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7/20 ソワレ キャストエリザベート(シシィ):花總まりトート:井上芳雄フランツ・ヨーゼフ:田代万里生ルドルフ:古川雄大ゾフィー:香寿たつきルイジ・ルキーニ:山崎育三郎まずは、花總まりで、一本あげちゃいます。 長くなりすぎた(笑)。実は私が宝塚を見始めたときは、タカコさんと組んだ時だったので、お花のシシィを生で見た事はなく。でも、宙組版を何度も何度も何度も、繰り返し映像で見てはため息をついていました。そんな私的にも待望な感じのお花! 印象としては、宝塚時代からさらに深く掘り下げてきたなと。常に努力してるんだろうと思うけど、歌唱力の向上も見られたし、説得力も上がった。でもやっぱり、子どものころの歌は苦手なのか、わざとなのか、ちょっと、だいぶ?ふらつく。「パパみたいに」は、表現ではなく、明らかに苦手なんだろうなぁと思うけど。あと、色んなところで「子供時代に違和感がない」「19年前と変わらない」とありましたが、確かに違和感は全くない。でも、19年前とは変わりましたよ(笑)。ちょっと大人になってる(笑)。でも、驚異の娘役力で、自我に目覚めるまでは、男性陣に寄り添って寄り添って。ただ自由に生きる父親に憧れる、田舎で育った世間知らずの女の子。それが自我の目覚めとともにガラリと変わる。歌唱力は本人比で飛躍的に上がっているけど、名歌手だなってほどでは当然ありません。でも、やっぱり芝居歌が驚異的にうまい!「私だけに」の中で「自由に生きるの!」っと歌ったところから、急激に輝きだし、白い衣装から何かを脱いでさらに白く美しく輝くさまが見えた! 憑き物が落ちた、というか、大げさでなく、本当に。ああ、この人、ここで完全に生きる意味を見つけたなって思う。 そっからはもう、お花様・・・でした。そして、1幕ラストは、神々しくて涙出た。フランツに対して、「陛下と共に歩んで参ります。でも、私の人生は、私のもの!」と言い切る姿が、 冷静に考えれば酷い女なんだけど、自信に満ち溢れてて、またオーラが変わってた。凄い。 二幕は、何度見ても、難しいなって思う。はっきり後半のシシィに感情移入はしにくい。 歌詞にもあるけど、本当にエゴイスト過ぎるからね。でもそれは、解放を求めてるからなのよね。 エリザベートは元々女性解放の物語。 シシィは、古い因習に縛られた女性の象徴で、 トートはその世界からの解放を求める心の象徴。 だから、トートはシシィの内面の葛藤であって、 シシィの死をもって、因習は破られ、二人は一つになって解放される。それが愛。という話しだと思うんだけど、 二幕はなかなかそのテーマが見えずらいというか、ウジウジ悩んでいるように見えて、 それで子供も放置で、ちょっと共感出来なない。 「パパみたいに リプライズ」で、「気の持ちようで、幸せに」と呼び掛けられても「自分は騙せない」と、突っぱねる。 その頑なさが、孤独を招いているのに。 愛されていても、孤独。「愛にも癒せない事があるわ。奇跡を待ったけど、起きなかった」と、歌う。 結局、シシィが死を愛したか、は解らない。 でも、死を受け入れた事は確か。そして、精神的には解放され、分裂されたものが一つになった事は確か。 その晴れやかさが、ラストの表情に出ていて、鳥肌でした。 ブラヴァ!花總まり!! 伝説の、待望の、と煽るに煽りまくられた宣伝のプレッシャーなんて跳ね返すその強さ。 期待以上のものを仕上げてくる精神力。才能。 完全引退しないでくれてありがとう!カムバックしてくれて本当にありがとう。 100年に一度の娘役、ここにあり、でした。
2015.07.25
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・新演出エリザベートひとまずおめでとうございます。一路さんが降りてからははじめての東宝版なので、本当に久しぶりに見たけど、薄い記憶の中のそれとはなんだか全然違っていた。まず、始まり方がおお!って感じ。そうくるのか、と。 あと、セット。死者たちが毎夜語り続ける、エリザベートの物語、という意味でこの棺のセットは悪く無い。 というか、実際にウィーンで霊廟を観てきたので、ちょっと感動。 ウィーン版エリザベートが斜めの板の上で、「私だけに」を歌い上げる事を考えると、 それをさらにデコラティブにしただけで、だいぶ寄せてきたなぁという意味でも単純に好きかな。 ただ、棺の上、という事でかなり高さのあるセットで、しかも2つの棺と棺の間が空いていて、 そこを役者さんが移動するので、それは確かに危ないなぁとヒヤヒヤしました。 案外、舞台装置って危険だからね。中日を過ぎましたし、皆さん本当気を付けて欲しいです。 全体的には若いパワーで、熱気がすごい。舞台も客席も。一幕終わりの盛り上がりが半端なくって、それだけで涙と感嘆が漏れる。実は東宝版はもういいかな?ってなったのは、一路さんが降板されたのもあるけど、最後に見たときにトートダンサーの動きが、ちょっと気色悪く感じちゃって、柱に括り付けられたり。それでうーん、ってなったのが大きかった。今回、ダンサーの皆様素敵です!!動きも割る目立ちしないけど、気が付くと超絶素敵ダンス。こういうの、求めてました。自分的に。変更点は最後に見たのが昔過ぎて覚えてないけど、あれ?ってなったのは、詩の朗読と、Hass!、精神病院。HASS!あんなに鈎十字押しでしたっけ?最後に旗が出てくるだけだった気がしてたけど。時代が微妙にずれるから、なんで今?って思うけど、ルドルフの予見、予知夢みたいなもんらしく。今のままだとこうなるぞ、的な。でも、それにしてもいきなりヒットラーっていうのは、 親切過ぎて逆にちょっとわかりずらいよね。いるかなぁ。ドイツ民族主義者たちです、ってセリフだけで十分過ぎる説明なんだよなぁと。ただ、アンサンブルの迫力もあり、なかなかカットするには惜しい場面ではあります。 ミルクと並んで自分もあそこに入りたいシーン(笑)。ドンドン踏み鳴らしながら、「20世紀はドイツ人のものにする時代!時代!!」ってやりたい(笑)。次に精神病院。東宝版は元からここの位置ですか?「勝ったのね!人に認めさせた。私はもう一人で飛べる、自由になるのよ!」と高らかに歌い上げた後に、次出てきたら「私が戦い続け、手に入れたものは何?孤独だけよ。耐えられず気が狂いそうになるの!」と歌うのはちょっと感情の流れが難しい。 せめて、皇帝の不貞の後じゃないとね・・・。この場所だと、自由を手に入れたつもりが、そうではなかった。自分を皇后だと思い込む患者のほうが、肉体は縛られても魂は自由だっていう思考に、どうしてなったのか?が入らなかったなぁ。でも、ここの演出で、自分は自由を手にするために闘って、手に入れたんだ、と歌うと患者たちが笑うのは好き。まさに、「虚しい戦い」なんだなっていう。あと、ゾフィーに抗議するフランツ。これも新しいのですか?最近はあったのかな?召されるときに、トートダンサーに迎えに来られてっていう、シリアスな感じになったのは良かった。王家のために自分を殺したんだ、っていうシシィとは真逆の人間だったという。実は一番共感出来たような。 ハプスブルグの事を本当に考えていたのはゾフィーだけ。義務を忘れた人間は滅びるしかない、という予言を残して逝ってしまったのは好き。史実、ゾフィーがハプスブルグ後期に残した功績は大きかったと思うし、 ただの、嫁いびり婆さんで終わるのはちょっとね・・・だから良かったって思う。 概要はざっとこんな感じかな。言いたい事はあり過ぎるけど、纏まらない! 長いのでキャスト感想は次に。
2015.07.23
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