琴音の徒然草
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トートより、先にどうしても、書きたいフランツ・ヨーゼフ。 田代万里生 この物語で、誰かに心を寄せられるとしたら、それはフランツだって思ってた。 だから、東宝版初代の鈴木綜馬さんのフランツが好きすぎた。 夜のボートで、凄く悲しく感じたし、一緒に苦しくなった。 でも!今回印象変わりました!! フランツも全然心が寄せられない(笑)。 でも、田代万里生くんは超良かった! 夜のボートは、とても悲しい曲。だけど、同時に、2人ともお互いを本当には見てなかったんだって改めて感じた。 お互いに「いつか、私の目で見てくれたなら、あなたの誤解もとけるだろう(でしょう)」と歌う。 そうなんだよ。互いの目で見れなかったの。それは、シシィだけじゃなくて、フランツも。 だから、フランツも結局、あの孤独にまみれたシシィに対して「すべて与えた」と言い切れる。 それは、シシィへの愛が崇拝だから。何を求めてるかは、本当には理解出来ないけど、 彼女が欲しいと言ったら、そのまま与える愛なんだ。 それしか出来ない。皇帝だから、それしか知らない。それを凄く良く表現してました。 鈴木綜馬さんの時に感じた、優しく憐れな人、というイメージとはまた少し違う、優しく憐れな人なんだよ。 最初からフランツのシシィへの愛は、自分が持てないもの、諦めたものへの憧れだった。 自分の手元に置いたら、必要な時にその憧れたものが自分の欲しい時に手に入ると思ってたんだよね。 でも、それが、実は違った。自由だから活き活きしていたシシィは、義務を押し付けたら反発して拒絶するだけ。 義務に対して、押し付けられるている、という思考すらない彼には、 なぜ、自分を拒絶するのか理解出来ないけど、欲しいというものを与えれば側にいてくれるという。 だから、与えてみたら、予想以上の強さと自我を身につけていた! そこで、憧れから崇拝に変わったなーと。 鏡の間の三重唱で、シシィが「陛下と共に歩んでまいります。ただ、私の人生は私のもの」と言った時に、えって顔をしつつ、 続く、「私の命委ねるそれは私だけに!」と自信満々に輝いて言い放つ姿に、あからさまに、そういう陶酔というか、驚愕というか、崇拝している表情をしてみせるんですよ、田代くんは。 だから、そこでの「エリザベート!」って歌詞の部分が凄く自然な流れに感じる。 精神的に、上下関係のような物が完全に出来上がった瞬間で、だから愛を得る為に与え続けるという流れ。 納得感あり過ぎて、感激いたしました。 でも、それでもすれ違う心の理由はやっぱりわからなくて、母親のせいにしてみたりもするけど、 結局、彼自身もシシィの目では見られていない、他人の心に寄り添えない、可哀想な人、という夜のボート。最高でした。 彼女を愛してるんだっていう気持ちには、間違いない。 だから、いつも彼女を真ん中において考えている。 でも、、愛し方を知らないし、出来ない。 そんなあまり共感出来ないフランツ。それが凄く良かったでございます。 若すぎると思ったけど、恐ろしいほどハマり役。 小池先生の言う所の、同世代の役者への挑戦状、しっかり叩きつけられてると思います! 素晴らしい!! 長くなったので、他の人はまた次の記事で(笑)。
2015.08.01
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