてはならないのでしょう。2世紀に中国で生まれた七夕伝説は、8世紀の奈良時代に日本に伝わります。宮中行事の七夕でしたが、江戸幕府が五節句に定めて、民間行事となりました。その七夕は、8月10日頃。この頃の織女と牽牛は、幸せでした。梅雨の雨に泣く、織女と牽牛。ふたりの苦難は、明治6年に始まります。明治の改暦で、旧暦は新暦に。そして七夕も、新暦では1ヶ月前の7月7日に変わります。そのため、七夕は雨の多い梅雨時期となりました。本来、お盆も旧暦では7月15日で、七夕と連続していました。しかし、夏休みとずれるため、お盆のみは新暦では8月15日に変わります。人と祖先の再会のため、お盆は新暦となり、織女と牽牛の再会は、七夕が旧暦の日である限り、会い難い苦難が続きます。仙台七夕祭りは、8月7日。つまりは新暦で、日を改めました。今年は、ふたりの再開は叶うかもしれません。しかし、この8月7日なら、もっとふたりは安心できることでしょう。7月7日の七夕。この明治以来の意地悪に、ふたりは今なお、耐えています。愛し合うふたりのため、本来の8月の七夕に、ふたりの再開を許してあげて欲しいのです。
2008.07.05
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画家は絵のバランスのためには、必ずしも写実には徹しません。 東海道五十三次で有名な安藤広重。その絵には、あり得ない絵があるという。東海道五十三次の保営堂版に描かれた人物。その人物の足の指が六本あるという。その割合は、全絵の48%。約半数が6本指。リンクの絵で確認ください。例えば「藤枝」の絵は、6本指にも見えてきます。しかし、5本指ともとれなくはない。皆さんは、6本指、確認できましたでしょうか。雨で外出し難い日。ゆっくり、美術鑑賞はいかがでしょう。【参考】 「東海道五十三次」、 6本指は…。
2008.07.04
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すべてのおかあさんと、そのこどもたちに捧げる本。ある日、わたしは、あなたと出会い、ちいさな、あなたのゆびに、キスをした。やがて、あなたは、おおきくなり、そして、わたしの、こどもになった。うれしくて、ひとみがかがやいた、その日。かなしくて、みみをふさぎたくなった、あの日。まよい、さまよいながら、あなたはおおきくなった。やがて、時がきて、せいいっぱい、手をふりながら、あなたは遠ざかる日に。あなたが、さびしく、ふりかえる家は、おおきくなった、あなたには、おどろくほど、ちいさくみえる。さらに、時がすぎ、いつか、あなたのかみも、銀色にかがやく日。その長い年月の、そのはてのときが、あなたに来たのなら。わたしの、いとしいこ。どうか、そのときは、わたしのことも、おもいだして。そして、でも。おねがい、かなしまないで。あなたが、わたしを、おもいだすとき、もう、わたしは、あなたのそばには、いないから。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・絵本「ちいさな あなたへ」から。文章は、この絵本の文とは変えています。
2008.07.03
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温度で変わるお茶の味。お湯の温度で、お茶の味は変わります。例えば煎茶では、味の変化は60度と80度の間にあります。お茶の苦味成分、カフェイン。カフェインは80度以上で、お湯に溶け出す量が増加します。熱いお茶が苦いのは、このカフェインのため。お茶の渋み成分、カテキン。カテキンも80度以上で、お湯に溶け出す量が増加します。しかし短時間なら、あまり溶けません。熱いお湯でゆっくり入れると、お茶は渋くなります。お茶のうまみ成分、アミノ酸。アミノ酸は、低温でもよくお湯に溶け出します。だから低温でも、お茶は美味しいのです。80度より低めの温度で、入れるお茶。これが美味しいお茶の秘訣です。ゆっくりとお茶の温かみを感じつつ、カップを持つ手の温もりを感じつつ、心を静かに温めたい。【参考】 「さびる?さびない?金と鉄」、藤嶋昭、丸善、169P
2008.07.02
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