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著 者=トーマス・フリードマン(Thomas L. Friedman)訳 者=東江一紀・服部清美書 名=レクサスとオリーブの木 (上)原 題=THE LEXUS AND THE OLIVE TREE発行所=草思社発行年=2000.2評 価=(下巻へ)【送料無料】レクサスとオリ-ブの木(上)ずいぶん前のグローバリゼーションに関する恐らく世界で初めての本であり、「フラット化する世界」や「グリーン革命」の著者でもあり読んでみた。産業・技術・グローバルとしてのグローバリゼーションの象徴である自動車ブランド「レクサス」と土地・文化・民族としてのローカライゼーションの象徴である「オリーブの木」を対比させて現代世界を読み解くとの前書きだ。筆者の執筆スタイルが、「○○新聞では「××」と報道され、△△長官は「□□」と発言した。よってそれはこうだ」という形が基本で、どこまでが事実でどこからが筆者の意見なのか良く分からないし、比喩やたとえが多過ぎる。この手法は、筆者に言わすと世界の動きを理解するための「情報の鞘取り」をして、説明するための「逸話を紹介する」スタイルだそうだが、少しなじめない。内容そのものは、恐らく非常に中味が濃く味わい深いものと思慮されるが、これでは宝の持ち腐れの気がする。下巻も同じ調子なんだろうなあ・・・
2011.07.03
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著 者=武田邦彦(たけだ・くにひこ)書 名=偽善エネルギー発行所=幻冬舎 幻冬舎新書147発行年=2009.11評 価=★★★★☆【送料無料】偽善エネルギー3.11震災以降、国民みんながエネルギー批評家になっている。原子力発電の仕組み・役割から始まって、需給バランスと節電・計画停電、再生可能エネルギーの可能性まで、今までエネルギーに対して何の興味も意見も持ち合わせていなかった人々が、単にテレビや週刊誌があおる知識でもって東京電力を始めとする電力会社の誠実さのなさを批判し、国すなわち経済産業省資源エネルギー庁の無策ぶりを非難する。当たり前に電気が通じ・当たり前に電車が動くことを使命とする愚直に見えない裏方で取り組んでいる人々も含めて、会社があるいは経営者が悪いといって全部を否定する。いつから人々は寛容さを無くしてしまい、こんなに煽られることを良しとする状態になったのだろうか。ということで、前作の偽善シリーズ「偽善エコロジー」が面白かったので3.11震災以前に執筆された(ここは大事)、少々辛口(と思われる)の筆者の本を読んでみた。ただ、内容は、全くもって妥当で穏当に思えた。原子力発電のどこが危なくて、再生可能エネルギーのどこが頼りにならないか、また欧米諸国の環境に対する取組み発表のどこが上手であるかが良く分かった。辛口でもなんでもなかった。今の時期、冷静な判断に必要な本かもしれない。
2011.07.03
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著 者=岩崎夏海(いわさき・なつみ)書 名=もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら発行所=ダイヤモンド社発行年=2009.12評 価=★★★☆☆【送料無料】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』読んでみました「もしドラ」、というよりその前になんとNHK総合で4月下旬に2週間10話のアニメを先に視聴した上で、本書を読んでみました。感想は、「セリフまでアニメと全く一緒」というのと「一体なぜベストセラーになったんだろう」ということだった。知ったかぶりの人は、ドラッカーの格言の魅力を言うのでしょうが、経営学を学んだ人間から言わすと「ドラッカーは経営学としては全くの傍流・亜流の学者であり、学問上は全く無視された存在である」・「ドラッカーは、単なる批評家・評論家の類」の評価であり、なんとも言えない。実際、マーケティングにはF.コトラー、経営戦略にはM.E.ポーターとJ.B.バーニー、その他人材マネジメント分野・ファイナンス分野・国際関係分野様々に大家と呼ばれる人がそれぞれいて、ドラッカーの出る幕はない。むしろ本書の秀逸さは、巧みに表紙にセーラー服のアニメ美人を描くことで惹き付け、高校野球と経営学というおよそ考えられない異色な組み合わせから物語を紡いでハッピーエンドに結び付けていく手法にあると考えられる。やはり、売るという一点に戦略を絞った成果なのでしょう。なお、一時期はやった、水野敬也の「夢をかなえるゾウ」やJamais Jamais(じゃめ じゃめ)「血液型自分の説明書」と同じにおいがします。特に盛り上がりもなく、30分で読めるのでその点はお薦めです。
2011.07.03
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著 者=バートン・ビッグス(Barton Biggs)訳 者=望月 衛(もちづき・まもる)書 名=富・戦争・叡智原 題=Wealth, War & Wisdom発行所=日本経済新聞出版社発行年=2010.4評 価=★★★☆☆【送料無料】富・戦争・叡智内容は、長期的に資産を保全する方法としての株式を取り上げ、戦争の勝敗の行方は株式の高低に明確にみんなの意見として一般的に正しく反映されており、非常に有望な資産保全の方策であることを分析的に示した内容である。ただし、戦勝国においてはであって、一般的には土地も有望だとも論述している。筆者の言いたい趣旨は、ジェームズ・スロウィッキー”「みんなの意見」は案外正しい”とまったく同じであり、株式に顕著に表れるということを示しているに過ぎない。なお、本書の分析は、主に第二次世界大戦のような真に大きい社会事変のみを扱っており、一般性を証明したものではない。なお、本書タイトルは「富・戦争・叡智」とあるが、「富を左右する戦争の行く末は、株式の動向にみんなの意見としての叡智として反映される」といった意味合いである。名著、ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」(Guns, Germs, and Steel)と表題は似ているが、全く違うのであしからず。
2011.07.03
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著 者=堤 未果(つつみ・みか)書 名=ルポ 貧困大国アメリカ2発行所=岩波書店 岩波新書1225発行年=2010.1評 価=★★★☆☆【送料無料】ルポ貧困大国アメリカ(2)前作「ルポ貧困大国アメリカ」は、斬新かつ刺激的・衝撃的な名作であった。今回も、前作と同様あるいはそれ以上に焦点を絞り、貧困大国としてのアメリカの実情を指し示している。具体的には、公教育の高騰が教育ローンによる若年層の貧困を加速していること、年金制度の未整備が高齢層の貧困を加速していること、医療保険制度の未整備がアメリカ国民全体を蝕んでいること、刑務所の受刑者が低賃金労働力市場となっていること、この4つの実態をインタビューも交え分かり易く、アメリカの貧困の現実を述べている。ただ残念なことは前作と同じ貧困がテーマであることから、読者として受けるインパクトが弱い上に、発想の出所も実はドキュメンタリー分野で著名なマイケル・ムーア監督の「シッコ」(2007)から医療問題を、「キャピタリズム:マネーは踊る」(2009)から公教育問題・年金問題・刑務所問題を切り取っていることが見透かされ、少々興ざめだ。逆に言うと、本書を読むことより本家本元のドキュメンタリー映画「シッコ」や、「キャピタリズム:マネーは踊る」の方が断然面白いし、この映画(DVD)を見た方がよほどインパクトが大きい。本書で最も言いたかったこと「幻想の恐怖が原動力となって、企業が個人の消費意欲(引いては負債)を加速させること」も、もう少し上手にマイケル・ムーアは既に述べてしまっており、二番煎じも甚だしい。きっと出版社から貧困アメリカ第2弾をせっつかれて、手元にあったアンチョコからちょこちょこっと深掘りをして仕上げてしまったんだろう。注目していた筆者なだけに、少し残念だ。
2011.07.03
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