わたしのこだわりブログ(仮)

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2009年08月17日
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カテゴリ: 偉人・画家・聖人




エドヴァルト・ムンク(Edvard Munch) (1863年~ 1944年)
1890年代は、ベルリン、コペンハーゲン、パリなどヨーロッパ各地を転々とし、毎年夏は故国ノルウェーのオースゴールストランの海岸で過したと言います。

1899年、「桟橋の上の少女たち」
ムンク 4 桟橋の上の少女
白夜の故郷を描いたのかもしれません。夜沈まない太陽、故に少女は外にいるのでしょう。叫びに見られる流れるような橋は彼のスタイルとなっているようです

1902年3月、第5回ベルリン分離派展
出品された 「フリーズ・オブ・ライフ」(生命のフリーズ)
一連の装飾的な絵画」であると画家が明言した作品(22点)、「愛の芽生え」「愛の開花と移ろい」「生の不安」「死」という4つのセクションに分けられた作品の中のムンクの作品の代表作の中に彼の最も有名な絵があります。
この連作は、愛と死に対する彼の個人的なイメージによる連作で、一般の人の思う愛と死とはかけ離れたイメージなので、彼の心理を理解する事が作品を理解することなのかもしれません。一般の作品のように共感する部分はほとんど見つからないでしょう。

1893年、「生の不安」のセクション、「叫び」。「叫び」は4点制作されているそうです。
ムンク 3 叫び
故郷のフィヨルドに沈む太陽が血のように赤く空を染めた時、自然を貫く叫び声を感じたと言う作品です。あまりの赤い空とフイヨルドに啓発されたと思われる作品は特異な姿の男の顔で描かれています。誰もが一度は目にした作品です。(顔は、シカンのミイラの顔をモチーフにしたとも言われています。)
生命のフリーズ」の中の一作品であり、本当は、単独の絵画としてではなく、連作として鑑賞してほしい作品なのだそうです。

下に北海の朝焼けの写真があります。夕日ではありませんが、彼の見た血の色に近いかもしれません。
北欧の朝焼け

ムンクがこの絵を発表した時は、当時の評論家たちに酷評されたそうですが、後世高く評価されるようになったそうです。
2004年8月22日2は、「マドンナ」と共に盗難に遭い、2006年8月31日にオスロ警察によって回収されています。

発砲事件と精神異
とにかく彼は変わり者だったようです。女性のエクスタシーの瞬間の絵を描いて、それを「死体の微笑み」と説明するなど、幼児期からの死との対面はあらゆる物に対して暗い影を落としたようです。
それは恋愛に対しても同じだったようで、異性には臆病で女性からは逃げ腰だったのでしょう。
1902年の夏、オースゴールストランで過ごしていたムンクは、以前の恋人のトゥラ・ラーセンと有名な発砲事件を起こして指(1本)を失しなう事故を起こしています。
結婚を迫るトゥラ・ラーセンの狂言自殺のとばっちりでした。(以来彼の絵の中で彼女は「憎しみ」と「殺人者」となって出てくるそうです。)

発砲事件と彼の作品に対する酷評と疲労? で、精神が不安定になってアルコールに溺れるようになり迫害妄想に取りつかれて精神異常をきたし、1908年から1909年にかけて、デンマークの著名な精神科医のもとで療養生活(8か月)も送っています。

「私は、自分の病気を捨て去る気にはなれない。私の芸術の中には、病気のおかげでこうむっている部分がたくさんあるのだ。」
彼は、自身の作品が神経症により、独創性を受けていたことを理解していたようです。だから病気を棄て去る気にはならなかったようですが、これを機に彼は精神の病を克服しようとして努力しています。それは同時に独創性の放棄に繋がったのか、以降の彼の作品は変わっています。不眠に悩まされながらも穏やかな作品を描いているからです。
表現主義者である事には変わりありませんが、面白みのなくなった絵は記憶にも残りません。そう言う意味で「叫び」は一度見たら忘れられないインパクト大の作品です。
「フリーズ・オブ・ライフ」(生命のフリーズ)は彼の最高傑作です。


第二次大戦が勃発し、ノルウェーはナチス・ドイツの占領下におかれます。
ドイツの美術館の彼の作品はナチス・ドイツに退廃芸術のレッテルを貼られ、没収され、売り払われた挙句、ナチスの爆撃でノルウェーの自宅の窓が破壊されたおりに気管支炎起こして1944年の1月に世を去っています。
ムンクが亡くなった時、ベットのかたわらにはドフトエフスキーの「悪霊」が置かれていたそうです。






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Last updated  2009年08月18日 17時53分07秒
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