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2024.11.24
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二宮翁夜話巻の5

【19】翁曰く、
何程(なにほど)富貴(ふうき)なりとも、家法をば節倹に立て、驕奢(けうしや)に馴(な)るゝ事を厳(げん)に禁ずべし、
夫(そ)れ奢侈は不徳の源にして滅亡の基(もとひ)なり、
如何(いかに)となれば、奢侈(しやし)を欲するよりして、利を貪るの念を増長し、慈善の心薄らぎ、自然欲深く成りて、吝嗇(りんしよく)に陥り、夫(それ)より知らず知らず、職業も不正になり行きて、災(わざわひ)を生ずる物なり、恐るべし。
論語に、周公の才の美ありとも奢(おご)り且(か)つ吝(やぶさか)なれば、其の余は見るに足らず、とあり、
家法は節倹に立て、我身(わがみ)能(よく)之を守り、驕奢(けうしや)に馴るる事なく、飯と汁(しる)木綿着物(もめんきもの)は身を助く、の真理を忘るる事勿れ。
何事も習(なら)ひ性(せい)となり、馴れて常となりては、仕方無き物なり、

是(これ)自(みずから)我が歓楽をも減ずるなり、
日々(にちにち)勤労する者は、朔望(さくぼう)の休日も楽みなり、
盆正月は大なる楽みなり、是れ平日、勤労に馴るゝが故なり、
此の理を明弁(めいべん)して滅亡の基(もとひ)を断ち去るべし、
且つ若き者は、酒を呑むも、烟草(たばこ)を吸ふも、月に四・五度に限りて、酒好きとなる事勿れ、
烟草好きとなる事勿れ、馴れて好(す)きとなり、癖(くせ)となりては生涯の損大なり、慎(つつし)むべし。

【19】尊徳先生はおっしゃった。
どれほど富貴となろうとも、家法を節倹に立て、贅沢に馴れることを、厳しく禁じなければならない。
贅沢は不徳の源であって、滅亡の原因だ。
なぜかといえば、贅沢を欲することから、利を貪る気持ちが増長し、慈善の心が薄いで、自然欲深くなって、吝嗇(りんしょく)に陥り、それから知らず知らずに、職業も不正になっていき、災いを生ずる、恐るべきことだ。
論語に、周公の才の美ありとも奢(おごり)かつ吝(やぶさか)なれば、その余は見るに足らず、とある。


何事も習(ならい)性となって馴れて常となることは、仕方がない。
遊楽に馴れれば面白い事もなくなり、うまい物になれればうまい物もなくなる。
これは自ら自分の歓楽をも減ずるのだ。
日々勤労する者は、月の1日、15日の休日も楽しみだ。
盆・正月は大きな楽しみだ。

この理を明らかに弁えて、滅亡の原因を断ち去るべきだ。
かつ若い者は、酒を飲むのも、煙草を吸うのも、月に四、五度に限って、酒好きとなってはならない、煙草好きとなってはならない。
馴れて好きとなって、癖となっては生涯の損害が大きい。
慎しむがよい。







💛松島授三郎は、若い頃に易者に見てもらったところ、あなたは三十三歳の頃には大難があって命はないと言われた。そこで何とか長生きをする道はないかと考えた末、報徳の先生の荒木由蔵に話すと、 「そんなことは心配しなさんな、報徳をやれば、きっと長生きができる」 と言われて、早速寿三郎と言う名を負い、報徳の道の研究を励んだ。その後、明治二年、松島が三十三歳の時、居村の羽鳥村の地籍で、天竜川の堤防が切れて大洪水となり、松島の家も被害をこうむり、幸い屋上に上っていて辛うじて命だけが助かった。それが先年易者の予言した年だった。
そこで松島は大いに感じ、これは全く報徳のお陰であったと喜び、益々報徳のために心身を傾けるようになり、その年の秋、隣村石原村に仕法を行い、五十戸の住民は救われた。それ以来、報村の道に精進すると共に、地方を教化し、明治十二年伊平村に農学誠報社を組織したのが、三遠農学社の前身なのである。





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最終更新日  2024.11.24 10:36:36
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