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それは写真で見れば歴然としている。
夏の暑い日差しでは聖堂が白く輝き、ゴシックの教会の細やかな細工を消してしまう。
青い空と白い聖堂の対比。聖堂が見栄えする時間を見つけるのは案外難しい。
そう言えば、クロード・モネの描いたルーアン大聖堂の連作は時間帯による光の効果を表現した作品であった。(モネは1892年~1893年の2年間に33点の作品を残している。)
モネは独特の感性で変わる聖堂を表現してみせたが、それにしても写真で比べたならともかくモネはよくぞその違いに気付いたものだ・・。
驚いたのはそれだけではない。彼の表現した色彩である。
色を感じる・・とは変な表現であるが、ルーアン大聖堂の連作はどれも現実の色ではない。彼だけが感じとった色を表現した作品なのだ。
たくさん撮影したミラノ大聖堂の写真を見比べながらモネの偉大さに改めて感嘆してしまった![]()
ミラノ(Milano) 4 (ミラノ大聖堂 2 屋上テラス)
ミラノ大聖堂(Duomo di Milano)
大尖塔の聖母(Madonnina)像
屋上テラス
フライング・バットレス(flying buttress)・・飛び梁
ドゥオーモ、最初の礎石は1386年の事。古いカテドラルのサンタマリア・マッジョーレ教会を包み込むように工事は始まった。(最初から大聖堂になる予定ではなかった。)
石材はマッジョーレ湖の西岸カンドーリアの大理石が使われ、 欧州各地からよりすぐりの建築家、石材の彫刻家、装飾品のマエストロが集められると、より新しい建築が討議され、技術が生まれる。
芸術の分野もそうである
。ステンドグラスは1470年以降は焼き付け技術により絵巻に変ったのである。
つまり 大聖堂建設はミラノを建築、芸術の最先端の都市に変えた
。
大聖堂南面
屋上テラスに上るエレベーターはこちら側にもあるが、今は工事の為に中止されている。
聖堂の後陣(この写真は昔の写真です
)
それにしても普通のゴシックの聖堂とはスタイルが違います。何しろ工事は500年以上続いたのです。
最初はロマネスクで始まり、ルネッサンス様式が加えられ、ゴシック、バロック、と時代は変遷。
大聖堂として建築がやり直しされるのは16世紀末から。
大聖堂になるには、聖体用祭壇、説教団、聖職者祈祷席、地下聖堂など造りも違うようだ。その為に大聖堂建築のプロが再び設計を変更している。
大尖塔の聖母(Madonnina)像
17世紀には祭壇や外部の彫刻の作成が進むが17世紀初頭には尖塔はまだ無く、 大尖塔は1769年に完成。
そして大尖塔の上には1774年にマドンニーナ(聖母マリア)の像が据え付けられ以来ミラノの象徴となっている。

マドンニーナ(聖母マリア)は青銅の彫像に金メッキされている。
原型師は ジュゼッペ・ペーレゴ(Giuseppe Perego)( ~1796年)
この写真は地上からはとらえられない。高さ4.16m以上のマリアの足下には雲と天使の頭が顔を出している。
大尖塔は途中まで上れるようだが今は修復中
修復されたところが白い部分。ジクソーパズルのような部分修復。見えない所にも細かな修復。恐れ入ります。![]()
ミラノ大聖堂(Duomo di Milano)データ
全長158m 最大幅(側廊)93m 正面ファサード幅67.90m
身廊の高さ45.55m 最大高さ(尖塔のマリア像の頭まで)108.5m
尖塔の数135本
聖堂を飾る彫像(内外合わせて)約3600体 怪物96体 ガーゴイル150体
ドゥオーモの信者500万人
図面を見ればラテン十字なのが解るが、装飾が多すぎて外から形はわかりにくい教会である。
屋上テラスへは後陣の両サイドにおそらく外付けでエレベーターが設置されている。
階段は翼廊の手前、外側にあり当然チケットの値段が異なる。
階段登り口
現在は各入り口や出口に軍の警護がついていて、入場チェックも厳しい。
エレベーターの入り口
おそらく後付けで近年外側に設置したのだろう。警護の軍人の目を盗み撮影。(カメラ向けると怒られる。)
エレベーターは係の人が一人乗るので、あとは5人くらいが乗り込める広さ。
いつもは行列らしいが夕方だったので空いていたようだ。
エレベーター・・12ユーロ
階段・・・・・・7ユーロ
Aセット(48h)・・エレベーター+ ドゥオモ博物館+ ジョヴァンニ・アッレ・フォンティ洗礼堂
・・15ユーロ
Bセット(48h)・・階段+ ドゥオモ博物館+ ジョヴァンニ・アッレ・フォンティ洗礼堂
・・11ユーロ
セットがあることを後から知ったが、チケットを買う場所によりセット売りしている所とないところがある。
教会内部はもちろん無料であるが、大聖堂の宝物を扱った博物館も必見であるし、行ったからにはローマ時代の洗礼堂の遺跡も見て来た方がいいかも・・。
尚、エレベーターのチケットはエレベーターの所では売っていない。
後陣の上のテラス

フライング・バットレス(flying buttress)・・飛び梁
聖堂の天井を高くする為に生じる外壁の膨らみを押し支える為の梁はゴシックの特徴でもある。
しかし、ここの飛び梁ほど美しく装飾されたものは珍しい。

後陣上は石拭きの屋根の上まで上がれる。
飛び梁のおかげで、ゴシックの聖堂には大きな窓があちこちに設置できるようになり、聖堂内は明るくなった。
さらに色ガラスにより聖堂の中は天国を想像させるべく幻想的な光で満たされる事になったのだ。
屋上テラス つづく
リンク ミラノ(Milano) 5 (ミラノ大聖堂 3 外壁の装飾)
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