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ルドルフ・・・井上芳雄両親の愛に飢えている青年。随所に母への思慕が。とても繊細。細やかな感情。そんな感じが上手く表現されていたなぁ~と。皇太子としての責任感も、義務感も、とても持っているのに、だからこそ、期待に応えたいのに、そんな力は何も無い葛藤とか。フランツ・ヨーゼフと話す時の、猫背。でも、裏切れない父親への思い。複雑な風邪を引いている皇太子っていうのが伝わってきて、痛々しいぐらいでした。だから、ロミジュリごっこして遊ぶとことか、少しだけほっとするシーン。マリーの胸に顔を埋めて甘えるような、そんな弱さとか、違和感なくてやっぱり、さすがだなぁ~って思う。マリー・ヴェッエラ・・・和音美桜(たっちん)まずはたっちんの、スペシャル美声がこんな大舞台で聞けるなんて~という舞い上がり(笑)。マリーは強い。だから、ちょっとラリッシュとの関係性もちょっとなんか変かも。ただの世間知らずのお嬢ちゃんではなく、新しい時代の信奉者。人に何かを教わるって感じじゃ無くて、自分で知ってそして考える感じ。とても愛情深くて、包容力のある女性。癒し。だから、やっぱり心中しなさそう。←しつこい(笑)井上くんと声質がとても合っていて、2人の声が重なると化学反応。これはすごい発見した気がする。前回バージョンで大好きだった駅舎のシーンが、場所も変われば演出も全然変わっていたのですが、彼女のマリーで、マリーが駅の階段からカバンを投げ捨てて駆け下りる、あの演出で歌っているシーンが観たかった・・・。ターフェ・・・ライオンキングじゃなかった坂元健児彼は、本心はなんなのさ?彼の意見は実は理解しつつも自分の思い通り国を動かしたいからルドルフが邪魔なのか、本当に理解していなくて、たたの危険分子にしか見えないから、排除したいのか。王家に忠誠を誓ってるのか、そうじゃないのか。自分が動かすための手段としての王家?それとも、忠誠?ちょっとね、わかりにくかった。ライオンキング、歌はさすがに上手い。特に、2幕の幕開けのルドルフを追い詰めるように迫るとことか、すっごい良かった。あっという間に世界に引き込まれました。シュテファニー・・・吉沢梨絵前の知念ちゃんより断然好きです。歌と声が合ってる。一幕終わった時点では、なんかただの嫌な人になったなぁと思ったけど、彼女の見せ場は全部後半に来たのね。最後に一緒に眠るのはこの私!と歌い切るのとか、マリーとの対決も切ない・・・。彼の心がなくても、結婚していると言う事が私には全てなのと。むしろ、自分は愛しているからこそ、愛がなくとも妻でいる事が重要みたいなのが、切なすぎて、悲しくなりました。ラリッシュ伯爵夫人・・・一路真輝一路さんは良かったんだけど、ラリッシュの最初のソロのね、美しい戦争だっけ?あれが・・・。初演の構図が、というかダンスが好きすぎました・・・。っていうか、あれを観れる事を一番に近いぐらい楽しみにしてったのに、残念。あと、あのマリーに年上の友達いる?彼女の考えを理解してくれているわけでも無さそうだし。うーん。こんな感じかな?もう一回観たら変わるかなぁ・・・。でもなぁって迷ってる感じです。前回が好きだったって人にはお勧めしないかも。本当に、本当に全く違う作品です。ベクトルが違う方向って言っても良い。逆に前回のはあんまり・・・であれば、ベクトルがそっちを向いた可能性がありますので、迷うぐらいなら観て良いと思います。スタイリッシュって評判の舞台は、確かにあの丸い、額縁をイメージしたっぽい、あのセットとか好きだけど、全体的には地味かな。一幕のラストは主役2人が歌ってるだけで背景もないです。帝劇なのに。だから、え?これで幕間??ってなりました。これ、もっと箱が小さければ良かったんじゃないかって思ったりもしましたね・・・。すみません。なんだか曲の良さを生かし切れてない、ちょっともったいない感じの作品です。
2012.07.11
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ルヴォー版の新演出見てきました。初演の亜門版(ハンガリー版)も観てます。初演はなんだかんだ言いながら結構好きな作品だったんですよね。ただ、前の感想を読むと明らかに「エリザベート」のスピンオフ的な作品と私は認識してたようです。それでも、色々ドキドキしたり、ここが好きって思った場面が強烈にありました。なので、一度しか観てないのに、意外と前回の演出とか覚えてて、次はこれが来るはず、次はこれ、っていうのがあって、それが来ないので頭のなかでぐちゃぐちゃし始めちゃったのが、低評価の原因かもしれません。(あ、正直、前回版が好きだ-!!って感想になります)今回は、そういった従属作品のイメージを払拭して、完全に独立した一つの作品になったなぁと。曲の入れ替えや、キャラクターが減ったので曲数も減ったり。変な狂言回しが居なくなったので、より現実的な作品に。自分たちの考えで動く現代的な人達の集まりになったような。より、芝居的になったとも感じたかも。そのせいで、正直に言えば芝居パートで感情が止まってしまう事が何度かありました。パフォーマンスは素晴らしい!舞台全体のレベルが高くって、歌やダンスのシーンは釘付け。でも、より芝居的になったせいでほんのちょっとの話し方仕草が気になった。たとえば、ミッツィーとか。歌はいいのに、歌い終わって「あなた顔色わるいわよ」みたいなことをルドルフへ言うのですが、なんか発声が変っていうか、台詞の言い回しが変っていうか、なんていうか・・・芝居が下手・・・。そこから、私の中の「あれ??」が始まってしまって。あと、新聞社の場面も。ツェップスはいいんだけど、周りの人達とか・・・。なんかとても緊迫した大事な場面だと思うのに、台詞のやりとりが・・・。井上くんの1人芝居みたいに見えてしまう。だからとても冗長に感じて、わぁっと盛り上がった気持ちがそこで急降下しちゃうという。そんな事が何度かあったかな。全員がダメってわけじゃなくて、例えばルドルフとマリーの2人の場面とか。特に2幕頭のイチャイチャとか。マリーとシュテファニーの対決とか、皇帝とルドルフの対立とかは良かったよ。そこは、かなり入り込めて集中して観てたし。だから、普通の演技力の差がね・・・。うーん、うーん・・・となってしまいました。逆に言えば、そこが芝居として成立してたら、もう大好き!!ってなるのかもしれない。あと私としては、ルドルフの背景的な政治場面はもっと少なくても良かったと思う。2人が、恋に落ちる理由よりも、その深め方に興味があるなぁと。彼の置かれている立場も、彼の苦悩も、それがあってこそのラストなのも、それは解るんだけどね。あと一番大きかったのは、マリーの性格が変わったなぁと。前のは一回しか観られなかったので、勘違いかもしれないけれど、玲奈ちゃんのマリーもっと恋に一直線の勝ち気な娘って感じだったんだけど、たっちんのマリーは、賢くて、自由主義者というのが全面に出ているような。あと、演出にプラスしてたっちんの持ち味だと思うけど、母性本能が強い。自由主義者なんだけど、神経が細かくて細いルドルフに対して、本当にまさに母親のような包容力を感じて、凄いなぁ~と思いました。これは宝塚時代からそういうとこあったので、彼女自身の持ち味も大きいかな。だから、革新的な考え方の持ち主で自由主義の影響を過分に受けてるルドルフと、それを支える、同じく自由主義者で聡明なマリーがね、心中するかって話しなんですよ。ぶっちゃけ(笑)。いや、神経細かくてすぐに潰れちゃうか弱いエリート王子のルドルフはともかく、首相に馬乗りになって宣戦布告をやらかすようなマリーが、もうどうしようもないから死にましょう、そうしましょう!!ってなる事に、違和感。えーー、性格分裂してな~い??みたいな気分になりました。どんな事になっても、あなたと共に戦う!って感じじゃない?廃太子になってもいいじゃない、信念を貫く方が大事って言いそうじゃない?だって、今まで2人はなんだかんだと、自分達で路を切り開こうともがいて苦しんで、それでやってきたわけじゃん。ルドルフなんてもがきまくって。光を見つけたら叩かれ、自立しようとしたら叩かれ、確かにそれでは絶望するだろうし、いっその事、となるんだろうけど。でも、それでも戦うべきって感じの人だなぁって思ったんだよね、マリーが。だから、そんなあっさり・・・って、あの唐突な流れにビックリしてそのままラストを迎えた感じだった。あ、でもラストの蝋燭の演出は好きです。2人で一つ一つ、命の灯火を消していって、最後の灯火は2人一緒に・・・みたいな。2人の見つけた希望や光もこうやって一つ一つ消されたんだよって事なのかなとは思ったけど。納得いかないけど(笑)。ルドルフがどれだけ、優秀な皇太子であったにせよ、(生きていたら歴史が変わったかもしれないと言われる程の人だとしても)それでも逆らえない程大きな歴史のうねり、渦の中に巻き込まれたからこそのラストじゃない?彼の考え方は時代の波に乗っていたけど、それを認知出来ない人達に囲まれて、彼の生きている時間の中では早すぎたわけだよね。そのギャップがうねりなわけで、それはどんな優秀な人にもどうしようもない。そして彼が生きていられなかった事こそ、また歴史なわけで。だけど、その大きな逆らえない何かよりも、父親の壁を乗り越えられない若者、に見えてしまった。別に、物の怪みたいな、そんなキャラクター出さなくたって、そういうのは描けると思うんだよ。でも、感じなかった。なんでだろう・・・。私の見方が甘いのかもしれないけどね。だって、今回のバージョン大好評なんだもの。最後にこれだけ言いたい。井上くんは、タバコの吸い方がヘタ過ぎます(笑)。誰か教えてあげて下さい。ふかしてるだけなのに、そう見えない吸い方を(笑)。長くなったので、キャスト別は次の日記。
2012.07.10
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