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2023.09.12
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テーマ: 読書(9598)
カテゴリ: 読書感想文



それでも、日本人は「戦争」を選んだ (新潮文庫) [ 加藤 陽子 ]


◎単行本版

それでも、日本人は「戦争」を選んだ [ 加藤陽子(日本近代史) ]


読了した。


きっかけはコテンラジオの第一次世界大戦エピソード回で
スピーカーの方々がこの大戦の原因を語る際に


この戦争を防げていたかはわからない。」
とおっしゃっていたことだ。


幼少期から『もののけ姫』に
絶対悪など存在しない。それぞれにそれぞれの正義がある。
ということを何度も叩き込まれていたくせにこの話を聞いて、自分が知らぬ間に戦争責任が誰にあるか考えていたことに気づく。


お前はジブリから何を学んだんだと己を叱咤する。





私は小学生から歴史が好きで高校も大学も歴史科と分類されるようなところに進学した。
特に仏教美術や日本思想史が好きで自分の思考回路は実は自分で考えているように見えて、「日本人」というものにハックされているのかもしれないと妄想して勉強するのが好きだった。


しかし大人になって現在を生きていると世界史や近現代に対する自分の無知がコンプレックスになってくる。
世界史や近現代を知ることが自分の生きる世界に直接関わってくることを肌で感じるようになったのだ。


ニュースで外交の話が出た時に、各国の考えと題される内容がしっくりこない。


そんなフラストレーションがありながら、
コテンラジオの第一次世界大戦エピソード回を聴いてもっと知りたいと火がついた。


その過程で今回の本を選んだ。


日本側からみた各国を学んでみようとの試み


著者の加藤陽子さんは専門を「1930年代の軍事と外交」とされている。
1930年代といえば狂騒の20年代が終わって、世界恐慌が起こり



個人的にはとんでもねえ分野だなという感じ


この本はこの著者が中高生と行った講義を文章化しているので
対話形式となっていて内容は激重だがその割には読みやすい。


タイトルにある「戦争」は日中戦争や太平洋戦争を指し、
最初に「戦争とは何か」という定義の解説を行って



小学生の時に、戦争がまるで軍部の暴走のため起きたかのように描かれている教育系の歴史漫画を読んだことがある。


それは確かに一理あるかもしれないが、
なぜ軍部がこのように力を掌握できるようになったのか。
当時のシステムの敗北もここで知ることができたように思う。


また、取り扱う事象はもちろんのこと、登場人物がとても多い。
思想家や哲学者、政治家、軍部の発言や記述が多く引用されているため、
これからこの分野を勉強していきたいと考えている者にとっては
ちょっとした辞書になってとてもありがたかった。
(知りたいリストや読みたい本がめっちゃ増えて、財力とキャパが追いつかない…)


特に勉強したいと思ったのは
ロシア革命を終えたボリシェビキが帝政ロシア時代に交わされた各国との密約を暴露したことだ。
そんなことしていいの?!という衝撃が走った。


動機と各国への影響が気になる。
帝政ロシアを否定したかったのか、資本主義を否定したかったのか…


理想主義的とも言われるウィルソンについても知りたい
民族自決は新しい争いを生んだ。


この本は自分の中の知りたいをさらに細分化してくれるし、
自分の無知をさらに知らしめてくれる。


ところどころ引用を紹介される際に著者の主観というか
こちらに先入観を植え付けてくるところはあるが
これは講義の時の会話なので致し方ないのではないかと思う。
(逆にロボットみたいに引用されても講義が成り立たないだろう)


そこが気にならない人には網羅的に学習するうえで
とても良い本になるのではないだろうか。






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最終更新日  2023.09.13 12:09:32
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