3日前に知った「ある作文」。
読んでいるうちに、目が離せなくなりました。
紹介したくてたまらなくなったので、紹介します。
中学3年生の作文。
昨年の「 少年の主張 」全国大会で、内閣総理大臣賞を受賞しました。
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「命」
夢の中の母は、泣きながら私に何度も何度も謝っています。
母の癌が発覚したとき、そのお腹の中には一つの小さな命が宿っていました。
でも、抗ガン剤を投与すれば、必ず赤ちゃんに影響が出てしまいます。
看護士だった母は、そのことを誰よりも知っていたはずです。
それでも母は、お腹の中の命を自ら奪ってしまった‥
どんなに悩み、苦しんだことでしょう。
生まれてくるはずだった私の弟妹‥。
でも、もし母の選択が間違っていたら、幼かった私の中の母の思い出は、
もっともっと薄らいでいたかもしれません。
母は、自分の命を選んだのではなく、
幼かった「私」を選んでくれたのだと思います。
「この子を残して今は死ねない‥。」と。
私が小学2年の11月、母は、再び倒れました。
誰かを呼ばなくてはいけない。
初めて見る母の苦しむ姿に、私は声も出ず、
金縛りにあったように立ちすくむだけでした。
やっとのことで父を呼ぶことはできたものの、再入院。
それでも、「死」とは、老いていく人からという安易な考えを持っていた私‥
幼かったとはいえ、今もその時の後悔を引きずる毎日です。
春になろうとする頃でした。
父から
「お母さん、死んじゃうんだよ‥。」と知らされました。
悲しくて悲しくて、庭の花を見ても(何呑気に咲いているんだよ!)と
憎くてたまりませんでした。
そして、どんなに父に諭されても、「お母さんは絶対に死なない。」と、
自分に言い聞かせていました。
しかし、その思いを裏切るかのように、
母の顔色は日に日に悪くなっていき、ついにはしゃべることも困難になりました。
そして‥私が三年生になったばかりの四月九日、母は天国に旅立ちました。
病気になっても、母は私の前では笑顔でした。
でも、その笑顔はいつも辛そうで、必死に消えゆく「命」と戦っていたのです。
遺影の中で笑う母の笑顔、泣きじゃくる私を抱きしめてくれた父の震える腕。
どれもが「命」そのものでした。
今日の新聞にも殺人事件の記事が載っています。
コンビニのトイレに生み捨てられていた赤ちゃん、
自分の欲望のためにいとも簡単に、あたかも人形のように無惨な姿にしてしまう
命の終末も絶対に許せません。
不況の中、自殺者も増えています。
母の苦しみを思うと、安易に命を奪ったり、
自ら生きることをあきらめたりすることに腹が立ちます。
その命はあなた一人のものではないのに。
お母さんから与えられたはずの大切な「命」なのに。
簡単に捨てないで!!
一つの「命」がこの世に誕生することは、
四億分の一の確率だと言われています。
奇跡なのです。
命はいずれ無くなりますが、自分で落としたり、
他人が奪ったりしては絶対にあってはなりません。
私の周りにも親を亡くしてしまった友人がいます。
でも、精一杯生きています。
「命」をしっかり受け止めています。
どんなにつらくても、それを乗り越えてこそ
「命」には価値があるのではないでしょうか。
人はこの世で何か役割を背負って生きていると思うのです。
母の役目は、きっと私に命の大切さを教えることだったのかもしれません。
母は今日も変わらない笑顔で私たちに微笑みかけてくれます。
病魔と必死に闘い、その一生を精一杯生き抜いた母を私は誇りに思います。
「お母さん、もう謝らないで。
私は大丈夫だよ。
元気だよ。
お母さんからもらった命を大切に、
大切に生きているよ。」
<静岡県沼津市立第三中学校3年 内村 綸笑>
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ここまで気持ちの入った作文を僕は知りません。
お母さんの気持ち、それから「私」の気持ちを思うと、胸が張り裂けそうです。
「命」の重み、ありがたさ。
広く、多くの人に知ってほしい、感じてほしいと思います。
これを知ったのは、あるメールマガジンでした。
『 てっぺん大嶋啓介の【夢エール】
Vol.1131』。
そのメルマガも、別のメルマガで紹介されているのを受けてのものでした。
(『 ドリカムキャンプ 輝けみんなの夢力
』)
人に伝えたくなる、力を持った作文です。
紹介していただいた臼井さん、大嶋さん、
そして作文を書かれた内村さん、
素敵な作文をありがとうございました。
(^0^)いつも読んでくださって、感謝します!
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