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台風と長雨と共に夏はどこかに行ってしまったようです。
寒さの中、慌てて鳴いていたセミが気の毒でした
さて、今回は広大なニンフェンブルク宮殿の敷地内にある狩猟用の小屋の紹介です。
しかし、小屋と言っても内容はかなり立派なな宮殿です。その装飾の凝りように至っては、マリーアントワネットのプチトリアノン宮殿よりも素晴らしかったと思います。
今回はそのこだわりの満載された狩猟用宮殿アマリエンブルク(Amalienburg)を紹介します。
ニンフェンブルク宮殿(Schloss Nymphenburg) 3 (狩猟用宮殿アマリエンブルク)
アマリエンブルク(Amalienburg)
森の中にひっそりただずむアマリエンブルク(Amalienburg)
場所はNo13の所。メインの宮殿からは徒歩で10分程度?

ア
マリエンブルク(Amalienburg)
狩猟用の小宮殿であるアマリエンブルクはバイエルンの建築家でデザイナーの フランソワ・ド・キュビエ(François de Cuvilliés)が設計。1734年から1739年にロココ・スタイルで建設
。
初代この宮殿を作ったフェルデイナント・マリアの孫で バイエルン選帝侯となったカール・アルブレヒトによって彼の妃 マリア・アマーリエ(Maria Amalia)の為に建設された宮殿です
。
二人は政略結婚ながら共に狩りを楽しむほど仲が良かったのでしょう。7人の子をもうけています。
※ バイエルン選帝侯カール・アルブレヒト
(Karl
Albrecht)(在位:1726年~1745年)
神聖ローマ皇帝カール7世(Charles VII)(1697年~1745年)(在位:1742年~1745年)
※ マリア・アマーリエ(Maria Amalia)
余談ですが、カール・アルブレヒトは結構したたかな人です。
ハプスブルグ家の女帝となったマリア・テレジアにオーストリア継承戦争をしかけたのが彼
です。
彼は妻
マリア・アマーリエが同じ神聖ロ
ーマ皇帝の娘であり血統がある事を主張し自身が神聖ローマ皇帝に就く事を要求。
その為にフランスと密約まで結びハプスブルグ家の騒乱にフランスが介入する事となった。マリーアントワネットがフランスに嫁ぐ事になった遠因である。
オーストリア・バイエルン継承戦争においては、結果マリアテレジアの反撃にあい、バイエルンは奪われ、かろうじてミュンヘンだけを奪還。その3ヶ月後に失意の中カール・アルブレヒトは亡くなっている。

ベルギー出身のフランソワ・ド・キュビエ(François de Cuvilliés)(1695年~1768年)はビッテルスバッハ家にロココ・スタイルのデザインをもたらした宮廷建築家。

テラス側のファサードには月の女神であり狩猟の女神であるディアーナ( Diana
)が飾られている。
※ ドイツはラテン語系なのでローマ神でディアーナ( Diana
)としたが、ギリシャ神ではアルテミス(Artemis)

こちらが玄関口側である。

宮殿の見取り図(上が玄関側)
1.犬の部屋 2.トイレ 4.休憩室 5.鏡の間 6.狩猟の部屋 7.キジの部屋 8.キッチン
ここは、生活の場ではなく。あくまで狩りのサポートの為にしつらえられた建て物。次に紹介する写真は狩り用の犬の為のお部屋である。
1.犬の部屋
開いているのがビーグル犬クラスのゲージである。
かなり立派である。
4.休憩室
狩り姿のカール・アルブレヒトとマリア・アマーリエの肖像画が描かれています。
上の写真右の隠れ扉は正面の別の入り口に繋がっている。
5.鏡の間
狩猟用の屋敷なのに、なぜか豪華な中央ホールがある。鏡とガラスで囲まれているので鏡の間と名称がついている。
かつて紹介したヴェルサイユ宮殿の鏡の間は部屋と言うよりぶち抜きの回廊である。
ここは、小さいからこその美しいまとまりと細やかな装飾を見せてくれている。
狩りの後にパーティーでもしたのだろうか? ここには立派な厨房施設が付属されている。
個人的にはこちらの方が好き![]()
J・B・ツィンメルマン( J
·
B
·
Zimmermann
)とヨアヒム・ディートリッヒ( Joachim
Dietrich
)(1690年~1753年)によって設計
薄いブルーの地に銀のモールで装飾。この色はバイエルンの国家色だそうだ。
鏡の下の調度台は、これこそバロックである。
6.狩猟の部屋

8.キッチン
タイルはオランダのデルフト焼き
なぜかチャイナ風の面白い戸棚の絵
タペストリー調に組まれてたデルフト焼きタイル。
花や蝶など虫がモチーフになっていて素敵です。
次回馬車博物館です。
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