sinokの【私情まみれの映画考察】
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ゾンビ映画が図抜けて好きだというわけではない。ないがしかし、ゾンビだらけの世界で、引き込もりの青年とマッチョなゾンビハンターと詐欺師の姉妹が遊園地をめざす、という話を聞けば、誰だって観たくなるに決まっている(え?違う?)。そのシュチェーションでどんな展開になるんだろう?と思いだしたら、気になって気になって仕方がないではないか。結果として・・・ああ楽しかった♪♪そもそも始まったらいきなり世界がゾンビだらけ、というオープニングが好感度高し。感染源の説明は簡単にあったが聞き逃せばそれまで。(知らなくてもどうってことない)それよりもゾンビがとにかくいい。なんとなく『バイオハザード4』のゾンビが印象に残らなかったのだが、この映画のゾンビはいい。ゾンビ化以前の職業や関係性がほんのり見えて想像が膨らむ。そして何より、面白くしているのは、主人公が決めたゾンビにやられないためのルールというやつ。反則だが、ルールに該当したシュチェーションになる度、こまめに字幕で表示が出てくるので強制的に笑わされる。秀逸だったのは最初のシーンで、ゾンビから逃れるために主人公が車に乗ろうとするシーン。「ルール1:有酸素運動」の通り、走れることが命を救う名シーンだ(笑)ウディ・ハレルソンが素敵。まずファッションが完璧だし、マッチョでクレイジーだが意外にもお人よしな面がある。ゾンビ狩りの才能に満ち溢れていて、次から次へのゾンビを狩る姿はトム・クルーズよりもかっこいい!そんな男が男泣きする姿もハートをわしづかみだ!彼がお人よしで男泣きするわけはちゃんと明かされるのだが、その明かされかたが奥ゆかしくて好きだ。そう、奥ゆかしいの。基本はコメディでホラーなんだけど、それ以外のシリアスな部分との切り替えというかつなぎがうまく、それはシリアスな面の見せ方が奥ゆかしいからだ。前面に出さずに、流れのままに挿入していく、そしてするりとまたコメディに戻っていく。これはまた、ウディ・ハレルソンのように役者がうまくないとできない。思えばウディ・ハレルソンにアビゲイル・ブレスリンと、アカデミー賞候補者が二人もいて、とどめにサプライズであのコメディ俳優(どうしてこう日米で知名度が違うんだろう)まで登場するわけだ。なんと贅沢なゾンビ映画だろう!(よくオファーをOKしたなあ)そのシリアスとコメディの融合が頂点に達するのが、クライマックスの遊園地シーン。姉妹を助けるためにヒーローになることを選ぶ主人公、ゾンビをひきつけるために立てこもるウディ・ハレルソン・・・緊張感は高まり、とりわけウディ・ハレルソンの決死の雄志に感涙すらするのだが・・・・・・・・・・!!ここ数年で一番だまされた瞬間でした・・真面目に感動してたのに~~~~!!まあいいのです。シニカルな終わり方の『ショーン・オブ・ザ・デッド』と違い、もっとハートフルな終わり方をした『ゾンビランド』。いかにもアメリカ的だけど、湿っぽくならないところが救っている。私も彼らとだったら、ゾンビランドを旅してもいいな。「ルール:32:小さなことを楽しめ」劇中に出てくるルールではあるけど、私はあらゆる「DVDでいいや」と言われて劇場で観てもらえない映画を観るときにも、自分で自分に適用している。名言だ。
October 3, 2010