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なくそう・減らそう糖尿病:「B型インスリン抵抗症」、ピロリ菌除去で完治 ◇東北大大学院チームが成功 胃潰瘍(かいよう)などを引き起こすピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)を除去することで、糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」を完治させることに、東北大大学院の片桐秀樹教授(代謝学)らのチームが成功した。成功例はまだ1例だが、新たな治療法として普及すると期待される。 この病気では、免疫異常によって血糖値を下げるホルモン「インスリン」に対する抗体ができて、高血糖と低血糖を繰り返す。患者は、急に血糖値が下がると冷や汗や震えの症状を訴える。だが、通常の治療に使うインスリン注射などの効き目は悪く、治療法は確立されていない。数千人から数万人に1人が発症すると推定されている。 チームは、B型インスリン抵抗症の80代男性が、止血の働きをする血小板が減る「特発性血小板減少症(ITP)」を併発していることに注目した。ITP治療に有効なピロリ菌除去をすると、血糖値が正常に戻り抗体も完全になくなった。男性は1年後も糖尿病を再発せず、完治したと判断された。 片桐教授は「B型インスリン抵抗症の原因に、ピロリ菌の感染がかかわっている可能性がある。除菌が根治療法として効果的ではないか」と話す。 成果は18日付の英医学誌ランセットに掲載された。【比嘉洋】毎日新聞 2009年7月31日 東京朝刊
July 31, 2009
インスリン分泌促すたんぱく質、神戸大教授ら発見 糖尿病治療に有効なインスリンの分泌を促す、たんぱく質(Epac2)を神戸大の清野進教授らが見つけた。新たな糖尿病治療薬開発につながる成果で、31日の科学誌サイエンスに発表する。 これまで、膵臓(すいぞう)のβ細胞にあるEpac2が、インスリン分泌に関与することはわかっていたが、日本で最も多い、100万人以上が服用する治療薬「スルホニル尿素薬(SU薬)」が効くのは、Epac2とは関係ない仕組みと考えられていた。 清野教授らは、今回、このSU薬が、従来の仕組み以外にも、直接Epac2と結合することで、インスリン分泌が促されることを突き止めた。(2009年7月31日 読売新聞)
July 31, 2009
乳がん:「乳房再建」体験記を出版 イラストレーターと主治医が共同で ◇「切除手術」不安に答えるやり取りまとめ がんで乳房切除と再建を体験した患者と主治医が本を出版した。「ただいま乳房再建中!」(学研)。著者は、東京都在住のイラストレーター、川野すみれさん(56)と、湘南記念病院=神奈川県鎌倉市=乳腺外科の土井卓子(たかこ)医師(51)。患者の不安や疑問に医師が答える構成で、闘病中の実際のやり取りを本にした。 川野さんは07年春、左胸のしこりに気づき、同年秋、検査を受けた専門病院で乳がんと告げられた。切除を勧める医師の「乳房は不要な臓器」という言葉にもショックを受けた。別の医師に診断を求めるセカンドオピニオンを土井さんに依頼したのが縁で主治医を変えた。土井さんは病巣の大きさや特徴から、乳房を残す「温存手術」より、乳房全体の切除と再建を勧めた。 川野さんは闘病中、スケッチ帳と水彩絵の具を病室に持ち込んだ。自分の手術跡、患者として感じた不安や疑問を、イラストに短い文章を添えて回診のたびに土井さんに渡した。「説明したつもりでも伝わってなかったり、自分が気づかなかったことを知らされて驚いた」と土井さん。その絵を本にすることを提案した。 本では左ページに川野さんの絵、右ページに土井さんの解説を掲載。自己診断から検査、告知、手術、退院後の生活、乳房再建まで網羅した。川野さんは切除手術から約1年後の昨年末、乳房再建を果たした。2~3年後をめどに乳首も再建するという。「きれいな下着を着ける楽しみが戻った」と川野さん。土井さんは「おっぱいは女性の証し。人生を楽しむために再建を勧めたい」と話す。 同書は1890円。収益の一部はがん患者支援NPO「キャンサーリボンズ」に寄付する。【元村有希子】毎日新聞 2009年7月31日 東京夕刊
July 31, 2009
<うつ病>非定型が最近増加 感情の起伏激しく 対応は ◇感情の起伏激しく--ささいなことで落ち込み/好きなことでは気分改善 ◇仕事は続け、規則正しい生活や運動を 外資系証券会社で働いていた女性(31)は入社2年後、出勤前になると体が重く、休みがちになった。きっかけは上司に言われた「最近、仕事が遅いぞ」の一言だった。友人や同僚との飲み会は楽しいが、上司の評価が気になり、誰かのささいな一言で激しく落ち込む。寝ても寝たりなくなり、パークサイド日比谷クリニック(東京都千代田区)を訪れた。 「『こころの病気』から自分を守る処方せん」(毎日コミュニケーションズ)の著者で同クリニックの立川秀樹医師は「非定型うつ病の典型例」と話す。クリニックではここ数年、同じ症状で受診する20~30代の女性が増えているという。 うつ病は大きく(1)メランコリー型(2)非定型(3)その他(季節性、産後など)に分類できる。うつ病と聞いて一般的に浮かぶタイプは、食欲不振や不眠などの症状が著しいメランコリー型だ。対照的に、非定型は過眠や過食が多く、ささいなことで急に落ち込むが、自分の好きな事では気分が良いなど、感情の起伏が大きい。 メランコリー型とは違う薬が効くうつ病として半世紀前に認識されたが、世界的な診断基準に明記されたのは94年。「単なるわがままとも受け止められ、医師の間でも病気という認識が広まらなかった」と立川医師は解説する。 患者の特徴として「幼少期に満足できる愛情を受けられず、自信がなく不安が強いタイプと、親の過保護の下でストレスなく育ち、社会に出て落差につまずくタイプが多い」という。近年目立ってきたのは「現代は、IT(情報技術)が浸透し、顔を合わせたコミュニケーションが少なくなっている。こうした社会の影響も及んでいるのではないか」と話す。 冒頭の女性は抗うつ薬や感情調整薬を服用し、何事も極端に否定的にとらえる考え方を改めるような「認知行動療法」を行った。転職を繰り返しながら昨年末には国内の証券会社に就職し、今は通院しながら仕事を続けている。立川医師は「メランコリー型は休職も必要だ。しかし、非定型の場合、多少つらくても頑張って仕事に行き、規則正しい生活を送ることが重要。周囲には優しい言葉で接してほしいが、本人が悪い場合はきちんと指摘し、時には励ますことも大事だ」と話す。 * NPO法人「不安・抑うつ臨床研究会」代表の貝谷(かいや)久宣医師は「非定型うつはパニック障害と併発したり、その後に症状が表れることが多い。パニック障害の増加に伴い増えているように感じる」と話す。自らの診察経験では「うつ病患者の約4割が非定型ではないか」と推測する。 非定型の人は、対人関係で拒絶されたと感じると、過敏に反応してしまいがちだ。例えば上司に「この文章を少し直して」と注意されただけでひどく落ち込み、社会生活に支障をきたす。夕方以降に激しい不安や孤独を感じ、涙が止まらなくなったり、リストカットなどの行動に出る人も多い。この「不安・抑うつ発作」の時に、過去に傷ついた経験などがよみがえることもある。 どんな治療が効果的なのか。貝谷医師は非定型うつ病の人とそうでない人に同じ作業を行ってもらい、思考の中心となる前頭葉の働きを調べた。すると、非定型の人は血流があまり増えないことが分かった。このため「前頭葉の働きを高めることが有効と考えられる。認知行動療法に加え、運動や腹式呼吸をする瞑想(めいそう)なども効果的」という。【柴田真理子】7月31日11時57分配信 毎日新聞
July 31, 2009
抗うつ薬の副作用攻撃性 高まる恐れ 抗うつ薬の副作用で、他人に暴力を振るうなど攻撃性が増す恐れがあるとして、厚生労働省は今年、注意喚起を始めた。(高橋圭史) 電車を避けるほど人前に出るのが嫌で、抑うつ状態だった24歳男性は2003年、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)の一種のパキシルを処方された。飲み始めて約3週間後、イライラし、「保育園を襲う計画を立てている」などと異様な発言を始めた。 主治医の竹内潤一さん(心療内科たけうちクリニック院長=甲府市)は、男性に急激な変化が表れたのが、服用量を倍増した直後だったこともあり、SSRIの影響を疑った。服用中止を指示し、家族と話し合う時間を作ると男性は落ち着いた。「自分はおとなしい方だが、薬を飲んだら頭がカッカした。今思うとぞっとする」と語る。 「当時は認識されていなかったが、次第に攻撃性などの副作用が医師の間でも話題になり始めた」と竹内さんは話す。 国内で現在処方されるSSRIは3成分4製品(図参照)。従来型の三環系、四環系抗うつ薬より、のどの渇き、不整脈などの副作用が少ないとされ、広く使われている。使用者は延べ約260万人と推計される。 厚労省によると、国内での攻撃性などの副作用報告は、07年頃から目立ち始めた。これらを今春まとめると約250件で、うち他人に危害を加えた35件を精査すると4件で薬との因果関係が否定できなかった。 4件は2成分の事例だが、薬理作用が似ていることから、すべてのSSRIとSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)の添付文書に「攻撃性」などの注意を書き加えるよう、5月、メーカーに指示した。その後、三環系、四環系抗うつ薬も調べ、7月、同様に指示した。 欧米では、04~06年に「攻撃性」などが使用上の注意に加えられている。 SSRIに関しては、米食品医薬品局(FDA)が07年、「18~24歳では自殺願望などを起こす危険が高まる」と警告したが、杏林大教授の田島治さんは「攻撃性などの副作用も感情の抑制が利かなくなる点は同じ。頻度はまれでも、ここまで使用者が増えると軽視できない」と指摘する。 抗うつ薬は感情や思考をつかさどる神経伝達物質のやりとりをスムーズにし、活力を高める効果があるとされる。効果が出ている人も多いが、脳が発達途上の若者や薬剤に敏感な体質の人では、副作用が強く表れる場合もある。 「服用後は、本人も家族も、言動などの変化に気を付け、異常を感じたら主治医に相談してほしい」と田島さん。特に注意が必要なのは、飲み始めや増量(減量)した時期。イライラや興奮が強い場合、薬を中止したり、服用量を元に戻したりするなどして対応する。 日本うつ病学会理事長の野村総一郎さん(防衛医大教授)は「抗うつ薬は、40~70%の患者に有効とみられることを考えると、使用後の注意は必要だが、過剰に危険視しないでほしい」と話す。(2009年7月30日 読売新聞)
July 30, 2009
ギャル系ファッション誌「小悪魔ageha(アゲハ)」(インフォレスト社)のモデルで、病気や障害を持つ子供たちの支援活動もしていた純恋(すみれ)(本名・石川安里沙)さん(21)が6月、脳出血で急逝した。倒れる直前にデザインしたネックレスが8月1日、発売される。遺志をくみ、収益は難病児らの支援に寄付される。 純恋さんは岩手県出身。高校卒業後、仙台市でモデルなどの活動を始め、今年3月、東京に移住。キャバクラ嬢らに人気の小悪魔agehaに登場し、アクセサリーのデザインも手がけていた。 ネックレスの企画をした会社の関係者が、難病や知的障害のある子供を支える「日本児童家庭文化協会」(東京)とつながりがあった。その縁で、子供たちがイルカと触れあう行事が5月、静岡県伊東市で開かれると知り、純恋さんは「やる、やる」と参加。協会広報の桜井英行さんは「照れもなく、子供らと接していた。モデルさんなのに、日差しも全然大丈夫、と言っていた」。ただ、ちょっと具合が悪そうだったという。 6月6日、ネックレスのサンプルが完成。飾り部分は「つながり」を意識し、手錠をモチーフにしたハート形だ。企画会社の担当者がメールを打つと、純恋さんから「どれぐらいの大きさ?」と返信が来た。 その4日後、純恋さんが自宅で倒れているのが見つかった。すでに亡くなっていた。 ネックレスは4色、1個4980円。ホームページ(http://www.sumire.org/)から購入できる。原価を除く収益は文化協会に寄付される。問い合わせはファンシー(03・3203・8301)。(桂禎次郎)2009年7月30日18時16分 朝日新聞
July 30, 2009
世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、日焼けサロンやスポーツジムで使われ、人工的に紫外線を出す「日焼けマシン」の使用は発がんリスクを確実に高めるとして、発がんリスク分類でもっとも危険性の高い「グループ1」に引き上げた。 IARCは、日焼けマシンと皮膚がん(メラノーマ)との関係を調べた19論文を分析。30歳未満で日焼けマシンを使った経験のある人は、使ったことのない人より75%もリスクが高いことがわかった。日焼けマシンの使用による、眼球の色素細胞にできるがんのリスクも高かった。 従来、紫外線のうちB紫外線(UVB)にだけ発がん性があると考えられていたが、A紫外線(UVA)もUVBと同じように発がん性があることもわかったという。地上に降り注ぐ紫外線の95%がUVAだ。 日焼けマシンは5段階の発がんリスク分類で危険性が2番目に高いグループだった。危険性が一番高いグループにはアスベストやたばこ、X線、太陽光などがある。 紫外線に詳しい名古屋市立大の森田明理(あきみち)教授(皮膚科)は、「黄色人種は白人に比べて紫外線によるがんのリスクは数分の1だとされるが、油断はできない。屋外で浴びる紫外線の量が、欧米の多くの都市よりもかなり多いからだ。外出のときは、皮膚が赤くなるような日焼けをしないように、日焼け止めや日傘で予防すべきだ」と警告する。(大岩ゆり)2009年7月30日23時30分 朝日新聞
July 30, 2009
女性医師支える職場対策…厚労省研究班がパンフ作成 女性医師が働きやすい職場を作るためのパンフレットを厚生労働省研究班(研究分担者・安達知子愛育病院産婦人科部長)が作成した。 20歳代の医師の約35%は女性だが、妊娠出産を機に離職する人もおり、医師不足の一因にもなっている。研究班では全国で女性医師の活用実績がある10病院を抽出し、各病院で働く女性医師のほか、院長、診療科長、事務担当者に面接調査を行い、有効策を分析した。 その結果、〈1〉男性も含めて労働時間が明確になっており、実質労働時間を給与に反映させるなど周囲に不公平感を感じさせないシステムがある〈2〉短時間勤務中でも補助的な雑用でなく、責任ある仕事を任せる〈3〉同じ育児中でも協力できる家族の有無などで働ける条件が違うため、選択肢が多く、柔軟な勤務形態が取れる――などが有効なことがわかった。病院で複数のベビーシッターと契約を結び、急な呼び出しに対応できる方策も役立っていた。 パンフレットは調査で得られた具体策や女性医師へのメッセージを盛り込み、全国の臨床研修病院、関連学会などへ配布した。2人の子育てを経験した安達さんは「育児中は思うように働けなくても、必ず飛躍できる時期が来ます。育児の経験は医師としても大きなメリットになります」と話している。このパンフレットは日本産婦人科医会のホームページ(http://www.jaog.or.jp/diagram/index.html)で見ることもできる。(2009年7月30日 読売新聞)
July 30, 2009
末梢神経 鮮明画像の撮影装置開発、世界初 高原准教授ら脊髄(せきずい)から手足に延びる末梢(まっしょう)神経を鮮明に撮影する装置をオランダ・ユトレヒト大の高原太郎准教授(画像診断学)と東海大の研究チームが世界で初めて開発し、30日付の米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表した。全身撮影が可能で、撮影時間は5分程度。末梢神経がかかわる病気の診断や治療に役立つ可能性があるという。 チームは、末梢神経細胞内の水分子が、中枢神経や他の細胞と異なる振る舞いをすることに着目。MRI(磁気共鳴画像化装置)を改良し、末梢神経の水分子だけに反応する特殊な電磁波を当てることで、鮮明な画像化に成功した。 現在、神経の撮影には超音波が利用されているが、骨などが邪魔して死角ができるのを避けられなかった。この手法は死角がないうえ、直径2ミリ程度の細い神経まで鮮明に写る。 高原准教授は「臨床での利用には画像の解像度をさらに高める必要がある。しかし、原因不明の神経痛の原因部位や神経断裂の場所を探したり、神経が細くなっていく筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)の進行状況の把握に応用できるだろう」と話す。【関東晋慈】7月30日10時48分配信 毎日新聞
July 30, 2009
<メタボ健診>不備次々 医療保険側が改善要望へ メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の特定健診・保健指導(メタボ健診)を実施する医療保険者の代表者が集まる「保険者協議会中央連絡会」が28日、東京都内で開かれ、健診項目の整理や、国が設定する受診率などの目標を達成できない場合のペナルティーの見直しなど、現行制度の課題が指摘された。今後、国に課題の解決を要望していく。 メタボ健診は08年4月に始まり、国民健康保険組合や健康保険組合など医療保険者が実施主体となった。中央連絡会には国保中央会、健保連などの代表者が参加。制度の運営や内容に関する課題を初めて検討した。 指摘された課題は、健診項目の整理▽現在は保健指導の対象にならない治療中の人の取り扱い▽健診機関や委託業者の不足対策▽目標を達成できない場合のペナルティーの見直しや撤廃▽会社員の妻ら社会保険の被扶養者健診を国保などの健診と同時実施する仕組みの検討--など。 実施1年目の08年度は現場で混乱が相次ぎ、健診受診率や健診結果に基づく保健指導の実施率が低迷している。座長の田中一哉・国保中央会理事は「昨年度は制度の実施に手間取り、保健指導にいきつかなかった保険者が多く、医療費適正化の効果が望めない状態だった。来年度に予定されている国の見直し作業に向け、見直しを要望していきたい」と話した。【永山悦子】7月29日10時15分配信 毎日新聞最終更新:7月29日10時15分
July 29, 2009
がんワクチン治療に延命効果 免疫との関係を初めて実証 免疫力を高めてがん細胞を攻撃するペプチドワクチン療法の臨床試験で、ワクチンに反応するリンパ球が陽性の患者は陰性の患者に比べて生存日数が2倍以上長く、末期患者も半数が400日以上生存することが28日、東京大学医科学研究所の中村祐輔・ヒトゲノム解析センター長のまとめで分かった。免疫反応と治療効果の関係が科学的に証明されたのは初めて。体質に合った効率的な治療に役立つと期待される。 中村センター長は全国の大学病院などの協力を得て臨床試験を実施。平成18~20年に行った130人の長期生存患者の血液を分析し、ペプチドワクチンに対するリンパ球の反応を調べた。その結果、陽性患者では半数以上が400日以上生存し、800日を超えた患者も4割近かった。一方、陰性患者では半数が200日以内で亡くなり、400日以上生存した患者は約2割だった。 中村センター長は「ワクチン療法の効果を科学的に実証できたのは画期的。患者ごとの治療効果を早期に検証することが望ましい」と話す。 ペプチドワクチン療法は、がん抗原からアミノ酸化合物のペプチドを人工的に合成し、投与する。強い副作用がないとされ、外科療法、抗がん剤療法、放射線療法に次ぐ「第4の治療法」として注目されている。7月29日7時57分配信 産経新聞
July 29, 2009
石綿吸引で肺にラジウム蓄積、中皮腫の原因に アスベスト(石綿)の吸引や喫煙などにより、強い放射線を出すラジウムが濃縮され、肺に蓄積することを、岡山大の中村栄三教授(地球宇宙化学)らが突き止めた。 放射線が細胞のDNAを傷つけることで、悪性中皮腫や肺がんを引き起こすと見られ、新たな治療法や診断法に結びつく可能性があるという。27日、東京都内で発表した。 悪性中皮腫や肺がんの原因のうち、アスベストはとがった繊維の形状が、がん発症に関与すると考えられてきたが、実際の発病の仕組みは分かっていなかった。 中村教授らは、悪性中皮腫の患者から切除した肺組織から、鉄を含んだ直径数十マイクロ・メートルのたんぱく質の塊(フェリチン)を採取。塊に含まれる成分を調べたところ、海水の数百万~1000万倍も高い濃度のラジウムが含まれていることがわかった。アスベストやたばこの煙に含まれる鉄分が肺の中に吸入されることで、フェリチンの生成が促され、体内に極微量含まれるラジウムが濃縮されると見られる。7月28日1時17分配信 読売新聞
July 28, 2009
認知症、家族に「理解不足」 認知症患者の家族との間で対応が困難なトラブルは「(家族の)認知症に対する理解不足」とする病院が最も多いことが、日本慢性期医療協会がこのほどまとめた「認知症に関する病院職員研修、家族対応に関するアンケート」の調査結果で分かった。 調査は昨年12月24日から今年1月20日まで、同協会の会員病院811施設を対象に実施。152施設から回答を得た(回答率18.7%)。 それによると、認知症患者の家族との間で対応が困難だったトラブルはどのような内容かを尋ねたところ(複数回答)、「(家族の)認知症に対する理解不足」が63.5%(66施設)で最も多く、「実施困難なサービスの要望(加算できないリハ等)」と「必要な診療・治療・介護の拒否」が29.8%(31施設)の同率でこれに次いだ。 一方、入院生活での病状を含めた患者の状態を家族が理解しているかどうかでは、「半数以上の家族が理解している」が55.3%(84施設)で最も多く、以下は「家族のほとんどが理解している」(28.9%、44施設)、「半数以下の家族しか理解していない」(10.5%、16施設)などが続いた。 また、家族への取り組みで実施していることを尋ねたところ(複数回答)、「家族面会時の病状・状況などの説明と承認・フォロー」が76.4%(113施設)で最も多く、これに「行事への参加を促す」(66.2%、98施設)、「外出・外泊を促す」(53.4%、79施設)などが続いた。 さらに、病院職員研修について、「病棟職員が(今年度に)参加した・参加する予定の研修は何テーマ(回)あるか」を尋ねたところ、平均テーマ数は14.7で、このうち認知症に関するテーマ数は2.8だった。 認知症に関する研修を行わない理由としては(複数回答)、「認知症以外の研修が優先」が58.5%(24施設)で最も多く、これに「研修を行う講師がいない」(41.5%、17施設)などが続いた。7月28日14時16分配信 医療介護CBニュース
July 28, 2009
「血管」市民公開講座 市民公開講座「あなたの血管は大丈夫?」(読売新聞社主催、アストラゼネカ、塩野義製薬協賛)が26日、東京・千代田区の九段会館で開かれ、約900人が参加した。動脈硬化に詳しい山崎力・東大教授と桝田出・武田病院グループ予防医学・EBMセンター長が講演し、フリーアナウンサーの渡辺真理さん、タレントの内山信二さんも加わりパネルディスカッション。専門医が予防法などを解説した。(2009年7月27日 読売新聞)
July 27, 2009
東大グループ解明、治療薬開発に道 内臓に脂肪がたまると、そこに体内で免疫を担う「Tリンパ球」が集まって炎症を引き起こし、高血糖などのメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)につながることを、東京大学の永井良三教授らのグループがマウスを使った実験で突き止めた。 Tリンパ球の働きを抑えるメタボ治療薬の開発に道を開くと期待される。26日発行の米科学誌ネイチャー・メディシン(電子版)に発表した。 永井教授らは、高脂肪食で太ったマウスの脂肪組織に「CD8陽性T細胞」とよばれるTリンパ球が集まり、炎症を引き起こすことを確認。このTリンパ球の働きを抑えたところ、炎症が改善し、インスリンの働きもよくなって血糖値が下がった。Tリンパ球を持たないマウスに高脂肪食を与えても、炎症は起きなかった。 永井教授は「Tリンパ球の働きをうまくコントロールする薬を開発できれば、メタボリックシンドロームに伴う生活習慣病などの治療に役立つだろう」と話す。(2009年7月27日 読売新聞)
July 27, 2009
メタボリックシンドローム:仕組みを解明 免疫細胞が炎症誘発--東大、マウス実験で メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因となる内臓脂肪の炎症が起きる仕組みを、永井良三・東京大大学院医学系研究科教授らが、マウス実験で突き止めた。免疫細胞の一つ、Tリンパ球が炎症の引き金になっていた。メタボリックシンドロームの治療薬開発につながる成果という。26日付の米専門誌「ネイチャーメディスン」(電子版)に掲載される。 内臓脂肪が蓄積し、脂肪細胞が大きくなると、白血球の仲間のマクロファージなど免疫細胞が集まって慢性的な炎症が起きる。炎症によりインスリンの効きが悪くなることなどがマウス実験で分かっており、動脈硬化や糖尿病などにつながる。しかし、炎症の起きる仕組みはなぞだった。 永井教授らは、高脂肪食を与えた肥満マウスと通常の食事を与えたマウスを比較。その結果、肥満マウスは病原菌を撃退する「CD8陽性Tリンパ球」が、マクロファージより先に増えていた。 そこで、このリンパ球を減らしたり、存在しないマウスを作製して調べると、高脂肪食を与えても内臓脂肪組織に炎症が起きないことが判明した。さらに、一度炎症が起きたマウスから、このリンパ球を取り除くと、内臓脂肪の炎症が抑えられ、インスリンの効きが改善されることなども分かった。 真鍋一郎・東京大大学院医学系研究科特任准教授(循環器内科)は「このTリンパ球は免疫機能にとって重要で、すべてを除去するのは難しい。脂肪組織の肥満化によって、Tリンパ球を活性化させる物質を見つけられれば、それを制御することで、メタボリックシンドロームの治療薬開発につながる可能性がある」と話す。【河内敏康】毎日新聞 2009年7月27日 東京朝刊
July 27, 2009
心停止:子供の7割に前兆 14歳以下、血圧・心拍数に異常--国立成育センター 入院中に突然の心停止などで蘇生処置を受けた乳幼児・児童の7割で、前兆とみられる心拍や呼吸などの異常が起きていたことが、国立成育医療センター(東京都)の調査で分かった。気づいた時点で治療すれば最悪の事態を回避できる可能性があり、センターは前兆があれば即時対応する緊急医療チームを新設する検討を始めた。 入院患者の急変に対応する医師や看護師らで作る緊急チームの設置は、海外では広がりつつあるが、日本ではほとんど例がない。 センターの総合診療部(阪井裕一部長)は02年4月~08年12月、入院した生後3カ月から14歳の患者で、心停止や呼吸不全、急激な血圧低下のどれかを突然起こし、蘇生処置を受けた40人を調査。オーストラリアの王立小児病院が緊急チームを出動する基準に照らし、心拍数や呼吸数、血圧、血中酸素飽和度の4項目のいずれかが蘇生処置6時間前から直前までに、基準を超えていたかを分析。基準は最高血圧の場合、生後3カ月までが50未満、13歳以上が90未満--などとしている。 その結果、40人中27人(68%)で1項目以上が基準超過し、3時間以上前に超えていた子も11人いた。結果的に死亡した19人では16人(84%)が基準超過と高い割合を示した。 しかし、センターには基準超過を「異常」として対応する仕組みがなく、超過していても35%が再検査を受けなかった。【高木昭午】毎日新聞 2009年7月26日 東京朝刊
July 26, 2009
引き上げ範囲巡り綱引き 厚生労働省は病院や診療所などの医療機関に支払われる診療報酬について、2010年度改定に向けた議論をスタートさせた。10年ぶりに全体で引き上げられる公算が大きいが、衆院選後の政権の枠組みも影響すると見られる。来年3月の決定まで激しい議論が行われそうだ。(政治部・高橋勝己) [要約] ◇「本体部分」と「薬価部分」を合わせた全体で、10年ぶりにプラスになる可能性がある。 ◇診療報酬の引き上げは、健康保険組合や企業にとって新たな財政負担になる。 「診療報酬を通じて、大きく医療現場を変えることができるから、バランスを取りながらよく議論してもらいたい」。舛添厚生労働相は議論の開始を受けて、こう語った。 診療報酬は、医療保険を使って治療を受ける際に医療機関に支払われる報酬で、医師の技術料などの「本体部分」と医薬品などの「薬価部分」に分かれ、ほぼ2年に1回改定される。 厚労相の諮問機関「社会保障審議会」が改定の基本方針を秋までに打ち出し、これを基に政府が年末の予算編成過程で改定率を決める。その後、中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)が年明け以降、入院基本料などの個別単価(1点10円)を決定する、という段取りだ。 医療機関は収入に直接影響するだけに点数の増減に対応して医師の配置を行う傾向がある。厚労省とすれば、診療報酬改定を通じて国が目指す医療行政の方向に政策誘導することができる。2002年度以降、政府の医療費抑制方針を受けて、診療報酬は「本体部分」と「薬価部分」を合わせた全体で引き下げられてきた。 しかし、今回は00年度以来10年ぶりに全体でプラスになる可能性がでてきた。政府が医療費を含む社会保障費を毎年2200億円抑制するこれまでの方針の撤回を決めたからだ。今年6月に閣議決定した「経済財政改革の基本方針2009」(骨太の方針)でも、「『選択と集中』の考え方に基づき配分の見直しを行い、救急、産科などの体制強化を検討する」と明記した。 次期衆院選での政権交代を目指す民主党も、23日に発表した、衆院選の政権公約(マニフェスト)の土台となる政策集に、引き上げ方針を盛り込んだ。 ただ診療報酬の引き上げは、医療費を支払う側の健康保険組合や企業にとっては新たな財政負担につながる。支払い側は一律での引き上げには慎重で、「診療科ごとや病院、診療所ごとでメリハリを考える必要がある」などの意見が強い。 これに対し、日本医師会は、「長年の医療費抑制で地域医療は崩壊している。地域医療全体の底上げが必要」として救急・産科にとどまらず病院、診療所など一律で引き上げるよう主張。このため、厳しい財政事情の中、医療崩壊の現状を踏まえ、どう調整するかが議論のポイントといえる。 診療報酬を巡っては、「決定過程が不透明」との指摘があることから、民主党は、政策集で現在の中医協を中心とした診療報酬改定の手順を変更する考えを打ち出した。改革案として中医協ではなく国会が改定率決定に積極的に関与する方策などが浮上している。 診療報酬改定ではすべての関係者が満足する落とし所を見つけるのは容易ではない。重要なのは国民が納得できるだけの議論を、公平にオープンに行うことだ。(2009年7月25日 読売新聞)
July 25, 2009
誤投与防止で薬名を変更…昨年死亡事故サクシン「サクシゾン」と類似 類似した名称の別の薬と取り違えるミスで死亡事故も起きていた筋弛緩(しかん)剤「サクシン」(製造販売・アステラス製薬)の商品名が変更されることになった。 取り違えやすい類似名称の薬はほかにも多数報告されているが、厚生労働省によると、ミス防止のため、すでに販売されている薬の商標を変更するのは異例という。 サクシンは麻酔時に使われる筋弛緩剤で、呼吸停止を起こしやすく、毒薬に指定されている。1955年の販売開始以来、半世紀以上にわたり使われてきた。名称の似た抗炎症剤「サクシゾン」(同・興和)の販売が71年に始まると、医療現場で取り違えが発生し、問題視されていた。 昨年11月、徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院で、サクシゾンと間違えてサクシンを点滴された男性患者が死亡する事故が発覚。厚労省が誤投与防止を全国に通知し、メーカーも医療機関に注意喚起した。しかし、「ミス防止策として不十分」との指摘もあり、より危険度の高いサクシンの商品名を変更するため、アステラス製薬は「スキサメトニウム」と改めて国に申請し、今月承認された。 薬の投与ミスは、類似名称の取り違え=主な例は表=によるものも多く、厚労省は02年ごろから、新薬の承認手続きの際、既存の薬と紛らわしい名称は、変更を求めてきた。しかし、すでにある薬の名称変更は、ブランドとして定着しているだけにメーカー側が難色を示し、実現は難しかった。(2009年7月25日 読売新聞)
July 25, 2009
婦人科疾患:「不安」9割、「症状あり」5割なのに…働く女性、正しい知識1~2割 ◇製薬会社実施のアンケ 首都圏で働く女性の9割以上が、子宮筋腫など良性の婦人科疾患に不安を感じていながら、具体的な症状や治療法について正確な知識を持っている女性は1~2割にとどまることが、製薬会社「ジョンソン・エンド・ジョンソン」が実施したアンケートで分かった。 調査は今年6月、首都圏の20~40歳代の働く女性500人にインターネットで実施した。 女性特有の疾患には、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣嚢腫(のうしゅ)などがあり、妊娠・出産にも影響を及ぼす恐れがある。一方、最近は出産の高齢化や不規則な生活によって患者が増える傾向にあり、子宮にできる良性腫瘍(しゅよう)である子宮筋腫は、成人女性の3~4人に1人が発症するといわれる。 調査では、婦人科疾患に不安を感じたことがあると答えた女性が93・2%に達した。さらに、生理痛の悪化や生理期間の長期化、出血量の増加など、婦人科疾患が疑われる自覚症状を持つ人も50・6%と半数を超えた。特に、30歳代は58・1%と多かった。 ところが、婦人科疾患の病名と症状、治療法を知っている女性は、子宮筋腫が20・6%、子宮内膜症が13・4%、卵巣嚢腫が11・2%にとどまった。 同社は「痛みなどがあっても、仕事を気にして診察に行かない女性が多いという。早期に治療すれば、手術になっても短期間で傷なども小さく治療できる。正しい知識を持ち、病気と向き合ってほしい」と話している。【永山悦子】毎日新聞 2009年7月24日 東京朝刊
July 24, 2009
新生児集中治療室(NICU)の8割強、医師待遇に難安い「宿日直」扱い 重症の赤ちゃんを24時間態勢で受け入れる新生児集中治療室(NICU)の8割強で、労働基準法上は割増賃金が必要な医師の「時間外労働」が、一般的に手当の安い「宿日直」と見なされていることが新生児科医らでつくる「新生児医療連絡会」のアンケート調査で分かった。 労基法では、平日の夜間や休日の業務は、軽度なものであれば宿日直として認められるが、昼間と同じような治療を行っていれば時間外労働となる。調査は、今年3月に愛育病院(東京都)で、4月に県立奈良病院(奈良市)で、産婦人科医や新生児科医の宿日直が時間外労働にあたると労基署や地裁から指摘されたのを受けて実施された。 総合・地域周産期母子医療センターなど190施設に質問紙を送り、50%にあたる95施設が回答。夜間や休日の勤務の扱いについて、50施設が「すべて宿日直」、28施設が「宿日直と時間外勤務の併用」とした。だが、宿日直中の勤務実態は、時間外労働と変わらなかった。 一方、労基法上、最も好ましい2交代か3交代制が実施できているのは6施設にとどまり、64施設は人材難を理由に「交代勤務制は不可能」と答えた。 調査をまとめた杏林大准教授の杉浦正俊さんは「国の医療費カットでどの病院も経営が苦しく、現場も改善を強く求めづらい。だが、このままでは、ただでさえ人材難が深刻な新生児医療に若い医師を積極的に勧誘できない」と話していた。(2009年7月23日 読売新聞)
July 23, 2009
遺伝子配列で緑内障の発症率究明 京都府立医大チーム 失明の原因にもなる緑内障の発症率の高さが遺伝子配列から判別できることを、京都府立医科大学大学院の田代啓教授(分子生物学)と木下茂教授(眼科学)の共同研究チームが初めて突き止め、21日に発表した。緑内障の早期発見はこれまで困難とされてきたが、田代教授は「発症率が簡単に調べられる血液検査システムの構築が期待され、早期発見に役立つ」としている。研究成果は、21日発行の「米国科学アカデミー紀要」に掲載された。 研究チームは約4年半前から、緑内障患者と健康な人の計約1600人の血液を検査。それぞれの遺伝子配列を比較したところ、発症患者のみが持つ6つの特徴的な配列パターンがあることを突き止めた。さらに解析などを進めたところ、特徴的な配列パターンを持つ人は、持たない人に比べて発症率が約4倍になっていることもわかった。 緑内障は目の中を流れる水分が排出されにくくなって視神経が障害を起こす病気。日本人の後天的な失明原因の25%を占める。 田代教授は「緑内障は早期発見すれば失明を防ぐことができる病気。発症後でしか分からない従来の眼底検査に代わる新たな診断が将来可能になるかもしれない」と話している。7月21日20時12分配信 産経新聞
July 21, 2009
「回復期」リハビリ、「3時間」高い効果 脳卒中の発症から半年までの「回復期」リハビリで、訓練時間が長い患者のグループは、短時間のグループよりも、日常動作の改善の幅が大きく、自宅復帰の割合も高いことが、全国回復期リハビリテーション病棟連絡協議会(石川誠会長)の調査で分かった。 脳卒中は、命の危険から脱し、症状が落ち着いた後は、リハビリを集中的に行うことが勧められている。 このうち多くの患者で大きな改善が見込める回復期リハビリは2006年の診療報酬の改正で、保険で認められた訓練時間が、1日2時間から3時間(20分を1単位として9単位)に延長された。しかし調査をまとめた理学療法士の永井将太さん(同協議会実態調査委員)によると、3時間の訓練による改善の度合いの研究調査はほとんどなかったという。 調査では、06年8~9月の間に同協議会の12施設を退院した脳卒中患者292人を理学療法・作業療法を受けた訓練時間によって、1日当たり80分以下、1時間40分~2時間以下、2時間20分~3時間以下の三つのグループに分類。退院までの日常動作の改善度合いや自宅復帰率を調べた。 三つのグループの入院期間は93日前後でほぼ違いはなかったが、日常動作の改善度は、80分以下のグループが他の二つのグループに比べて明らかに低かった。 また、障害が重い患者126人を対象に分析したところ、3時間以下のグループの自宅復帰率は67%で、ほかのグループの30%前後より、2倍以上高かった。 ただし、3時間近いリハビリを実施できる病院は限られている。同協議会が会員施設(629病棟)に対して行った調査によると、平均2時間20分~3時間以下のリハビリを平日に実施している施設は18・5%だった。 永井さんは「3時間近いリハビリを行おうとすれば、多くのリハビリのセラピスト(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士)を備える必要があるが、3年前の改正からまだ体制が整っていない施設も多い」と話す。 永井さんによると、入院患者50人に対して、20人以上のセラピストがいるかどうかが回復期リハビリ病棟の充実度を見るうえで、一つの目安になるという。入院患者数、セラピスト数は、インターネットの各都道府県の医療機関情報で確認することが出来る。病院選びの参考にしてほしい。(2009年7月19日 読売新聞)
July 20, 2009
どうする「未病」:子宮頸がん、乳がん検診の無料クーポン券を配布 日々のショッピングなどで何かと便利なクーポン券。近々、医療にまつわる無料クーポン券が発行されるのをご存じでしょうか。 今年度から厚生労働省が進める「女性特有のがん検診推進事業」の一環で、特定の年齢の女性に対して子宮頸(けい)がん検診と乳がん検診の無料クーポン券を配布するというのです。公表された実施要綱によると、08年度の満年齢が、子宮頸がん検診で20、25、30、35、40歳、乳がん検診で40、45、50、55、60歳を対象にしています。対象者は約450万人にのぼり、今後、市区町村で台帳整理などの準備が整い次第、クーポン券が配布される予定で、発行日から6カ月間を利用期限としています。 事業実施の背景には、女性特有のがん検診の受診率が諸外国に比べ低水準という現状があります。07年のがん検診受診率(国立がんセンターがん対策情報センター)は乳がん(40歳以上)が20.3%、子宮がん(20歳以上)が21.3%で、7~8割に達する欧米と大きな開きがあります。 さらに取り組みの遅れが顕著なのが、乳がんの早期発見に役立つとされるマンモグラフィーの受診率です。経済協力開発機構(OECD)の08年版ヘルスデータによると、フランスの88.5%、スウェーデンの83.6%、アメリカの72.5%に対し、日本の受診率はわずかに5.6%でした。がんの早期発見は早期治療、ひいては死亡率の減少につながると期待されており、実際、欧米では乳がんによる死亡率が減少し始めています。 今回の検診推進事業は経済危機対策の一つ「未来への投資につながる子育て支援」の一環として、今年度補正予算に計上されたもので、今年度限りの位置付けです。しかし、今回の結果を踏まえて来年度以降の事業継続が検討されるため、無料クーポン券の利用者が多ければ、今後の受診率アップにつながるのではと注目されています。(伊藤綾/ライター・オフィスクリオ所属)2009年7月20日 毎日新聞
July 20, 2009
糖尿病の一種、原因にピロリ菌…東北大教授ら発表 胃潰瘍(かいよう)などを引き起こすヘリコバクター・ピロリ菌が、糖尿病の一種「B型インスリン抵抗症」の原因になることを、東北大創生応用医学研究センターの片桐秀樹教授らが突き止めた。 患者からピロリ菌を除菌したところ糖尿病が完治した。診療例は著名な英医学誌「ランセット」7月18日号に掲載された。 B型インスリン抵抗症は、患者の免疫機能がインスリンの働きを妨げる糖尿病。数千人から数万人に1人が発症する比較的珍しいタイプで、通常の糖尿病治療はほとんど効果がない。 片桐教授らは、B型インスリン抵抗症の患者が血小板減少症にかかっていたため調べたところ、ピロリ菌感染が判明。昨年3月に血小板減少症に対する治療として、抗生物質による除菌を実施すると、糖尿病も治癒し、現在まで再発せず完治したという。 片桐教授は「ピロリ菌が、患者の免疫に何らかの悪影響を与えることで、糖尿病の一因になったようだ。除菌は根治療法として期待できる」と話している。(2009年7月19日12時26分 読売新聞)
July 20, 2009
プライマリ・ケアの定義(1996 米国医学会) プライマリ・ケアとは、患者の抱える問題の大部分に責任をもって対処できる幅広い臨床能力を有する医師によって提供されるヘルスケアサービスである。 そのヘルスケアサービスは、受診がしやすくて総合的かつ継続的であり、また、家族および地域を視野に入れたものでなければならない。三重大学大学院医学系研究科 家庭医療学/附属病院 総合診療科レクチャー 家庭医の専門性日本家庭医療学会 The Japanese Academy of Family Medicinehttp://jafm.org/日本家庭医療学会認定家庭医療専門医第1回 日本家庭医療学会認定家庭医療専門医 認定審査提言 地域で支える 『どんな病も診る「家庭医」』ドイツの首都・ベルリン市の医師、ビトーリア・ブラウンさん(59)の診療所には、風邪や心臓病、耳鼻科・皮膚科の疾患など、様々な病気の患者が訪れる。ブラウンさんは、どのような症状の患者も診察する「家庭医」だ。 家庭医とは、小児から高齢者まで、診療科の枠を超えて幅広く診察できる医師を指す。ドイツでは、家庭医として開業するには、医師免許に加え、家庭医の専門資格を取得することが必要条件とされている。地域ごとに定数も定められており、医師免許があれば自由に開業できる日本とは、大きな違いがある。 ドイツで家庭医になるには、大学医学部卒業後5年間、内科や外科、小児科、産婦人科などの研修を、病院や開業医のもとで積む必要がある。 州などによって細かい規定は異なるが、心電図検査や健康診断も一定件数行う。規定の研修を終えると、州医師会の面接試験を受ける。研修を指導した医師からの評価や面接結果を総合して、合否が決まる。 ブラウンさんは「どんな病気でも診る診療所が近くにあることは、患者にとっていいはず」と話す。家庭医が住民のかかりつけ医となって地域医療を支える。 ブラウンさんのもとでは現在、ロシア出身の医師、ナタリア・シュレーゲルさん(49)が、家庭医として開業することを目指し、研修を受けている。 「風邪をひいた」と言う男性患者の話に耳を傾け、体に聴診器を当てたり、触診したり。シュレーゲルさんは診察室で、実践的な訓練を積む。 ブラウンさんは「多くの病気には、精神的な要素が影響している。心理面のケアをするため、患者の家庭や仕事の状況を把握することは家庭医にとって重要」と強調する。 シュレーゲルさんは「医学的知識ばかりでなく、患者の話をよく聞くことも大切ですが、実際の対応はとても難しい」と話す。 日本では、開業医ではなく、大病院に患者が集中し、病院医師の過重労働や疲弊を招いている。背景には、信頼できる開業医が見つかりにくい事情がある。 開業医が幅広い診療能力を養うことができるよう、本紙の医療改革提言で提案したように、「家庭医の研修を開業の条件に」することが必要ではないだろうか。(田村良彦、本田麻由美、菅野薫、高橋圭史、山口博弥、利根川昌紀)(次は「提言 現場の声」です)(2008年11月20日 読売新聞)
July 19, 2009
生きる:小児がん征圧キャンペーン 闘病励ますキャンプ、映画に ◇母として「里帰り」も がんを告知された子どもたちのサマーキャンプ「スマートムンストン」を記録したドキュメンタリー映画「風のかたち」が、8月1日から公開される。監修した聖路加国際病院の細谷亮太副院長は「友情、命、思いやり、そして生きること。大事なものが伝わると思う」と話している。【田村彰子】 キャンプは、ボランティア団体「スマートムンストン」(代表、細谷副院長)が小児がん征圧募金の一部を活用し、98年から毎年実施。病気と闘う子ども同士で日常の悩みを語り合い、自然と触れ合いながらハイキングや酪農体験を楽しむ。 映画に出演した兵庫県西宮市のパート、吉田翠さん(26)は、今月25日から山梨県の清里高原で始まる今年のキャンプに1歳になったばかりの長女凜ちゃんを連れていく。「キャンプで出会った友人たちはきっと喜んでくれると思います」と語る吉田さんの腕の中で、凜ちゃんが笑った。 吉田さんは6歳で急性リンパ性白血病を発症。小学4年まで外来治療を続けた。キャンプに初めて参加したのは高校2年の時。「夢は子どもを授かり、一緒にキャンプに参加すること」。映画のナレーションで吉田さんはこう紹介される。 2年前のキャンプ後に妊娠が分かり、今年、いよいよ夢がかなう。「病気に対する正しい考えをもってくれるとうれしい」と話す。 伊勢真一監督(60)は「いろんな命の姿を撮りたかった。一人でもキャンプを応援する人が増えれば」と話した。 映画は8月1日から、東京都中野区東中野の「ポレポレ東中野」で公開。08年までのキャンプを記録したDVD計9巻も同時発売される。問い合わせは、いせFILM(03・3406・9455)。毎日新聞 2009年7月20日 東京朝刊
July 19, 2009
耳にハンデ持つ人も音を体感 楽しむ 聴覚に障害を持つ人に音楽の楽しさを味わってもらおうと、床振動と骨伝導の仕組みを組み合わせ、音楽を体感できるシステムを、コンサート音響の専門家が開発した。24~25日に横浜市で開かれる総合福祉展で公開する。 開発したのは、音響・映像機器販売会社のヒビノ(東京)嘱託社員の宮本宰(つかさ)さん(61)。同社正社員時代を含め約40年間、コンサート音響を担当し、海外の大物アーティストのコンサートにも携わった。 そうした仕事を続けるなかで、「ハンデを持つ人、とりわけ聴覚に障害がある人にも、音楽の迫力や感動、気持ちよさを味わってもらうことができないか」と考えてきた。 システムは二つの機器からなる。一つは、頭骨に音の振動を伝える仕組みで、聞こえにくい人にも音を届ける骨伝導のヘッドホン。これは市販品を改良し、出力をあげ、低音から高音までを強く伝えるようにした。もう一つは、ヒビノが以前に開発した「フロア・シェーカー」。音楽を信号化して床面を振動させ、音楽のリズムや映画の効果音を体ごと感じられる機器だ。 宮本さんは「骨伝導だけでは、一部の難聴の人には効果を期待できないが、床振動を組み合わせれば、こうした人にも音楽の迫力を体感してもらうことはできる」と話す。 横浜市のパシフィコ横浜で開かれる「ヨコハマ・ヒューマン&テクノランド」(入場無料)に出展され、来場者は実際に体験できる。「聴覚障害のある人からも意見を聞いて改良し、将来はコンサート会場や映画館で活用したい」と、宮本さんは話している。(2009年7月19日 読売新聞)
July 19, 2009
糖尿病:克服へ連携 香川大付属病院などプロジェクトチーム /香川 ◇患者の診療情報、ネットワーク化 香川大医学部付属病院が17日、糖尿病克服プロジェクト「チーム香川」を同病院と県、県医師会でつくり、診療情報をネットワーク化して治療などにあたる地域医療連携対策事業を21日から始めると発表した。 同事業は、総事業費5億円で、今年度からの5年計画。糖尿病患者らの血糖値や尿酸値など50項目以上の健診情報を、かがわ遠隔医療ネットワーク(K-MIX)に参加する県内の病院で共有する。 患者は、別の病院に移った際、一度受けた検査を再び受ける必要がなくなる。また、近所の病院でも、ネットワークを通して専門医の指導を受けることができる。データは、蓄積され、新しい診断法や治療法の開発に役立てる。 登録は、患者の承諾書を条件とする。今年度は同病院で200人の登録を目指す。来年度からは、県立中央病院など県内主要病院から順にネットワークを拡大し13年度までに2万人の登録を目指す。 ◇20日にイベント 20日午後1時半には、高松市丸亀町の三町ドームで、同事業開始イベントとして、血糖値の無料測定やパネル展示などを行う。【吉田卓矢】毎日新聞 2009年7月18日 地方版
July 18, 2009
改正薬事法:市販薬の販売、消費者が「覆面調査」へ 一般用医薬品(市販薬)の販売方法が6月から大きく変わったのを受け、厚生労働省は8月にも、薬局などの「覆面調査」に乗り出す。消費者モニターが調査と告げずに店舗を訪れ、薬剤師から必要な説明がなかったり、陳列が不適切だったりした場合は、都道府県に通報し、店舗に改善を促す。行政処分などの強制措置は取らない意向だが、緊張感を持たせることで新ルールの徹底を図る狙いだ。 改正薬事法は、市販薬を副作用の危険性に応じて1~3類に区分。リスクの低い2、3類は新資格の「登録販売者」による販売を認め、コンビニエンスストアなどでも販売できるようになった。一方1類は、販売前に薬剤師の文書によるリスク説明が義務付けられるなど安全対策が厳格化された。またインターネットを含む通信販売は、3類以外を扱うことが原則禁止された。 だが日本チェーンドラッグストア協会の調査では、6月末で適切な販売ができていたのは、加盟する約1万4000店の約85%にとどまる。ネット薬局で作る日本オンラインドラッグ協会が設けた通報窓口にも「2類の水虫薬を買ったが、薬剤師も登録販売者も出てこなかった」などの指摘が寄せられている。 そこで厚労省は2600万円の予算をかけ、消費者の目で販売実態を調べることにした。近く消費者団体などに委託しモニター数百人を選ぶ。店舗やネットで薬を実際に購入して問題が見つかれば、報告を受けた都道府県が店側に注意する。 消費者問題に詳しい東京都地域婦人団体連盟の長田三紀事務局次長は「現状は販売方法が薬局ごとにバラバラで、法を守る方が損をする事態になりかねない。国は実態把握を急ぎ、業界への指導と消費者への啓発を進めてほしい」と話している。【清水健二】毎日新聞 2009年7月18日 10時44分(最終更新 7月18日 11時56分)
July 18, 2009
医療費が過去最高の34兆円…6年連続更新08年度、増加率は鈍化 厚生労働省は17日、2008年度の「医療費の動向」を発表した。国民健康保険などの医療保険と公費負担医療の対象となる概算医療費の総額は、前年度比6200億円増の34兆1000億円となり、6年連続で過去最高を更新した。 ただ、前年度からの増加率は1・9%で、07年度(3・1%増)より鈍化した。厚労省は、医療費の抑制を目的に行われた08年度の診療報酬改定(マイナス0・82%)による影響とみている。 概算医療費34兆円のうち70歳以上の高齢者分は、前年度比3100億円増(2・1%増)の14兆8000億円で、全体の43・5%を占めた。1人当たりの医療費は同5000円増(1・9%増)の26万7000円で、70歳以上に限ると同1000円減(0・1%減)の75万7000円だった。(2009年7月18日 読売新聞)
July 18, 2009
医学部の入学定員、8855人の計画…文科省医師偏在の解消目指す 文部科学省は17日、全国の国公私立大の医学部の来年度の入学定員について、過去最多だった今春からさらに最大369人増員し、8855人とする計画を発表した。 医師不足に対応するため今後10年間、増員を続ける方針。卒後も一定期間は地域にとどまる条件を課すなどして医師偏在の解消を目指す。 塩谷文科相が17日午前、地域医療に関する関係閣僚会議で明らかにした。増員の内訳は、〈1〉各都道府県7人以内の「地域医療枠」(最大329人)〈2〉各大学3人を上限に、臨床現場には出ない研究医を養成する「研究枠」(同10人)〈3〉併設の歯学部で定員を減らした場合に医学部の増員を認める「歯学代替枠」(同30人)――の計369人。 地域医療枠は、勤務地を一定期間限定した入学枠を設ける大学などが対象。従来は、都道府県が地元大学だけを対象に割り振り先や人数を決めていたが、今回は、ほかの地域にある大学から派遣された医師も地域医療を支えている実態を踏まえ、7人のうち2人までは別の都道府県にある大学にも割り振れるようにした。 研究枠は、臨床医不足の余波で再生医療など最先端の研究を担う研究医が不足していることに対応する初めての措置。文科省は再来年度以降も今回の増員幅を維持した上で、必要に応じさらなる上乗せも検討する。(2009年7月17日 読売新聞)
July 17, 2009
熱中症:油断しないで 気温変化、水分補給に注意 暑くなり始め/車の中/高齢者 夏を迎え、熱中症予防をテーマにしたNPO(特定非営利活動法人)「気象キャスターネットワーク」主催の「気象予報士セミナー」が東京都内で開かれた。 熱中症は、高温多湿の環境下で、体内の水分や塩分などのバランスが崩れたり、体内の調整機能がまひするなどして発症する障害の総称。めまいや筋肉の硬直、吐き気などが起きるが、重症になると、意識障害やけいれんなどを起こし、死に至ることもある。 「都市の暑熱環境と今夏の天候」をテーマに講演した気象業務支援センターの村山貢司専任主任技師は、都市化と温暖化の影響で、東京の年平均気温は、この100年余りで13・5度から16・5度に上がったと指摘。「8月上旬など暑さに慣れていない時期に熱中症が起きやすい。急に暑くなるときというのは、冷夏であっても猛暑であっても危険だ」「毎年、車内に残した子どもが熱中症で死亡するケースが出ているが、気温28度で10分たつと、車内の前部座席は40度を超す。窓を全開しても、温度変化は変わらない」と話した。 高齢者と熱中症との関係について講演した桐蔭横浜大の星秋夫教授(環境衛生学)は、体内水分の割合が、成人60%に対して高齢者は50%と少ないため、ちょっとした水分の減少で大きな影響を受けやすいと指摘。温度の変化を認識する能力が高齢化に伴い低下することから▽こまめに水分補給する▽炎天下の外出を避ける▽室内でも温度上昇に注意する--などの予防策を紹介した。【石塚孝志】2009年7月17日 毎日新聞
July 17, 2009
厚生労働省の「治験中核病院・拠点医療機関等協議会」は7月16日、第4回会合を開き、参加機関による「新たな治験活性化5カ年計画」の進ちょく状況の報告などが行われた。医療関係者が参加したポスターディスカッションや質疑応答などでは、今後の課題として治験・臨床研究にかかわる人材の養成や雇用、ネットワーク構築や医師のインセンティブ確保などが挙がった。の日の会合に集まったのは、中核病院や拠点医療機関など54施設と日本製薬工業協会など3協力機関。 午前の部ではまず、厚労省側が同計画の進ちょく状況や中間見直しで検討すべき論点などを提示。 午後に行われた口頭発表では、国立精神・神経センターの中林哲夫氏、国立病院機構大阪医療センターの森下典子氏、浜松医科大医学部附属病院の梅村和夫氏、山口大医学部附属病院の神谷晃氏、「オール北海道」(札幌医科大、北海道大、旭川医科大)の佐藤典宏氏の5人が、各医療機関の治験・臨床研究基盤の整備状況や今後の課題などについて発表した。 「新たな治験活性化5カ年計画」は、国内の医薬品や医療機器の治験・臨床研究実施体制の確保などを目的に2007年3月に策定され、治験・臨床研究のコストやスピード、質を米国など諸外国並みに改善することなどを最終目標に掲げている。今年は3年目の「中間年」で、同省は6月30日に「新たな治験活性化5カ年計画の中間見直しに関する検討会」を開き、見直しに関する議論をスタートさせている。更新:2009/07/16 22:39 キャリアブレイン
July 16, 2009
薬害肝炎原告3団体、肝炎対策先送りに抗議 肝炎患者支援の法制定を求めていた薬害肝炎全国原告団など3団体は15日、今国会が事実上閉幕し、衆院解散により与野党提出の2法案とも廃案となることが確実視されていることを受け、国会の対応を批判するとともに早期成立を改めて訴えた。 この日、厚生労働省内で記者会見した全国原告団の山口美智子代表は「国民の命が置き去りにされた。政策より政局を優先するのか」と怒りをあらわにした。(2009年7月16日 読売新聞)
July 16, 2009
統合失調症の入院患者、67%が抗精神病薬を多剤併用 統合失調症患者に複数の抗精神病薬を投与する多剤併用が、今も67%の入院患者に行われていることが、精神科臨床薬学研究会の処方調査で分かった。 統合失調症は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの働きなどが過剰になって起こると考えられ、治療では、この働きを抑える抗精神病薬が用いられる。 抗精神病薬は、効果を見極めるため1種類だけ使うのが国際的な原則。薬の切り替え時に一時的に2剤になることはあるが、国内では、複数の抗精神病薬を使って投与量を増やし、患者を過度に鎮静させて意欲を著しく低下させる使い方を続ける病院もある。 調査は、同会の薬剤師が働く病院などを対象に、昨年10月に行われ、96施設が回答。統合失調症の入院患者約1万5000人のうち、1種類の抗精神病薬で治療を受ける患者は33%にとどまり、06年の調査時の29%とほとんど変わらなかった。 同研究会代表幹事で東邦大薬学部教授の吉尾隆さんは「多剤で薬の量が増えると、効果よりも鎮静ばかりが強まる。単剤処方を早急に広めるべきだ」と話す。(2009年7月16日 読売新聞)
July 16, 2009
メタボ健診、初年度の受診率35・9% 生活習慣病につながるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の特定健診(メタボ健診)制度で、平成20年度の受診率が35・9%(速報値)にとどまったことが15日、国民健康保険中央会などの集計で明らかになった。同年度は制度初年度に当たり、厚生労働省は、5年目の受診率を70%と設定しているが、目標の半分程度しか達成できなかった。 特定健診は、大企業の健康保険組合などの運営主体が40~74歳を対象に、腹囲測定や血液検査などを実施する。特定健診でメタボや予備軍と判定されると、食事や運動のアドバイスなど特定保健指導を最長6カ月間受けなければならない。 運営主体別の受診率では、健保組合(59・8%)や国家公務員共済組合(61・8%)、地方公務員共済組合(59・5%)が6割前後と高い受診率を示した一方、市町村の国民健康保険(28・1%)、中小企業の社員らが加入する全国健康保険協会(29・5%)は3割弱にとどまった。7月16日1時45分配信 産経新聞
July 16, 2009
ストレス、看護師が最高 滋賀県立成人病センターが職種別調査 病院内の職種で仕事のストレスを一番感じているのは看護師で、本来業務以外の仕事が増える36歳以上の看護師は、特に大きなストレスを抱えている-。滋賀県立成人病センター(守山市)で行ったアンケートで、こんな結果が明らかになった。調査した医師らは「ベテラン看護師の離職は病院全体の質の低下につながる。非効率な看護業務の見直しなど、労働環境の改善が必要」としている。 ■管理業務、後輩指導 36歳以上で顕著 病院改革を進めるワーキンググループの取り組みで、脳神経外科の山田茂樹医師らが同センターの全職員706人にアンケートを配り、632人が回答した(回収率92%)。 2万人を対象にした既存の調査結果を参考に、平均的日本人労働者の仕事ストレスを1・0として、各職種ごとのストレスを数値化。看護師が1・55でトップになり、看護助手1・41、薬剤師1・28と続いた。激務とされる医師は1・09にとどまり、事務職は0・89と最も低かった。 看護師の年齢別では、35歳以下が1・55だったのに対し、昇進して管理業務や後輩の指導が増える36歳以上は1・70と高い数値を示した。ストレス内容は「時間的重圧」「責任」「肉体的負担」「負荷の増加」で、看護師は8割以上が「悩んでいる」と答えた。 同センターでは、アンケート結果を院内に掲示し、ストレス軽減に向けた改善策に取り組んでいる。 山田医師は「医師の肉体的負担は大きいが、能力がいかされ報われているとする割合も高く、ストレスは比較的低かった」と分析。一方、看護師について「医療の安全確保でチェック項目が増え、重複する患者評価をパソコン入力や手書きで行うなど非効率な業務が多い。さらなる改善が必要だ」と話している。7月15日9時19分 京都新聞
July 15, 2009
民主党、社保病院存続を公約独立法人に移管へ 民主党は14日、政府が売却を目指している全国63の社会保険病院・厚生年金病院について、新たな独立行政法人に移管して公的な病院として存続させることを決めた。 次期衆院選の政権公約(マニフェスト)に明記する。地域医療の維持・整備を重視する姿勢を明確にするためだ。 藤村修・「次の内閣」厚生労働担当が14日午前の同党の会合で明らかにした。 53の社会保険病院と10の厚生年金病院は、社会保険庁が所管していたが、昨年10月に独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」(RFO)に移された。現在は同機構の存続期限である来年9月末までにすべて売却することにしている。(2009年7月14日 読売新聞)
July 14, 2009
薬を減らして無事出産てんかんの病気を持つ岩手県のA子さん(37)は今、4歳の男の子の育児に追われている。「元気な子どもに恵まれて本当に良かった」と話す。 A子さんがてんかんと診断されたのは27歳。治療のおかげで発作はほぼなくなったが、薬は手放せない。翌年結婚。子どもが欲しかったが、遺伝や薬の副作用が気がかりだった。 2003年春。神奈川県に住んでいたA子さんは、知人の勧めで静岡市の国立病院機構静岡てんかん・神経医療センターを受診。同センターに勤務していた渡辺雅子さん(現在は国立精神・神経センター病院精神科医長)に相談した。 「薬を減らせば、先天的な異常の発生率も減ります。遺伝も心配ありませんよ」と渡辺さん。心がぱっと明るくなった。 渡辺さんによると、先天的な異常の発生率は通常3%なのに対し、妊娠初期に抗てんかん薬を飲んでいると、薬の種類によって5~14%程度に高まる。薬を減らせば、異常の発生率は普通の妊娠とほぼ同じ程度まで減らせる場合もある。ただし、発作が増えると流産や早産の危険が高まるため、慎重な減量が重要だ。 遺伝については、子どもの時期に多く発生する一部のてんかんで、けいれんを起こしやすい体質が遺伝することがある。ただし体質を受け継いでも発病しないことの方が多く、仮に発病しても治りやすいのが特徴だ。A子さんのてんかんの場合、問題はなかった。 A子さんは、薬を減らし、先天的な異常を防ぐ効果のある葉酸を飲み始めた。2004年に妊娠し、翌年、出産した。妊娠中も順調で、出産時の異常もなかった。 渡辺さんは「てんかんがあっても妊娠、出産は十分可能です。妊娠前に十分、主治医と相談してほしい」と話す。てんかんの専門医と産科医の連携も重要だ。 患者や家族で作る「日本てんかん協会」で、若い女性の相談にのることも多い兵庫県のB子さん(43)は「遺伝が心配だからと相手の家族から結婚を反対されたり、結婚していても周囲が心配するので子どもを断念したりする人もいる」という。 B子さんは、2歳の時に発病してから長年治療を続けながら、14歳と10歳になる娘を出産した。2人は病気一つすることなく、すくすくと育っている。「てんかんは必ずしも出産や育児の障害にならないことを多くの人に理解してほしい」と話している。(2009年7月13日 読売新聞)
July 13, 2009
「ALS」「若年性認知症」、原因抑える物質発見 筋肉が動かなくなる難病である筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)や、若年性認知症の治療につながる物質を、東京都精神医学総合研究所の野中隆主席研究員らの研究グループが見つけた。 11日からウィーンで開かれる国際アルツハイマー病学会で発表する。 これまでの研究で、ALSや若年性認知症を発症した患者の脳や脊髄(せきずい)には、TDP43と呼ばれるたんぱく質が異常を起こして蓄積していることがわかっており、これが細胞の死滅や病気発症の原因になると見られている。 研究チームは、人の神経細胞に異常なTDP43を作り出す遺伝子を組み込み、患者の細胞を再現。この細胞を使って、様々な薬の効果を確かめたところ、ロシアでアレルギーなどの治療に使われていた医薬品と、国内でも市販されている薬剤とを併用することで、細胞内に蓄積した異常たんぱく質を80%以上減らせることを突き止めた。 ALSは往年のメジャーリーガー、ルー・ゲーリッグ選手が発症したことで知られる難病で、治療法はまだ開発されていない。40~65歳で発症する若年性認知症も治療法がない。 野中主席研究員は「すでにある薬を使って、ALSなどの進行を大幅に抑えることができる可能性がある。早急に治療薬開発につなげたい」と話している。(2009年7月12日03時11分 読売新聞)
July 12, 2009

うつ病、血液検査で診断 白血球の遺伝子反応に着目血液検査でうつ病かどうかを診断する方法を、厚生労働省の研究班(主任研究者・大森哲郎徳島大教授)が開発した。うつ病患者と健常者で白血球の遺伝子の反応が微妙に異なることを利用した。数年後の実用化を目指す。問診と併せて、数値化できる簡便な診断法が使えれば、患者の見逃しが減ると期待される。 研究班は白血球の遺伝子がストレスで変化することに着目し、それをうつ病の診断に使えないか調べた。約3万個の遺伝子の中から、神経伝達や免疫などに関連する24の遺伝子が、うつ病患者と健常者で異なる働き方をすることを突き止めた。 医師の面接によってうつ病と診断された17~76歳の患者46人と健常者122人を分析した結果、うつ病患者の83%(38人)、健常者の92%(112人)で、特定の遺伝子が突き止めた通りに反応し、正しく判定できた。治療薬による影響で遺伝子が反応する可能性を除くため、うつ病の患者はまだ治療していない人を対象にした。 研究班は今年から2年間、対象を増やして診断し、実用化できる精度か確かめる。うつ病以外の精神科の病気と、はっきり見分けることができるかも調べる。実用化されれば、患者から採った血液2.5ミリリットルを処理した液を、遺伝子チップという分析器具で反応させて診断できるという。 厚労省の調査で、うつ病など気分障害と診断された人は、05年で92万4千人。6年で倍以上に急増している。うつ病は、医師が患者と面接し、症状から診断している。しかし、うつ病と他の病気との境目があいまいな例も多く、専門医でも診断に迷うことが少なくないという。 大森教授は「血液検査による診断法が実用化されても、医師の面接による診断は必要だ。血液検査が実用化、普及すれば、一般の医師が診察する際に、これまで見過ごされてきた患者を治療に結びつけることが期待できる」と話している。(坪谷英紀) 国立精神・神経センターの樋口輝彦総長(気分障害薬理生理学)の話 今回の診断法が高い確率でうつ病を見分けられることが明らかになれば、診断の手法として有効な方法といえるのではないか。可能性は十分にあると思う。今後、白血球の遺伝子の変化と、うつ病の原因とされる脳内の変化との関係がわかれば、うつ病の原因究明にもつながる。2009年7月11日19時52分 朝日新聞
July 11, 2009
難治性 根気強く薬調整 てんかん患者の7~8割は、薬物治療で発作をほぼ抑えることができる。だが、残りの2~3割は発作を抑えることが難しい「難治性てんかん」だ。 発作を減らすために、多くの薬を飲むと、眠気やふらつきなどの副作用が出る。薬の種類や量の微妙な調整が必要だが、一筋縄ではいかないことが多い。 山梨県の知的障害者支援施設「敷島緑陽園」に入所する葛西誠さん(34)も、難治性のてんかん患者の一人だ。てんかんのなかには、誠さんのような知的障害や脳性まひなどに、併せて起きる場合がある。 誠さんは薬を飲んでも発作が抑えられず、月に5回はけいれん発作を起こしていた。5年ほど前からは、それまで歩けていたのが、足がふらついてうまく歩けなくなった。座っていても上半身が傾いてしまう。食欲が低下、表情もなく、1日中、ぼおっとしている。 「薬の副作用かもしれない」と考えた母親のヨリ子さん(65)は、3年前、誠さんを連れ、全国から患者が集まる国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター(静岡市)を受診、診療部長の久保田英幹(ひでもと)さんと薬の調整をすることになった。 まず、4種類飲んでいた薬のうち、副作用の主な原因とみられた1種類の薬を中止、もう1種類の薬を減量した。すると、眠気は改善されたが、発作の回数が増えてしまい、足元のふらつきもひどくなった。まったく歩けなくなり、車いす生活になってしまった。 原因はすぐにはわからなかったが、1か月半に1度の通院を続けるうち、久保田さんは、誠さんの足がぴくぴく震えることに気がついた。一部のてんかんに特有の震え方で、このために歩けなくなることがある。「歩けないのは薬の副作用でなく、てんかんの症状が足に出るようになったせいではないか」と考えた久保田さんは、足のぴくつきを抑える薬を増量。発作を抑える薬も別の種類を加えたところ、足のぴくつきはほとんど出なくなった。 今では車いすから立ち上がり、走ることもできる。発作は相変わらず月に5回ほど起きるが、ふだんの表情は生き生きとしている。「無理してでも通院を続けて良かった」とヨリ子さんはほほ笑む。 「てんかんの薬は、人によって効果の出方も副作用も違う。特に難治性の場合は微妙なさじ加減で状態が変わる。根気強い調整が必要」と久保田さんは話す。(2009年7月10日 読売新聞)
July 10, 2009
粗食は長寿、がん・心疾患・糖尿抑制…サルで実証 カロリー摂取量を大幅に減らすと、がんや心疾患、糖尿病など加齢に伴う病気の発症を抑えられることが、アカゲザルを使った20年間の追跡調査で明らかになった。 霊長類で、こうした効果が実証されたのは初めて。米ウィスコンシン大などのチームが、10日付の米科学誌サイエンスに発表した。 チームは、7歳から14歳の大人のアカゲザル(飼育下の平均寿命27歳)を30匹使って、1989年に研究を開始。94年には46匹を追加した。二つのグループに分け、片方のカロリー摂取量を30%減らし、血圧や心電図、ホルモン量などを測定。死んだ場合は、解剖で死因を詳しく調べた。 カロリー制限しないグループでは、5匹が糖尿病を発症、11匹が予備軍と診断されたが、制限したグループでは兆候は見られなかった。がんと心疾患の発症も50%減少した。また、脳は加齢とともに、萎縮(いしゅく)することが知られているが、制限したグループでは、運動や記憶などをつかさどる部分の萎縮が少なかった。 白沢卓二・順天堂大教授(加齢制御医学)の話「カロリー制限が、長寿や高齢者の認知機能維持にも役立つ可能性を示すもので、大変興味深い」(2009年7月10日14時24分 読売新聞)
July 10, 2009
肝炎の医療費助成拡大を要求 与党PT 肝炎患者の救済を検討している与党のプロジェクトチームは8日、進行予防を目的としたC型肝炎患者のインターフェロン投与と、B型肝炎患者の抗ウイルス薬治療などを、来年度予算に盛り込むため、効果や費用を検討するよう厚生労働省に求めた。 昨年4月から始まった肝炎患者の治療費への助成は、主にインターフェロンによるC型患者の根治治療に限られていた。今年度は助成の申請数は予想の半分ほどにとどまる見通しで、予算が余る可能性が高い。来年度は、治療の充実に向け、予算を再分配する必要がある。2009年7月9日0時9分 朝日新聞
July 9, 2009
脳の手術で消えた発作 手術で治るてんかんもある。栃木県の会社員、亀田泰示さん(38)は昨年3月、てんかんの脳外科手術を受け、それまで月2、3回あった発作がなくなった。 9歳で発病。薬を飲んでも抑えられず、週に何度も発作で倒れた。中学、高校時代はいじめにも遭った。21歳で働き始めたが、たびたび発作を起こし、7回解雇された。人生を悲観し、31歳の時には自殺未遂を起こしたこともある。 4年前、たまたま自宅近くの病院に来ていた、自治医大脳神経外科教授の渡辺英寿さんの診察を受けた。「君は手術で治るかもしれないよ」。驚いたが、すぐには決断できなかった。 てんかんは、電気信号のやりとりで情報を伝えている脳神経のバランスが崩れ、一時的に脳内に過剰な電気が流れるために起きる。脳全体に一気に広がるタイプと、脳の一部分で始まるタイプがあり、後者の場合、発作が始まる部分を手術で切り取ることで、発作が治まる可能性がある。 手術の対象は、薬では発作を抑えることができず、発作の原因となる部位が脳の機能に大きな影響が出ない人で、てんかん患者全体の数%程度だ。1980年代に、発作の起きる部分を確定する検査が確立し、世界的に広がった。 ただし、手術で思うような効果が得られない場合もあるうえ、手足のまひなどの後遺症が出る危険性も伴う。日本てんかん協会が2年前に行った調査では、手術を受けた人のうち、発作が消えた人が28%、頻度が減った人が47%いたが、「変わらない、悪化した」という人も14%いた。 度重なる発作に苦しんでいた亀田さんの場合、こうしたマイナス面も考え合わせたうえで、「手術に懸けてみよう」と決心した。 入院し、発作が起きた時に合わせて脳波や画像検査を行い、異常が起きる脳の部位を探す。さらに頭骨にごく小さな穴を開け、針を脳に直接刺す検査をし、詳しい位置を確定した。 手術は4時間。発作はすっかり消えた。物覚えが若干悪くなった気がするが、まひなどの後遺症はない。いつ発作が起きるのかという不安から解放され、「初めて人生を前向きに考えられるようになった」と話す。 渡辺さんによると、対象患者に対する手術の実施率は、欧米に比べ6分の1程度と少ない。渡辺さんは「脳の発生部位によって、手術の効果はある程度予想できる。事前に十分医師と相談してほしい」と話す。(2009年7月9日 読売新聞)
July 9, 2009
脳卒中基本法へ要綱案…患者や医師 脳卒中の患者、医師などでつくる日本脳卒中協会は、脳卒中対策基本法の制定を求め、要綱案を発表した。 脳卒中は年約30万人が発症。後遺症などで介護が必要な人は約160万人いるとみられる。脳の血管が詰まったり、破れたりして突然、症状が表れることから、迅速な救急搬送が回復具合を大きく左右する。円滑な社会復帰を進めるためには、治療後すぐにリハビリを始めることも重要だ。 要綱案では、脳卒中の疑いがあるかどうかの判断を救急隊員が現場で行い専門医療機関へ直接搬送する体制の整備などを掲げた。 同協会では、法律で専門医療機関の整備などを定めたがん対策基本法(07年4月施行)と同様の枠組みが、脳卒中でも必要として、関連9学会や医師会、患者会などの意見を聞き、要綱案をまとめた。山口武典理事長は「適切な治療やリハビリ、介護にあたる家族への支援などを全国どこでも受けられる体制を作るには、法制化が必要。署名運動に協力してほしい」と話している。(2009年7月9日 読売新聞)
July 9, 2009
発作には慌てず対処突然意識が途切れたり、頭や手足が勝手に動いたり、てんかんはタイプによって様々な症状が表れる。けいれんにも、全身ががくがく震えるものや、両腕がぴくぴくするものなど、いくつか種類がある。 てんかんの専門医である川崎医院(京都市)院長の川崎淳さんは「大部分の発作は自然に終わる。周囲は慌てずに、見守る姿勢が大切」と話す。 川崎さんは、てんかんの症状を患者や周囲の人によく知ってもらおうと、日本てんかん協会からの依頼で、様々な発作を「実演」したDVD付き解説書「てんかん発作 こうすればだいじょうぶ」を昨年、出版した。 たとえば片腕が勝手に上がったり、頭や眼球が左右のどちらかに向いたり、「あー、あー」「こまった、こまった」など急に声が出る発作を起こすタイプの患者がいる。脳の感覚をつかさどる部分で発作が起きる患者では、視野の一部に光や色が見えたり、体の一部がしびれたりする。過去の情景が突然よみがえったりすることもある。 他人と会話をしている途中で、ふっと意識が途切れる発作が出るタイプもある。数秒から数十秒で意識は戻るものの、本人には意識を失っていた自覚はない。 周囲が最も慌てやすいのは、全身けいれんだ。まず横に寝かせ、けがをしないよう周囲の危険物をどける。床に頭をぶつけないよう、柔らかいものを頭の下に敷くと良い。けいれんが治まったら、吐いたものが気管に詰まるのを防ぐため顔を横向きにする。患者はそのまま眠ってしまうことが多いが、大きなけががなければ無理に起こさない。 「舌をかんだりしないか」などと心配し、口の中に物を突っ込むのは厳禁。歯が折れたり、窒息の原因にもなったりする。発作が10分以上続くか、意識が回復せず、3回以上繰り返す場合は救急車を呼ぶ。 発作が治まった後も、注意が必要だ。意識が完全に回復しておらず、もうろう状態で歩き回ることがある。前に立つと手で払いのけられる恐れがあるため、無理に止めずに後ろからついて行くのが良い。危険な場所に行こうとしたら、後ろから腰に抱きついて制止する。 入浴中の発作は、おぼれる危険があるため、周囲は注意が必要だ。お湯から顔を上げ、うまくいかなければ迷わず浴槽の栓を抜く。 DVDは、職場での対応にも活用されている。(2009年7月8日 読売新聞)
July 8, 2009
医療ナビ:ADHD リタリン使用禁止後の薬物治療の状況は。 ◆ADHD リタリン使用禁止後の薬物治療の状況は。 ◇小児用の新薬登場 海外で普及「ストラテラ」、依存性なく多動に効果 ◇「選択肢二つに」医師ら歓迎 不注意や多動、衝動性などを症状とする発達障害のひとつのADHD(注意欠陥多動性障害)。これまで治療薬は中枢神経に作用するメチルフェニデート(商品名・コンサータ)しかなかったが、今年4月、新たにアトモキセチン(商品名・ストラテラ)が承認された。ADHDの治療薬は欧米では7種類。あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)の杉山登志郎心療科部長は「やっと2種類の薬が使えるようになり、選択肢が増えた」と歓迎する。 コンサータは、向精神薬のリタリンと同じ仲間で、意欲や快感と関係するドーパミンという神経伝達物質を脳内で増やす作用をもつ。これに対し、ストラテラは集中力や注意力などにかかわるノルアドレナリンという神経伝達物質を増やす。 ストラテラは世界的には6年前から使われている。国内では245人の患者を対象にした臨床試験で有効性が確かめられた。対象は6歳から18歳未満。朝夕2回服用する。5、10、25ミリグラムの3種類のカプセルがある。即効性に欠けるが、2~3週間で効き始め、6~8週間後から効果が終日持続するようになる。 臨床試験に加わった杉山さんは「薬が必要なのは、多動などの症状が中程度以上の場合。劇的によくなったなど有効性は高いと感じた」と話す。試験では副作用として頭痛(約22%)、食欲の減退(約16%)などが見られたが、ドーパミンを増やす作用がないため、「長く使っても依存性がない」(杉山さん)という。 * 一方、コンサータは朝1回服用するだけで効果が12時間程度、持続する利点がある。 東京都杉並区の小学3年男子(9)は集中力が持続しないADHD。一部医師による過剰処方が問題となり、ナルコレプシー(睡眠障害)を除いて使用禁止になったリタリンに代わり、小学1年後半からコンサータを服用し始めた。まずは2錠(1錠18ミリグラム)から始めた。効果はあったが、副作用で食欲が落ち、1錠に切り替えた。しかし、今度は効果が低くなり、今年5月から27ミリグラムの錠剤に替えて、やっと落ち着いてきた。 母親(35)は「コンサータの効果には満足しているが、夜になっても食欲がないことがある」と話し、どちらを服用すべきか迷うという。杉山さんは「副作用は個人差がある。試してみて、どちらが合うかを判断するしかない」と語る。 * 日本ではADHDの診断、治療、生活指導にきちんと対応できる専門医が少ない。米国では約6000人の児童精神科医師がいるのに対し、日本はわずか約140人。このため、患者が一部の医療機関に集中し、なかなか治療を受けられないという。 児童精神科医師などで組織した「ADHDの診断・治療指針に関する研究会」は「注意欠如・多動性障害の診断・治療ガイドライン」(じほう・4200円)をまとめた。診断法や薬物・精神療法、医療機関と学校の連携の仕方などを詳しく解説。「小児科医や教育・福祉関係者に読んでほしい」と呼びかけている。 製薬会社のヤンセンファーマ社はADHDを疑似体験できるバーチャル装置を開発、医療機関に貸し出している。ADHDの子供たちのつらさを、看護師ら医療関係者に体験してもらうのが狙い。専用ゴーグルをつけて映像を見ると、子供たちが登校中にいろいろなものに注意を奪われ、遅刻する様子などが疑似体験できる。無料。希望者は同社マーケティング本部(ファクス03・4411・5005)へ。【小島正美】============== ◇注意欠陥多動性障害(ADHD) 脳の機能的な障害で起きる発達障害の一種。「忘れ物が多い」「指示に従わない」「課題を順序立てて行えない」などの不注意▽「じっとしていられない」「過度にしゃべったり、走り回ったりする」などの多動性▽「質問を聞き終わらないうちに答える」「順番が待てない」などの衝動性が主な症状。02年の文部科学省調査によると、児童の3%程度に見られる。毎日新聞 2009年7月7日 東京朝刊
July 8, 2009
治る乳児けいれんも 子どもが高熱を出した際、けいれんを起こすことはよく知られているが、てんかんでは、熱はなくても、けいれんを繰り返すのが特徴だ。ただし、熱のないけいれんの約半数は再発せず、1度だけなら過度な心配はいらない。また、繰り返し起きても、成長に伴い治るものもある。 東京都の男児(1)は昨年7月、生後3か月の時、突然、顔が土気色になり、熱もないのに、両手足がぴくっ、ぴくっとけいれんした。1、2分の出来事だったが、母親(27)は「とにかくオロオロして、何十分にも感じられました」。あわててタクシーで男児を連れ、かかりつけの聖母病院(東京都新宿区)に向かった。脳の画像診断や脳波検査を受けたが異常はなかった。 てんかん治療が専門の同病院副院長(小児科部長)、粟屋豊さんは「また起きるかもしれないので、その際には、けいれんの様子や持続時間を記録し、できればビデオに撮ってください」と説明。母子は帰宅した。 けいれんは、3日後と6日後に繰り返した。6日後のけいれんは、それまでより長く、7分以上続いた。枕元に置いたカメラでビデオ撮影し、粟屋さんの元に向かった。 粟屋さんは、「息子さんはてんかんかもしれないし、成長に伴い治る良性の乳児けいれんかもしれません。良性乳児けいれんなら、数か月で自然に治ります」と説明した。 良性乳児けいれんは、3歳未満の子どもが繰り返すけいれんで、一般に、てんかんとはみなされない。ぴくっ、ぴくっと震える症状や、手足を激しく引きつけ、がくがくさせるけいれんが表れる。下痢を伴うことが多い。発達の遅れのない子どもに起きるのが特徴で、数か月で自然に治る。 何も治療しなくても良いが、発作が多い時は「親御さんと相談して、短期間、けいれんを抑える薬を使うこともあります」と粟屋さん。この男児の場合も、念のため4か月間薬を飲んだが、以来、けいれんを繰り返すことはなかった。 また子どもの場合は、症状などから、てんかんと診断されても、先天的な異常や画像診断で脳の異常がなければ、薬物治療を一定期間続けた結果、けいれんなどの発作がなくなり、薬もいらなくなることも多い。粟屋さんは「てんかんの種類によっては、ほぼ100%治るものもある。決して治らない病気ではありません」と話す。(2009年7月7日 読売新聞)
July 7, 2009
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