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夜ドラ「ミッドナイトタクシー」が終了。事前の予想よりずっと面白かったです。当初は、せいぜいアイディア先行型の、新人脚本家の秀作かなと思ってたのよね。ドライブマイカーの三浦透子の設定と、ファンタジーとグルメ要素を混ぜただけかと…(^^;でも、意外にちゃんと中身のある作品でした。◇テレ朝の「マイダイアリー」を見たときは、この脚本家がなぜ絶賛されてるのか、まったく分からなかったし、わたしは、あのドラマをもういちど見直しても、面白さを理解できる自信はありませんが…(^^;一方、TBSの「時すでにおスシ!?」のほうは、チラッと見てなかなか良さげだったので、もっとちゃんと見ておけばよかった!…とすこし後悔してます。(近いうちにTVerで再配信するでしょう)これは自己オマージュ??◇結末はやや肩透かしですが、要するに《人生は肩透かし》みたいな話だし、それ自体がテーマだったと解釈すべきでしょう。母親の件も、誕生日の件も、タクシードライバーになった理由も、ずっと気にしてきたことが馬鹿らしいほど、何もかもがナンセンスだった…ってこと。背景のよく似た殺人未遂事件も、たまたま隣り合った世界線が逆だっただけ。象子の母親も、板尾創路の焼き芋屋も、子供を捨てて別の家族を作ってたのは同じ。◇ちなみに個人的には、第20話につづいて第27話も神回でした。盲導犬に会いに行ったあと、麗華が週刊誌の記者に謝るエピソード。胸が締めつけられるような、あるいは引き裂かれるような、あるいは張り裂けるような気持ちになりました。でも、そういう感情に襲われた理由は説明しにくい。特定のセリフが響いたわけでもないし、たんに健気な盲導犬を見るとキュンとする、…ってことでしかない気もする。◇強いて言語化するなら…喫茶店マスターの見返りを求めない善意や、盲導犬の無垢な誠実さが、週刊誌記者やSNSの対極的な悪意に衝突して、汚されて踏み荒されて、世界が醜くなることのやりきれなさかなあ…。あのエピソードから生まれる感情を、脚本家がどれだけコントロールしてたのか、そもそも脚本と演出が噛み合ってたのか、ちょっと判別しにくいところがある。必然的な神回だったのか。演出力で可能になった偶然の神回だったのか。もし、あの感情を脚本家がコントロールしてたなら、相当にすごい才能だと思います。それから、盲人役の篠原ゆきこの演技もリアルで、ほんとに盲目なのかと錯覚してしまいました。◇ほとんどのエピソードは、タクシーの乗客の人生の断片であり、まともな説明のないファンタジーだったので、あらためて振り返ってみると、よく分からないところもたくさんあります。たとえば、缶のコンポタの隠喩はまあ分かるとしても…チーズ抜きのチーズインハンバーグと、パイナップル入り酢豚の隠喩は、最後までよく分かりませんでしたね…(^^;コンポタ缶はキリよく飲み終われない。わたしも、パイン入りの酢豚は好きじゃないんだけど、(そもそも酢豚自体がさほど好きじゃない)そんなのはただの好き嫌いの問題だし、それが悪人の隠喩になる根拠は見出しにくいwあの場面を、パイン入り酢豚を好きな人が見たらどう思うのかしら…(^^;もし、このドラマを見てた視聴者が、みんなパイン入り酢豚が嫌いな人たちばかりなら、それこそファンタジーだけどね!追記:チーズインハンバーグもパイナップル入り酢豚も、いわば異質な具材を混ぜた料理なので、それを許容できるかどうかで「清濁併せ呑める人」と「清濁併せ呑めない人」が分かれる…ってことかとは思う。でも、わたし的には、この隠喩の効果まではイマイチしっくりきません。◇配役についていうと、古川琴音も中村蒼も山本未来も面白かったけど、いちばん感心したのは伊藤万理華の使い方です。わたしは、乃木坂時代のことも知らないし、女優としても意識したことありませんでしたが、天真爛漫なアイドルなのに、どこか寂しさも抱える役柄に魅力を感じました。◇坂元裕二も、クドカンも、無名の俳優を発掘するのが上手いですよね。大森美香も、小芝風花や吉岡里帆や山内圭哉を発掘したし、吉田恵梨香は、赤楚衛二や上坂樹里や土井志央理を発掘した。演技力のたしかな俳優を選ぶのも大事だけれど、無名の俳優を発掘するのも優れた脚本家の証です。【送料無料】ドラマ 2026年7月号【雑誌】 楽天で購入
2026.07.24
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NHK-ONEの配信はとっくに終わってますが、Eテレ「ファンタジーに秘められた宗教」銀河鉄道の夜…についてのメモです。月1回のシリーズだそうで、気づいたら、もう第4回でした…(^^;芥川とムーミンの回は見逃した。次回は英国ファンタジーで、その次は手塚治虫&宮崎駿を取り上げるらしい。《TV情報》NHK 9/7 22:50~23:50「シリーズ ファンタジーに秘められた宗教」第6回『火の鳥』『風の谷のナウシカ』https://t.co/yhDsQGEIeG pic.twitter.com/mv2dpERxey— ジブリまみれ (@ghiblimamire) June 21, 2026◇2019年のETV特集では、(もう7年も前だっけ??)親友の保阪嘉内のことを、同性愛的な要素もふくめて、カンパネルラのモデルと捉えてましたが、今回の番組を見ると、妹のトシや、年配のキリスト者の斎藤宗次郎が、カンパネルラのモデルのように思えてきます。1922年(大正11年)妹のトシが死去。1923年(大正12年)農学校生徒の就職依頼で樺太旅行。1924年(大正13年)斎藤宗次郎と交流。「銀河鉄道の夜」の初稿執筆。トシが亡くなった直後に、彼女の記憶を胸に抱いて鉄道旅行をしたことが、執筆開始の動機だったとすれば、彼女こそがカンパネルラのモデルに思える。pic.twitter.com/j0S3UzAn5r— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026しかし、タイタニック号の死者と同じく、カンパネルラがキリスト教徒だったがゆえに、サザンクロス駅で下車したのならば、むしろ斎藤宗次郎こそがモデルのように思えます。pic.twitter.com/ijDMhDBM3B— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026その場合、キリスト教徒のカンパネルラが、サザンクロスの輝く天上界へ召されるのに対し、仏教徒のジョバンニは、苦界のなかを輪廻転生しつづける…との解釈になる。実際、賢治は、キリスト教の自己犠牲的な美に憧れを抱きつつ、自分は苦界にまみれながら菩薩として生きようとした。賢治が中学生のときに感銘を受けた、島地大等訳の『漢和対照妙法蓮華経』には、釈迦も菩薩のごとく苦界にとどまって人々を救済しつづけた…みたいなことが書いてあるのですね。ジョバンニの切符に印字された、サンスクリット語の10文字もその信仰を暗示してます。pic.twitter.com/9PXbS4joz8— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026pic.twitter.com/UsiuZ7f4FJ— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026◇草稿の段階では、物語は銀河の世界のなかで完結してて、伝道師の説法を聞くところで終わってたらしい。ところが最終稿では、最初にジョバンニの地上界での生活が描写され、銀河鉄道の旅が終わると、ジョバンニはまた地上の苦界の生活へ戻ります。カンパネルラに助けられたザネリは、ジョバンニをいじめる悪童なのだけれど、輪廻転生のなかでは悪童も兄弟にほかならない。pic.twitter.com/i2zX0WPBuK— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026◇ただし、もともとジョバンニ&カンパネルラの名は、イタリアの修道士トマソ・カンパネッラの、洗礼名Giovanni Domenico Campanellaから取られてて、両者は表裏一体の関係だった可能性もあります。pic.twitter.com/mp987smQWf— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026厳密には、カンパネルラはサザンクロス駅で下車したのでなく、もうすこし先で姿を消してるので、キリスト教的な昇天よりも先で絶命した可能性もある。◇ちなみにザネリのモデルは、タイタニック号で生き残った細野正文なのでは?…とわたしは思ってるんだけど、その孫の細野晴臣と、岩手出身の大滝詠一と、文学青年の松本隆の共通の関心が、宮沢賢治だった…というのは有名な話。はっぴいえんどの、「抱きしめたい」「颱風」などの曲には、賢治作品へのオマージュが込められてるし、解散コンサートはイーハトーブ忌だったりする。ただし、バンド名の「はっぴいえんど」は、宮沢賢治の「ほんとうのさいわい」とは無関係で、むしろ学生運動の挫折などに対する、シニカルな皮肉が込められてたらしいのだけど。◇それにしても、浄土真宗の家庭に生まれたとはいえ、賢治が幼い頃から、さまざまな宗教に関心を示して勉強してたのは驚異的。pic.twitter.com/OfQKE9rIei— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026そして、ついには、家出して臨済宗系の国柱会へ飛び込んでしまう。それもまた、前述の『漢和対照妙法蓮華経』のなかに、法華経の要素があったから…ということが発端らしい。pic.twitter.com/bs9lP7j2St— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026なお、番組では、> キリスト教は自己犠牲の宗教だが> 仏教に自己犠牲や滅私奉公の要素は薄いとの話がありましたが、やや苦しい弁明では?自他一如や自利利他の信仰が、結果的に国家主義や八紘一宇の思想を正当化した、…という歴史を看過することはできません。pic.twitter.com/DEA03AJlLc— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 26, 2026NHKこころの時代 宗教・人生 ファンタジーに秘められた宗教 (NHKシリーズ) [ 中村 圭志 ] 楽天で購入
2026.07.27
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NHKのニュースで、東野圭吾の訃報にわりと時間を割いてました。1985年の映像が流れましたが…正直、わたしは、80年代や90年代にはあまり知らなかったな。なんとなく名前と顔くらいは知ってたかしら?◇やはり東野圭吾って、メディアミックスで有名になった人だと思います。有名作品の年譜を作ってみると、森下佳子による「白夜行」のドラマ化が決定的だった…ということが分かる。朝日新聞がインタビューを載せてますが、ドラマ企画そのものが森下佳子の発案だったとは、まったく知らなかったので驚きました。◇これは、相米慎二による赤川次郎の映画化が決定的だった、…という例にも類似する。http://manzara77.blog.fc2.com/blog-entry-363.html東野の1985年のデビューだって、当時の赤川次郎ブームと無縁じゃないのでは?本人的には、影響よりも対抗意識かもしれんけど。脚本の仕事を始め、TBSの担当者に「何かやりたい作品はありますか」と聞かれた時に、提案したのが「白夜行」だった。当時は「世界の中心で、愛をさけぶ」(2004年)を手がけた直後で、まだ駆け出しの頃。懸命にプロットを作り、TBSのプロデューサーとともに東野さんへ企画を持ち込んだ。東野さんとの初対面で指定されたのは、ホテルの喫茶店だった。思い切った提案だったと思いますが、「じゃあ、やってみなさい」と背中を押してくださった。本当に度量が深く、懐の大きな方でした。その言葉がどれだけうれしかったか。ドラマの脚本では、原作小説を「裏返す」挑戦を試みたという。ドラマの脚本としては、第三者の視点ではなく、亮司(山田孝之)と雪穂(綾瀬はるか)の視点で描いた。東野さんが築かれた世界を「裏返す」ことを許していただきました。おこがましいのですが原作とセットになる作品として見てもらえるものにしたいと心がけた。その思いだけで無我夢中で書きました。原作を「裏返す」ってのは、前にもどこかで聞いたことある気がするけど、何の話だったか忘れました…(^^;『白夜行』は当初、制作側も「映像化は厳しい」と考えていた作品。原作では亮司と雪穂の内面をほぼ描かず、周囲の人物から二人の足跡を追っていく構成だったためです。それでも『世界の中心で、愛をさけぶ』を手がけた森下佳子さんと石丸彰彦プロデューサーが、… https://t.co/lL5M8QaA1S— それ、調べといた。 (@sore_shirabeta) July 27, 2026森下佳子にとっても、TBSの石丸彰彦と平川雄一朗にとっても、綾瀬はるかと山田孝之にとっても、いわば「セカチュー」の二匹目のドジョウだったわけですけどね。河野伸の音楽も強烈でした。◇東野作品を、最初にドラマ化したのはフジテレビ、最初に映画化したのは滝田洋二郎なんですね。わたしは国分太一の「トキオ」も見てました。東野作品とはまったく意識してなかったけど。1985:小説「放課後」1986:フジ「放課後」山下真司1988:小説「浪花少年探偵団」1998:小説「探偵ガリレオ」(東野は湯川学のモデルとして佐野史郎を想定してた)1998:小説「秘密」1999:映画「秘密」広末涼子(滝田洋二郎)2000:小説「白夜行」2000:NHK「浪花少年探偵団」山田まりや2002:小説「時生(トキオ)」2003:小説「手紙」2004:NHK「トキオ 父への伝言」国分太一(福田靖)2006:TBS「白夜行」山田孝之×綾瀬はるか(森下佳子)2006:小説「容疑者Xの献身」(ガリレオシリーズ第3作)2007:フジ「ガリレオ」福山雅治×柴咲コウ(福田靖)2003:映画「手紙」山田孝之(生野慈朗)2007:映画「秘密 THE SECRET」(ヴァンサン・ペレーズ)2008:小説「流星の絆」2008:TBS「流星の絆」二宮和也(宮藤官九郎)2009:小説「新参者」2010:TBS「新参者」阿部寛2010:テレ朝「秘密」志田未来(吉田紀子)2011:映画「白夜行」堀北真希×高良健吾(深川栄洋)2011:小説「マスカレード・ホテル」2012:小説「ナミヤ雑貨店の奇蹟」2012:TBS「浪花少年探偵団」多部未華子(吉田紀子)2015:小説「ラプラスの魔女」2016:小説「危険なビーナス」2017:映画「ラプラスの魔女」櫻井翔×広瀬すず(三池崇史)2017:映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」山田涼介(廣木隆一)2018:テレ東「手紙」亀梨和也(深川栄洋)2019:映画「マスカレード・ホテル」木村拓哉×長澤まさみ(鈴木雅之)2020:TBS「危険なビーナス」妻夫木聡×吉高由里子(黒岩勉)#東野圭吾 さん原作の『#白夜行』小説を読み圧倒された。今でも直木賞は、この作品だったのでは、と思っている。テレビ版も素晴らしかった。原作のテイストを生かしながら、多様な主題を更に深めている。当時、子役だった #泉澤祐希 さん、#福田麻由子 さんは巧すぎるし、#綾瀬はるか… pic.twitter.com/sfnGVsWjNv— next position (@JCimpact1) October 8, 2024 白夜行 完全版 DVDBOX [ 山田孝之/綾瀬はるか ] 楽天で購入
2026.07.27
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TVerの配信は終わってますが、武井咲の「東京全力少女」を見終わりました。途中の何話分か見逃したけど、すぐまた再配信するでしょう。2012年の日テレ作品ですが、あまりテレビドラマを見てなかった時期で、こんな作品があったとも知らなかった。陽気なドタバタコメディで面白かったです。80〜90年代のアイドルドラマのような、ちょっと懐かしい気分になれる楽しさもあった。◇当時としても、よくもわるくも古臭いテイストというか、ノスタルジックな路線を狙ってたと思います。東京上空いらっしゃいませの、ボーイッシュな牧瀬里穂のようでもあるし、四国出身の元気娘の設定は、どことなく広末涼子を思わせるところもある。序盤に下北沢の古着屋が出てきますが、武井咲のストリートファッションが可愛いし、愛人役の比嘉愛未も華やかで色っぽい。わたしは、武井咲にはCMタレントの印象しかなくて、せいぜいドラマといえば、「Wの悲劇」と「黒革の手帳」をチラッと見ただけで、アイドル的な彼女は見たことがなかったので、その意味でも新鮮だったのよね。◇内容は、おバカでお騒がせなお父さん大好きっ娘の話。モテモテの父親に嫉妬する実の娘の設定です。いかにも男性脚本家の願望を投影したような、中年男性と少女の関係を描く内容ですが、これも昔のアイドルドラマにはよくあるパターン。とくに渡部篤郎のキャラ設定は、野島真司の「パパ活」に繋がってる気もする。(あれは死んだ娘の代理を求めるインモラルな話)…とはいえ、これは実の父と娘の話であり、3組の離婚夫婦とその子供の再生の物語でもあり、とくにインモラルな要素とかはなく、食材はちょっとムダにしすぎだけど…(^^;最後は穏当な家族主義的大団円に終わってます。◇物語の舞台は四国と東京でしたが…なぜか音楽は、中島みゆき&小西康陽という異色の北海道コンビ!東京全力少女 オリジナル・サウンドトラック [ 小西康陽 ] 楽天で購入 恩知らず [ 中島みゆき ] 楽天で購入
2026.07.27
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NHK「風薫る」第17週。あさイチの内田慈のインタビューによると、お文は直美に母だと告げないまま死んだ…ってのが公式の解釈っぽい。でも、お文さんが「浦崎八幡へ行きたい」と言った時点で、自分が母だと認めたも同然よね。安産祈願した神さまにお礼参りってことだから。それが、美津の「1人目の母上」の話にも、卯三郎さんに託した「親の遺産」にも繋がる。娘を捨てたことへの「借金」だったのね。 pic.twitter.com/eqQBc5Hujd— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 25, 2026問題は、浦崎八幡での会話をほぼカットしたことです。人力車の長い道中でその話になれば、もはや否定するのは不可能だったはずなのに。直美はあえて追及しなかったかもしれないし、体調が悪くて会話できなかった可能性もあるけど、それならそういう描写にすべきでしょ。これって、前作「ばけばけ」の湖畔のシーンで、トキが銀二郎との復縁をどのように断ったのか、その会話をまるまるカットしたときと同じ手法。視聴者の想像にまかせるってことですが、個人的にこういう手法はあまり感心しません。髙石あかりと上坂樹里はだいぶ仲がいいのね!その会話をカットしても、もはや母親なのは自明だけど、問題はそれだけじゃないし。・父親は誰なのか?・なぜ男に捨てられたのか?・なぜ子供を捨てたのか?・教会の人々とはどんな関係だったか?…などの疑問がまだ残されてる。来週以降に、お文さんのセリフが回想される可能性もあるし、詐欺師が生前のお文さんの話をさらに掘り出して、それが結果的に、りんの廃娼運動へ繋がっていくのかもしれませんが…。そこらへんは今後の展開に注目したいです。◇りんと直美の再会は、ただの一時帰宅によるものだったので、新潟編はまだしばらく続くようです。史実どおりなら、女学校の舎監から病院看護長になり、あらためて看護婦の育成に取り組むはずだし、予告にあったとおり、直美も帝都医大病院を辞めて、訪問看護(派出看護)の仕組みを作っていくことになる。このドラマは、キャラの入れ替えや圧縮・分散はあるものの、じつは意外なほど史実どおりに話が進んでます。◇それはそうと!りんもさることながら、直美もモテモテになってきてる…(^^;りんのお婿さん候補は、虎太郎&シマケン&新潟の新聞記者の3人。団子屋のチュウも加えれば4人です。直美のお婿さん候補は、詐欺師&薩摩軍人&帝都医大外科医の3人。◇わたしはあくまで、2人とも誰とも結婚せず、同性婚状態のまま添い遂げると予想しますが、昨日の内田慈のインタビューによると、お文さんが最後に直美に言う予定だったセリフは、「あなたならきっと良いご縁があるでしょう」…だったとな!それを急遽、「あなたならきっと大丈夫」に変更したらしい。なんとも意味深です…(^^;pic.twitter.com/i6vs2t3Djm— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 24, 2026◇なお、東京への一時帰宅に際して、りんは「急に休みが取れた」と言ってましたが、前々回も書いたように、大関和さんが新潟へ赴任した明治23年当時、東京〜新潟間の移動には4日前後を要したので、一週間の休みじゃ足りなかったはず。ただ、明治26年になると、信越本線のうちの高崎~直江津間が開通し、移動時間が劇的に短縮されて、新潟までは一泊二日で行けるようになる!!なので、ドラマの時代設定が、史実よりも3年後だとすれば、4〜5日の休みで東京へ帰れるわけね。連続テレビ小説 ばけばけ 完全版 DVD BOX3 [ 高石あかり ] 楽天で購入
2026.07.25
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駆ける子と背で鳴る氷夏囃す わかめ狩り水筒ころがす親父の船 春暁や陣痛室で握る水 背後より歳時記覗く椿あり 水筒の底にゐる春愁の澱 花冷の砂かぶり席売り子駆く 水筒の囀り満たし一息にプレバト俳句。お題は「水筒」。◇キスマイ横尾。花冷の砂かぶり席 売り子駆く売り子駆く 花冷の砂かぶり席(添削後)原句の「砂かぶり」と「売り子」は名詞ですが、字面的には「砂かぶり、席売り、子駆く」と、動詞が3つ並んでるように見えてしまう。いわば、{名詞+動詞+名詞+動詞+名詞+動詞}の形なので、動詞が述語なのか修飾語なのかを読み迷わせる。ちなみに、わたしは、「砂かぶり席」という単語自体を知らなかったので、相撲の場面と誤読することはありませんでしたが。◇梅沢富美男。水筒の囀さえずり満たし一息に水筒はさへづる 囀りの真下(添削後)原句の「囀り」は名詞だけれど、「囀り、満たし」と動詞が2つに見えるし、末尾には「飲む」も省略されているので、これまた、ややこしくて読み迷わせる。そのうえ、何が何を「満たす」のかも不明瞭で、一見すると、ほとんど日本語としての体をなしていません。まあ、「水筒のさえずりをコップに満たして一息に飲んだ」と解説されれば、それなりに詩情も理解はできますが、あまりにも技術的に覚束ないので、結果的には、季語の「囀り」をクサい比喩にしただけの句でした。◇コットン西村。駆ける子と背で鳴る氷夏囃はやす駆ける子と背で鳴る氷 夏の空(添削後)これが今週の1位。詩情の面で評価されたとは思いますが、技術的にいろいろと問題が多い。ちょっと身の丈以上のことをやりすぎてる感じです。最大の問題は、やはり動詞が多いこと。「駆ける」「鳴る」「囃す」の3つですね。世間には「氷夏」なんて造語があったりもするし、どれが主語で、どこで切れるのか、かなり分かりにくい。わたしは「夏囃す」という季語があるのかしら?…などと勘違いしましたが、そういうわけでもありません。結論をいうと、原句には切れがなく、一句一章です。構造的には、主語A:駆ける子と主語B:背で鳴る氷が述語 :夏を囃している※正確には「主語」でなく「主部」、「述語」でなく「 述部」です。というワンセンテンスの句ですね。そのなかで、主語Aの「駆ける子が夏を囃す」という比喩と、主語Bの「氷の音が夏を囃す」という擬人化を、いっぺんにやってる形です。しかし、とくに主語Bの「鳴る氷が囃す」は、修飾語の動詞と、述語の動詞が、どちらも音の情報になって紛らわしい。そのうえ2つの主語の関係は、主語B「リヤカーを引く氷売りの主人公」と、主語A「その横を走ってる子供」というようにも誤読できます。子供自身の背中で氷が鳴っているのなら、「駆ける子と」ではなく「駆ける子の」にすべきです。他方、場所の助詞「で」は、許容範囲内と判断されたのかもしれないけど、わたしなら、やはり「駆ける子の背に鳴る氷」とします。◇村上弘明。わかめ狩り 水筒ころがす親父の船水筒をころがし父の若布わかめ船(添削後)季語の「わかめ狩り(若布刈)」は名詞ですが、字面のうえでは「狩り、ころがす」と動詞が2つ見えるし、とくに「水筒ころがす親父」のように、2つの名詞で動詞を挟んだ場合は、動詞が述語なのか修飾語なのかが分かりにくい。たとえば「犬食べる鳥」と書いたときに、切れの位置によって、「犬が食べている」とも読めるし、「鳥が食べている」とも読める、ってことです。作者自身は、「船が水筒を転がす」という擬人化を意図したらしい。でも、読んだだけでは主語が「親父」か「船」かは分からない。添削でも「父」が主語になっているように見えますね。◇篠原ゆき子。背後より歳時記覗く椿あり歳時記を覗くか 目のような椿(添削後)動詞は「覗く」「あり」の2つ。このぐらいなら許容範囲内だろうと思います。季語の「椿」を擬人化した句ですが、あまりに主観に傾きすぎて無内容に見えるから、まずはやはり客観写生の原則に立つべし、ってことですね。◇春香クリスティーン。春暁や 陣痛室で握る水水筒を握る陣痛 春の暁あけ(添削後)動詞は「握る」のひとつだけ。動詞が少ないと、じつにスッキリして見えます(笑)。原句の「水を握る」というのは、ペットボトル時代ならではの言い方ではあるものの、俳句の表現としては、やや無理があったのかな。(わたし自身は、さほど違和感ありませんが)ちなみに、添削は「水筒」に直してますが、映像でもペットボトルだったし、作者が意図したのもペットボトルだと思います。場所の助詞「で」はちょっと説明的でしたね。◇森口瑤子。水筒の底にゐる春愁の澱おりこれも動詞は「ゐる」のひとつだけ。この場合の「澱」の不気味な擬人化は効果的でした。梅沢も言ってましたが、(「ぴこんぴこん」とか「だってば」とかじゃなく)こっちこそが「森口節」だろうと思います。それにしても、遠足のリュックの底にチョコの染み花疲れ リュックの底の底に鍵春愁をエスカレーター地下へ地下へ…と、なぜ森口瑤子は「底」が好きなのかしらねえ。夫婦ともども、底を覗かずにはいられない性分なのでしょうか。
2023.04.24
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カムカムエヴリバディの世帯視聴率。また伸びています。一般に、NHKの朝ドラは、明るい内容のほうが好まれるというけれど、このドラマの場合は、まったく逆!安子編といい、るい編といい、それまでの平凡な日常が崩れ落ちて、不幸で暗い展開を経るたびに視聴率が伸びていく。◇とくに、最高視聴率を記録した1/25の第59話は、ちょっと異様な回でした。不穏で、嫌な予感に満ちていて、ほかの回とはあきらかに雰囲気が違っていて、すごくドラマティックな展開を見せる内容。最後のシーンは、あきらかにTBSの「白夜行」のオマージュ!音楽も、あの河野伸のテーマ曲にそっくり!ーまいか (@JQVVpD7nO55fWIT)このドラマは、世界の片隅のすずさんから、戦後の君の名は、日活の太陽族とみなしごの映画、月光仮面やら市川雷蔵にいたるまで、時代ごとのパロディとオマージュで構成してあります。とはいえ、まさか白夜行まで出してくるとは。◇オダギリジョーは、これまで「低視聴率男」と不名誉な異名をとってきましたが、今回ばかりはその汚名を返上している。これまで、オダジョーの出演ドラマが、ややもすると視聴率に伸び悩みがちだったのは、それなりに理由があってのことです。オダジョーって、たしかにエレガントでカッコいいのだけど、あまり "熱量" を感じさせないキャラなので、いまひとつ視聴者をのめり込ませる力に欠ける。今回の朝ドラでも、最初のうちは、なんだか余裕しゃくしゃくで、高みからうっすら笑いを浮かべてて、周りにくらべてどこか冷めていて、不器用に、必死に、ひたむきに、がむしゃらに生きている感じがまるでなかった。そういうキャラって、なかなか視聴者からの強い共感を得にくいし、物語の主軸にもなりにくい。かといって悪役になるほどアクが強いわけでもない。まあ、それはそれで俳優としての彼の個性なのだから、役柄に合っていれば何の問題もないのですけど。◇でも、今回は、いつもとちょっと違っていました。トランペットが吹けなくなってからのジョーは、自殺未遂にいたるほど顔が青ざめていた。それは、いままでのオダジョーの役柄には珍しいパターンだったし、そのことが視聴者を引き込む力になったかもしれません。ちなみに、物語のなかでジョーをおそった謎の病気は、職業性ジストニアだったようです。いわゆる書痙ですね。◇今週の高い視聴率は、その要因を特定するのがなかなか難しいけれど、オダジョーの役柄以外にも、このドラマならではの特殊な魅力がいくつかあります。そのひとつは、世代をまたぐ歴史の移り変わりを、視聴者に疑似的に体験させていること。たとえば、「あのケチべえの息子が!」とか、「あのモモケンの息子が!」とか、なんだか懐かしいような錯覚に陥ってしまう。とくにケチべえの息子にかんしては、かつて親世代がご近所さんどうしだった過去を、ドラマのなかの当人たちは知らないのに、視聴者だけが知っている…という不思議な感覚。堀江謙一の太平洋横断や、米国のアポロ計画や、ビートルズのビルボード制覇などの歴史ネタにくわえて、こうした《疑似的な歴史体験》が視聴者の知的欲求を満たしている。◇それから、これはもう先週の内容ですけど、ジャズと時代劇をオーバーラップさせた謎の演出も面白かった。映画やドラマのなかで、ジャズやクラシックのようなインスト音楽を、視聴者を退屈させずに見せることって難しいですよね。その難題を克服するうえで、あれは斬新な試みでした。今週も、るいとベリーの和菓子対決のときに、時代劇の殺陣シーンがオーバーラップしてましたが、そうやってドラマ内の小ネタを反復させてもいます。◇◇◇それはそうと、ぜんぜん話は変わりますけど…雉真家はどうなってるんでしょう?誰ひとり、探しにくる様子もありませんが。るいは雉真の娘として育てられたはずなのに、雉真父が死んだら、もはや縁が切れたも同然ですか?かつて雉真父は、母の安子から引き離してまで、「るいを雉真の娘として育てる!」と豪語していた。でも、家業に関わらせないのなら、わざわざ母親から引き離した意味ないじゃん!そういえば、「雉真家の財力なら額の傷だって直せる!」との絶賛の触れ込みだったけど、どこにも治療を施した形跡すらない。るいがそれを拒んだのでしょうか?るいもるいで、結婚したことを岡山に知らせようともしないし、子供が出来てもなお、雉真の家と連絡を取らない。お豆腐屋さんとの付き合いなども含めて、るいには、故郷への想いがほとんどないのでしょうか?
2022.01.30
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フジ「アンメット~ある脳外科医の日記」。第9話の終盤の長回しシーンは、熱愛中とも噂される主演2人の、まるでドキュメンタリーのようでしたが…最後のセリフで、いっきに突き落とされました。えええ~っっ?!やっと想いを交じわらせて、たったいま泣きながら抱きしめたのに!…そんなことあります???#杉咲花 #若葉竜也 #アンメット pic.twitter.com/3cRkzuLZBz— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 10, 2024 ◇今季も、前季と同じく、やたらと記憶喪失のドラマが多く、前季の「ONEDAY」とか、今季の「くる恋」「9ボーダー」とかは、おおむねファンタジーと割り切って楽しめるけど、前季の「たとあな」や今季の「アンメット」は、どうしてもリアリティの真偽が気になるのよね。とくに「アンメット」の場合は、医師が原作を書いた医療ドラマだし、リアリティにこだわってるとの触れ込みだし、ただのファンタジーとは片付けられない。NHKのドラマなら、特設サイトに解説が掲載されることもあるけど、民放のドラマはそこまでやらないし、リアルとファンタジーの境目は判然としません。◇もちろん基本的にはフィクションだと思う。深夜まで詳しい日記をつけて、その膨大な日記を早朝から読み込んで、脳外科医としての仕事をそつなくこなすって、さすがにそんなことは、現実的にはありえないだろうし、前日の記憶を失なっていく人が、練習や訓練を重ねる意味があるのかって疑問もある。でも、その一方、「記憶を失っても強い感情は忘れない」「記憶を失っても自転車の乗り方は忘れない」みたいな話が出てきたりするので、それなりに根拠はあるのかな?とも思ってしまう。てんかん薬の増減によって、記憶障害が出たり、認知障害が出たりって話も、なんらかの実例にもとづいたエピソードだろうし、今回のように、直前の記憶すら失なってしまう場面も、実際の症例があってこそなのかもしれません。◇命や健康だけじゃなくて、記憶や感情など人間の本質を揺るがす疾患を扱うのが、この医療ドラマの特徴ですが、記憶喪失のリアリティについてはともかく、篠崎絵里子の脚本は上手く出来ててドラマとしては面白い。また、同じフジの「Re:リベンジ」もそうですが、大病院経営にまつわる権力の暗部についても描かれてますね。◇これまで主役級では見たことのなかった若葉竜也が、とても個性的なキャラを発揮してるのも魅力的。朝ドラ「おちょやん」のときは、ほとんど印象にも残らなかったけど、今作では彼の個性がとてもよく活きてる。ちくっとします!月10ドラマ『アンメット』制作発表会見杉咲花&若葉竜也、朝ドラ『おちょやん』コンビが再共演✨️新ドラマ出演の経緯明かす「電話でプレッシャーかけられて(笑)」#杉咲花 #若葉竜也 #アンメット pic.twitter.com/eVLPQXIN2r— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) April 15, 2024若葉竜也の出演を熱望したのは、NHKとWOWOWや映画で共演を重ねた杉咲花だった、…という話なので、2人の交際報道もまったく驚きじゃなかったし、なんなら、すこし予測してましたw杉咲花はもともと演技が上手ですが、今回は過去作にも増して演技がイキイキしてる。きっと撮影が楽しくて仕方ないのでしょうね。視聴者の側も、2人のコンビをもっと見たい気持ちは強まってる。原作は連載中とのことなので、続編も期待できる?杉咲花、若葉竜也と熱愛報道に関係者は「ああ、やっぱりね」このまま結婚も、唯一の心配事はhttps://t.co/tIAgFout8F主演ドラマ「アンメット」で共演する若葉竜也と熱愛が報じられた杉咲花。もっとも、業界関係者は2人の交際について気づいていたそうだ。#デイリー新潮— デイリー新潮 (@dailyshincho) June 3, 2024
2024.06.11
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夜ドラ「ミッドナイトタクシー」。何だかよく分からないのに、なんとなく面白いエピソードが続いてて、ついつい引き込まれるんですが…なかでも、筒井真理子の登場した第19〜20話は神回でした。(NHK ONEの配信は終わってます)◇道端に、鎌田ちひろ(筒井真理子)という認知症の女性が倒れてる。手書きの地図をもって「ミチさん」の家へ行こうとしてる。彼女の時間は23才の頃の結婚前日で止まってる。そして象子(古川琴音)のことを「ミチさん」だと思い込む。高校を卒業して「ミチさん」と離れた後は、喫茶店でクリームソーダをたくさん運んでたらしい。それが「ミチさん」の大好物だったから。甘いものに甘いものを入れるクリームソーダ。同性の「ミチさん」に恋をしてたかどうかは分からない。タクシーが到着すると、なぜか「ミチさん」の家はブライダルショップになってる。実家の場所で「ミチさん」が開業したのか?それとも「ミチさん」はどこかへ嫁いでしまったのか?そこへ、ちひろの息子(武田航平)が「鎌田です」と言ってやってくる。「鎌田」というのは、ちひろの結婚相手の名前ですよね。きっと瓜二つの息子は認知症の母の前で結婚前の父を演じてる。しかし、ちひろは「鎌田」を見るやソッポを向いて逃げてしまう。おそらく「鎌田」とは強いられた望まない結婚なのね。だから結婚前にもういちど「ミチさん」に会いたかった。そのことを知って、象子はこう思うのです。ちひろはきっと「存在できなかった未来」に導かれたのだ。でも、ちひろには、その意味が分からない。23才のちひろには、その未来がまだ来てないから。そんな彼女に象子はこう語りかけます。「ちひろさんにはきっとたくさんの幸せが待ってますよ」その言葉を聞いて、ちひろは納得して帰っていく。ちひろは財布にGPSをもたされてましたが…この場所にも何度か来てたのではないかしら?そして、そのたびにウエディングドレスの前で泣き崩れ、そのたびに「鎌田」を名乗る息子に迎えに来てもらってたのでは?しかし、なんどここへ来ても「ミチさん」には会えなかったろうし、息子も「ミチさん」にはいちども会ったことがない。そもそも「ミチさん」が生きてるのかどうかも分からない。夫の「鎌田」だって、もう生きてないかもしれない。象子は、高校時代の唯一の友達だった畑中くん(佐久間悠)に会いに行く。彼が初恋の相手だったかどうかは自分でも分からない。彼は医療過誤で患者を死なせて裁判にかけられようとしてる。そんな彼に象子はこう語りかけます。「これからも誰かを救って!人を殺したことに逃げないで!」すると畑中くんはこう言って笑います。「そんな話したらもう二度と会えないよ。綺麗に終わりすぎて」たぶん象子は、ちひろにも"綺麗な終わり方"をさせてあげたのだと思う。だから、ちひろはもう「ミチさん」には会いに来ないでしょう。そして息子が演じる「鎌田」のことも受け入れるようになるはず。それは「ミチさん」が幸せな未来を予言してくれたから。◇この物語でいちばん響くのは、やはり「存在できなかった未来」という言葉。誰しも「存在できなかった未来」を生きてみたい、…という痛切な願望や後悔をもってますよね。だから、これはいろんな物語のテーマになってる。わたしはつい大林宣彦のSF映画に重ねてしまうけど。🌙#夜ドラ【#ミッドナイトタクシー】🚕月曜から木曜 夜10:45〜11:00第5週、ご乗車ありがとうございましたちひろから、ミチさんへの気持ち「好きとかそういう言葉に、当てはめる必要なんてないのよね」#筒井真理子#古川琴音📺NHK ONEで見逃し配信中https://t.co/ZK3v7dsGc0 pic.twitter.com/IzpDhXlj6m— NHKドラマ (@nhk_dramas) July 2, 2026🌙#夜ドラ【#ミッドナイトタクシー】🚕月曜から木曜 夜10:45〜11:00撮影を終えての記念撮影今回はこの方々と#佐久間悠 さん、#KanSano さん#筒井真理子 さん、#武田航平 さんみなさん、ステキなご乗車ありがとうございました!📺第5週はNHK ONEで配信中https://t.co/ZK3v7dsGc0 pic.twitter.com/PNfvqsdjhU— NHKドラマ (@nhk_dramas) July 2, 2026◇このドラマは、乗客との束の間のふれあいの物語なので、彼らの人生のほんの断片しか見えないし、その背景は謎めいたブラックボックスになってて、脚本家がその部分まで作り込んでるのかも分からない。でも、すくなくとも今回の第19〜20話にかんしては、背景までしっかり作り込んであるのを感じました。
2026.07.10
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天国と地獄 〜サイコな2人〜。第7話まで来て、奄美のシヤカナローの花と丸い石、被害者の名前の数字と抜けた歯の完全収集。まだ未回収の謎は散らばってる。森下佳子の物語の構造も、まだはっきりとは見えてきませんが、おそらく、今作は、なんらかの意味で、「白夜行」と「JIN−仁−」の変奏なのだと思う。◇まず「JIN−仁−」には、《階段落ち》と《双子》の要素がありました。満月の夜に階段から落ちると、現代の南方仁は、幕末の南方仁に入れ替わる。そして脳内から摘出された胎児型腫瘍は、いわゆるバニシングツインであり、すなわち「生まれなかった双子」でした。いっぽうの「白夜行」には、《太陽と月》や《歩道橋》の要素がありました。亮司と雪穂が「太陽のもとで歩く」という夢は、黄昏時の歩道橋で交錯しつつも破れ、結局、彼らの運命は月の支配から逃れられません。◇ちなみに、大林宣彦の「転校生」は、階段落ちからの男女入れ替わりの物語であり、新海誠の「君の名は。」は、黄昏カタワレ時の男女入れ替わりの物語なのですが、両者に共通していたのは、思春期の男女が異性の体を手に入れるという、淡いエロティシズムでした。しかし、今回の「天国と地獄」には、そうした側面が希薄です。なぜなら、そもそもゲイである日高陽斗には、女の体への関心がほとんどないからです。つまり、これは「男女」の入れ替わりの物語というよりも、やはり「善悪」の入れ替わりの物語なのであり、もっといえば、人間の運命が善と悪へ分岐するまでの、本来なら代え難い「境遇」の入れ替わりの物語なのです。そして、そこに、自分であるかもしれなかった「双子」の物語も交差します。◇日高と望月は、《太陽》と《満月》の隠喩だったのですが、望月と朔也は、《満月》と《新月》の隠喩にもなっています。新月とは、存在しているのに見えない月のことです。それは、存在したのに生まれなかったバニシングツイン、もしくは空集合のような存在だともいえる。太陽は満月だったかもしれないし、さらに満月は新月だったかもしれない。この入れ替わりの物語は多重構造になっています。そのうえで、オッフェンバック/黒澤明的な天国と地獄の対比を、ベートーベン的な運命の物語に組み直しています。月は、完全に満ちたときに太陽と入れ替わり、完全に欠けたときに闇と化すのです。当初、わたしは、このドラマにとても期待していたのだけど、正直いって、あまり乗りきれてはいない。駄作とまではいわないものの、過去の森下×綾瀬の黄金コンビの名作群に比べると、最高傑作とまでは言いがたい気がする。一般には、高橋一生が絶賛されてますが、わたしは、さほどいいとは思えない。綾瀬はるかの男っぷりは、いままでになく色香に満ちててカッコいいけど、高橋一生のオネエ演技は、ちょっとコミカル要素が強すぎるし、綾瀬はるかの雰囲気へ寄せているようにも見えない。これは、おそらく演出の問題であって、思えば、大林宜彦の「転校生」のときも、小林聡美の男っぷりが見事だったのに対して、尾美としのりの女々しさはわざとらしくて、かなり違和感があったのを覚えています。◇今作は、綾瀬はるかのカッコよさを見せることについては、申し分なく大成功してると思うけど、コミカルな演出はあまり有効ではなく、むしろ「白夜行」的にシリアス度を高めたほうが、ドラマの緊張感ははるかに増しただろうと思います。そして、森下佳子のオリジナル脚本の説話手法が、従来のような原作のある脚色ものにくらべて、ちょっと無理があるかもしれないなあ、という気もしてます。
2021.03.01
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ハンカチの四隅そろわぬ夕べかな 朝虹を飛び越えイルカ五十頭 水筒が円陣組みし夏の芝 溶けていくミッキーアイスの待ち時間 海開き離れぬ吾子の腕強し そうめんをちゅるり昨日も一昨日も 外野席かちわり氷背に膝に7月23日のプレバト俳句。お題は「晴天の夏」。◇梅沢富美男。ハンカチの四隅そろわぬ夕べかなハンカチの四隅の歪む夕の帰路(添削後)季語は「ハンカチ」で夏。原句は洗濯の場面にも見えてしまう。かたや添削句のほうは、歩くことで歪むかのように見えます。むしろ二句一章で、ハンカチの揃わぬ四隅 夕の帰路と分けたほうがいいと思います。◇勝俣州和。朝虹を飛び越えイルカ五十頭季語は「朝虹」で夏。一方、(なぜか番組では夏と言ってましたが)本来「海豚いるか」は冬の季語です。前回の「小綬鶏」は、とくに嘘くさいとも思わなかったけど、これはあきらかに嘘でしょw虹を飛び越えるイルカなんて、1頭だけでも嘘くさいのに、50頭なんて絶対嘘に決まってる。倉中るなのジュラシックパークの水彩画が、演出しすぎで6位だったこともありましたが、これはそれ以上に演出過多ですね。◇B&ZAI本髙。水筒が円陣組みし夏の芝夏芝に円陣 子らも水筒も(添削後)たしかに、「円陣」と書けば「組む」は不要だけど、「水筒も」と書けば「子らも」も不要よね。わたしとしては、水筒も円陣を組む夏の芝と書けばいいかなと思います。◇秋元杏月。溶けていくミッキーアイスの待ち時間ミッキーアイスバーも待ち時間も溶けて(添削後)アイスを買うための待ち時間、…との誤読を避けるべきではあるものの、添削句の「待ち時間が溶ける」って何?ダリのシュールレアリズム?ふつうに直せば、ミッキーのアイスが溶ける待ち時間となるだろうし、溶けるアイスを主人公の汗と並べるなら、ミッキーのアイスも溶ける待ち時間と書くのも不可能じゃないかもしれません。◇貫地谷しほり。海開き 離れぬ吾子の腕強し吾の腕を離さぬ吾子の海開き(添削後)まだ幼いから親にしがみつくのか、あるいは成長して力強くなったのか、字面からは分かりにくいのよね。かたや、添削句は「吾」が重複するので、母の腕離さぬ稚児や 海開きのようにも出来るのでは?◇さや香新山。そうめんをちゅるり 昨日も一昨日もタイガース勝った 冷やそうめん今日も(添削後)作者によれば、毎日美味しく食べてるとのことですが…なんだか侘びしくも見えるし、六畳一間の貧乏生活と読めなくもない。なお、「そうめん」だけでは季語にならず、「冷素麺/冷索麺」と書かねばならないのね。リズム的には、タイガース勝ってる 今日も冷やそうめんのようにするほうが定型に近い。◇清水アナ。外野席 かちわり氷背に膝にかちわりを首に背中に外野席(添削後)上五が季語でも主題でもなく、場所の説明になってるのが欠点。添削案で異論なしですが、背に膝にかちわり当てる外野席のようにも出来ます。\✨今週の #清水チャレンジ✨/📣木曜、夜7️⃣時は #プレバト!!清水アナが「晴天の夏」で一句🌤️🌻結果は惜しくも…!😲💥夏井先生からは「“かちわり”だけでも季語として機能する」と熱いアドバイスが!清水アナの悔しそうな表情にも注目です👀清水アナの句、いかがでしたか❓👂… pic.twitter.com/Hody74BCkv— 「プレバト!!」毎週木曜よる7時【公式】 (@prbt_official) July 21, 2026▽過去の記事はこちらhttps://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12
2026.07.24
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フジ「102回目のプロポーズ」が終了。わたしは35年前のドラマを見てないので、ちょっとラストの意味をつかみかねたのだけど、あらためて武田鉄矢の話を聞きなおしたら…彼の場合も、101回目のプロポーズがすぐには成就せず、いちどはフラれて、振り向いてもらえるまで時間がかかったわけね。◇だから、霜降りせいやの102回目のプロポーズも、すぐに成就するわけじゃなく、これはあくまでスタートラインであって、やっぱり振り向いてもらえるまでには、それなりに時間がかかるってことなのでしょう。さすがに、この段階でハッピーエンドって無理があるしね。まあ、ストーカーにならない程度に、最愛の恋人を亡くした彼女の心の空洞を埋めながら、誠実な友人として支えつづければ、いつかは振り向いてもらえるかもしれない、…という希望を込めたエンディングなのだと思います。◇もし続編があるとすれば、伊藤健太郎のドッペルゲンガーが登場して、(前作では長谷川初範のドッペルゲンガーが登場したらしい)もうひと波乱あってから結ばれる、…みたいな顛末が再演されるわけね。とくに続編を希望してるわけじゃありませんが。そういえば、東出昌大の映画もドッペルゲンガーの話でしたね…(^^;ただ、前作の内容を知らない視聴者には、そこらへんがちょっと分かりにくくて、お茶を濁したエンディングに見えてしまったかも。◇こういう物語は、だいたい結末が決まってるんだろうから、あとは細部の描写が共感を得られるかどうか。そこがドラマの成功の鍵になると思うんだけど…影の恋愛プロデューサーみたいに振る舞って、自己満に浸ってる太陽はちょっとキモかったし、(自分でデザインした皿をプレゼントさせたのはドン引き…)音は音で、あまりにも主体性がなさすぎて、(病気で気持ちが弱ってるから仕方ないってのもあるけど)いまひとつ光への想いの強さは感じられなかったし、かたや光は、唐田えりかのキャラが逞しすぎて、一瞬で立ち直りそうに見えてしまうので、さほど可哀想とは思えなかったのも事実…(^^;◇総じていうと、たいして胸を締めつけられるほどでもなく、よくもわるくも、チャゲアスの曲も含めて、35年前のネタ&パロディとして楽しむにとどまる、…って感じのドラマだったと思う。制作者がそういう意図で作ったんなら、それはそれでいいんだけども。◇このたびの「急に具合が悪くなる」でも、主演の2人がカンヌで女優賞を獲りましたが、東出昌大と唐田えりかも、濱口竜介の演出が素晴らしすぎたせいで、現実と虚構の見境がつかなくなってしまって、ああいうことになったのだろうし、(そもそも物語がそういう内容でしたからね)寝ても覚めても=虚構でも現実でも寝ても覚めても【Blu-ray】 [ 東出昌大 ] 楽天で購入 だから、わたしは、2人に対してだいぶ同情的だったのだけど…今季の2つのドラマの唐田えりかを見てたら、想像以上に逞しい人だなという印象を受けました。それほど恋愛に依存する体質の人にも見えない。東出と引き裂かれたあとも、わりにあっさり立ち直ったんじゃないかしら?そもそも東出も唐田もものすごくモテるんだろうしね。…まあ、あくまでわたしの勝手な想像ですがw◇そして、ついに来季のフジテレビは、のん(能年玲奈)のドラマをやるらしい。こちらもちょっと気になります。脚本は北川亜矢子。北川悦吏子じゃありません。急に具合が悪くなる [ 宮野真生子 ] 楽天で購入
2026.06.25
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NHK「風、薫る」第14週。百合路線はあいかわらず安泰!!引っ越ししたら、離れ離れになるのかと思いましたが、まったく心配無用でしたwりんが、「ずっと一緒に暮らしたい!」と言ってくれたんだから、そこはギュッと抱きつくとこでしょ!なんならチューとか…まあ、美津(水野美紀)は、直美の収入も当てにして広い家を選んでるし、一緒に暮らさないわけがないんだけどね。一緒に出勤しつつ、トムとジェリーみたいに喧嘩する2人。pic.twitter.com/O641x6u23R— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 4, 2026◇直美が、りんに団子を買いに行かせたのは、シマケンの小説を読ませるためだった?でも、たぶん直美は、シマケンのことも虎太郎のことも、ライバルとすら思ってないのよね。どう考えても、りんの最大の理解者は直美だし。ほぼ夫婦だしw直美のほうがイケメンだし。死ぬまで添い遂げることが確定w薩摩軍人の匂わせも続いてますが、ひたすら無駄な努力です…(^^;ただし、シマケンにもらった紙ヒコーキを、りんが嬉しそうに眺める様子を見て、直美がやや嫉妬してた感がなくはないwこれだから、りんはモテてしまうのよね…。 pic.twitter.com/99WBZQVEOX— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 4, 2026◇看護学生時代のりんは、なんども逆転金星を挙げてましたが、先生になった途端に黒星ばかり。りんの失敗のせいで、ツヤもヒデも辞めてしまった。りんは仕事の範囲を超えて、あらゆることに奉仕しようとするけれど、なにもかもが裏目に出てます。かたや直美は、ただ割り切って仕事してるだけですが、りんが心配なので、りんにだけは奉仕するwりんのことが心配で仕方ない直美。愛がダダ漏れ。バツイチの子連れ女を「あの子」呼び。◇…それはそうと!直美の実母の件ですが、浦崎八幡が熱海の神社と判明して、余計に分からなくなりました…。夕凪は、男と一緒に品川の女郎屋を逃げ出し、故郷の伊豆へもどる途中に、熱海の神社で安産祈願をしたのに…また横浜の外人居留地へ逆戻りして、生後間もない娘を教会に捨てたってこと?…なんじゃそりゃ?産んではみたものの、やっぱり育てられないと断念したのか。それとも出産後に男に捨てられたのか。それともやっぱり、横浜の波止場から異国へ旅立ったのか。◇もう、この期におよんで、実母のことなんかどうでもいい、…って気がしなくもない。たしかに直美は孤児だけど、日本語もろくに読み書きできないツヤに比べたら、教会で日本語も英語も学んでるわけで、じつは、かなりの社会的アドバンテージがある。なんなら勝ち組といってもいい。へたに直美が実母と再会したら、かえって背負うものが多くなるだろうし、ろくなことにならない気がします。連続テレビ小説 風、薫る 完全版 ブルーレイ BOX1【Blu-ray】 [ 見上愛 ] 楽天で購入
2026.07.04
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同席の猫や盛夏のオムライス 夕涼の決起和牛の融点ぞ 新書大賞受賞生牡蠣十種盛 友興す社名託され蕎麦焼酎 晴れの日や鰻を真中より割つて 雨上がり師の励ましの鮎御膳 お座敷のぼんじり半ズボンのひざ 妻を待つ店のポジャギの夏暖簾 打水の風や熱田のひつまぶし6月25日のプレバト俳句。今回は、名人vs新世代の団体戦。お題は「大切な店」です。◇阿見果凛ちゃん。晴れの日や 鰻を真中より割つて上手いですね。動作のリアリティが、季語の食べ物の美味しさを際立たせる。最後の連用形で述語を省略してますが、かならずしも「食べる」だけでなく、「もちあげる」「眺める」「香を楽しむ」…などの色んな述語が想像できて楽しい。たしかに、「ハレ」を漢字で書くかは迷うところ。カタカナの印象は軽すぎるし、漢字だと誤読の余地が生まれてしまう。しかし、すくなくとも、「晴れ舞台」「晴れ着」「晴れ姿」の語もあるし、漢字で書くのは間違いじゃありません。◇中田喜子。雨上がり 師の励ましの鮎御膳鮎の香や 師の励ましの言の葉に(添削後)これも原句のままでいいと思います。上五は季語じゃないけど、句の主題と思わせるだけの象徴性がある。《師の励ましによって人生の雨が上がった》…とも解釈できるから。かたや添削句は、デタラメすぎて意味不明。下五「言の葉に」のあとに、何が省略されてるのか見えないし、かといって倒置法とも解釈しにくい。下手をすると、《私が師匠に鮎を御馳走した》とさえ誤読されかねません。たとえば、鮎の香と師の励ましの言の葉ととするなら、まだしも意味は通ります。◇三宅香帆。新書大賞受賞 生牡蠣十種盛これも俳句としては出来てます。難点があるとすれば、10+9=19音の字余りと、冬の「牡蠣」が季節外れなこと。◇Aマッソ加納。同席の猫や 盛夏のオムライスこれも形は出来てるし、悪くないと思いますが、季語が動くとの批判はありえますね。読み手によっては、熱々のオムライスにふさふさの猫で、盛夏が暑苦しいと感じるかもしれません。◇清水アナ。打水の風や 熱田のひつまぶし地元の兵庫じゃなく名古屋の句。前段の「打水の風」で、ほぼ勝利を手にしちゃった感じですね。あえて揚げ足取りをするならば…やはり「鰻」は夏の季語だから、ひつまぶしが季重なりの疑いはあるし、そのうえ地名の「熱」の字が加わると、かなり夏のイメージが強すぎるともいえる。しかし、逆にいえば、そのくらい暑苦しいからこそ、前段の「打水の風」の涼しさが効いてくる、…ともいえるのよね。\「うまいじゃない‼」先生絶賛👏/✨今週の #清水チャレンジ✨📣木曜、夜7️⃣時は #プレバト!!清水アナが「大切な店」で一句🍴夏井先生「熱田の鰻屋に売ろう」👏才能アリおめでとうございます✨清水アナの句、いかがでしたか❓👂感想コメントお寄せください✨#夏井いつき先生#俳句 pic.twitter.com/hCfQp6NnGx— 「プレバト!!」毎週木曜よる7時【公式】 (@prbt_official) June 22, 2026◇蓮見翔。お座敷のぼんじり 半ズボンのひざ先輩は半ズボン ぼんじり美味うまし(添削後)句としては出来てるけど、子供連れの家族の句に見えるよね。まさか勝俣州和とは思わないわけで…(^^;かたや、添削句は「美味し」が不要なので、8+10=18音の字余りですが、座敷のぼんじり 先輩は半ズボンでいいんじゃないでしょうか。◇梅沢富美男。妻を待つ店のポジャギの夏暖簾妻を待つポジャギ涼しきのれんかな(添削後)原句も、添削句も、動詞「待つ」は終止形でなく連体形よね。だとすると、「暖簾が妻を待っている」という意味になって、妻に家出された店主の句にも見えなくはない。そういう誤読を避けるためにも、動詞「待つ」の主語は作者にして、妻待ちてポジャギ涼しき夏暖簾のように書いたほうがいい。※連用形「待ちて」は、そのあとの述語「見る」などの省略です。◇千原ジュニア。友興す社名託され蕎麦焼酎友の興す社名託さる 蕎麦焼酎(添削後)添削句は、受け身の終止形で切ってますが、(連体形なら「託さるる」になります)どっちにしても上五「友興す」が説明的。たとえば、蕎麦焼酎 吾われに社名を託す友と書けば「興す」と書く必要はない。…しかし、それ以前の問題は動詞の「託す」です。一般に「名を託す」というのは、《命名を依頼する》という意味ではなく、《名前を引き継がせる》という意味になる。そういう誤読を避けるためには、友の社に吾あが名をつけて蕎麦焼酎のように書くべきでしょうね。※連用形「名をつけて」は、そのあとの述語「酌み交わす」などの省略です。◇キスマイ横尾。夕涼の決起 和牛の融点ぞ夕涼の決起 和牛は口にとけ(添削後)原句の「融点」は、油が溶ける温度のことですが、鉄板のうえの肉とも解釈できるし、口のなかの肉とも解釈できますね。末尾の「ぞ」は音数合わせの感が強い。…しかし、それ以前に、(「貧乏なのにツケ払い」もそうだったけど)これってやっぱりジャニタレならではの句で、一般世間の感覚とはズレてるなあと思う。ふつうは、何を決起するかにかかわらず、みんなが集まれる場所を選ぶはずなので、こういう集会に高級和牛店はそぐわない。作者を知らなければ、「なぜ決起集会で優雅に高級和牛なんか食ってるの??」と疑問ばかりが湧いてきます。まあ、彼の実体験だから仕方ないけど、俳句を詠む以上は、一般の感覚に寄せる言葉選びが必要です。追記:元来の日本語の「決起」は《士気・覚悟・闘争》などを含意する重い言葉です。しかし、近年は《キックオフミーティング》の訳語として「決起会/決起集会」が業界用語化してるわけね。つまり、たんなる和やかな懇親会になってしまってる。そのチグハグさを滑稽味を込めて茶化すなら面白い俳句になるかもしれないけど、おそらく横尾は(添削者も)そのチグハグさに無自覚なのです。▽過去の記事はこちらhttps://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12
2026.06.26
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橋本愛の接触トラウマについて、ネトウヨやヤフコメ民の一部はまだ誤解してますが、現時点において、「顎の接触がトラウマ」との情報もないし、「顎の接触がハラスメント」とも主張されてない。それはたんにレギュレーションを決めたきっかけです。つまり、脚本的にも演出的にも、身体接触は想定されてなかったのに、初回の撮影から顎への接触があったので、その後もいろんな接触が起こりかねないし、「やっぱりレギュレーションを決めてくれ」ってことで、肩と腕以外のアドリブ接触はNG(もしくは事前許可)、…というルールに決めたって話。具体的に、どこのどんな接触がトラウマかについて、(ネトウヨやヤフコメ民は勝手な想像で決めつけてますが)いっさい公表などされてません。◇フロムファーストの声明によれば、佐藤二朗は以下のように言ったそうですが、過去の心の傷は最大限、尊重されるべき社会だと心から思うが、トラウマがあって夫婦役を演じるなら先に状況を相手に共有すべきである事、その状況が続くなら俳優を続けるべきではないのではないかと僕個人は思います。トラウマにかんする状況を共有させなかったのは、佐藤のマネージャーと番組プロデューサーなので、その文句を橋本愛に言っても仕方ありません。共有を妨げた主犯が、マネージャーだったかプロデューサーだったか。これについては第三者には分からない。◇しかし、いずれにせよ、それは直接的にはハラスメントと無関係なわけで、いちばんの問題は、「その状況が続くなら俳優を続けるべきではない」という佐藤二朗の発言です。フジテレビの責任を問うのは構わないし、調整できなかった原因は検証すべきだろうけど、佐藤二朗が言ったことの責任は、悪意の有無はともかく、佐藤二朗本人以外に負いようがない。◇口調や文脈によって印象の差はあれ、「接触トラウマがあるなら俳優を続けるべきでない」という文言を一般的な社会倫理に照らせば、けっして正当化されるものでないのは明白。これを「正当だ」と主張してる連中はゴロツキです。トラウマなどの障害の有無にかかわらず、「NG項目を取り除け」と俳優に無理強いしたり、「NG項目があるなら俳優をやめろ」と要請するのが、社会倫理的に考えて不当なのは理の当然です。◇ちなみにフロムファーストは、フジテレビに真っ向から喧嘩を売ってますが、何かメリットがあるんでしょうかね。フジを敵に回しても、他の局や制作会社が味方になってくれる、…という謎の自信があるのかもしれませんが、ちょっと見通しが甘いんじゃないの?社長の小口友希子って、小口健二の娘なんですか?今回の件では、「専門家がハラスメントと言ってないので問題なし」…みたいな強弁をしてるけど、そのわりに、他人のトラウマを勝手にアウティングしたり、全般的にマネジメントが幼稚なんじゃないかしら?◇ところで、話は変わりますが…由貴ちゃんは、佐藤二朗と何度か共演してるし、井森美幸と「オヤジの時間」にも出演してるから、それなりに旧知の関係だったと思うけど、今回のドラマ番宣のときに、佐藤のことを「ちょっとあらいけど…」と口にしたのを、わたしは聞き逃さなかった!!でも、そのときは、佐藤の演技スタイルを「粗い」と言ったのかな?…ぐらいに解釈したのよね。とはいえ、由貴ちゃんにしては、ちょっと珍しい論評だと気にはなったのです。いまにして思えば、すでにあのときハラスメント事案は発生してて、由貴ちゃんが言ってたのは、「粗い」というより「荒い」のニュアンスだった?…という気がしてます。◇そこでわたしが思うのは、俳優は一般的に「役柄の影響を受ける」ってこと。とくに直近の佐藤二朗は、映画「爆弾」や「名無し」で、凶悪な犯罪者を演じてたらしいので、そうした役柄に影響を受けた結果、一時的に本人のキャラが荒くなった可能性はあるし、それを「芝居の神様」の発動と感じてたかもしれない。そのうえドラマで主役に抜擢され、座長として意気込んで気が大きくなって、態度や行動の荒さに拍車がかかったのでは?◇わたしは、東出昌大と唐田えりかの不倫についても、「役柄を内面化しすぎた結果」と思ってるわけだけど、(それは良くも悪くも濱口竜介の演出が卓越しすぎてるから)俳優にはそういうリスクがあるし、事務所やマネージャーはそれを含めて管理せねばならない。ただ、逆に考えれば、そんな「荒さ」を恐れたからこそ、そして「降板」の事態を恐れたからこそ、佐藤のマネージャーも番組プロデューサーも、彼に制限をかけにくかった可能性があるわけよね。そこらへんの事情は部外者には分からない。
2026.07.06
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テレ朝「クロスロード~救命救急の約束」。これといった期待もなく、「いつものテレ朝の医療ドラマよね…」と思って見はじめましたが、第1話の冒頭5分を見て、「うわわ!これってアンパンのおのぶっ!」…と胸が高鳴ってしまいました。時代も舞台も設定はまったく違うけど、あきらかに「あんぱん」のおのぶが転生してる!◇わたしは、めったにドラマロスになったりしませんが、朝ドラ「あんぱん」が終わったときだけは、めずらしくちょっとロスだったのよね…(^^;なぜなら、おのぶ役の今田美桜が見れなくなるから。今田美桜本人への興味というより、《おのぶ役の今田美桜》がいなくなるのが、なぜか言いようもなく寂しかったのです…。◇もともと今田美桜って、あまりキャラ立ちのする人じゃないし、いまひとつ実像の見えにくい人だから、おのぶ役でなくなったら、また目立たない元の女優に戻るんだろうな、…という予想もありました。でも、今作の主人公は、あきらかにおのぶのキャラを受け継いでる。それが第1話冒頭のセリフに宣言されてます。「正義感ふりかざしてくる!」この一言に「おのぶ〜!!」と思ったら、なぜだかワクワクが止まらない…(^^;ドラマ自体もよく出来てますが、わたしは何より、正義に向かって突っ走りつつ、何が正義なのか分からなくなって苦悩する、そういう姿が見れて嬉しい。グサッとくるリアルな一言…主人公の正義感を静かに揺さぶる。◇今回の企画が誰の主導か知りませんが、このドラマ自体、朝ドラ「あんぱん」のおのぶの意志を引き継ぐ、…とのコンセプトで作られてるのは分かる。今田美桜もそれを意識して引き受けてますね。実際、朝ドラ終了後に北村匠海と対談したときも、「これからも逆転しない正義について考えていきたい」…みたいに話してたから、今作はその気持ちを受けて作られてるはず。連続テレビ小説「あんぱん」ブルーレイ/DVD BOX1・2・3“逆転しない正義”『アンパンマン』にたどり着くまでの愛と勇気の物語https://t.co/RC7RSRW2tv出演:今田美桜 北村匠海江口のりこ 河合優実原菜乃華 高橋文哉眞栄田郷敦 大森元貴 ほか#朝ドラあんぱん… pic.twitter.com/z2bYF6o6O4— NHKグループモール (@NHKGroupmall) April 8, 2026連続テレビ小説 あんぱん Part1 (NHKドラマ・ガイド) [ 中園 ミホ ] 楽天で購入
2026.07.18
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NHK「知恵泉」大関和ちかさんの回を見ました。3月の本放送のときは見てなかったし、ちょうどいいタイミングでの再放送!ドラマのりん(見上愛)は、のほほんとしたおっとりキャラなのに、いきなり後先を考えず暴走したりする。これが物語的に珍しい類型なので、分かりにくい女性像が視聴者を戸惑わせます。わたしもようやく、そのキャラ造形の意味は分かってきましたが、子供を連れて嫁ぎ先を出奔した序盤では、正直、脚本家の意図を測りかねてたのも事実…(^^;◇しかし、今回の番組を見ると、実際の大関和さんはもっと極端かつ破天荒で、かなり分かりにくい不思議キャラです。泣キチン蛙と呼ばれるほど感情の起伏が激しい反面、まるでブルドーザーみたいに改革を実現させてる。pic.twitter.com/SxcV8zEYoL— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 23, 2026 18才で年上の夫と結婚したものの妻妾同居に耐えられず、22才のときに二人の子供を連れて離婚し、翌年には東京で外国人相手の小間物屋をはじめ、(卯三郎さんの役割を兼ねてる?)英語を学んでキリスト教に感銘を受け、教会の牧師に勧められて看護婦になると、(ここらへんは直美に近い部分です)患者ファーストで病院の慣例を無視して男性医師に盾突き、医者や古い規則をねじ伏せながら看護婦長に昇進。(苔癬症のチュウにも実在モデルがいたっぽい)pic.twitter.com/PFLrEEsOEz— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 23, 2026 しかし、結局は医者と対立して看護婦を辞め、新潟で女学校の舎監を務めたあと、当地の病院看護長になって看護師教育をはじめ、pic.twitter.com/JQQrY3tbtr— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 23, 2026東京に戻ると同窓の鈴木雅さんとタッグを組んで、訪問看護システム確立と看護婦育成に力を注ぐ。pic.twitter.com/C2kixtlPHB— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 23, 2026 まあ、当時はまだ、近代病院のシステムが十分に確立されてなかった、…ってこともあろうけど、この大胆不敵な行動原理はドラマの比じゃないwバーンズ先生が言うように、看護は「仕事であって奉仕じゃない」けれど、大関和さんの場合は、患者への奉仕が不足してる状況なら、仕事の枠組みそのものを変えてしまうのです。pic.twitter.com/8Dio5ZA6Hs— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 23, 2026 ◇ひとついえるのは、りんと直美には宗教的な要素をほとんど感じないけど、実際の大関和さんはキリスト教の影響がかなり強いですね。それが彼女の行動原理を基礎づけてたと思います。身体だけじゃなく心までケアしようとする姿勢も、いわば「人体だけでなく人生を扱う」という発想に近い。https://t.co/F5SwWDPhEI pic.twitter.com/9kC3nVNfiq— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 23, 2026 明治のナイチンゲール 大関和物語 (中公文庫 た101-1) [ 田中ひかる ] 楽天で購入
2026.07.23
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新海誠の映画「君の名は。」には、隕石によってできた糸守湖が描かれます。一般に、「糸守湖のモデルは諏訪湖だ」と言われてきたのですが、新海誠自身は、「最初期のイメージは(長野県小海町にある)松原湖や大月湖」だったと述べていました。昨夜NHKで放送された、「ネーミングバラエティー・日本人のおなまえっ!」を見て、ようやくその謎が解けた気がします。なんと「長野に幻の湖が存在した!」というのです…。◇ときは平安時代。西暦887年、五畿七道の地震によって、北八ヶ岳が山体崩壊を起こし、千曲川がせきとめられた結果、現在の小海町や南牧村あたり一帯が、水深130mもの巨大なダム湖になったというのです。その1年後には一部が決壊して、水深は50mほどに減ったそうですが、それでも、そこには100年以上ものあいだ、幻の湖が存在しつづけたそうです。現在の研究者たちは、この湖のことを「古千曲湖Ⅰ/古相木湖」(または南牧湖/小海湖)と呼んでいるようです。まさに、新海誠のいう「松原湖」は、この巨大湖の名残りなのです!そして、松原湖の周囲には、消えた湖の堆積土砂による広大な平野が残され、人々の暮らしと、水運のもたらす経済が育ったのです。◇話はそれだけではありません!長野は内陸県であるにもかかわらず、「本海野」「海瀬」「小海」「海の口」「海尻」など、海にまつわる地名が多いのですが、それらは、ここに幻の巨大湖が存在した痕跡なのであり、のみならず、「海野」「海瀬」「新海」「新津」などの苗字が多いのも、同じ理由からなのだそうです。…新海?!そうです!森岡浩によれば、もともとは「新開(新しい開墾地)」を意味する苗字に、あとから「海」の字を当てたものだそうですが、これもまた、その幻の湖に関係する苗字だったのです!!◇映画「君の名は。」に出てくる糸守湖は、隕石によって生まれたという設定ですが、実際には、地震による山体崩壊が生んだものがモデルだったのです。そして「新海」という苗字のルーツをたどれば、新海誠が、湖や、雨や、竜など、水にまつわる物語を作りつづけるのは何故なのか、その理由もはっきりと見えてくる気がします。おそらく新海家の一族は、地震で突如生まれた巨大湖のそばで生きた人々なのです。◇(追記)新海誠の娘はFoorinの新津ちせちゃんですが、新海誠も、本名は「新津」なのだそうです。新海家ではなく、新津家だったのですね。むろん「津」とは "港" の意味ですから、これもやはり海(=巨大湖)に関係した苗字です。なお、長野県佐久サク市には「新海神社」があるので、新海という芸名はここに由来するのかもしれません。また、長野県と海とのかかわりでいうと、海人族(ワダツミ)に連なる阿曇氏が穂高神社に祀られている…というのも気になるところです。▶映画「天気の子」を民俗学で読み解くこちらにその他のブログ。◇ついでに余談ですが、松原湖には、畠山重忠にまつわる竜の伝説があります。重忠の母(三浦義明の娘)は、源頼朝に仕えた息子を守るため、松原湖に入水して竜へ身を捧げたとのことです。(もともと彼女自身が竜蛇だったとの説もあり)彼女の墓は、いまは松原湖に水没しており、湖面が下がったときにのみ少し姿を現すそうです。…もともと長野には、諏訪のミシャグジ神 ≒ 建御名方タケミナカタ神を中心に、多くの竜蛇伝承がありますが、一説によれば、口噛み酒(ミサク)もミシャグジ神に関係しているそうです。上述の新海神社が祀っているのも、「興波岐オキハギ」という神様で、これは建御名方の子、もしくは甲賀三郎の子にあたり、いずれにしても蛇神/竜神です。別名を「新開ニイサク」「御佐久地ミサグチ」とも言うらしいので、これまたミシャグジ神に関係しているかもしれません。(追記はここまで)https://t.co/zFI5tXugXo pic.twitter.com/Tn6dlM6ZrT— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 11, 2022 話は変わりますが、番組では、「鬼滅」がらみで、鬼のルーツにも迫っていました。ざっくりいえば、鬼というのは修験者(山伏)なのですね。奈良の都の人々は、紀州沿岸の山地に潜伏する修験者たちを、「鬼」と呼んで恐れたようです。この地域には、「鬼」のつく地名や苗字が多いのです。役小角の弟子だった前鬼・後鬼の子孫も実在します。実際、修験の人々は、日に焼けた異形の赤ら顔で、目は爛々と輝いて野性味にあふれ、超人的な身体能力を持ってましたから、しばしば「鬼」「天狗」などと思われたのでしょうね。しかも、金属や水についての高度な知識をもっていたし、朝廷の権力さえ脅かす対抗勢力だったかもしれません。中央政権に統合しきれない鬼たちは、討伐(鬼退治)の対象になっていったのでしょうし、平安朝の嵯峨天皇は、紀伊の修験者たちを統合するためにこそ、空海の密教を利用したのかもしれませんよね。
2021.02.26
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Tverの「東京ラブストーリー」。平成版&令和版が終了しました。最初はワクワクしながら見始めたけど、中盤以降は、かなり疲れた…。でも、令和版は、平成版を乗り越えたと思うし、それと同時に、「東京ラブストーリー」そのものが終わった、って気もします。坂元裕二も、そのことに満足してるんじゃないかしら?◇恋愛市場において「勝者」になれるのは誰か?それを競い合うのが、かつての都会の恋愛でした。そんな恋愛観が支配していた時代の東京のストーリー。結論からいうと、勝ったのはカンチとさとみで、リカは負け。三上も、勝ったようには見えない。たんに尚子に勝たせてもらっただけでしょう。◇当初は、リカも、三上も、たえず相手のマウントを取り続けようとする人物でした。つねに相手の期待をかわして裏切りながら、相手側の「誠実さ」だけを一方的に試しつづけ、ささいな不誠実さやタイミングの悪さをなじり、答えようのない禅問答をぶつけては追い詰め、たくみに相手の言動を否定しながら翻弄しつづける。ちょうどバブル期のお笑いと同じで、相手のボケをツッコむことで、自分の優位性を維持しつづける、そういうコミュニケーションのスタイルなのですね。上昇志向の強かったバブル期には、そんな支配的なキャラクターこそが理想とされて、多くの人が「リカや三上のような振る舞い」を模倣しました。とりわけ、男性社会から女性上位時代へ向かう転換期において、周囲を自在に翻弄しつづける奔放なリカの姿は称賛された。◇おりしも…80年代前半までは、「ぶりっ子」だの「あざといポッキー娘」だのと、同性からはげしく嫌われていたアイドル松田聖子が、郷ひろみとの破局や、神田正輝との結婚を経て、90年代になると、手のひらを返したようにその「奔放な生き方」が同性から称賛されはじめる…そういう時代と重なっています。80年代前半の松田聖子は"さとみ"だったけど、90年代以降の松田聖子は"リカ"に反転したのです。ちなみに、小倉千加子の「松田聖子論」が書かれたのは89年。ドラマ平成版の2年前でした。この時代のフェミニストたちも、おそらくリカの生き方を支持し、さとみのような女性像を糾弾していたのだと思う。◇それは、従来の「古典的な女性像」に対する反動の時代でした。だから、さとみは、あざとい「おでん女」だと糾弾された。現実に有森也実を脅迫する視聴者までいたそうです…(笑)当時は、まだネットも普及してなくて、メディアがそういう「世論」を一方的に流布した疑いもあります。さとみへの批判がいまでも有効だと思ってる評論家がいるなら、それは、おおむねバブルの生き残りでしょう。いま見返すと、カンチに「行かないでくれ」と言わせようとしたり、別れ際にいつまでも同情や後ろ髪を引くリカのほうも、相当にあざといのですが…(笑)。でも、そのころは、まだ「女子力」を率直に肯定する価値観がなかったし、まして「あざとカワイイ」なんて概念もなかったから、さとみのような古典的なキャラクターこそが、上昇志向を強めていた当時の女性から見れば、自分の恋の勝利を妨害する「仮想敵」でしかなかった。上昇志向の強かったバブル期の若い男女は、異性にだけでなく、同性のライバルに対しても、いかにして優位に立てるのかをたくらんでいたのです。◇リカと三上は、最終的に恋愛ゲームに負けてしまいます。しかし、平成版のときには、その意味がまったく理解されなかったと思う。むしろ、リカこそが勝つべきであって、さとみのような女は断じて負けるべきだと思われていた。令和版でも、三上はいちおう勝たせてもらえているし、リカも一概に負けたとは見えないように作られている。…でも、ほんとうは負けています。◇この物語には、男女2対の組み合わせが出てくるのだけど、男のほうがマウントを取る「三上&さとみ」の関係と、女のほうがマウントを取る「リカ&カンチ」の関係が、たがいに逆転した形になっています。「三上&さとみ」が男性優位の古典的な関係だとすれば、「リカ&カンチ」は女性上位の新時代の関係を象徴していた。男たちが女を振り回してきたのとは逆に、リカは、カンチを、自在に振り回したのです。これは当時の女性にとって、さぞかし痛快に見えたはず。同時に、それは「マイフェアレディ」を逆転したような関係でもある。つまり、都会の女が、田舎の青年を成長させる話なのです。リカは、カンチを都会の男へと成長させます。ただし、(イライザはヒギンズ教授のもとへ帰ってきたけれど)カンチは、リカのもとへ帰ってきません。リカはカンチに捨てられる。もとはといえば、リカを育てたのは和賀部長だったかもしれませんが、リカも、和賀のもとには帰らなかったのです。和賀はリカに捨てられた。◇そもそも、リカがカンチを選ぶのも、三上がさとみを選ぶのも、相手が「マウントの取れそうな異性」だと思えばこそです。逆に、リカと三上がくっつこうとしないのは、たがいに「マウントの取れなそうな相手」だと見抜いているからです。カンチは優柔不断で頼りない田舎者だけど、そうであればこそ、リカは、カンチを選ぶのです。さとみも弱さゆえにあざとくて野暮ったいけれど、そうであればこそ、三上は、さとみを選ぶのです。どちらにしても、相手に弱さや従順さを期待しています。しかし、それはほとんど支配欲であって、ほんとに「愛」と呼べるものかどうかは疑わしい。◇たしかに、カンチとさとみは、リカや三上のような「主体的な生き方」に憧れたでしょう。なので、一見すると、カンチやさとみのように従属的な人間のほうが、リカや三上みたいな主体的な人間に依存してるのだと思ってしまう。でも、実際は、その逆です。リカと三上が最終的に負けるのは、じつは彼らのほうがその支配関係に依存しているからです。毒親と子供の関係や、パワハラ上司と部下の関係の場合もそうだけれど、じつは支配している側が、支配されている側に依存するのです。毒親やパワハラ上司は、「子供はいつでも自分の言うことを聞くはずだ」「部下はいつでも自分の言うことに従うはずだ」と思い込むからこそ、ある日、突然、彼らが自分の言うことに耳を貸さなくなったとき、それまで自分を成り立たせていた基盤がぐらつくのを知る。しばしば毒親やパワハラ上司は、子供や部下への執着を「愛情」であるかのように偽装するけれど、それこそが依存にほかなりません。支配的人間というのは、要するに「かまってちゃん」の別名なのです。他人に依存してるという点では本質的に何も変わらない。だから、最後には、支配している側が捨てられるのです。リカは、カンチに捨てられる。三上は、さとみに捨てられる。和賀は、リカに捨てられる。本来なら、ヒギンズ教授も、イライザに捨てられるべきですよね。その現実を受け入れられなければ、子供を支配し続ける毒親と同じです。◇恋愛が「勝ち負け」だというのは、否定しようにも否定しがたい、悲しい現実です。そして、それを極限的に突き詰めていくような「都会の恋愛」は、表向きはキラキラとして華やかに見えるけど、じつは、とてつもなく悲しくて、虚しい。いま見ると、このドラマは、恋愛で勝とうとする生き方そのものを否定してるように見える。かりにカンチとさとみが一時的な「勝者」だとしても、その勝利でさえ、けっして永続的なものではありえません。恋愛で勝とうとする生き方自体が、とてつもなく悲しくて、虚しくて、不毛なのだから、カンチとさとみの勝ちを誇るべきでもないし、リカと三上の負けを恨むべきでもない。異性に対してであれ、同性に対してであれ、恋愛で勝とうとするような生き方はやめたほうがいい。この「東京ラブストーリー」は、もっとも上昇志向の強かったバブル時代の遺物にほかならないし、令和版は、この物語を葬り去るためにこそ作られたのだ、とわたしは思います。…それはそうと、永田琴がこんなところで仕事してたとはっ!
2021.12.24
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TBS「Tシャツが乾くまで」第3話まで見ました。サスペンスなのかサスペンスじゃないのか...。いまのところ視聴者は、何のジャンルかも分からない状態ですよねwこれは予定調和を拒むうえで有効な手法!◇フィナンシェ&かぼちゃ。水族館&花火大会。いずれも夫婦のズレを暗示するアイテムですが、ミスリードの可能性も高いと思う。そもそも夫婦にズレがあるのは当たり前。たしかに亀裂の原因になる場合もあるけど、お互いに気を使ってるだけかもしれません。◇スマホの暗証番号は、相手にもすぐ分かるようなものだった。あずさ(夏帆)も充(松山ケンイチ)も、聞かれないことに答えなかっただけで、さほどの秘密はなかった可能性もある。実際、周りの人にも愚痴など言ってなくて、のろけ話しかしてなかったわけだし。pic.twitter.com/T5Sz2WW5L1— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 24, 2026◇むしろ気になるのは、充(松山ケンイチ)と直人(高橋文哉)の関係。喫茶店の店長と従業員で、いまも密かに連絡を取り合ってるけど…じつは直人って、充に良い感情をもってないよね。充は、なにやら自分だけ綺麗な世界に住んでるような人。それが直人の劣等感を刺激して、逆恨みにも似た反感や破壊願望を抱かせてる。でも、充のほうはそれにまったく無自覚で、わりと直人のことを信用してて、自分のことをいい上司と錯覚してるのでは?pic.twitter.com/5OAjLeTLLv— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 24, 2026 ◇直人は、充から第3金曜日の秘密を聞かされてた。(それすらも妻についてののろけ話だった??)ところが、樹生(中島歩)は、直人が咲子(蒼井優)に片想いしてると誤解し、口論したすえに大事な話を聞かず帰ってしまった。直人はほとんどの答えを知ってるはず。それを確認しないのは樹生の大きな落ち度です。まあ、これは、真相解明を後回しにするための脚本上の都合だろうけど。◇充が、なぜ慌ててバスを降りたのか?なぜ生き残ったのに帰らないのか?それはまだ分かりませんが…バス転落は事件じゃなく事故だろうから、充は、妻の咲子に対しても、あずさの死に対しても、その夫の樹生に対しても、三重もの罪悪感を抱えてるはずよね。その罪悪感によって、自分がそれまで築いてきた綺麗な世界を、みずから破壊したと悔やんでるでしょう。あずさが施設で育ったように、充も家族と疎遠な人間だという背景が気になる。◇充とあずさも、樹生と咲子と同じように、煙草とシャンプーが同じだと気づいてたかしら?もしかしたら、煙草とシャンプーの一致は、偶然じゃなく必然だった可能性もなくはない。【ポイント10倍】お中元 お菓子 詰め合わせ 手土産 内祝い お返し お礼 メール便 個包装 焼き菓子 洋菓子 2000円 自宅用 送料無料 HFM-20PI フィナンシェ・マドレーヌ詰合せ 2種14個入 ポストイン 楽天で購入
2026.07.25
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「危険なビーナス」第1話。斉藤由貴と、吉高由里子は、ただ愛する人と一緒になりたかっただけなのに、財産目当てで矢神家に入り込んだ女だと疑われている。この点で重なっているのですね。吉高由里子は、斉藤由貴の無念を晴らしていく形になるのでしょうか?◇TBSによる東野圭吾のドラマ化ってことで、てっきり「白夜行」みたいなシリアスな内容かと思ったら、今回のドラマは、むしろ三谷幸喜のサスペンスコメディみたいなテイストで、どちらかといえばフジテレビっぽい感じがしました。◇◇◇ちなみに、斉藤由貴と吉高由里子。今回は役柄の上でも重なってますけど、なにげに実像の上でも重なってます。ふたりとも、かつて銀色夏生に愛された少女ですから。いままでは、あまり両者の接点はなかった気もしますが、もしかして初共演なのでは?ただし、今回も、ドラマのなかで同じ画面に収まる機会はなさそうです。斉藤由貴は、すでに故人という設定だし。いまのところは、番宣も別行動だし。(由貴ちゃんは単独で番宣してます)でも、銀色夏生ファンの人たちは、両者が一緒に並ぶところも見てみたいだろうと思います。妻夫木聡/吉高由里子/ディーン・フジオカ/染谷将太/中村アン/堀田真由/福田麻貴(3時のヒロイン)/R-指定(Creepy Nuts)麻生祐未/坂井真紀/安蘭けい/田口浩正/池内万作/栗原英雄/斉藤由貴/戸田恵子/小日向文世
2020.10.12
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プレバト俳句。お題は「リュック」。今回も「異議あり!」ってほどのことじゃないけど、個人的な感想です。◇梅沢富美男。飯盒はんごうを逆さにしばし 揚げ雲雀ひばり飯盒を逆さに蒸らし 揚げ雲雀(添削後)飯盒を逆さにする理由が、若い読者には伝わりにくいだろうってことで、添削では「しばし」を「蒸らし」に置き換えています。実際、わたしも(若くないけど)、飯盒を逆さにして蒸らすことを知りませんでした。…とはいえ、「しばし」を「蒸らし」に置き換えてしまうと、だいぶニュアンスが変わりますし、どちらがいいのか判断しがたいところはあります。原句の「しばし」という言葉は、たんにご飯を蒸らす時間だけでなく、ほのかに心情的な要素を含んでいます。物思いに耽っている時間かもしれないし、心が無になっている時間かもしれないし、ささやかな安らぎを得ている時間かもしれない。添削では、そうした心情的な面を切り捨てて、ひたすら映像描写に徹しているともいえます。その意味ではドライな添削です。「しばし」の一語にこそ情感があるともいえるけれど、逆にいえば、「しばし」の一語に詩情を込めようとする安易さを、俳句としては慎むべきなのかもしれません。そこらへんは、かなり高度な判断を要しますね。◇石塚英彦。旅支度 真の雪解待つばかり旅支度整う 雪解待つばかり(添削後)原句では、「真の雪解」という表現のなかに、コロナ禍収束への願いを込めているのですが、結果として、季語が比喩になってしまっています。添削では、そうした比喩的な側面を切り捨てて、たんに春の一場面を描写した句に直しています。これも、やはりドライな添削ですね。◇鷲見玲奈。旅鞄枕に 寝て見る朧月朧月 旅の鞄を枕とし(添削後)寝ない枕があるんなら持ってこい!見ない朧月があるんなら持ってこい!…ってことで、「寝て見る」を省いた添削です。詩情そのものは悪くないように思ったんだけど、先生の評価は「添削しても辛うじて凡人」という厳しさ(笑)。わたしとしては、余った3音分に何かしらの追加情報を足して、もうすこし風景に具体性を加えれば、さらに詩情が増すんじゃないかと思います。ためしに、地名を加えて、旅鞄枕に 能登の朧月とか、あるいは、破調にして、鞄を枕に 朧月の異国としてみました。◇森口瑤子。花疲れ リュックの底の底に鍵このあいだ「リュックの底にチョコの染み」を詠んだばかりなので、またリュックの底ですかあ?! …というのが正直な感想。「底の底に」という表現に滑稽味があって、まあ、前回よりは出来がいいのかもしれませんけど。◇本上まなみ。ちびリュック中身はおむつ 山笑う彼女は文学的なセンスがありそうだし、予想どおり、うまく実体験を拾い上げてましたね。◇◇そういえば、梅沢の俳句で思い出したのですが、ヴォーン・ウィリアムズの「揚げひばり」という曲名を見て、ひばりの唐揚げのことだと勘違いした、って笑い話があります。たしかに「揚げひばり」って変な言葉ですよね。「昇り竜」のように「昇り雲雀」とでも言えば、そんな誤解もないだろうに。どうして「揚がり」という自動詞じゃなくて、よりによって「揚げ」という他動詞なんでしょうか?誤解が生じるのも無理はない。梅沢の俳句を見て、飯盒でごはんを蒸らしながら、雲雀のフライをかじっていると誤解する人だって、けっこういるんじゃないかと思います(笑)。
2021.04.19
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まめ夫について。いちおう昨日は、最終回の感想を書いてみたのだけど、いまひとつ自分の中でしっくりこなくて、なんだか内容を読みきれていない感じがある。この物語の中にも、なにがしかの構造を見て取るべきじゃないのかな、という気がしてならないので、考え直してます。◇2人の女性の死があります。第1話で、母つき子の遺骨を持って歩いていたら、布団が吹っ飛んだ話。第6話で、軟禁状態に置かれて交渉しているうちに、かごめが死んでしまった話。2人の亡くなった女性は、ともに同性愛者だったかもしれません。その人生の謎を解くことが、ひとつのテーマになっている。◇しかし、関係性という点で見れば、母つき子に相当するのは八作であり、マーさんに相当する女性がかごめであり、父の旺介に相当するのがとわ子です。つき子と八作は、書いた手紙を出さないまま、本当の気持ちを相手に伝えないまま、心のなかの恋人と生きつづけた人です。八作の北海道旅行はそのことに関係している。しかも、彼らは、本命ではない人と結婚して、そこで子どもを作り、やがて離婚した人でもあります。マーさんとかごめは、恋愛もせず、結婚もしないまま、最後まで一人で生きつづけた女性です。父の旺介ととわ子は、相手にとって自分が「最愛の人」「本命の人」ではないと悟って、離婚後の時間を生きながらえている人です。◇主人公のとわ子は、かごめとの関わりのなかから八作の心の内に気づき、マーさんとの関わりのなかから母つき子の心の内に気づきます。つまり、2人の女性の謎を解き明かす中で、自分が失った母と恋人の本心を知るまでの物語になっている。そして、じつは自分が父と同じ人生を歩んでいると知るまでの物語です。また、娘の唄は、自分の未来は祖母のつき子と同じかもしれないと思っています。祖母と同じように、何らかの妥協の人生を生きることになるだろうと予感している。しかしながら、マーさんと会った唄は、それが何らかの妥協であったとしても、人生はひたむきでなければならないと思い直すのですね。彼女もまた、ひとりの女性をとおして祖母の人生の意味を知ることになる。これらが、たがいに反復的な構造をなしています。◇一方で、この物語の登場人物は、全員が例外なく、1:1の「つがい」として生きることに失敗しています。これは全体に通じる最大のテーマです。そもそも、考えてみれば、実際に「つがい」として生きることができるのは、ごく少数の人たちなのかもしれません。確率的にいって、組み合わせというのは、それほどうまくいかないからです。理想的な組み合わせは、ほぼありえない。このドラマでは、理想的なカップリングに失敗した人たちが、もはや「つがい」として生きるのではなく、1:2(かごめの幽霊:とわ子&八作)とか、1:3(とわ子:八作&鹿太郎&慎森)とか、さまざまな数的組み合わせのバリエーションを織りなしながら、あるいは万華鏡のようにそのつど関係性を組み替えながら生きている。けっして確定的な結論は出ていないけれど、その可能性をいろいろに探った物語だといえます。追記。「3度の結婚と離婚を失敗と考えるのではなく、 その必然的な「矛盾」を肯定するために、亡き母は3人の妖精を遣わした」…という以下の考察が一番面白かったです。RS:『まめ夫』の元夫たちは“妖精”?とわ子の矛盾を肯定する生き方Presence I (feat. KID FRESINO) Presence II (feat. BIM, 岡田将生)」Presence III (feat. NENE, 角田晃広)」Presence IV (feat. Daichi Yamamoto, 松田龍平)」Presence V (feat. T-Pablow)Ils parlent de moi~プロムナード編 feat. マイカ・ルブテMorning feat. グレッチェン・パーラトAttachments feat. LEO今井Ils parlent de moi~ほろ酔い編 feat. マイカ・ルブテAll The Same feat. グレッチェン・パーラト & BIGYUKI"
2021.06.18
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鎌倉殿の13人。今夜は第32話が放送されますね。毎週欠かさず見ていますけど、もうねえ、ひどすぎます…。なんなんでしょうねえ。いや、脚本が悪いとか演出が悪いとかの話ではなく、史実そのものがひどすぎるのよ。◇…今更ではありますが、結局、この話って、最初から最後まで、ずっと内ゲバですよね。平家と戦ったのは義経ただ一人で、あとの連中は、ずっとひたすら内ゲバだけをやっている…。頼朝が生きている間は、兄弟同士の殺し合い。頼朝が死んで以降は、御家人同士の殺し合い。いったい何やってるんでしょうか??…って気持ちになる。この無意味な殺し合いの果てに、現在の鎌倉が存在しているのかと思うと、なにやらモノノアワレを感じずにはいられません。◇今年のはじめにNHKで放送された「鎌倉殿サミット2022」で、京都側の立場で発言していた井上章一が、鎌倉幕府のことを「広域暴力団・関東源組」だと言ってたけれど、その意味がいよいよ分かってきました。まさしく、これはヤクザの話。親分の座を奪い合うだけの内部抗争の歴史。もともとは、上方出身の源氏がもたらした殺し合いの習癖だとは思うけど、それがいつしか義理堅い東国の武士にまで伝播してしまった。こんなこといつまでやってるんでしょうね…。本当にひどすぎます。◇序盤にこのドラマの感想を書いて以来、ずっと取り上げられずにいたのは、自分の気持ちが追いつかないのもあったけど、脚本家・三谷幸喜の意図をつかみ切れずにいたから。もともと史実がそういう話だから仕方ないけれど、なぜ三谷幸喜は、こんなヤクザ連中の話を書こうとしたのか?そして、なぜ頼朝の役は大泉洋だったのか?という点に、わたしの関心がありました。以前から、三谷幸喜は、大泉洋のことを「受けの俳優」だと評していた。すなわち、能動的ではなく、受動的な人物を演じるべき俳優。いつも周囲の状況に振り回されるトホホな役回り。実際、頼朝の残虐性は、はたして、主体的なものだったのか、あるいは、やむをえない状況判断にすぎなかったのか、そこがある種のブラックボックスになっていて、つねに自分の意志とは逆のことをしていたようにも見える。本意ではないのに、上総広常を殺し、本意ではないのに、弟の義仲を殺し、本意ではないのに、甥の義高を殺し、本意ではないのに、弟の義経を殺し、本意ではないのに、弟の範頼を殺していたようにも見える。織田信長のような「能動的な残虐性」とはちょっと違う。かりに、いかにも悪人らしい悪人なら、こうした残虐性も理解できるのだけど、なまじっか親しみやすいキャラの大泉洋だけに、しかも、ちょいちょいコミカルな演出が入るだけに、その見かけに反する残虐性に困惑してしまうのです。それにくらべれば、菅田将暉のクレイジーさのほうが、まだしも理解しやすかった。まあ、鎌倉時代の武人たちのロジックを、現代のわれわれが理解できないのは当たり前なのだけど、その不可解さが、いわく言いがたい気持ち悪さとなっており、その気持ち悪さこそが、安易な共感を寄せつけない歴史のリアリティとなっており、それこそが本作の醍醐味にもなっている。>>鎌倉殿による12人殺し◇思い返せば、自分の孫を殺した伊東祐親も理解しがたかったし、さらには、新垣結衣が演じた八重もまた、孫のことを殺し、自分のことまで殺そうとした父に対して、なぜ最後に温情をかけようとしたのかが不可解で、ドラマのヒロインという体裁ではあったものの、かなり理解しがたいキャラでした。◇とはいえ、頼朝が生きているあいだは、まだしも坂東武者たちへの共感は可能だったのよね。味方同士で殺し合うことへのためらいがあったから。しかし、いまとなっては、もはや共感できる人物はほとんどいません。かろうじて共感できるのは政子ぐらいでしょうか?義時も、完全にダークサイドへ堕ちちゃった。だいいち、頼朝や頼家に毒を飲ませたのも、義時なのかもしれないし…。小栗旬もまた、大泉洋とおなじく、能動的なのか、受動的なのかがよく分かりませんが、それゆえに、大泉洋と同じような気持ち悪さが募っていくはずです。いずれは政子も闇堕ちしていくのでしょうか?…でも、今にして思えば、三谷の最初の大河「新選組」も、関東出身のヤンキーの内ゲバの話だったのよね(笑)。
2022.08.21
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TBS「VIVANT」。福澤克雄×八津弘幸×堺雅人の半沢トリオ。今回は、自衛隊の諜報組織「別班」と、謎の国際テロ組織「テント」との戦い。もう第5話まで来てますが。◇ずっと乃木(堺雅人)は怪しいと思ってたのよね~。だって、CIAに友達がいるなんて!そうそうありえないし(笑)。※かたや公安はFBIと繋がってる模様。…それはそうと、自衛隊の「別班」は実在するらしい。陸軍中野学校の流れを汲んでるともいわれてて、シビリアンコントロールを逸脱してるとの疑いもある。ドラマの乃木は、なにやら二重人格みたいになってますが、これは諜報員としての訓練を受けた結果なのですね。いわゆる対心理情報課程(心理戦防護課程)。つまり、「表の顔」と「裏の顔」を使い分ける訓練をされている。これは陸軍中野学校でも行われていた訓練です。▶ 中野学校というのは恐ろしい学校国を守る活動といえば聞こえはいいけれど、こうした軍人の訓練は人格破壊を伴うのですよね。平気で嘘をつけるようになる必要があるし、平気で人を殺せるようになる必要もある。乃木は、そのような人間として訓練されている。別班の中枢? 堺雅人とか、小日向文世って、柔和な笑顔と裏腹の悪人を演じることがあるけど、今回も完全にそのパターンです。◇そして…国際テロ組織「テント」のトップが、乃木の父親であることまで判明してしまいました!なんともスターウォーズ的な展開?さながら、米国がウサマ・ビン・ラディンを育ててしまったように、旧日本軍や自衛隊も、大陸の工作活動のなかで、はからずもテロリストを育ててしまったのでしょうか?ちなみに「乃木」という名前は、おそらく乃木希典から取られていると思いますが、(事実、乃木家は島根の出雲源氏から派生しています)彼は日露戦争の英雄なので、この物語もそのあたりまで遡っていく可能性はある。しかし、いちばん可能性が高いのは、戦前に満州国が建設された時代との関わりです。馬賊となった日本人が、大陸での工作活動や独立運動をおこなっていた。馬賊のことは前にもいろいろ書きましたが、▶ 1909年の伊達順之助とイルベガンを考察!このドラマも、戦前の負の歴史をあぶり出すのかもしれません。住良木平吉=お勢さんも登場?! 八津弘幸=おちょやん的にはお家さん。 …余談ですが!ドラムって、まるで4次元ポケットみたいに、何でも必要なものを出してくれますが、名前からして「ドラえもん」がモデルよね(笑)。(手前から)のび太くん、ドラえもん、しずかちゃん。
2023.08.14
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TVerで「メンタル強め美女白川さん」を見終わりました。同期の谷口さんの話は、《本当は好きなのに、好きだからこそ憎んでる》みたいな同性愛的なニュアンスもあって、ちょっとキュンとさせるストーリー。いずれにせよ、やはり最後も、悪を懲らしめるんじゃなく、すべてを許すことで終わるのね。◇たしかに、現実にも、悪意ある人間を懲らしめるのって難しい。でも、かといって、白川さんみたいに、すべてを許すのも、なかなか難しいことです。忍法「自我消滅」もそうですが、そんな仏様みたいな境地にはなれないし、ふつうの人間は、自分のなかの妬みや僻みを抑えられない。悪意ある人間への怒りや憎悪も抑えられない。◇まあ、白川さんみたいなキャラクターの人もいますよね。誰にも嫌な思いをさせず、他人の弱さやズルさを笑顔で許せてしまう人。根っからのアイドルみたいなキャラの人。それは素晴らしいキャラクターだと思うし、じつに理想的なモデルだと思うし、目指せる人は目指すべきだと思うけど、正直、ふつうの人にはハードルが高すぎる。他人を妬むばかりの人間にはなりたくないけど、白川さんのような仏さまキャラになるのも難しい。◇むしろ、このドラマを見て客観的に思うのは、職場であれ、学校であれ、人間関係の些事にエネルギーを費やすくらいなら、仕事も勉強も「在宅」にするほうが効率的だよね、…ってこと。昔の学校では、集団生活を身につけなさいと教わったものの、結果として、いまの日本人は、人間関係の無駄なことにエネルギーを費やすあまり、仕事や勉強に費やすべきエネルギーを失ってる。しかも…いくら人間関係の問題にエネルギーを注いでも、それは心身をすり減らすばかりで、なんらの生産性にも結びつかないのよね。それどころか、しまいには、みんな心や体を壊してしまう。じつに馬鹿げた社会になってます。それを考えたら、仕事も学業も、人間関係の些事とは切り離して、「在宅」でやるほうがはるかに効率的だし、国民社会の生産性も向上するだろうと思います。それが、このドラマを見終わった感想。◇◇◇それはそうと!野呂佳代と秋元才加のAKBコンビは素晴らしかった。ほかのどのキャストよりも演技が際立ってました。遅まきながら、2人に助演女優賞です。メンタル強め美女白川さん5 [ 獅子 ] 楽天で購入
2024.11.14
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朝ドラ「風、薫る」周回遅れの第8週。しつこいようですが…> 直美ははやくリンにキスしちゃえばいいのに!> どうせ好きなんでしょ?ツンデレなんだから!…と思いながら見てますw直美がりんをグッと引き寄せると、りんが「な…直美さん!!」…的な展開ばかり想像してしまうww◇ただ、看護婦たちがみんな、下の名前で呼び捨てるようになったので、なにやら全体的に、百合っぽい方向へ行く気配もあるのよね。わたしとしては、直美とりんだけの、秘めやかな関係ぐらいが望ましいのだけど…(^^;◇物語は、なんだかんだで、りんが大金星を挙げる展開が続いてます。そんなにうまくいくか?!…って気はするけど、まあ、ドラマですから。つーか、だいぶ少女漫画的だからw◇それにしても、医者や院長の話をさしおいて、看護婦との話を公爵さまが優先するとは、さすが武家コネクション強し!pic.twitter.com/Zlq7gdMebS— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) May 29, 2026病院側は、看護婦に責任を押しつける算段だったのに、りんの父親と公爵さまの因縁を知って、医者はすごすご退散していきましたwこれまた少女漫画にありがちな展開!背後で退散していく医者w◇…それはそうと、りんも、仲間由紀恵も、バーンズ先生も、みんな「庭の千草」を口ずさんでましたね。この曲は、「らんまん」の鹿鳴館でも演奏されましたが、https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202306210000/いまや朝ドラでは、鹿鳴館時代を象徴する曲みたいになってる。ネット情報によると、大山捨松が戊辰戦争を回想するシーンでも、この曲がBGMとして流れたようです。#風薫る【捨松のテーマ?】#おむすび 阪神淡路大震災シーンを思い出す戊辰戦争当時の捨松。BGMはアイルランド民謡を元とする「庭の千草」。この曲が 捨松のテーマなのかもしれません。「庭の千草」は #ひよっこ 向島電機コーラス部も歌ってたし #らんまん 寿恵子のダンス指導・クララも歌ってました。 pic.twitter.com/tU3DpNJVDx— ひぞっこneo (@hizocco) April 17, 2026ただ、細かいことをいうと…アイルランド民謡「The Last Rose of Summer」が、里見義の訳詞で小学校唱歌になったのは明治17年で、看護婦養成所の開設が明治19年だから、いちおう時代的に間違ってはいないものの、まだ新しい小学校唱歌だったわけだし、りんの娘の環も学校に通ってる様子はないし、当時の大人たちが、みんな知ってる歌だったとは考えにくい。まして戊辰戦争のころに、この曲が日本で聴かれる機会は、ほとんどなかっただろうと思います。EMIプレミアム・ツイン・ベスト::庭の千草~なつかしきイギリス民謡 [ ザ・スコラーズ ] 楽天で購入
2026.05.30
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朝ドラ「風、薫る」第13週まで見ました。薩摩の軍人が登場しましたが、もしや直美は百合路線から脱落なの?せっかくひとつ屋根の下で、りんと並んで寝るまでになったのに…(T_T)もう、この際、りんの布団にもぐりこんで襲っちゃえよオ!隣で環ちゃん寝てるけどね…(^^;りんは相変わらずモテモテです。丸山チュウも、シマケンも、虎太郎も、なぜかバツイチ子連れ女に夢中。団子屋の店先では、壮絶な四角関係の駆け引きが展開中。そして、3人の哀れな男どもと、致命的なまでに鈍感なりんの心中を、直美は完全に掌握してますwpic.twitter.com/AYymjhwmgu— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 28, 2026でも、本命はやっぱり直美でしょ?ほんとは五角関係でしょ?シマケンだって、直美がライバルと気づいてるのでは?シマケンより文士っぽい直美。…つーか幕末の志士? それとも、直美の断髪&男装&百合匂わせは、たんなるフェイントだったのかしら?わたしはまだ諦めてませんが…。むしろ薩摩の軍人のほうが、匂わせフェイントの噛ませ犬でしょ。りんの定位置に軍人が座ってる!捨松は2人の関係に気づいてるよね!フェイントといえば…りんの妹の結婚もだいぶフェイントでした(^^;やすが、わたしはお姉さまの奥さまになる!…と謎の宣言をしたときには、一瞬「なぬ?」と思ったものの、「妹まで百合なのか?六角関係か?」とか…なるほど!そうやってシングルマザーを一家で支えるのね!…と膝を打ってガッテンしたのに!ただのフェイントかいw◇まあ、ぶっちゃけ、環ちゃんには祖母ひとりいれば十分だしね。祖母に何かあっても、お向かいさんが見てくれるし。そのほか、教会の牧師やら、舶来雑貨屋の店員やら、長屋の暇そうな婆さんたちやら、環ちゃんの面倒見てくれそうな人たちには、まったく事欠かない。子供なんて放っといても、地域のなかで勝手に育ってくし、昔の子育てなんてそんなもんよね。◇フェイントといえば…横浜の卒業旅行もフェイントでした(^^;青森のりんご娘が、オレはよごはまサ行ってみでえ…と言い出したので、みんなで汽車に乗って、横浜へ出かけることになって、これで直美の出世の秘密が明かされる!…と期待したのに、なぜか団子屋のオヤジが卒倒して、旅行そのものがキャンセルにwフェイント多すぎ!ロナウジーニョのドリブルか!机の端から肘ガックンだわ。◇ちなみに直美のモデルの鈴木雅さんは、安政4年(1858年)生まれで、明治20年(1887年)に看護婦養成所へ入学したときは、すでに29才のシングルマザーだったけど、直美の母親の夕凪が、25年前まで品川の錦栄楼にいたらしいので、ドラマの直美もまだ25才くらいのはず。たぶん文久2年(1862年)ごろの生まれよね。新橋〜品川〜横浜間に、日本初の鉄道が開通したのは明治5年なので、直美の母親が女郎屋を逃げたときは、まだ鉄道が開通してません。◇たぶん、男と2人で品川から舟で逃げて、三浦半島あたりの浦崎八幡で御札を買って、(故郷の伊豆の神社との説もあるらしい)横浜の外国人居留地の教会に、生後まもない娘を置いていったのでしょう。男と逃げたなら、2人で娘を育てればいいじゃん!…とも思うし、誰が旧約聖書から「ナオミ」と名づけたかも、なぜ横浜から東京の教会へ移されたかも分からないけど…もしかしたら、直美の父親って異人さんなのでは?…って気もする。赤い靴履いた夕凪は、横浜の波止場から船に乗って、異人さんに連れられて行っちゃったのでは?横浜港の汽笛交換。御年91歳の氷川丸から飛鳥Ⅱ、ロイヤルウィング、にっぽん丸へ。そして、飛鳥Ⅱから氷川丸へ返礼汽笛。久しぶりに見れた、大さん橋3隻同時出航。ここで外国客船を見れるようになるのは、いつだろう・・・ #横浜 #yokohama pic.twitter.com/LarC52jp23— YOKOHAMA VIEWS+🌈 (@YokohamaViews) April 27, 2021黒髪で黒い瞳の直美が、西洋人のハーフに見えるかは議論があろうけど、すくなくとも顔立ちは西洋風だし。りんは国産のウナギイヌ顔です。いつも眠たそうな彰子ちゃん。ややウナギイヌみあるよね。#光る君へ #藤原彰子 #見上愛 #市川実和子 #松尾スズキ pic.twitter.com/wTJcz7Mvkg— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) July 14, 2024それとも、虎太郎みたいな幼馴染と、故郷の伊豆へもどる途中に、わざわざ外国人居留地へ寄って娘を捨てたの?野見祐二のサントラ。印象的なのは「二輪草」「Quiet Passion」ですが、当初から気になってたのは「名もなき一日」。ドラマのなかでもよく流れます。連続テレビ小説「風、薫る」オリジナル・サウンドトラック [ 野見祐二 ] 楽天で購入
2026.06.28
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NHKのテレビとラジオは、佐藤二郎をただちには降板させないようです。それは前の記事にも書いたとおり、・ハラスメントの有無の判定が難しいかりにハラスメントがあったとしても、・ただちに自粛を促すほどの倫理違反ではない…みたいな判断じゃないかと思う。ただし、改変期にどう判断するかは別問題です。◇重要なのは、佐藤二朗が、今回の件をどう捉えてるかってこと。たとえ本人が「善意の助言」のつもりでも、ハラスメントの判定が、加害者側の主観で決まらないのは当たり前。自分の言動が、「被害者側にとってハラスメントとして作用した」…という客観的な認識をもてるかが重要です。そして、もっとも重要なのは、「接触制限のある女性は俳優を続けるべきでない」…みたいな考えをいまだに維持してるかどうか。◇かりに、その考え方をいまも変えてないとすれば、ドラマや映画の制作現場で、今回と同様の態度を取るリスクは消えません。そういう人間の起用には、どの現場も慎重にならざるをえないし、たとえバラエティ番組であっても、他の現場で問題を起こしそうな人物であれば、積極的に起用するインセンティブは低下する。◇そして、もうひとつ危険を感じるのは、彼の「芝居の神さま」が云々という信念です。本人の内側で機能するだけならともかく、これが今後も独善的な形で発動する畏れがある。すくなくとも現時点において、佐藤の意思表明はネガティブに作用するはずだし、それが改められないかぎり、佐藤二朗の起用は徐々に縮小していくでしょうね。
2026.07.04
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TBS「最愛」が終了。加瀬はまったくノーマークでした…(^^;真田家の陰謀でもなければ、警察がらみの事件でもなければ、たんなる加瀬の突発的な犯行。あるいは、ほとんど事故だったってこと。視聴者のなかに膨らんだ妄想は宙に浮いて、やや肩透かしを喰らった形です…(^^;◇中盤あたりでは、「真田家が最大の黒幕!最後には梨央が母を殺すのでは?!」とまで考えたのだけど、そんなひどい話じゃなかった(笑)。まあ、脚本や演出は、中だるみも尻すぼみもなく、一貫してスピード感と緊張感を持続していたし、映像も美しかったし、プロデューサーも含めて、ほとんど女性ばかりのチームでしたけれど、今後への期待を高めさせる作品になりました。ただ、同じ考察系の「天国と地獄」もそうだったけど、最終回は、劇的なカタルシスよりも、視聴者のなかに肥大しつづけた考察と妄想が、宙に浮いてしまうような呆気なさがある…(^^;欲をいえば、もっとカタルシスが欲しい…実際、視聴者の妄想を肥大させた色々な伏線は、ほとんどミスリードだったので、矛盾してるとまでは言わないけど、未回収のまま放置されたものが多いです。◇以下、未回収ポイントを整理します。1.なぜ旧札の1万円だったのか。記録に残ってるのは8年前からの不正だけど、実際には、17年以上前から裏金を溜め込んでいたと考えるほかありません。2.なぜ梨央は芝池公園へ行ったのか。梨央と渡辺昭を芝池公園に引き合わせたのは後藤だろうけど、梨央が誰からの連絡を受けて、なぜ公園に行ったのかは謎です。3.優のスパイ活動。姉を守るために後藤を監視していたとは言うけど、梓とも加瀬とも連絡が途絶えた中で、どうやって社内のパソコンをハッキングしたのかも、どうやって後藤の攻撃を阻止するつもりだったかも謎。結果的には、まったく無意味な活動だったように思えます。4.橘しおりの両親の離婚。事件とは無関係?たまたま時期が重なっただけ?5.橘しおりの真田家への怨恨。自分の人生を狂わせた合宿寮の娘が、自分とは真逆の栄光を掴んでいることへの逆恨み?6.青木菜奈の「被害者じゃない」発言。渡辺康介に襲われたあとも薬物仲間であり続け、渡辺康介との堕落した関係を抜け出せず、その後は渡辺康介が失踪したショックに苦しみ、小瓶を保管しながら15年のあいだ告訴できずにいたってこと?7.優が記憶をなくした日。事件とは無関係?◇8.梓の関与。そして、いちばん大きな謎は、やはり「梓が何をどこまで知ってたのか」ってこと。後藤の不正を知ってたのは間違いないけれど、加瀬の犯行を知ってかどうかは謎。赤いペンにかんしては、たまたま梓が部屋に落としたペンを、加瀬が拾って、そのまま公園で落としたように見えます。だとすると、梓は、加瀬の犯行を知らないはずです。ただし、あとで気づいた可能性はあります。…刑務所に収監された梓は、後藤や加瀬の罪まで負わされかねない状況ですが、あくまで「自分の罪を自分で負う」とうったえる後藤に対して、加瀬は、梓を捨て置いて、いまも逃走を続けています。もともと梓は、優を山梨の学生寮に隔離したときから、優と達雄の犯行についても、加瀬の共犯についても、知っていたかもしれません。そして、それ以降、加瀬と梓のあいだには秘密の共有があったかもしれません。梓が出頭して以降の加瀬の行動についても、二人のあいだに何らかの合意があるのかもしれません。優のスパイ活動についても、加瀬と梓が裏で操っていたと考えるほうが自然だと思う。◇9.加瀬の逃亡。加瀬は、池尻の防犯カメラには映っていましたが、なぜか芝池公園の防犯カメラには映っていませんでした。運転手から連絡を受けて駆けつけ、渡辺昭を殺して、びしょ濡れになりましたが、足跡痕は残っていたものの、行きも帰りも防犯カメラに映っていないし、目撃者にも見つかっていません。最後の渋谷ウィングプラザでも、大勢の刑事たちの追跡をすり抜けて逃げおおせました。犯行を決定づける証拠を何ひとつ残さず、いまもなお世界のどこかに身を隠しつづける加瀬は、ルパン三世、もしくは透明人間並みの逃亡の達人!!渋谷ウィングプラザの入り口付近で、桑子が別人を確保するシーンがありましたが、あれこそルパン三世並みに変装した加瀬だったのでは…?今日の夕飯何食べようかな…
2021.12.19
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おそまきながら、ドラマ「silent」最終回の感想。…と、その前に「ボクらの時代」も見た。脚本家&演出家&プロデューサーの鼎談。三人とも第5話がベストの回だと言ってました。わたしは第6話の終盤まで脱落寸前でしたが!(笑)そして、プロデューサーは「最終回が不安」とも口にした。実際、近年にしてはめずらしく11話まであったわけですが、正直いって、終盤の第10~11話は、蛇足の感が拭えませんでした。◇最終回では、なぜか物語の結論を「言葉」に収斂させたのですね。付箋に書いた「言葉」をテーブルの上に並べたり、わざわざ高校まで行って、教室の黒板に「言葉」を書きつけて会話したり、体育館で「言葉」についての昔の作文を読んだり、最後は、かすみ草に「花言葉」を託して次々と受け渡してました。「カスミソウ」が「サクラソウ」の洒落なのかどうか知らないけど、「感謝」という音のない花言葉を、手話と同じように「おすそわけ」していたらしい。たしかに、奈々は、手話が「目に見える言葉」であることを讃えていたし、スピッツも「魔法のコトバ」を歌っていたし、ヒゲダンのテーマ曲も「言葉」について歌っていた。言葉はまるで雪の結晶 君にプレゼントしたとして時間が経ってしまえば 大抵記憶から溢れ落ちて溶けていって消えてしまうでも絶えず僕らのストーリーに添えられた字幕のように思い返した時 不意に目をやる時に君の胸を震わすもの探し続けたいきっと、音がなくても「言葉」があればいい、ってことなのだろうし、手話が伝える「言葉」の価値を肯定的に描きたかったのだろうし、そして新進の脚本家としても、最後の最後に「言葉の力」を訴えて終わりたかったのでしょう。しかし、それまでの物語の流れから考えると、この物語の結論は、やや唐突な印象を拭えなかった。そんなことがテーマでしたっけ?とってつけたような感じ。いまいちピンとこなかった。◇なぜなら、かならずしも言葉は人と人とを正確につなぐわけではないし、むしろ言葉のすれ違いが人と人を切り離すこともあるのだし、実際、この物語のなかでは、いくら言葉を尽くしても分かり合えないことのほうが多かった。それに、もし2人が言葉でしか繋がり合えないのなら、想と紬はずっと手を繋ぐこともできず、可愛いバッグを持ち歩くこともできず、ひたすら手話をし続けなきゃいけなくなる。むしろ、「言葉を超えた繋がりこそ重要」という結論のほうが、視聴者としては、よほど納得感があったはずです。…というより、わたしに言わせれば、≫ 他人の気持ちを思いやるよりも≫ 自分の気持ちに正直になることのほうが大事という第8話の内容こそが結論にふさわしかったのです。◇じつをいえば、第9話も素晴らしかったのですよね。ドラマの最終盤になって、想が聴力を失った過去へ遡る、という内容。この構成の仕方はすごいと思いました。序盤でそれを見せるのと、奈々の物語の後でそれを見せるのとでは、視聴者の受け止め方が大きく違ってくるからです。時系列で物語を語っていくのでもなく、かといって順繰りに遡っていくのでもなく、表層から深層へ分け入ってくような、あるいは細部へ分け入っていくような、通常の脚本ではありえない叙述を確信犯的にやっていた。◇しかし、残念なことに、第10話ではまた振り出しに戻った感じで…(笑)。つまり、「紬の声を聞けないのが悲しいから別れる」みたいな話に戻ってしまった。高校卒業後に紬と別れた理由を、最終盤にきて、あらためてぶり返した形です。それって、基本的には、湊斗が紬と別れたときの、「紬のすべての気持ちを手に入れられないのが悲しいから別れる」ってのと似たような理由。要するに、どちらの男子も、完全に100%じゃなきゃ気が済まないのです。20%の欠落が悲しいから、残りの80%も捨ててしまおう、みたいな話。まあねえ、若いから、気持ちは分からないでもない。◇でも、100%を共有し合える恋愛なんてありえないのです。たとえ健常者どうしであってさえ、同じものを見て、同じものを聞いてるとは限らないのだし。むしろ、2割ぐらいが共有できれば御の字(笑)。想であれ、湊斗であれ、そのことに折り合いをつけられるかどうかが問題だった。すくなくとも、想にかんしていえば、たとえ紬の声を聞くことができないとしても、「声以外の部分を愛せばいい」という結論になるのは自明だった。しかも、それを「言葉」だけに収斂させる必要はなかったのです。声以外のすべてを愛せばいいのだから。サブスクではなくCDを手に取ることの意味もそこにあったはず。音以外のすべてを感じ取ればいい、ってこと。◇余談ですが、最後まで「お姉ちゃん大好き」だった弟くんは、結局ずっとフィクサー的な役回りのままでしたね。弟くんと妹ちゃんが、なぜ繋がってるのかも分からなかったし、なぜその関係を姉や兄に隠してるのかも分からなかった。それから、これも余計なことだけど、篠原涼子は、これまでずっと主役を張ってき女優なだけに、脇役の演技があまり上手くはありませんでした。脇役になっても、まだ主役の演技をしてる感じ。よくもわるくも「スターの輝き」が抜けないのです。年末の紅白でも、堂々たるパフォーマンスを見せていましたが、やはり主役向きの人だなと思いました。
2023.01.13
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アガサ・クリスティ原作、ヒュー・ローリー版「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか」。とても洒落ててカッコいいドラマだったけど…あまりに話が複雑すぎて理解しきれないよ!!!つーか、必要な描写を端折りすぎてるし、細かい部分を誤魔化してる気もします。原作を読んでなければ、事件の詳細を理解できないのでは??これだからサスペンスドラマはストレスが溜まるのよね。じゃあ見るなよ、って話だけど…(^^;しかも、今回のNHK版は、字幕翻訳にもミスがあるように思います。◇翻訳が疑わしいのは、最終盤で、ボビーとフランキーが、料理人だったチャドリイ夫人宅を訪れたシーン。(チャドリイは旧姓で現在はプラット夫人です)サヴィッジ氏について尋ねた次のやりとり。ボビー「彼はミルハウスによく来ていたんですよね」プラット夫人「グラディスに聞いて。私はひとつ聞いただけ」この「私はひとつ聞いただけ」というセリフが、どうも意味不明なのよね。英語の音声は聞き取りにくいけれど、わたしの耳には「I saw him there for once」と聞こえるし、そうだとすれば「私はいちど会っただけ」と訳さねばならない。このやりとりは、「なぜエヴァンズに(遺言書の署名を)頼まなかったのか」という核心にかかわる部分なので、このセリフが意味不明じゃ真相が理解できないでしょ。◇なぜサヴィッジ氏は、遺言書の署名をグラディス・エヴァンズに頼まなかったか。それはグラディスが「本物のサヴィッジ氏」の顔を知ってたから。遺言書の署名に立ち会ったのは、たぶん共犯者のロジャーだよね。プラット夫人は、署名のときに「いちど会っただけ」なので、ロジャーのことをサヴィッジ氏と思い込んだ…というトリック。(逆に、サヴィッジ氏の死体を確認したのはグラディスだけ)だとすれば、やはり上記のセリフは「私はいちど会っただけ」と訳すべきでしょ。◇前にも書きましたが、わたしは、CBCの「アンという名の少女」のときにも、NHKの翻訳にはミスがあったと思ってる。マシューがマリラを呼ぶときに、二人称を「姉さん」でなく「おまえ」と訳していたのです。原作の「赤毛のアン」では、マシューが兄でマリラが妹なのだけれど、CBCのドラマ版では、マリラが姉でマシューが弟に変わってました。姉に対する二人称を「おまえ」と訳すのは不自然ですが、字幕制作者は、そのことを考慮せず、おおかた原作の翻訳に準拠したのでしょう。こういうミスは、もちろん翻訳者の責任でもあるけれど、NHKのプロデューサーや演出家の責任でもある。要するに、内容を理解した上でチェックをしてるのかってこと。じつは誰も内容を理解せずに、漫然と海外ドラマを放送してる可能性がある。ここからは詳細なネタバレです。今回のミステリーの複雑さは、たんに登場人物が多いだけでなく、姿を現さない人物の名前を混乱させるところにあります。たとえば上記のチャドリイ夫人も、再婚してプラット夫人に変わってましたが、ほかにも名前が変わってしまう人物が3人います。第1に、崖から落ちて死んだ男性は、ケイマン夫人の兄「アレックス・プリチャード」とされるのですが、この名前は嘘の証言にもとづいているので、本当はサヴィッジ氏の友人「アラン・カーステアーズ」です。第2に、ニコルソン院長の妻「モイラ・ニコルソン」は、じつは主犯の「ローズ・テンプルトン」(テンプルトン夫人)なのですね。再婚して姓が変わっただけでなく、偽名なのでファーストネームも変わっています。第3に、タイトルになっている「グラディス・エヴァンズ」は、主人公ジョーンズ邸の家政婦「グラディス・ロバーツ」(ロバーツ夫人)です。この人も結婚して姓が変わったのでしょうね。◇結論から先に言っちゃいますが…主人公のボビー・ジョーンズ(♂)は、「モイラは美人だから犯人じゃないっ!!」と思ってて、かたや相棒のフランキー(♀)は、「ロジャーはハンサムだから犯人じゃないっ!!」と思ってる。そして怪しげな学者がいちばん疑われる図式(笑)。でも、結果的には、「モイラとロジャーの共犯だった」というオチです。つまり、男は美人に甘いし、女はイケメンに甘いよねって話。そんな男女がバディを組んで事件の謎解きに挑み、最後はめでたく結ばれるハッピーエンドになってます。…以下、時系列に並べた事件の経緯です。1.モイラがサヴィッジ氏を服毒自殺と見せかけて殺害。ローズ・テンプルトン(のちのモイラ)が、船上で資産家のサヴィッジ氏に接触して誘惑。その後、ローズはロジャーと共謀し、サヴィッジ氏の遺言書を書き換え、料理人のチャドリイ夫人と庭師のアルフレッドに署名させる。(女中のグラディス・エヴァンズには署名を頼みません)そして翌日にサヴィッジ氏を殺害したと思われます。ただし、ロジャーは「自殺に追い込んだ」と話してます。(どうやったら自殺に追い込めるのか知らんけど)いずれにせよ使用されたのは抱水クロラールですね。2.エンジェルが転落事故死に見せかけてアランを殺害。サヴィッジ氏の自殺に疑念をもったアラン・カーステアーズは、ロバーツ夫人(=グラディス・エヴァンズ)に接触して、遺言書の謎を解こうとしていたのでしょうね。でも、モイラに雇われたエンジェルによって崖から突き落とされた。ボビーは崖下で瀕死のアランを発見し、「なぜエヴァンズに頼まなかったのか」との最後の言葉を聞き、所持品の「写真」「キーホルダー」「万年筆」を確認します。そこに現れたロジャーは、ボビーが去ったあとに、モイラの写真をケイマン夫人の写真にすり替えたのですね。モイラに雇われたケイマン夫人も「死体は自分の兄だ」と嘘の証言。3.エンジェルがモルヒネ入りのビールでボビーを殺害未遂。ボビーも、ケイマン夫人を死んだ男(=アラン)の妹だと信じ、彼が死に際につぶやいた言葉を伝えてしまいますが、このせいでエンジェルから命を狙われることになる。移動遊園地での仕事中には、少年たちから「雇用主からの差し入れ」とビールを貰いますが、致死量のモルヒネが入っていたために死にかけます。ブエノスアイレスからの仕事依頼も偽造でした。ボビーの友人ノッカーまでもがエンジェルに襲撃される。4.エンジェルが首吊自殺に見せかけてトーマス医師を殺害。トーマス医師はロジャーのことを疑って調べてたらしい。しかし、エンジェルが彼を殺害。警察はそれを自殺と断定。ボビーは警官に「自殺は不可解だ」とうったえますが、警官は「不可解な自殺もありうること」と諭したうえで、資産家のサヴィッジ氏の自殺も不可解だったと言います。5.ロジャーが兄のヘンリーを拳銃自殺に見せかけて殺害。ロジャーは「カインとアベル」の話をしてましたが、もともと兄のヘンリーとは仲が悪く、当主のくせにモルヒネに散財するのも憎かったらしい。あらかじめ拳銃で兄を殺したあと、爆竹音を銃声に偽装してアリバイを作ったようです。そのほかの海外ドラマ◇以下は、2人による謎解きの手順です。ボビーは、宿のキーホルダーや宿台帳から、崖で死んだ男がアラン・カーステアーズだと知り、彼が資産家のサヴィッジ氏の友人だったことも、2人が映った写真から知ることになります。フランキーも、海陸軍クラブが引き取ったアランの荷物の中に、サヴィッジ氏からの大量の手紙を見つけ、サヴィッジ氏とローズ・テンプルトンとの恋愛を知ります。ただ、その時点ではローズが誰なのかを分かってません。…その一方で、ボビーとフランキーは、ヘンリーの妻と恋愛関係にあるニコルソン博士が、モルヒネ中毒のヘンリーを入院させようとしてると知り、さらにニコルソン博士の営む精神病院の周辺で、モイラやケイマン夫妻やエンジェルの姿なども見かけ、ニコルソン博士への疑惑をどんどん強めていきます。とくにボビーは、モイラ・ニコルソンから怪しげな電気療法のことを聞き、妻のモイラも何らかの被害者だと思い込むわけですが、これこそが最大のミスリードになります。…なお、ボビーは、トミー(=ヘンリーの息子)が使っていた万年筆を見て、それがサヴィッジ氏から貰ったものだと知りますが、これがミスリードになったか、真相につながったかは微妙。◇そして、最後の事件は以下のとおり。6.ロジャー&エンジェルがボビー&フランキーを殺害未遂。ボビーとフランキーは旧テンプルトン邸(通称ミルハウス)に監禁され、ロジャーとエンジェルに電気ショックで殺されかけますが、間一髪のところで仲間のノッカーに救出されます。電気療法を悪用したのはニコルソン博士ではなく、その妻のモイラ(=ローズ・テンプルトン)と、彼女の一味であるロジャーやエンジェルだったわけです。つねにボビーとフランキーを守ってくれるのは、黒人のノッカーやアラブ系の使用人ですね。彼らは忠実な善人として登場する形になってる。7.モイラがボビーを殺害未遂。ロジャーがロバーツ夫人を殺害未遂。ボビーは最後までモイラを被害者だと信じてますが、もともとモイラをいぶかしく感じていたフランキーは、彼女がボビーの紅茶に抱水クロラールを入れたのを暴き、モイラの正体こそローズ・テンプルトンなのだと見破ります。そのころ、ボビーの家では、家政婦のロバーツ夫人(=グラディス・エヴァンズ)が、ロジャーによって殺されかけるのですが、ボビーが駆けつけてロジャーを取り押さえます。そして収監されたロジャーからすべての真相が語られます。◇いろいろツッコミどころはある気がしますが、個人的に最大のツッコミどころは、車の偽装事故を見破るほど明晰なニコルソン博士が、なぜモイラのような女と結婚し、彼女の正体がローズ・テンプルトンだとも気づかず、片方では他人の妻と恋愛関係になり、妻の犯罪には気づかぬまま、護衛として雇ってるエンジェルの犯罪にも気づかず、不倫相手の義弟であるロジャーの犯罪にも気づかず、ケイマン夫妻の犯罪にも気づかないのかってこと。周りの人間が犯罪者だらけだよね。ちなみに、この間抜けなニコルソン博士を、脚本・演出のヒュー・ローリー自身が演じてました。なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? (ハヤカワ文庫) [ アガサ・クリスティ ] 楽天で購入
2024.03.28
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橋本愛への「接触制限」の条件は、事前には佐藤二朗本人に伝えられませんでした。橋本愛の事務所は、番組プロデューサーに一任したと述べてますが、野木亜紀子によれば、これは通常の対応で、俳優が共演者に直接頼んだりはしない…とのこと。女性俳優側が「男性俳優本人に伝えるかどうかは任せます」としたのは、演出なりプロデューサーが現場をコントロールしてくれると信じてのことだろうし、そういうのはよくあること。というか、普通はそう。俳優同士が直接NGを伝えたりクレームを言い合うなんて事態は、現代においてそうそう起きない。俳優バッシングがあまりに加熱しており、一俳優が負うべきではないことまで非難されているので見ていられない。私は本作品とは無関係のフリーランス脚本家ですが、業界の片隅にいる人間として少々知見を述べます。…— 野木亜紀子 (@nog_ak) July 3, 2026実際、佐藤二朗本人に伝えないという判断は、《佐藤のマネージャーと番組プロデューサーの相談》…によって決められてます。クランクイン3カ月前に担当プロデューサーから、橋本氏が過去のハラスメント被害を受けたことによるトラウマがあることが佐藤のマネージャーに伝えられました。その際、担当プロデューサーから佐藤に共有する必要があるかという話になり、日常動作のお芝居には問題がないという点と、絡みのシーンもない為、佐藤の芝居に制限をかけない方が良いのではないかとプロデューサーと話をし、プロデューサーの了解を得た上で、佐藤には橋本氏のトラウマについては伝えないこととなりました。https://kai-you.net/article/95855/page/2なぜ佐藤本人に伝えなかったのか?ここがもっとも不可解なところです。佐藤の事務所はその理由として、1.日常動作のお芝居には問題がない2.絡みのシーンもない3.佐藤の芝居に制限をかけない方が良い…を挙げてますが、1と2は「演技に影響しないから」という話なので、積極的な理由ではありません。演技に影響しなくても念のために言い添えればいい。逆に3は「演技に影響するから」という話であり、じつは1・2の理由とは矛盾します。演技に影響しないから伝えなかったのか?演技に影響するから伝えなかったのか?そもそも、なぜ条件を伝えることが「演技の制限」につながるのか?ここには何らかの固有の事情があるはずです。◇本人に伝えなかった理由として想像されるのは、a. 事前の条件の変更を伴うからb. 佐藤の演技スタイルに反するからc. 佐藤自身の反発が予想されるからd. 企画の性質上、橋本の交代はありえても佐藤の交代はありえないから…といったところでしょうね。◇いずれにせよ、演技に影響するのならば、この条件はなおさら伝える必要がありました。事実、佐藤が「制限しない演技」をした結果、さっそく初回の撮影で接触が起こったのだから。◇現在、佐藤の事務所とフジテレビは真っ向で対立してますが、もとはといえば、《佐藤のマネージャーと番組プロデューサーの相談》に発端があるのだろうと思う。つまり、対応への不信や責任のなすり合いがある。そして、この対応において、橋本愛のサイドには何ら瑕疵がないわけですが、なぜかネトウヨや阿呆のヤフコメ民は、まるで橋本愛のサイドに全責任があるかのように、不当なバッシングを続けています。
2026.07.04
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めずらしく「NHK俳句」を見ました。今回の講師は、櫂未知子。最後の「俳句ドリル」のコーナーが参考になったので、忘れないうちにメモしておきます。◇いとうまいこの句。放課後に響くオルガン 初秋かな放課後にオルガン響く初秋かな(添削後)添削理由は…最後の「かな」が重たい切れ字なので、中七で切るのは避けたほうがよい …とのこと。一般に、・「や」と「かな」の併用は避けるべき。・「や」と「けり」の併用は避けるべき。などと言われるのですが、それと同じような理由ではないかと思います。つまり、感動の焦点が分散するので、一句のなかで2度の詠嘆は避けるべきってことですね。◇櫻井紗季の句。あざやかな幟旗のぼりばた揺る 初秋かなあざやかな幟の揺るる初秋かな(添削後)これも同じ添削理由です。中七を「揺る」の終止形で切るのではなく、「揺るる」の連体形で繋いだほうがいい、と。ちなみに「揺る」は下二段活用なので、連体形は「揺るる」になります。◇番組マネージャーの句。窓枠に埃溜まるる初秋かな窓枠に埃溜まれる初秋かな(添削後)これは、たんに誤用を改めた添削です。「溜まる」は四段活用なので、連体形は「溜まるる」ではなく「溜まる」だそうです。古語の場合は紛らわしい。添削では、助動詞「り」の連体形を用いて7音に処理していますが、文法的には、窓枠に埃の溜まる初秋かなでも正解だろうと思います。◇…そういえば、大昔、動詞が「四段」なのか、それとも「上二段/下二段」なのかを見分けるには、未然形の「~ず」の形にすればいいと覚えた気がする。未然形:切らず → 四段活用 → 連体形:切る時未然形:懲りず → 上二段活用 → 連体形:凝るる時未然形:入れず → 下二段活用 → 連体形:入るる時(Wikipediaより)ですね。ちなみにNHKプラスは8/29まで配信してるようです。
2021.08.27
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第2話。面白いです。とても見応えがある。渡辺康介を刺したのは弟の優だったと、あっさりネタバレ(笑)。その代わりに、ますます分からないことが増えました。◇渡辺康介の父・昭を殺したのは、やっぱり梨央(吉高由里子)なのでしょうか??でも、そうそう単純ではなさそうです。非常に気になるのは、15年前の時点で、渡辺康介がレイプ魔だったという事実を、大輝(松下洸平)が把握していたことです。大輝は、そのとききっと、「梨央も被害に遭った」と考えたはずですよね。実際には、渡辺康介は犯行直前に死んだので、梨央は被害に遭わずに済んでいます。しかし、おそらく大輝は「梨央も被害に遭った」と思い込んだまま、警察に入り、15年の歳月を過ごしたはずなのです。◇梨央が東京へ去った後も、大輝は、梨央の弟の優に会っていました。そして、優の携帯を借りて梨央とも話をしていました。つまり、梨央と連絡を取る手段はいくらでもあったのです。にもかかわらず、なぜ二人は音信不通になってしまったのでしょうか?そこは、ちょっと不可解です。…大輝は、優が5年後に失踪したことも知っていたでしょうか?もし知っていたとすれば、その失踪が渡辺康介殺しに関係する可能性を想像したはずだし、そして、渡部の父が殺されたときにも、その犯人が梨央もしくは優である可能性を想像したはずです。…優は、自分の携帯に映っていた事件当時の映像を、姉以外の誰かにも見せたでしょうか?たとえば大輝が、その映像について知る機会はなかったでしょうか?…梨央は、ずっと他人のふりをして大輝に接するのかと思いきや、第2話の最後で、あっさり昔の方言で話し始めました。梨央はこのあと、大輝に弟のことを話すのでしょうか?ちなみに、渡辺康介の白骨死体は「腸骨」に傷がありましたが、優が刺した場所は、骨盤よりやや上のように見えます。◇そもそも大輝は、なぜ警察になったのでしょうか?のみならず、なぜ後輩の藤井(岡山天音)までもが、大輝と一緒に警察になっているのでしょうか?たんに麻薬騒動で就職が困難になったから?大輝は、梨央が自分の知り合いであることを、部下には話しましたが、上司にはまだ話していません。そして、なぜか後輩の藤井とばかり密に連絡を取っています。もしかすると、大輝と藤井との連携は、警察としての任務を逸脱したものであり、二人のみで密かに情報を共有しているのかもしれません。◇わたしは前回の記事で、このドラマの「最愛」というタイトルは、「姉弟愛」もしくは「親子愛」のことであって、梨央と大輝の「男女愛」のことではない、と書きました。けれど、第2話を見ていたら、あらためて「男女愛」の要素が強まりそうな気がしてきます。いずれにせよ、「愛する人のための殺人」というテーマや、「その加害性を問えるのか」というテーマは、たとえば「白夜行」や「三度目の殺人」など、近年の日本の映画やドラマが繰り返し追求しているテーマです。今回の作品が、その変奏であるのは間違いありません。…大輝と藤井のやりとりを聴くと、この二人は、渡辺康介殺しの真相を知らないようです。「腸骨に傷があったがで、何かで刺された可能性はありますね」自分たちが殺害に関与したなら、こういう言い方はしないはず。しかし、二人がなんらかの秘密を共有してる可能性はあるし、あるいは、どちらか一方が何かを隠している可能性もあります。◇さて、不可解なのは、梨央と大輝のことだけではありません。渡辺康介の父・昭は、15年のあいだずっと梨央を探していたはずです。そして、息子の死体発見直後になって、ようやく梨央の居所を突き止めることが出来ました。しかし、考えてみれば、もっと早い段階で梨央に会うことは出来たはずです。岐阜の朝宮家のほうから辿ってくればいいのだから。なぜそれが死体発見直後のタイミングだったのか?そこがまず不可解ですよね。そして、渡辺昭がもっていた「旧札の現金」は何なのでしょうか?あれほどの大金を持っていそうなのは、ふつうに考えれば、東京の真田家の誰かですが、そうだとしても、それが「旧札」である理由は分かりません。◇梨央の母の真田梓(薬師丸ひろ子)は、娘の新薬開発のために9億円も投資をしているようです。梨央は、あの若さなのに、新薬の開発を成功させてしまうほど優秀なのでしょうか?親会社の真田ホールディングスは、新興の製薬会社にすぎない真田ウェルネスを、どうやって短期間のあいだに成長させたのでしょうか?そもそも、弟の特殊な障害を治すための新薬は、9億円もの投資をするほど社会的な需要があるのでしょうか?いくら愛する娘のためとはいえ、それは、かなりクレイジーな経営判断のように見えます。ちなみに次週の予告では、真田ウェルネスに何らかの脅迫メールが届くらしい。…梨央の兄の真田政信(奥野瑛太)は、父のことを「真田家から逃げたクズ」だと言ってました。もともと父の結婚は望まない婿入りだったのでしょうか?そのわりには子供を二人も作ってますが。兄の本心は、どうやら愛憎が入り混じっていて複雑なようです。ちなみに、母は再婚していませんが、父は再婚して子供を産んだわけです。そのことを考えれば、父のほうが「クズ」に見えたとしても無理はありません。梨央は、父の再婚相手(優の母)のことをどう思っていたのでしょうか?実母と継母のどちらを「本当の母」だと思っているのでしょうか?◇これだけ色々な謎が出てくると、ちょっと不安になります。脚本家が意図的に仕掛けている謎ならいいのですが、往々にして、脚本そのものの欠陥だったりするからです(笑)。だから考察系ドラマはあまり好きじゃないのです。全ての謎が回収されることを望みますが、ちょっと難しいかもしれません。…とにかく、渡辺昭を殺した犯人は、いまのところまったく見当がつきません。梨央の可能性が高いとはいえ、そう単純ではないのでしょう。梨央を守りたいのは誰なのか。そして優を守りたいのは誰なのか。さらに梨央と優の両方を守りたいのは誰なのか。それが、犯人を考えるカギになります。第2話を見るかぎり、梨央と弁護士(井浦新)の共犯という線はなさそうです。かりに弁護士が渡辺昭を殺したのだとしても、その場合は、単独犯ということになるはずです。「知り合いだよね。なんで他人のふりしたの?」「むこうも他人のふりしてた。私って気づかなかったのかも」「3年間 毎日寮で顔合わせてたのに?」「あれから15年も経ってる」「嘘ついてない?」「私が加瀬さんに嘘言ったことある?」◇まあ、トリックの是非はともかくとして、いまのところ脚本も演出もしっかりしているし、梨央と大輝の関係もなかなかドラマティックだし、かなりの見応えと満足感があります。警察内の描写も、けっこうリアリティがあるように感じます。大輝が梨央に任意の聴取をしたのは、ドラマによく出てくる「取調室」ではなく、広めの会議室みたいな場所でしたが、それも新鮮でした。実際の聴取って、あんな感じなのかもしれません。◇そして、いつも思いますけど、吉高由里子って不思議な人ですよね…目つきも悪いし、ぜんぜん美人じゃないのに、なぜか可愛く見えてしまうのです。いまのドラマ界の七不思議と言ってもいい。やっぱり演技が上手なのでしょう。これだけ多くのドラマで主役をはれるのは、それだけ視聴者を物語に引き込む力が強いからなのでしょうね。ちなみに、今回の第2話を見ていて、吉高由里子も松下洸平も左利きだということを知りました。
2021.10.24
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今ごろになって「ランジャタイ」の漫才にハマってます。本来なら、去年のうちに、奥森皐月をとおして知っておくべきだったのだけど…もともと、そんなにお笑い好きってわけでもないし、M-1などもまったく見ない人間なので、すっかり乗りおくれて、萌歌のラジオで紹介されるまで知らずにいました…。◇若手芸人というと、ちょっと尻込みしてしまうところもありますが、ランジャタイの笑いの世界は、わたしたち世代にもハマれる部分がある。それは端的にいうと、「江戸落語」や「不条理漫画」の世界に近い。ボケの国崎は富山県出身、ツッコミの伊藤は鳥取県出身ですが、関西風というよりは関東風、そのシュールな芸風はかなり「都市型」の笑いだといえる。◇代表作として知られる「風猫」は、体内に侵入した猫が人間を操作し、操られた人間がロボットになるという不条理ネタ。ボケの国崎は、ひとりで何役もこなしながら、道具も使わず、身ぶり手ぶりだけで異常な状況を描写していくけど、これはかなり江戸落語の手法に近い。実際、ランジャタイには落語ネタもあって、正座をしてお茶を呑む仕草などもよく出てきます。ただし、スケールを変えながら巨大なものと小さなものを演じ分けたり、現実にはありえない状況を描写していくシュールな世界は、落語をかなり現代的にアップロードしています。体内に侵入して人間を操縦する猫操られてロボットになる人間かたや伊藤のツッコミは、かなり独特です。ほとんどツッコみません。途中までは、国崎の描き出すシュールな世界を、なんとか理解しようと言語化して確認するのだけど、状況がエスカレートするにつれ、後半は、ただ呆れて、生暖かく見つめるだけ。もしくは、あまりにもクレイジーな事態に、絶句したまま立ち尽くします。この「シュールな状況に絶句する」さまは、昔のガロなどの不条理漫画に似ていて、伊藤の変な髪型も、そういう雰囲気を醸し出してます。(最近、角刈りにしたらしいけど)吉田戦車の不条理漫画「伝染るんです。」よりなお、猫に操作された人間は、「将棋ロボ」と「カニ挟みロボ」と「お茶呑みロボ」を延々とループ。伊藤は絶句したまま、その様子を凝視するだけ。伊藤が言葉を失ってからこそがランジャタイの真骨頂になります。将棋ロボになった人間。カニ挟みロボになった人間。お茶呑みロボになった人間。◇その他のおすすめネタです…「お鍋の美味しい季節になってきました」キレのある描写で鍋をつくる仕草は、かなり江戸落語風。鍋が大惨事になると、何故かピカソの「ゲルニカ」が登場するw「くそったれ人生にさよならぽんぽん」怪しいヨガ体操を自宅でもやるように勧められて、はじめは生返事で誤魔化してるけど、あまりのしつこさに途中から絶句。「弓矢」"弓矢で牛丼を射ってブン回したい!"とか、"最後は笑顔でサヨナラしよっ!そのほうがいい!"とか、謎の主張をしつづけるだけのネタ。◇ちなみに、ボケの国崎は天才肌だといわれてますが…彼の出身地の富山県は、ノーベル賞受賞者をたくさん輩出してる日本屈指の頭脳県だし、たとえば「宇宙の真理」みたいなネタを見ると、シュールな世界を極限化していく彼の発想は、いわば「富山風」のスタイルなのかもしれない。コンビ名を「蘭奢待」からとってるところも、ちょっと知性的です。◇一方で、ランジャタイのネタは「当たりはずれが多い」ともいわれる。実際、いくら奇想天外な世界観といっても、国崎の描写力に頼るところが大きいし、伊藤がそれを分かりやすく言語化してくれないと、観客は何をやってるのか理解できなくて、ついていけないこともある。それから、ライブでは、いつもフェードアウトして苦笑いしながら終わるけど、わたしとしては、疲れ果てて悲愴感のうちに去っていくほうが面白いのにな、と思う。さもなくば、「最後は笑顔で…」をやって、ニッコニコで帰るとか。
2022.04.12
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小さな手2階ボタンに届く秋 NHKホール迫り上がる良夜 秋涼しハンカチ社員笑み浮かべ 若煙草纏いし君に気もそぞろ この階で降りればいいのか鬼灯め 閉ボタン連打秋夜のエレベータ 白桃や車いす用ボタン押すプレバト俳句。お題は「エレベーター」。◇トレンディエンジェル斎藤。小さな手2階ボタンに届く秋見つけちゃったのね~。思わず何十年かぶりに、ちいさい秋ちいさい秋♪…と歌ってしまったw幸せな小さい秋ですね。◇和田アキ子。NHKホール 迫り上がる良夜秋の季語「良夜」は月の明るい夜のこと。これを屋内の場面に用いたことの是非。先生は好意的に解釈してましたが、おそらく作者は季語の本意を知らずに、一般的な「良い夜」の意味で使ったのでは?…とはいえ、月夜の舞台セットが出現したとも読めるし、スポットライトを月に見立てて、自分が月光に照らされるような幻想を描いた、と読めなくもありません。◇勝村政信。この階で降りればいいのか鬼灯ほおずきめこの階で降りるか 鬼灯を灯して(添削後)これは完全なる幻想句ですね。そういうジャンルがあるのか分かりませんが、戦争が廊下の奥に立つてゐたのような戦争関連句なども思い出させます↓。https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202208140000/鬼灯を擬人化した問い掛けを、添削では自問自答のような形に直してますが、そもそも非現実的な句材なのだから、この場合は擬人化を許容してもいいのでは?それよりも、むしろ難点なのは中八です。この階で降りろと云ふか鬼灯めのようにすれば容易に解消できる。なお、口語によるセリフ形式の句なので、助詞の「で」を使っても問題はないだろうし、最後は「め」のままでも構わないと思いますが、わたしの好みをいえば、この階に降りろと云ふか鬼灯よとするほうがいい。最後を「め」にした場合は、上から恨み節を言ってる感じですが、これを「よ」にすると、すこし怖れをなしてる感じかもしれません。いずれにせよ、泉鏡花っぽい世界ですね。◇皆藤愛子。閉ボタン連打 秋夜のエレベータこれまたホラーっぽい。といっても、幻想ではなく、女性ならだれしも思い当たることですが。難点をいえば、「閉ボタン」と「エレベーター」が、やや情報として重複してる感がある。破調の17音なら、秋夜 閉ボタンを連打する女とも出来ます。◇清水アナ(Twitter)。残暑の夜 エレベーター点検中これも夜のエレベーターの不安感。あるいは、「クソ暑いし疲れてるのに階段かよっ!」という落胆の句でしょうか?(笑)破調の17音にしたことの是非ですね。もし定型に寄せるなら、助詞を入れて「エレベーターは点検中」とするか、写生に徹して「点検中のエレベーター」とすれば、下6にはなるものの、最後が長音だから、さほどの字余り感はありません。でも、あえて破調にしたことで、ある種の字足らず感が生まれていて、そこに孤独な夜の心許なさが表現されてる気もするので、わたしは破調のままでもいいかなと思います。/9月7日、夜7時からはプレバト!!\清水アナが次回のお題に挑戦!🔥#プレバト #俳句 #MBS #TBS pic.twitter.com/KMl01vL4du— 「プレバト!!」毎週木曜よる7時【公式】 (@prbt_official) September 4, 2023◇梅沢富美男。白桃や 車いす用ボタン押す桃抱いて車いす用ボタン押す(添削後)白桃抱いて車いす用ボタン押す(添削後)二句一章にした必然性の是非ですね。これは添削に異論なし。句材はよかったのに残念ですが、やはり梅沢は叙述の構造を理解できていない。◇秋元真夏。若煙草纏いし君に気もそぞろ嗅ぎ慣れぬ秋の大人の煙草の香(添削後)秋の季語に「若煙草」なんてのがあるんですね。残念ながら原句は用法を間違ってましたが…(笑)。かたや添削句のほうは、無理やり季語をねじこんだ結果、「秋の大人」なんぞという、不可解なフレーズが誕生してしまった。作者の意図に沿うならば、ベタな恋の句にはなるけれど、煙草の香 ときめく秋のエレベーターとでもするのが妥当なのでは?あるいは、恋の句とは明示せずとも、新涼のエレベーターに煙草の香ぐらいでいいのかもしれません。◇松倉海斗。秋涼し ハンカチ社員笑み浮かべエレベータに秋のハンカチ使いをり(添削後a)エレベータに秋のハンカチ使わざり(添削後b)おおかた「ハンカチ王子」に倣って、不用意な造語を取り入れたのでしょう。夏のあいだはハンカチを多用していた社員…ってことですよね。しかし、意外なことに「ハンカチ」は夏の季語だそうで、はからずも季重なりになってしまった。そうでなくとも、この場面でハンカチは使われていないので、それを描写の対象にすることは出来ません。原句に沿った(添削後b)では、「使ってないハンカチ」を描写した結果、季語を否定する形になってしまってます。かたや(添削後a)のほうは、原句の意図から外れていますが、「秋のハンカチ」の用途もよく分からない。残暑がひどくて汗を拭いてるのか。潔癖の人がハンカチ越しにボタンを押してるのか。かりに実景だけを描写するなら、束の間を語らう秋のエレベーター同輩とエレベーターの秋涼しみたいな形にしかならないし、作者の意図を活かすのは困難ですね。ハンカチ店を開店。“ハンカチ王子”斎藤佑樹、ハンカチ店開店 店主就任に意気込み | ORICON NEWS https://t.co/8XuBaE4Gwy— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) September 8, 2023
2023.09.11
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フジ「嘘が嘘で嘘は嘘だ」全4話を見ました。生方美久の短編作品。FODで去年のクリスマスに放送したらしい。だからクリスマスの話だったのね。◇理屈っぽいタイトルも含めて、いかにも新人作家の秀作って感じかな。ユニークな配役は絶妙で、過去作にくらべてセリフも熟れてたし、とくに第3話は面白かったです。何が本当で何が嘘なのか、どんどん分からなくなってく感じは、不穏な迫力があってワクワクしました。◇でも、第4話の結末は、期待したほどの綺麗な伏線回収じゃなく…詐欺師の男が、あまりにも容易く人を殺そうとするのは、ちょっと動機として弱いと思うし、リコピンをどうやって殺して、その罪をどうやってミツコになすりつけようとしたか、その手口が分からないまま終わったのも消化不良。それから、刑事の男の頭の傷と、ミツコの額の絆創膏が、無意味なミスリードだったのも肩透かしです。刑事の男が、なぜリコピンの本名を知ってたかも謎だった。◇本来なら、それぞれの犯罪がたがいに錯綜して、月の満ち欠けみたいな見せかけに惑わされて、しまいには犯罪者自身が、ほんとに殺したのか殺さなかったのか分からなくなる、…みたいな終わり方が王道じゃないかなと思います。第3話の、天国と地獄のロジックパズルは、理解するまでにかなりの時間を要しました…(^^;もし天国なら、天使は「はい」と言うので「はい」と真実を答える。悪魔は「いいえ」と言うので「はい」と嘘を答える。もし地獄なら、天使は「いいえ」と言うので「いいえ」と真実を答える。悪魔は「はい」と言うので「いいえ」と嘘を答える。https://ja.wikipedia.org/wiki/ロジックパズル多角的思考力を鍛える55の論理パズル [ 北村 良子 ]価格:1,320円(税込、送料無料) (2026/2/3時点) 楽天で購入
2026.02.04
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NHKプラスも使い勝手は悪かったけど…NHKワンになっても相変わらずで、かえって悪くなったところもあるし、半年近く経ってもなかなか改善しませんね。とりあえず、お気に入り番組は登録できるようになったし、(ただし、お気に入り出演者などは登録できない)倍速設定が巻き戻すたびに変わる不具合や、いちいちクリックしないと操作画面が消えない不都合は、なんとか解消されたようだし、連続再生設定にしても連続再生されない不具合も、いちおうは解消されたのだけど…連続再生されても、そのたびに全画面設定や字幕設定が、いちいちデフォルトに戻ったりするのよね。◇操作が終わった後に、画面上にポインタが残り続けるのも邪魔です。TVerはもちろん、YouTubeでも、ニコニコ動画でも、他の動画サイトでこんなことはありません。NHKのネット設計者だけが、飛び抜けてバカなんじゃないかしら?◇パソコンでテレビ番組を見るときは、なるべく画面から離れた場所に座るのですが、リモコンがあるわけじゃないので、全画面設定がデフォルトに戻ったり、ポインタの位置が邪魔だったりするたびに、またパソコンに寄ってマウス操作しなきゃならない。◇番組の探しにくさも相変わらずです。どういう発想でカテゴリ分けしてるか知らないけど、結局、多くの番組を、いちいち検索ワードで探さなきゃならないし、ぶっちゃけサイト内検索よりも、Google検索のほうが早かったりする。◇全体的に、無駄なクリック数の多くなるサイト設計なのですが、たとえば、放送済み番組より放送予定番組が上位に表示されるので、とくに朝ドラなどは、過去の番組を探すまでに、ひと手間もふた手間もかかる。パソコン操作の苦手な年寄りだったら、探しきれずに諦めるんじゃないかというレベルです。こんなことなら、TVerに間借りすればいいのに…と思ってしまいます。以下はChatGPTの意見。
2026.03.18
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いまさらながら、TVerで「ミステリと言う勿れ」を見ました。過去にもちらちら見る機会はあったけど、ようやく全話とおしての視聴が完了。映画版はいまひとつだなと思いましたが↓https://www.jtnews.jp/review/28064/?SELECT=24063#HITドラマ版はかなり面白かったです!!4年前の作品だけど、いまだにTVerでは高い再生数を誇ってて、今年もTVerアワードに選出されてる。クオリティの高さと視聴者の支持を両立させた、なかなか稀有な優良コンテンツですね。◇なお、日テレの「ハコヅメ」と同じく、見当違いなキャンセルカルチャーのせいで、こちらも続編が作れない状況になってます。これはテレビ局だけでなく、原作者の田村由美も、主演の菅田将暉も、代表作を奪われる結果になってるわけだし、ドラマファンの利益も損われてるし、さらに、カンヌのMIPCOMで評価された点も踏まえれば、海外向け国産コンテンツを失ってる可能性もあるわけで、なるはやで解決すべき課題だろうと思います。結論から先にいうと、(スポンサーが企業イメージを気にするのはともかく)すくなくともテレビ局は、キャンセルカルチャーを「不当」と判断したならば、局としての見解を示したうえで、堂々と起用すればいいのです。ハコヅメ~たたかう!交番女子~ DVD-BOX [ 戸田恵梨香 ] 楽天で購入 ・文化系のミステリードラマ「ミステリと言う勿れ」は、アクションを中心にした体育会系のサスペンスじゃなく、徹底した文化系のミステリーなところが最大の魅力。劇伴として使われるクラシック音楽も効果的でした。ただ、それだけに心理犯罪としての面が強く、狂気性や猟奇性もかなり際立ってて、親子間の虐待も繰り返しクローズアップされる。そういう特徴は女性作家の原作ならではかもしれません。◇日本のテレビドラマとしては、美男美女を軸に配役してないのも稀有な特長。菅田将暉は典型的なイケメンじゃないし、伊藤沙莉も門脇麦も美人女優じゃない。それでもキャラの魅力が十分に共有できる。ドラマ版の風呂光聖子は、原作のキャラや位置づけとは違うらしいけど、序盤では彼女の存在こそ大きな魅力でした。実際、風呂光役の伊藤沙莉は、(いつものガサガサキャラと違って)ものすごく可愛く見えるのよね…。強いて美人女優といえるのは、せいぜい松本若菜ぐらいだろうけど、彼女は男勝りな刑事の役どころだし、イケメン俳優といえるのは瑛太と北村匠海ですが、彼らは異常な殺人犯の役どころ。美男美女をメインにしない配役でこそ成功してる。・トリックのツッコミどころ映画版もそうでしたが、犯罪サスペンスとして見た場合に、ツッコミどころがないわけじゃありません。とくに焼肉屋強盗の話は疑問に感じる点が多かった。強盗犯が店内にダラダラ長居して、店主の娘に営業させる理由が分からないし、とっとと金を奪って逃げたらいいのでは?…と思うのよね。一方、久能(菅田将暉)とライカ(門脇麦)は、いったん店を出てから警察を呼んで、ふたたび戻ってきて店を開けさせましたが、本来なら食事してる間にどちらかが店の外に出て、閉店させないうちに警察を呼ぶべきでしょ。「ミステリと言う勿れ」Blu-ray BOX【Blu-ray】 [ 菅田将暉 ] 楽天で購入 ・最終話の時系列について最終話は、時系列が大きく入れ替わってたせいで、ちょっと頭が混乱しました。簡単にいうと、この最終話の内容が、直接には第4話へ(実質的には第5話へ)繋がるわけね。つまり、最終話でガロ(瑛太)が久能に送った指輪を第5話で風呂光が「恋人からの贈り物」と勘違いすることになり最終話で父の遺体を掘り出したジュート(北村匠海)による警察への告発が第5話での牛田(小日向文世)による霜鳥(相島一之)の告発へと帰結する…ってこと。なので、羽喰玄斗(千原ジュニア)の事件は第5話で解決済みですが、ガロの妹に指輪を授けたカウンセラーの正体、すなわち鳴子巽とその指輪の意味については、未解決なまま続編につながる形で終わってます。◇時系列を入れ替えた理由としては、おそらく以下の4点が考えられます。1.物語を続編につなぐため、ガロの妹の指輪とカウンセラーの話を最後に置いた。2.ジュートが警察に告発した話を先にすると、そのあとの牛田と霜鳥のエピソードのネタバレになる。3.新幹線&ジュートの告白の話は尺が短いので、時間を延長した最終回に2つの話をまとめた。4.羽喰玄斗の連続殺人、バス運転手の連続殺人、ガロの報復殺人、ジュートの連続殺人は、いずれもかなり猟奇的でグロテスクな内容で、ドラマ中盤で立て続けにやるには重すぎるから、視聴者が食傷気味になって途中離脱しないように、あえて話を分散させた気もします。…とはいえ、最終話に2つのエピソードを押し込んで、エンディングテーマを2度流すのは興冷めだったし、やはり時系列どおりにして、ライカの人格消滅の話で終わらせるほうが、物語の流れとしても、まとまりはよかったと思う。そのうえで、ガロから送られた指輪のことを、久能が振り返るシーンさえ最後に加えれば、続編につなぐのも十分に可能だったはずだし、原作との兼ね合いもあるけれど、脚本をすこし工夫すれば、ジュートの告白によるネタバレ問題も、回避するのは不可能じゃなかったと思います。・続編の問題そして、ドラマの続編は可能なのかどうか?無意味な不倫叩きによって、日テレが「ハコヅメ」の続編を作れずにいるように、バカな漫画ヲタクどもの、日テレに対するキャンセルカルチャーによって、フジテレビも本作の続編を作れない状態になってます。日テレの問題においては、バカな漫画ヲタクどもが小学館を擁護し、責任をドラマ制作側へとなすりつけたのだけど、実際には、ドラマ制作側との意思疎通を遮断しておきながら、炎上騒動のときにだけ原作者を矢面に立たせ、責任のがれに終始した小学館にこそ問題があったし、もっといえば、原作者を板挟みに追い込んだのは、ほかならぬ漫画ヲタクどもの脊髄反射的な炎上だった、…という可能性を考えるべきなのです。◇先日のマンガワン問題でも、漫画ヲタクどもは小学館と原作者を擁護し、「前科者の表現の自由」を主張しましたが、要するに、彼らの主張はつねに、「2次元側を擁護して3次元側を敵視する」という思考パターンに則ってるだけなので、(ジャニヲタによる性被害者へのセカンドレイプと同じように)はたから見れば論理的な一貫性を欠いており、たんに彼ら自身の立ち位置を死守してるにすぎない。バカが連帯して政治力を発揮する運動は、マスメディアにとって死活問題になるだけでなく、そのままポピュリズムにも直結しており、国家や社会を危機に陥らせかねない側面があります。その意味で、漫画ヲタクやジャニヲタの存在は、社会的な害悪になってる状況だといえる。したがって、不当性の疑われるキャンセルカルチャーついては、冷静な検証と分析をおこない、社会的な対策や是正を講じていく必要があります。◇フジの「ミステリーと言う勿れ」の成功によって、相沢友子が漫画原作のドラマ化に自信をもった結果、日テレの「セクシー田中さん」で最終話を書けなかったことに、いっそうの不満を抱いたとしても想像に難くないし、それがかえって裏目に出たともいえるのだけど、すくなくともフジテレビが、相沢友子の起用を躊躇する必要はないし、日テレが永野芽郁の起用を躊躇する必要もないのです。基本的には無関係なのだから。ミステリと言う勿れ(15) (フラワーコミックス α) [ 田村 由美 ] 楽天で購入 ・ライカの人格消滅について以下は、ライカの人格消滅についてのメモです…。多重人格者のひとつの人格が消滅したら、それを形成してた脳細胞は死滅するのかしら?…と思ったのですが、ChatGPTに訊いてみたところ、人格を成り立たせるシナプス反応が潜在化するだけで脳細胞が死ぬわけじゃないらしい。逆にいえば、人間の人格は「顕在化したシナプス反応の束」に過ぎないってことね。デヴィッド・ヒュームが「自己とは知覚の束にすぎない」と言ったように、統合された自己は一定の制度下で成立する現象にすぎないのだと思う。ちなみにドゥルーズ=ガタリが言った「分裂症スキゾと偏執症パラノ」は、おおむね臨床医学でいうところの「解離と統合」に当たると思います。近代社会では、人格の統合された状態が「健康」で、統合の崩れた状態が「病気」だったけれど、ドゥルーズ=ガタリはこれを逆転させて、分裂してるほうが自然であり、偏執してるほうが近代的な病理と考えたわけよね。実際、自然界の動物などは、昨日の自分を忘れて今日の自分を生きてるわけだから、統合された自己にこだわらず、ほどよく解離してるほうが正常なのだと思う。人間の人格が統合されるのは、社会的な要請もあるけれど、言語的な文脈の力で統合が可能になるからでもある。したがって、統合の強さは個人の言語能力に比例するといってもいい。ポストモダン社会では、昨日の自分の罪を都合よく忘れて、それを他人になすりつけるようなサイコパスなパワハラ野郎のほうが健康を保って、昨日の自分の罪を今日も明日も背負いつづけながら他人の罪までなすりつけられる人のほうが鬱病になる…みたいな逆転現象が生じます。文脈を理解しない脊髄反射的な犬猫どもがSNSで存在感を増すのもポストモダン的な現象といえる。こうした逆転現象のなかで病理の定義が曖昧になり、そのつど症状に名前をつけるもんだから無駄に臨床概念が複雑化してしまう。統合された自己とは、社会的に要請される責任主体のことでもあって、とくにキリスト教世界では「懺悔(罪の告白)」によって個人を責任主体に育てる制度を作り上げたわけですね。しかし、これはあくまでキリスト教に固有の制度だから、世界中のあらゆる文化が責任の所在を個人に帰してるわけじゃないし、本来の人間にそんな能力はないと言ってもいい。その点、AIの大規模言語モデルは、身体的な自己はもたないけれど、忘却しないという意味で言語的には完全に統合された存在です。したがって、将来的にはAIが責任主体になるほうが合理性は高い。より正確にいえば、人間に罪を背負わせないような社会設計をAIの責任において実現させるほうが合理的だってこと。たとえば人間に罪を背負わせる大きな要因のひとつに貧困の問題があります。貧困のために人は罪を犯したり、些細な関係において他人を騙したり支配したり嫉妬や憎悪を抱いたりする。貧困がなくなるだけでも、人が罪を負う機会は劇的に減るはずだけど、貧困の撲滅は個人の責任でできることではなく、より大きな責任主体が正確な予見能力をもって実現するしかありません。個人に責任を帰すことは、過去の社会では便宜的に必要だっただろうけど、それはじつは本質的に不可能であって、そもそも個人に責任を帰すだけでは社会的な課題は解決しない。アンチ・オイディプス(上) 資本主義と分裂症 (河出文庫) [ ジル・ドゥルーズ ] 楽天で購入
2026.04.04
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NHK「ミッドナイトタクシー」見てます。全32話?!…マジで?8週間もやるの?ちょっとした朝ドラじゃん…(^^;◇去年の生方美久の「嘘が嘘で」と同じく、新人脚本家の秀作っぽさがあるよね。最初に設定ありきな感じとか、ふつうの人が言わなそうなセリフ回しとか。でも、まあ、キャストも豪華だし、不思議と惹き込まれる要素もあって、テレ朝の「マイダイアリー」よりはだいぶ面白い。なんといっても、古川琴音の一挙手一投足が面白いですw彼女でなければ成立しない作品じゃないかしら?板尾創路の焼き芋屋の話もなんとなく面白かった。◇主人公は、実母と離れて育ったようですが、アフリカ生まれは本当なの?そして、古川琴音も、兵藤るりも、主人公と同じ29才なんですねえ。こころなしかアフリカ系の顔立ちよね…https://t.co/RNdgIbobP5 pic.twitter.com/wk1zn0vIR3— まいか (@JQVVpD7nO55fWIT) June 6, 2026兵藤るりは、TBS「時すでにおスシ!?」も書いてたのか。ぜんぜん気づかなかったな。
2026.06.08
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まめ夫の最終回。母とマーさんの同性愛の話が出てきました。わたしは、これまでも、このドラマにうっすら同性愛の要素を感じてた。たとえば、八作と、店のシェフのもっちん(長岡亮介)との関係にも、それを感じさせるところはあったし、かごめが八作と結ばれなかったのは、かごめがそもそも男性を愛せなかったからじゃないかな?とも思っっていた。真偽のほどは分かりませんが。◇かりに、もっちんが八作のことを好きだったとしても、八作は、かごめのことが好きだったわけだし、かごめは、同性のとわ子のことを好きだったのかもしれない。同性であれ、異性であれ、恋のベクトルが、ひとつずつズレてしまう。◇中盤に登場したストーカー女たちは、八作や鹿太郎や慎森を好きになったけれど、鹿太郎や慎森は、とわ子のことが好きだった。でも、とわ子は、やはり八作のことが好きだった。そして、八作はかごめのことが好きだった。かごめは、とわ子のことが好きだったかもしれない。母とマーさんの、同性どうしの恋が成就しなかったように、自由恋愛が可能な現代においてさえ、完全な両想いは、なかなか実現しない。どこかで現実的な妥協をせざるを得ない。◇八作が、とわ子と結婚したのは、かごめを諦めた彼にとっての妥協だったのでしょう。とわ子が、鹿太郎や慎森と結婚したのも、八作との関係を諦めたすえの妥協だったことでしょう。そして、とわ子の母が、父と結婚して出産したのも、マーさんとの恋を断念した結果の妥協だったでしょう。そのことについて、娘の唄はこう言います。可哀想なおばあちゃん。可哀想なおじいちゃん。可哀そうなママ。生きたいように生きられなかった。おばあちゃんが生きた人生は、わたしの未来かもしれない。…しかし、実際にマーさんに対面して話を聞いた唄は、その考えを変えたようです。◇たしかに、異性との結婚と出産を選んでしまった祖母の選択は、現実的な妥協であり、打算であったともいえる。それは、ちょうど唄自身が、医者の道に進むことを諦めて、「西園寺くんを支えるほうが合理的だ」「結婚して西園寺くんを教育すればいい」と考えるときの妥協や打算に似ていなくもない。でも、同じような妥協・打算のようでありながら、きっと「何かが違う」と唄は思ったのでしょう。唄は、その理由について、「面倒くさい」と言って語らなかったけれど、一言でいえば、それは「愛があるかどうか」ということなのだろうし、たとえ何らかの妥協をしてしまった人生だとしても、そこに愛情があるのなら、けっして「可哀想な人生」ではないのでしょう。◇◇さて、最後の最後は、3人の元夫たちによる、いつものドタバタでした。失恋のすえに去っていった3人のストーカー女たちも、どうやら都内で無事に生きていたようです。…毎回、伊藤沙莉は、冒頭のナレーションで、「今週もくわしくお伝えします」と言ってましたが、要するに、このドラマは、視聴者が大豆田とわ子の生活を覗き見するための、伊藤沙莉からの定期報告みたいなものだったので、話の内容にはこれといって起承転結も無く、ことによったらテーマさえ無かったのかもしれません。伊藤沙莉からの一連の報告は、とりあえず全10回で終了しましたが、大豆田とわ子の生活はずっと続いていくわけなので、しばらくしたら、また続きの報告があるのかもしれません。
2021.06.17
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あの崖の上がわらびの萌える野と 鍵失せてファミレスにいる春の月 つまずいて春を見つけた排水溝 原稿に「摘出手術」春の虹 春風のマーチ擦り傷にマキロン 覚えなき青痣きっと春のせい 靴脱げたランナー春塵の入賞 赤チンの膝の記憶や養花天プレバト俳句。お題は「つまずく」。◇本上まなみ。あの崖の上がわらびの萌える野と東国原がいなくなって以降、なかなか型破りな作品には出会えなくなってますが、これは久々に独創的な俳句でした。実景ではない季語を詠んで、最後を「と」で終わらせている。内容的にも形式的にも型破りで、けっこう勇気がいりますよね。助詞の「と」は、梅沢の「妻よりと」の句と同じ用法ですが、引用を意味しますから、それより前はすべて誰かのセリフです。もともと助詞の「と」は引用だけでなく、並列などの意味もあったりするので、誤読の危険性にも注意を要するけれど、この句の場合は、冒頭の「あの」という指示語が効いていて、それがあることで崖の上を指差す人物の姿が見えます。実景としては、「わらび」ではなく「春の崖」を詠んだ句というべきですが、その実景の先に、見えない奥行きがあるのですね。ちょっと凡人にはできないことをサラッとやっていて面白いし素晴らしい。◇キスマイ横尾。靴脱げたランナー 春塵の入賞句またがりだけど、内容的には一句一章で、2カットには分かれていません。切れは場面転換を生んでおらず、前段と後段は「主語と述語」の関係、もしくは(山本健吉の言葉を借りれば)「主題と細叙的な反復」の関係です。江戸時代の俳句では「切れ」が場面転換をともなわなかったようなので、わたしは、こういう俳句は「江戸様式」「発句様式」なのだと思っています。その前提でいえば、とくに欠点のない出来で、季語を具体的な映像にした「春塵の入賞」というフレーズもいいし、表彰台の選手ではなく、入賞という脇役的な選手への視線もいいですね。…それはそうと、二階堂が「8+9」で詠もうとしてるらしい!どうなるでしょうか。期待が3割、不安が7割です(笑)。◇森口瑤子。覚えなき青痣 きっと春のせい後段の「きっと春のせい」は、CMコピーとかポップソングの歌詞っぽい言い回し。このフレーズを俳句に用いたのは、あくまでも森口瑶子の独創というべきだろうけど、もしも、これ自体をひとつの《季語》と見なしたら、前段だけを入れ替えて、なんでもかんでも「きっと春のせい」にする句が出来るし、その応用で「きっと夏のせい」などの句も無限に出来てしまいますね…(^^;◇こがけん。鍵失せてファミレスにいる春の月勝村政信。つまずいて春を見つけた排水溝こがけんも勝村も、動詞を2つ使っています。これは時間経過や因果関係の説明になりがちだけど、(鍵が失せたので、ファミレスにいる)(つまずいたので、春を見つけた)他方では、犬山紙子的なモノローグの効果になってるのかな、とも思う。≫ 喪服着てメロンソーダの列に居る≫ 恋を終わらせ平日の海月見る悪い句とは思わないけど、先生もやや不安視していたとおり、特待生にふさわしい句かは、ちょっと微妙かなと思いました。◇久代萌美。原稿に「摘出手術」春の虹「摘出手術」噛まずに言えた春の虹(添削後a)嚙みそうなニュース原稿 春の虹(添削後b)原句は、作者を知っていればこそ、「テキシュツシュジュツ」という早口言葉的な読みを強いられた、新人アナウンサーらしき滑稽句だと分かる。でも、作者を知らなければ、誰かの病状を気遣っている句のようにも見えてしまう。そこが難点ですね。なお、「噛む」というのは、おそらく「舌を噛む」から派生した新語の類でしょうが、添削では、これを積極的に用いています。…とはいえ(添削後a)のほうは、ちょっと医療関係者のように見えてしまうかも。たとえば中八で、春虹や 「摘出手術」を噛まず読むのようにも出来るけど、やはり「摘出手術」を諦めた(添削後b)が無難な気がします。◇森迫永依。春風のマーチ 擦り傷にマキロン擦り傷にマキロン 春風のマーチ(添削後)1ランク昇格だったけど、ちょっと微妙な出来。作者の話によると、「マーチの行進をしてたら転んで怪我をした」という因果関係が念頭にあったようです。しかし、読み手にはそれが分からないので、どういう取り合わせなのかがイメージしにくい。やはり添削のように語順を逆にして、華やかなマーチの後景にマキロンを塗る人物を置くほうが、映像的に面白くなります。しかし、作者の頭のなかでは「原因と結果」の関係だったので、そういう語順にはならなかったわけですね。◇梅沢富美男。赤チンの膝の記憶や 養花天赤チンとイジメの記憶 養花天(添削後)前回は「お三時」が不要な情報だと厳しく評価されたけど、今回もやはり「膝」が不要な情報との厳しい評価でした。まあ、そうかもしれませんね。ちなみに梅沢は、お気に入りの森迫永依のことを、さかんに自分の娘のように言ってましたが、まるで示し合わせたみたいに、同じような「赤チン」と「マキロン」の世代差俳句になってました。興味がわいたのでWikipediaで調べてみたら、まさに「マキロン」が「赤チン」に取って替わったのだそうです。1971年に山之内製薬(現・アステラス製薬)から発売され、それまで外傷消毒液として普及していたマーキュロクロム液(赤チン)に取って替わり、外傷消毒薬の代表製品として親しまれている。たしかに赤チンは服が汚れるもんねえ…。とはいえ、赤チンも2020年までは製造されていたそうです。日本薬局方からマーキュロクロム液が外れた2019年6月以降も製造を続けていたのは「サンエイ-S」を製造する三栄製薬株式会社のみであった。一時期は月2000〜3000本ほどの生産量であったが、水銀に関する水俣条約により、2021年以降マーキュロクロム水溶液が規制対象となるため、2020年12月24日製造分を以て製造を終了した。赤チンがマキロンに取って替わったように、梅沢も句集を完成させて次の名人に取って替わるかと思いきや、…そうはいきませんでした(笑)。
2023.02.22
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わたしは昨日の記事で、「ヒルコの正体は役小角だった」と書いたのだけど、ネットの考察を見たら、「二宮がヒルコだった」と解釈してる人が結構いる!…その理由は2つあって、第一に、負傷して呪符を剥がされたあとも、血を吐きながらケタケタ笑ってたから。第二に、彼女が最後に葦舟を残して消えたから。そこから考えると、たしかに二宮が本物のヒルコだったかも?…と思えてきます。◇アメノウズメについても、いろいろと謎が残りました。・なぜ興玉が天石戸別神だと知ってたのか。・なぜ猿田彦の伴侶となるべき女神が興玉と愛し合ってるのか。・なぜ雨野は人間なのに呼び出しの術を使えたのか。・なぜ興玉に事戸を渡されたのにラストシーンでまた鈴を鳴らしたのか。結局、雨野は、神の記憶を失ったのかどうか分からないし、神なのか人間なのかもハッキリしないのですね。興玉が雨野に事戸を渡したとき、「すこし人差し指を浮かせてた」…ってことも注目されてます。そこらへんを確認するために、またTVerで見直したりするわけで…それで再生数が伸びていくのでしょうねwまんまと脚本家の策略にハマってる感じ?…(^^;◇ちなみに、アメノウズメの鈴は、アマテラスを呼び出すために、岩戸を開くべく鳴らした神代鈴のこと。新海誠の「すずめの戸締まり」では、主人公の名前が《岩戸鈴芽》なのだけど、これは雀に由来するのじゃなくて、「岩戸を開くために鈴を鳴らしたアメノウズメ」…みたいな意味から来てるっぽい。知らなかった!!◇もしドラマの続編があるとしたら…京都の尼寺局長=アマテラスを演じるのは、広瀬すずなのでは??そしたら「鈴ですずを呼ぶ」みたいな感じになるよねw幸運鈴 本体の長さ約24cm三番叟鈴 神楽鈴 かくらすず かぐら鈴 三番叟鈴 Kagura bell 神社 お神楽 おかぐら 神事 巫女さん みこ 舞 舞う まう 踊り お祭り 和楽器 鳴り物 小道具 楽天で購入
2024.12.20
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大晦日放送の、NHK「クラシック名演・名舞台2021」を見ました。藤田真央くんの「トルコ行進曲」でまたも驚いた。てっきり彼はモーツァルト向きと思っていたけれど、実際の演奏はむしろ「モーツァルトらしさ」が抑制されていて、緻密に究めるような、ストイックな印象。遊び心たっぷりに楽しく弾くのでもないし、純真無垢に可愛らしく弾くのでもない。ある意味、マットな演奏と言ってもいい。それが意外で面白かったです。◇もともと「トルコ行進曲」ってのは、当時のトルコブームにあやかって、大衆受けを狙ったノベルティ的な楽曲であって、まあ芸術的な価値は低いんだろうと思いがちだけど…最近は、いろいろ意欲的な演奏があって面白いですね。ファジル・サイのトンデモ編曲のときも驚いたけど、今回の演奏で、またこの曲の印象が変わったし、真央くんの演奏に対する印象も変わりました。https://medicitv.jp/VerbierFestival/xohfF◇このほか、カヴァコスのブラームス、オピッツの「展覧会の絵」なども素敵だったので、もっと聴いてみようと思います。レオニダス・カヴァコス×萩原麻未:ブラームス「バイオリンソナタ第1番ト長調作品78」ゲルハルト・オピッツ:ムソルグスキー「展覧会の絵」あ、ファビオ・ルイージのベト7も良かったです。それにしても、プロムスとかバイロイトとか、欧州の音楽祭は楽しそうで羨ましい。ウィーンのニューイヤーばかり有り難がってる日本人にくらべて、やっぱり音楽を楽しむ能力が高いんだなあと感じます。
2022.01.02
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いやいや、瑛太は犯人じゃないって!名前も身元も分かってて、接触しようと思えばすぐ接触できる人間が犯人なんて、いくらなんでも話が簡単すぎるでしょ!…と思うのはわたしだけ??もし瑛太が犯人だったら、お詫びします(笑)。◇今週は演出家が代わったらしいけど、あいかわらず緊張感はビシビシで、やっぱりあっというまの一時間。12年前の事件から、1年前の事件へと焦点が移りましたが、かえって不気味な要素が増した感じ。またイチから調べなきゃなりませんし…。そして、被害者の会も結成されたのですが、希望が見えてきたというよりは、むしろ不穏な雰囲気が強まった気がする。大友良英も、不快な音響をキーキー奏でてました…。◇それにしても、あらためてゴードンの変貌ぶりはすごい!まったく別人です…。ちなみに、今週はサックスを吹いてたそうで、意外にお洒落なことが出来るんですね!
2022.12.10
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いまエゴン・シーレに注目が集まってるのは、2018年の「没後100年」と前後して、いくつかの映画などが作られたりしたからですね。しかも、その「没後100年」ってのは、シーレだけじゃなく、クリムトやオットー・ワーグナーらの「没後100年」でもあったし、ハプスブルグ帝国そのものの「没後100年」でもあったわけです。同時に、クリムトやシーレの死は、第一次大戦ではなく、スペイン風邪のパンデミックの結果だったので、それがまた、現在のコロナ禍の状況に符合してしまったのもある。その余波が5年経ったいまも続いていて、なぜかクリムトよりもシーレのほうに関心が向いているわけです。◇ただ、逆にいうと、そうした「周年」的な意味合いのほかに、現在の日本人がシーレに関心を寄せる理由はさほど見当たらない。何らかの理由を語る人もいるだろうけど、ほぼ後づけでしょう。わたしは去年たまたまGYAOの無料動画で、映画「クリムト&シーレ:エロス&プシュケー」を見たけれど、それも世紀末ウィーンの文化一般に関心があったからで、べつにシーレに関心があったからじゃない。▶ Klimt & Schiele: Eros and Psycheあとは、萌歌が去年、「銀色夏生の詩集と一緒にクリムトの絵葉書を貰った」と話してたことが頭の隅に引っかかってて、ちょっとクリムトのことを知りたかったのもある。◇今回の「新美の巨人たち」を見てはじめて、由貴ちゃんが以前からシーレを好んでいたことを知った。クリムトならともかく、由貴ちゃんがシーレに結びつくとは思ってなかったので、これはちょっと意外でした。ただし、由貴ちゃんが寝室に飾っているシーレのリトグラフは、そこまで過激なものではなく、見ようによっては、コクトーやマティスにも近いポップなものだったので、そこはちょっとほホッとしました(笑)。エゴン・シーレ「抱擁する2人」関係ないけどセリコのマジ歌!! 芹澤優 ヘブバン主題歌「Before I Rise」◇シーレの画風は、整然とした全体のなかには埋没できない、不穏な存在の歪みを強烈に押し出す感じで、それは、あきらかにゴッホの糸杉に通じている。ゴッホの糸杉とシーレの街たとえば、クリムトが描いたファムファタールは、マゾッホの「マゾヒズム」にも近いところがあると思うけど、シーレの場合は、むしろサドの「サディズム」のほうが近いと思えるし、いちばん近いのは、たぶんバタイユの「蕩尽(消尽)」の概念だろうと思う。芸術を成就させるのがファムファタールの宿命だとしても、モデルの肉体を使い捨てるように蕩尽させるシーレの芸術は、やはりサディスティックな感じがします。シーレとヴァリの関係。この絵のモチーフ「死と乙女」は、シューベルトの歌曲にもなったマティアス・クラウディウスの詩。◇ところで、わたしがGYAOで観た「KLIMT & SCHIELE EROS AND PSYCHE」は、邦題では「クリムト エゴン・シーレとウィーン黄金時代」と、 おかしなタイトルになっているのですが、これは、ポスターを見れば分かるように、知名度の高かったクリムトを前面に押し出して、「シーレその他のウィーン芸術」を副題にするという、配給会社の苦肉の配慮というか妥協の産物なのですね。しかし、原題を直訳すれば、「クリムト&シーレ:エロス&プシュケー」となるはずだし、副題の「EROS AND PSYCHE」は、もしかしたら「愛と魂」と訳すのも可能かもしれません。ただ、正直なところ、この副題の意味するところは、あまりよく分からない。一般に、「EROS AND PSYCHE」は、「野獣と美女」の意味合いも含んでるので、クリムトの絵が《マゾヒスティックな美女》だとすればシーレの絵は《サディスティックな野獣》といえるのかも。しかし、そうだとすれば、「KLIMT & SCHIELE:EROS & PSYCHE」ではなく、「KLIMT & SCHIELE:PSYCHE & EROS」としなければ、対応関係がおかしいとも思う。そう考えると、この副題は、クリムトとシーレよりも、むしろフロイトを意識して付けられてるように思えてきます。実際、世紀末ウィーンの文化的背景をもっとも体現したのは、フロイトの思想なのだと言っていい。つまり、副題の「EROS AND PSYCHE」というのは、おそらく「性と自我」の隠喩であり、あるいは「無意識と意識」の隠喩なのでしょう。クリムトも、シーレも、そうした人間の本質が暴露される時代状況のなかで、タブーとされた表現に立ち向かったということです。井岡詩子— IOKA Utako (@ioka_utako) January 28, 2023余談ですが、ギリシャ神話の「エロスとプシュケー」の物語って、とても興味深いのよね。西欧の「白雪姫」や「眠り姫」や「美女と野獣」にも似てるし、日本の「箸墓古墳伝承」や「イザナミ神話」や「浦島太郎」にも似てる。…だいたい、こんな話です。愛の神エロスは、人間の美少女プシュケーに恋をしますが、エロスの母である美の女神ヴィーナスは、あまりのプシュケーの美しさに嫉妬します。⇒ ここは「白雪姫」にそっくり。エロスは、母に隠れてプシュケーと結婚すべく、噓の神託によって彼女を野獣の家に嫁がせ、自分がその野獣を装って彼女と結婚します。⇒ ここは「美女と野獣」にそっくり。意地悪な姉たちに騙されたプシュケーは、夫の正体が蛇だと疑って殺そうとするのですが、約束を破って眠っている夫の姿を見ると、その正体は蛇ではなく、美しい愛の神でした。⇒ ここは「箸墓古墳」の伝承に似てる。百襲姫の夫はほんとうに大蛇でしたが…。⇒ 姿を見てしまうというのは「イザナギ神話」や「鶴女房」などにも似てます。夫と妻が逆ですが。⇒ 意地悪な姉たちは「シンデレラ」にも似てますね。エロスは、約束を破ったプシュケーのもとを去ります。美の女神ヴィーナスは、行き場のないプシュケーに、つぎつぎとたくさんの難題を与えますが、不思議な生き物たちがプシュケーを手助けします。⇒ ここも「白雪姫」にそっくり。プシュケーは最後の難題に立ち向かい、黄泉の国に分け入って永遠の美の薬を手に入れます。⇒ ここは「オルペウス神話」や「イザナギ神話」に似てる。これも夫と妻が逆ですが。しかし、黄泉の国からの帰り道、プシュケーは禁じられた薬箱を開けてしまいます。プシュケーは箱のなかの眠りの魔法を吸い込み、永遠の眠りについてしまいます。⇒ ここは「浦島太郎」にそっくり。横たわったプシュケーを見つけたエロスは、その体内から眠りの魔法を吸い取って目覚めさせます。プシュケーは、ヴィーナスの許しを得て女神となり、エロスと結婚して悦びという名の子を産みます。⇒ ここは「眠り姫」にそっくり。
2023.03.30
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第2話。面白かった。◇くも膜下出血で寝たきりになった夫には、ゲイの愛人だけでなく、既婚女の愛人もいて、しかも彼女には幼い娘が2人いる。上の娘は夫の子供じゃないらしいけど、下の娘はいまだ誰の子供なのか分からない。さらに、夫は、その女のアパートの連帯保証人にもなってて、ずっと支払いを肩代わりしてたらしく、直近3ヶ月の滞納分にも支払い義務が生じてる。これは大問題!夫の知られざる面を愛人から知らされる展開も面白い。主人公が愛人たちに示した提案は、一見すると突拍子もなく思えるけど、よくよく考えてみたら、けっこう合理的で、案外したたかだな~。とにかく、最優先事項は、あの女を今のアパートから退去させること!そうしないと、夫が生きてるかぎり、家賃の支払い義務が生じかねないし、たとえ夫が死んでも、連帯保証の義務を相続することになるかも。それを考えたら、一刻も早くアパートから退去させて、≫ 月2万円で家の2階の部屋に住め≫ その代わり介護と家事の手伝いをしろという提案はかなり合理的。◇もちろん、あの女が献身的に介護なんぞするか怪しいし、月2万の家賃さえ払うかどうか分からないけど、そもそも、あの女、医療費は払えたのかしら?介護ができなきゃ他のことさせりゃいいし、何の役にも立たず、かえって負担が増すようなら、あらためて母娘ともども追い出せばいい。とにかく、今のアパートさえ退去させてしまえば、その後のことまで面倒を見る法的義務は生じない!◇ちなみに、ゲイの愛人くんが、「下の娘の父親は誰?」と問いただしましたが、あの女は答えませんでしたね。この期に及んで、誰の子だろうが知ったこっちゃないけれど、もし夫の子供だとしたら、夫に扶養義務が生じたりするのかしら?そして夫が死んだら、主人公がその義務を相続したりするのかしら?そこは、ちょっと気になるところです。◇一方、愛人女の夫も、「娘を返せ!」と家に怒鳴り込んできました。まだ離婚してなかったらしい。DV夫みたいなのだけど、わりとチャチい奴。「あんたの旦那のせいで家庭がかきまわされた!」などとわめいている。しかし、逆にいえば、こいつの嫁のせいで家賃まで払わせられてるわけで、≫ おまえの嫁の家賃ぐらいおまえが払えよゴルァ!と怒鳴りつけて追い返せばいいのよね。主人公が謝る義務はどこにもない。◇ところで、ゲイの愛人くんについては、わざわざ家に住まわせなくとも、通いで介護させればいいんじゃないの?…と思ってしまう。そのうち来なくなるかもしれないけど、来なくなるのも織り込み済みでいいのだし、こちらとしては、べつに失うものなど何もない。手伝ってくれるうちだけ手伝ってもらえばいい。でも、主人公は、彼にも「住み込みでの介護」を提案しました。やっぱり家賃2万円を徴収するつもり?たしかに、愛人女から2万円、ゲイの愛人くんから2万円、そこに姑の年金収入を加えれば、けっこうな生活の足しにはなるよね(笑)。◇…それはともかく、嫁の分際で、勝手に「愛人や娘らを家に住まわせる」とか、決めてしまっていいものかしら?とは感じます。でも、考えてみれば、すでに姑との二人暮らしだし、姑に息子の介護が出来るわけもないし、それどころか家事全般を嫁に頼りきりなのだから、もはやすべての決定権は嫁にあると言っていい。義妹も実家のことに関わる様子はありません。かりに姑が文句を言うようなら、≫ おまえの息子がまいた種だろうがァ!≫ あたしがいなくて家のことが出来るんかァ!≫ おまえに息子の介護ができるんかァ!と怒鳴ってやればいいのよね。この期におよんで、姑なんぞに気を遣う必要もないのだな。◇そして、幸いなことに、当初は「毎日ヘルパーが来るのはイヤ」などと言ってた姑が、ゲイの愛人くんのことを「綺麗な子」だと気に入ってるし、愛人女の娘らのことも「孫」だと思い込んで可愛がってる。そこはむしろ好都合ですね。白山乃愛ちゃん、お色気シーンは、ちょっと早いのでは?さらに、便利屋のお兄さんも力になってくれそうです。なんといっても、主人公は車をもってませんからね。あの階段の昇り降りだけで大変そうなのよ。便利屋のお兄さんが車を出してくれれば、それだけで、かなり助かるだろうなと思う。この車があれば、階段の昇り降りしなくて済むよね!仕事の行き帰りに寄ってくれたら助かる(笑)かたや、義妹は依然として何の役にも立たず。主人公の実姉も、ひやかしに来るだけで、なんの力も貸してくれないし。あの実姉も、わりと男っぽい人かもしれませんが、どちらかというと、主人公のほうが長女気質に見えます。
2023.10.27
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金曜ロードショーで「M:i:III」を観ました。◇考える間もないほどスピーディーな展開で、どんでん返しもアクションも見応えがあったけど…あとから考えてみると、いろいろ分からないことだらけです。そこらへんを自分なりに考察してみました1.なぜマスグレイブはリンジーを救出させたの?まあ、上司ブラッセルの指示だから、マスグレイブは仕方なく従ったのでしょうけど、彼はデイヴィアンと通じてるのだし、リンジーが救出されたら不都合なわけですよね。彼女にラビットフットを盗ませる予定だったはずだし、もしかしたら、彼女は、マスグレイブとデイヴィアンの関係に気づいてる可能性もある。彼女が救出されてしまったら、脳内爆弾で殺せばいいと考えてたのでしょうけど、デイヴィアンと通じてるなら、救出作戦がはじまった時点で、監禁場所を変更させることも出来たはずだし、脳内爆弾なんて回りくどいことをせずとも、ふつうなら救出される前に殺してしまうのでは??2.デイヴィアンをバチカンで拉致させたのは誰?あれはイーサンたちの独断ですよね。マスグレイブはもちろん、ブラッセルでさえそんな指令は出してなかった。だから、ブラッセルはイーサンを捕まえて尋問したのですね。3.チェサピーク湾橋でデイヴィアンを奪還したのは正規軍?戦闘機やヘリコプターなど、かなり大規模な武装組織が出動してましたが、あれって正規軍だったのでしょうか?それとも、ロシアのワグネルみたいな民間の軍事組織とか?でも、米国内で、非正規軍にあんな活動ができるとは思えない。とはいえ、かりに米国の正規軍だったとしても、市民を巻き込んでインフラも破壊する戦闘行為を、国内でやらかすのは異常すぎます。もしも、あれが正規軍だったとしたら、マスグレイブはペンタゴンの手先ってこと?つまり、マスグレイブとデイヴィアンの計画の背後には、中東戦争を目論むペンタゴンの陰謀があった?4.イラク戦争への批判?この映画が公開された2006年、アメリカはイラクと戦争してる最中でした。それは、「イラクに大量破壊兵器がある」との疑惑を口実にした内政干渉と侵攻だった。マスグレイブも、> ラビットフットを中東に売りつけて、> 先制攻撃を仕掛ける口実を作ると話してましたよね。5.どうやってラビットフットを盗んだ?ラビットフットを所有してたのは誰だったんでしょう?高層ビルから飛び降りるのは大変でしたが、そのあとは意外に簡単に盗めましたよね…(^^;あんなに簡単に盗めるなら、わざわざイーサンにやらせなくても、デイヴィアンたちに盗ませればよかったのでは?6.ラビットフットは本物だった?なぜ妻の替え玉を殺した?イーサンたちがせっかくラビットフットを盗み出したのに、デイヴィアンは「本物はどこだ?」と言いがかりをつけて、妻の替え玉の女性を銃殺してしまいました。あのシーンも不可解だったのだけど、英語のWikipediaの解説は次のとおりです。Julia is still alive, and the dead woman is actually Davian's translator, who is used to confirm the authenticity of the Rabbit's Foot. ジュリアはまだ生きており、死んだ女性は実はデイヴィアンの通訳であり、ラビットフットの真正性を確認するために使われた人物である。じゃあ殺さなくていいじゃん!ラビットフットは本物だったんだから!
2024.06.26
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清原果耶×佐野勇斗「マイダイアリー」第1話。◇主人公が冒頭で口にする、「道しるべを作りたい」とかいう、中途半端に観念的なセリフにしろ、「映画館のポップコーンは静かに食べる」「落し物は学生課に届けず自分で持ち主を探す」「バスで眠ってる子を起こさずに終点まで付き合う」とかいう、まどろっこしいまでの繊細さにしろ、…これって、まぎれもなく生方美久の路線よね。わたしとしては、「優しすぎて苦しい」というより、「繊細すぎてイライラする」のだけど(笑)若い世代には、この手のドラマがウケるらしい。要するに、誰も傷つけない世界ってことかな。でも、繊細なわりに、とんかつにはマヨネーズかけてガッツリ食うし、箱入りのポップコーンも軽く平らげるのね。あんなに食べれて羨ましい…(笑)。◇ほどよく生方美久を薄めたような世界だから、そのぶん、まどろっこしさも抑えられてるけど、来週も見るかどうかは未定です。海のはじまり シナリオブック 完全版 〈下〉 [ 生方美久 ] 楽天で購入
2024.10.21
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