『 ザ・ファシリテーター
人を伸ばし、組織を変える』
(森時彦、ダイヤモンド社、2004、1600円)
このビジネス小説の読書メモを書いている途中です。
本日が第5回。(第1回は こちら )
学校教育に関係する話題から始まります。
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『ザ・ファシリテーター』
5
(今回は、第3章「全社改革へ」を参照し、4章の冒頭にも突っ込みます。
太字
部分が、本の内容。
顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)
<浮力の原理>
・二晩かけて、できない理由をどんどん挙げていってもらった。
→三日目もやろうと言ったら、
「もういいから、今度は、どうやったらできるか考えたい」と
前向きな気持ちが湧き上がってきた。
・壁いっぱいに書き出した「できない理由」を、
皆で見ながら、マッピングし直す。
後ろ向きのキーワードを前向きのものに書き直し、
貼ってあった「できない理由」を1件1件、カードを裏返すように
「できるやり方」に書き換えていった。
一面のマイナスを、一面のプラスに置き換えていく過程!
それはまるでオセロのようで、気持ちいい!
・後は、そんな会議をしなくても、アイディアを思いついた人が
会議室に勝手に来て、壁に貼ってあるフリップチャートに
気づいたことを書いていく。
この会議室は「アウト・オブ・ボックス」と名づけ、
「専用作業スペース」にした。
他の会議には使わせない。
・時々デジカメで撮って、壁に書かれたものをパソコンに落としては、
関係者に配信。
「アウト・オブ・ボックス」という名前が、
「箱から出る」という重要なネーミングに思えます。
僕が「箱の本」と呼んでいる、非常に影響を受けた本があるのですが、
その本のことを思い出しました。
・社員の行動を変えていかなければならない。
社員の行動を変えられないのなら、
組織やプロセスをいじっても混乱するだけ無駄。
上は社長の言葉です。
「社員を変える」というのは並大抵でないだけに、
社長の苦労がしのばれます。
物語中で、社長が改革のために行うパフォーマンスは、なかなかのものです。
たとえば、4章で改革のための若手精鋭チームを招集したときの
社長の行動は、次のようなものでした。(p203-206より)
・ホワイトボードを背にして立ち、両腕を左右に開いて言った。
「もっと前に来てくれ」
「私の体温が感じられるところまで来てくれ」
数歩後ろに下がると、自分の前に空間をつくって言った。
「座っていないで。さぁ、立ち上がって、前に出てきなさい」
→全員が半円陣を作る。
「今日は、よく集まってくれたね」
先ほどとは打って変わって、静かに、
ほとんど恥じ入るような小さな声で 語り始める。
語り→質疑応答の後、
一人ひとりの目を見ながら静かに言った。
「君たちに、期待している」
小さな声だった。しかし、ピアニシモで終わる交響曲のように、
全員の心に余韻を残した。
社長のこの語り、始め方や終わり方、
うまいと思います。
僕は何でも教室での授業に置き換えて考えてしまいますが、
教室で先生が子どもたちをすぐ前に読んで話をするときにも、
使えるかもしれない、と思いました。
ただ、こういうのは、テクニックというよりは、
話し手の気持ちが大きいですね。
形だけ真似しても、だめだとは思います。
でも、ほんとに話し手が切実な気持ちを持っている場合、
そばに呼び寄せて、静かなミーティングで、
皆の心に話し手の気持ちをしみとおらせるようなことって、
できると思いますね。
激しいやり合いとか葛藤があった後に、こういう締め方とか、
ゾクッとします。(^^)
(p143~p206より) ============================
次回は、改革のための若手精鋭チームSWATの
「 風変わりな自己紹介
」以降の描写を参照します。
では、また次回!
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