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藤沢周平の隠し剣シリーズで一番好きなのがこの作品。バッドエンドの多い隠し剣シリーズの中でも、もうバッドもバッドな終わり方の一つ。映画は基本的に原作どおりで、よくもまあ、あの動きの少ない蟄居シーンを四季に合わせて撮ったものだと感心する。原作でもほとんど胸の内を明かさない主人公は、映画ではなお一層無口だ。彼の心の内はまったく出さず、豊川悦司はよく演じてたと思う。ラストの立ち回りも素晴らしかった。あんなに悲しい立ち回りもない。吉川晃司がまた予想外にいい。大河ドラマのときも思ったが、いつのまにやらこんなに立派な役者になったんだろうねえ。大手を振ってほめたいのだが、引っかかるのが黒幕の中老津田民部。演じたのは岸辺一徳・・・。原作では30代の若い中老なんである。この役、いかにもひと癖ありそうな中年以降の男より、若くて才気闊達、なおかつ懐も深そうな男の方が、ラストのショックが大きいのである。岸辺一徳は好きなんだが、原作を知っているとはいえ、何かもったいない気分がして仕方がない。若い・・・そうねぇ。やっぱり美男だよねえ。あり得ないがキムタクでもいいし・・・おお!伊勢谷友介なんかもいいねえ!なんだか、なんだか、なんだか。良い映画だったのに、観終わったあとも、大分時間の経ってしまった今も、なぜか津田民部の配役が頭にこびりついている。結構重要な役柄なんだよね・・・他はよくできているだけに、瑕が目立つというか。いやでも、本当に最期の立ち回りはすごかったのです。早く死なせてあげてとなんど思ったか。原作以上の迫力をありがとう。
December 26, 2010
大豊作だった2010年が終わろうとしているのに、全然更新していないアホンダラsinokです。公私共に心身ともにアップアップでイマイチパソコンに向かおうという気力がありませんでした。でも映画は行きまくったんだよ~~~・・・それもどれもこれも素敵だったんだよ~~~!なんとか年内に残りを全部書きなぐろう(おいおい)必死なんですが、愛のある映画はどれもこれも30分では書ききれないほどになっていて(ノートに殴りがきはしてあるんですが)収集がつきません。ということで、まずは短時間に書きなぐれる(だから失礼だってば)ものを済ませようかと・・・。で、『ソルト』です。ふと気づくと妙に世評は好意的なこの映画・・・。アドレナリンのアの字も出なかったのは私だけなんだろうか。いやおそらく、私がアンジェリーナ・ジョリーに求めているものがおかしいのかも知れない。正確にいえば、アンジーのアクションだ。そもそも存在自体がファンタジーのような超ド級セクシーS系女王様アンジーが、リアルなアクションをしてもらっても、私のような妄想系ファンは困るんである。これが、例えば『チェンジリング』のようなマジメなドラマならまたスタンスは別。私だってちゃんとマジメに観ます。でもアンジーのアクションといえば、頭の中は『トゥームレイダー』で一杯になってしまう。今でこそ007で男の中の男を張っているダニエル・クレイグが、『トゥームレイダー』でアンジーにやりたい放題やられてしまうぐらい、アンジーは最強だった。そもそも彼女のアクションは、あまりマジなアクションではない(本人は怒りそうだが)。でもでも、とにかく絵になる、それはもう、『チャーリーズエンジェル』のキャメロン・ディアスなんざ足元にも及ばないほど絵になる。『ウォンテッド』なんざその集大成のような映画だった。観ているだけで、踏まれたい殴られたい撃ち殺されたいと思うぐらい絵になるんだからもう最強なのだ。で、『ソルト』です。ひたすら女王様のおしおきを待っていた私が、肩透かしをくらっただろうことは、ここまで読んでいただけたならお分かりいただけるだろう。実を言えば、フィリップ・ノイス監督は割に好きな監督で、なにより愛しいサム・ニールを『デッド・カーム 戦慄の航海』で世間様にご披露くださった恩人(?)である。自分でもまったく気づいていなかったが、『デッド・カーム』から『ボーン・コレクター』までは皆勤賞で観ているのだ(『デッド・カーム』はビデオだが)。私の琴線に触れる映画ばかり作ってくれていたということだろう(最近はアクション封印しちゃってたが)。それで思わず振り返って考えるのだが、『ボーン・コレクター』のころのアンジーはまだ駆け出しで、すぐ『17歳のカルテ』で超有名になってしまうが、ともかくまだ初々しかった。だからフィリップ・ノイス監督のリアルなストーリー展開にも馴染んだんである。だがもう、今のアンジーは、生きて歩くファンタジーだ。もはやリアルなアクションに、彼女ははまりきらないのだと思うのは、いいすぎか?なんだかアンジーでなくてもいいんじゃないか?と思ってしまった映画であった・・。裏切り者が誰か、すぐにわかってしまった自分が、ちょっと悲しかったせいもあるけど・・・。
December 25, 2010
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