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「リヴァル、助けろ!!」羞恥心なんてこの男と再会したときに捨てた。このもっとも危険な状況を抜けることができるならば。保健室の前で、リヴァルが呆然と目を見開く。「この・・・、ベルトをこんなにきつく・・・っ」両手をベッドの柵にくくりつけられ、何とかえびぞりになりながら俺は全身で悪友に助けを求めた。「ええと、俺、包帯取りに着ただけだから。じゃあ、後は2人でゆっくり楽しんでください」「リヴァル!?」鈍器で殴られたような強い衝撃がルル―シュを襲う。「うん、ありがとう、リヴァル」希望は一瞬のうちに跡形もなく消えた。その後、ルル―シュは偶然通りかかったカレンによって助けられた。「・・・・・・・・・・・・あの、ええと、大丈夫?まあ、よかったじゃない、最後まではやられなかったんでしょ」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「ルル―シュ、一杯くらいなら付き合うわよ」「うん」
2008.02.29
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「・・・どんな気分だい?そんな惨めな姿を皆の前に晒す事になって」スザクが対している拘束衣の少年に対して、これ以上ないくらい憎しみで歪んだ笑顔を浮かべている。殴られた痕のある頬は驚くほど白い。セシルは驚いた、ブリタニア人それもこの少年は確か、柩木スザクの友達ではなかったのかと。「そうだな、退屈なくらいだ。なぜ、裁判をこんなに長くする必要がある?ゼロは国家反逆犯だ。さっさと処刑すればいいだろう」「君は、そうやっていろんな人を騙してきたんだね・・・ナナリーもユフィも生徒会の皆も、ぼくでさえも」「・・・言い訳はしない」この男はこんな平然として、人の痛みがわからないからこんな冷静に、残酷にユフィを殺したのだ。彼の反逆の理由などわかりきっている、ナナリーのためだ。今ではその理由さえ、疑問が思い浮かんでしまう。「ルル―シュ、君の汚い復讐の為に君はユフィの純真な心を踏みにじったんだ、どうして手を取らなかった」「それについては最初も言ったとおりだ、彼女は敵だからだ、彼女は俺たちの安全を脅かした、それだけだ」「世界を手に入れる為か?・・・お前は父親を殺して、世界を支配する気だったのか」すると、ルル―シュはなんとも不思議そうな表情でスザクを見た。「まさか、こんな腐りきった世界誰が欲しいものか。言っただろう、俺は優しくて平和な世界をナナリーにあげるつもりだと」心を揺らぐな、また何かのわなかもしれないじゃないか。「・・・そのナナリーはどうした」「さぁな、会っていないからわからない。信頼のおける人間の元にいるとしか知らない」スザクはルルーシュの胸ぐらをつかんだ。「・・・なぜ、ゼロなんかになった?君は幸せだったじゃないか、アシュフォード学園で生徒会の皆に好かれて、ナナリーとの生活だって」また、黙り込む。また、何も言わないつもりか。「幸せ?主従そろって、その目は節穴というわけか。あの生活のどこが幸せだというんだ?」「・・・ルル―シュ?」「マリアンヌ母様を殺した犯人も見つかってない、嘘をついた生活のどこが?俺たちは皇族に見つかれば殺されるんだぞ。お前だって、ブリタニアの軍人ならわかるだろう、ブリタニアがどんな国かを、弱者にどれだけ容赦がないか」「それは・・・・、でも内側から変えていけば」「正しいルールにのっとって?警察にも公式的な場所にも自由にいけない俺たちがどうやって生きていけると思う。お前の正義は、強者であるから成り立つ理論だ。忘れたのか、俺たちは一度国に殺されてるんだぞ」「だから、僕たちが君達を守ろうと・・・っ、君がゼロになる必要はなかったっ」アメジストの瞳が鋭く冷たく光る。「お前もあの男と同じか、スザク、お前は俺に無力な皇子様でいろと死人でいろと言ってるんだな、目障りだ、お前はもうここに来るな」ルル―シュがそのとき、軽くスザクの手を叩いた。「明日にでも、処刑してもらうことにした。お前はさっさと兄上でも皇帝陛下でも尻尾を振ってろ」「・・いつまで、強がりを言ってるんだ!?お前は自分の命が大切じゃないのか、怖いなら怖いといえよっ」ルル―シュが笑顔を綺麗に浮かべる。「変なことを言うな、俺は元々死んでるんだ、なぜ死人の俺が死を恐れる必要がある」
2008.02.27
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「・・・じゃあ、これは神様は見てないだろうね」考え込んでいたルルーシュが、は?とこちらを見る。ナナリーより自分を優先してくれた、ただそれだけなのに嬉しさが急にあふれてくる。ルル―シュの柔らかそうな唇を奪い、肩を力強く掴む。「・・・・っ」呆然とアメジストの瞳が大きく見開く。珍しく、聖書と呼ばれる分厚い書物に手を伸ばして、ルル―シュは読書に読みふけっていた。―正直に罪を告白すれば、私がお前の罪を赦そう。パソコンの画面に映し出される黒の騎士団が起こした抵抗運動の被害者、死亡した団員。一人の裏切り者が中華連邦と組む、恐らくその作戦にはランスロットも投入してくるだろう。慈愛の皇女の騎士といっても軍の命令と会っては逆らう事は出来ない。―そう、スザクという親友だった男は命令さえあれば喜んで死んでいくだろう。ただし、生きろとギアスが作用する可能性があるが。昨夜のあれは、どういう意味なんだろう。スザクがそういう趣味のはずないし、あいつの命はユフィのもののはずだ。そうでなけばならない、もう引き返す道などない。好きだよ?そんな言葉を簡単に使うなんて理解できない。なぜ、自分にあんな悪趣味な冗談をしたのか、いや、きっとあれは思春期がなせる迷走か、感謝の意味合いだろう。友情ならせいぜい頬くらいだろう、主なら手のひら。「・・・・・・」握り締められた身体はきしむくらいで、逃げるなと言うようだった。ああ、わかっている。神などいない、俺はもうゼロとしてお前達を殺すテロリストであの夏の日々には戻れない。撃たれる覚悟はある。撃たれる覚悟があっても撃つ覚悟はなかったか。いつかのシーツーの覚悟が脳裏に浮かぶ。「誰が相手だろうと、俺は勝ってみせる」
2008.02.27
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「チェックメイト」わっ、と周囲を囲んでいた観客がいっせいに歓声をあげる。ぱちぱち、と拍手するのは弟のロロ・ランペルージ。淡い色の髪をしたルル―シュの弟でよくこうして、兄の遊びに来ている。「さすが、兄さんですね」「そうか?そういえば、リヴァルが怒っていたぞ、俺のバイクを勝手に乗り回すなって」「今度、謝ってきますね」すると、廊下の掲示板の前でルルーシュがふと足を止めた。「兄さん?」「黒の騎士団・・・、まだ全員は捕まってないんだな、ゼロも」一年前、ブラックリべリオンというブリタニア帝国を震撼させたという事件があり、自分の記憶喪失はその時の戦闘で巻き込まれた事が原因らしい。「すぐに捕まりますよ、兄さん」「ロロ、そうだな、今日はお前が夕食を作る番だったな。でも、大丈夫なのか?」「何がです?」「まだリハビリ終わってないんだろ、長い事ずっと車椅子生活だったんだし、目だって」ロロがにこりと笑う。「大丈夫だよ、ほぼ普通の人と同じになったから。兄さんは気にしすぎ」「そうか?」新宿ゲットーがルル―シュの視界の隅に入ってくる。まただ、また左眼が痛い。何かに反応するように僅かな熱さがどこからか出てくる。「日本人の町が気になるの、兄さん」サイドカーに乗っているロロが声をかけてきた。「いや、別に・・・」「新宿ゲットーは記憶がなくなる前に兄さんが行った場所だよね。行ってみます?」「まさか、そんなことしたらまたお前がいじめられるじゃないか」「そうだよね、でも兄さんって日本人をイレヴンだといわないんだね」「?日本人は日本人だろう」「昔、アレだけいじめられたのに、僕はそのたびに止めに行ったんだっけ」柩木神社で。「?兄さん、どうしました?」「いや、何か今違和感が・・、あそこの子供って皇神楽耶と・・後一人いたんだよな。あんまり関わった覚えはないが」頭がズキズキする。それとなんだろう、このどうしようもない絶望感と憎しみめいた感じは。「兄さん、無理して思い出さないで。兄さんこそ記憶が完全に戻ったわけじゃないんだから、ゆっくり思い出していきましょう」「ありがとう、ロロ」蝉の音と、肌を焼くような暑さ。ブリタニアと日本の戦争が始まったあの日、ひまわり畑を抜けて何で俺は一人で壊されていく町を見ていたんだろう。ロロを残して―。『ナイトオブセブンは、ラウンズとしてはじめてのナンバーズときいてますが、名前は柩木スザクでしたっけ?』ぶちっ。「あっ、酷いよ、兄さん。ラジオを勝手にきるなんて」「すまない、無意識だ」
2008.02.26
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「ルル―シュ、ルル―シュ・ランペルージ!」「フルネームで大声で呼ぶな、ナナリーが怯えたらどうする」真っ青な青空の下、自宅のクラブハウスの近くにリヴァル・カルデモンドの姿があった。「じゃあ、ルル―シュっ。お前と昨日歩いていた金髪の美人誰!?クラスは?電話番号は!?」あ、俺リヴァル・カルデモンドよろしく、とリヴァルが軽くナナリーと握手をした。「ナナリーに障るな、何だお前自分の学校の生徒会長の顔を知らないのか」「・・・生徒会長?」「ミレイ・アシュフォード、この学園の学園長の孫娘だ」「ミレイさんか・・・、それでお前とどういう関係なんだ?」ちろりと恥ずかしそうにリヴァルが伺うようにルル―シュの顔を見た。「何だ、お前ミレイに惚れたのか」「なっ、何で、それをっ」ルル―シュはニッと笑った。「やっぱり、そうか。本当にわかりやすい奴だな、お前」頬はこれ以上ないくらい真っ赤になり、リヴァルははめられたと思ったのか口をパクパクさせた。「・・・別にいいだろ、早くどんな関係なのか教えてよ、俺たち友達だろ」「誰が友達だ、安心しろ、俺たちはお前が思ってるような関係じゃない、生徒会の仲間で親同士が古い知り合いで、俺たちは彼女の家に世話になってるんだ」「へ?じゃあ、本当にクラブハウスに住んでるのか」「ああ」「じゃあサ、俺を生徒会に入れてくれよ、ちょうど俺部活入ってないし。生徒会長のミレイさんとも仲良くなりたいし」「お前が?」「俺、何でもするから」「本当か?」「男に二言はないっ!!」「・・・わかった、俺からお前を会長に紹介しておく」「ありがとう、我が友よ!」「きゃあ、やっぱり似合うわね~、ねえ、ナナちゃん」「お兄様、ランドセル重くありませんか」小学生の日、決行。ルル―シュは体操服、リヴァルは短パンと縦笛、黒いランドセル。「・・・・騙したな、ルル―シュ」「紹介するとは言ったが、会長の性格までは教えてくれと言わなかっただろ、恥をかくなら一人でも多い方がいい」俺たち、親友だろとこれ以上ないくらい好青年の笑顔で言われても余計サギくさいだけだ。「昼飯おごれよ、ルル―シュ」「割り勘だったらな」
2008.02.25
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ランスロットから一人の少年が降りてきた。たった今、任務から本国ブリタニアへと戻ってきた皇帝直属の騎士団ナイトオブラウンズの唯一の日本人、柩木スザクである。血の匂いが夥しいほど漂っている。今日も人を殺した、帝国に逆らうどこかの国の国民を。彼らの中の反抗する意志は一年前まで奪いつくされ、死んだも同然だった。―たった一人の存在、ゼロの存在によって、世界中のあちこちで反抗勢力が生まれつつある。もう一つは魔女「ユーフェミア」の日本人虐殺の事実。スザクがどんなに否定しても、世界が彼女に向ける評価は卑怯者で冷酷な副総督でブリタニアの偽善の現れで、血塗れの魔女。そう、決定づけられている。一人の裏切り者のせいで。「・・・・はなせ」「何よ、ラウンズだからって優しくしてあげたのに。自分から誘ったくせに」「うるさい、お前はもう言いから出て行け」「言われなくても出て行くわよ、こんな場所」漆黒の髪が、彼に良く似た面差しがスザクをひきつけた。それ以外、美しいと言われる女たちにスザクを奮い立たせ、ときめかせるものはなかった。だが、わかりきっていた。どんな女でも、彼より美しい人間は、スザクを支配する人間はいなかった。彼の手はもう自分から引き離されているのに、未だに支配されている自分に苦笑するしかなかった。「諦めが悪いな、俺も」「ロロ、またニュース番組を見てるのか、へえあの男の親衛隊の特集か」「・・・はい、兄さん」「確か、一人日本人が入っていたな、まあ、俺としてはそんなものよりコーネリアの先輩というものが気になるが」ロロは、エプロン姿の兄に笑いかける。「何だ?」「兄さん、柩木スザクって知ってます?」「ああ、ユーフェミアの騎士で今はラウンズになっている柩木ゲンブの息子だろ。そいつがどうかしたのか」「ううん、ちょっと聞いてみただけです」
2008.02.24
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「あっ」それは一瞬だった。肉屋の前でルルーシュが財布を落として、中身の金銭を落とした。「あ~っ、もう何をやってるんだよ。仕方ないな」そういいながら、慌ててお金を拾うルル―シュの元へ駆けつけると周囲の遠慮なしの視線を感じた。突き刺すような、恐れているような汚らわしいものを見るようなそんな視線。それでも、誰も助けようとしない。主婦たちは集まり、スーツ姿のサラリーマンはくすくすと笑っている。「スザク、どうした?」その光景が無性にスザクには腹立たしかった。「ううん、なんでもない、俺も手伝うよ」「ありがとう、じゃあそっちのお金を拾ってくれないか」わかった、とスザクは答えた後、膝を折ってお金を拾い始めた。「まあ、大変ですね、柩木の坊ちゃま」「ほら、あんたも手伝いなさい」「おじさんが手伝ってあげるよ」さっきまで観客でいた周囲の人間がスザクがお金を拾い始めた途端、お金を拾い始める。むかむかする、何だ、これは。何だよ、ルル―シュがお金を道端に散らばせた時は何もしなかったくせに。俺が手伝った途端、そんなに俺のオヤジが怖いのか。「スザク、いいかげん手を離してくれないか」「・・・・・」神社の階段が視界の隅に入ってきたが黙りこんでいるスザクにはそんなもの目に入らなかった。「スザク、聞いてるのか」手が痛い、何を怒ってるか知らないがさっさと手を離してくれないだろうか。商店街での買い物を終えた途端、勝手に手を握ってきて。「スザク!」「・・えっ、な、何だよ・・・」「手が痛い」「あ、わりぃ・・・」スザクはゆっくりとルルーシュの手を離した。「さっきの事を気にしてるのか?周りの日本人が僕を見ていたことを」「だって、ルル―シュが困ってたし、そういう時は大人が助けるべきだよ」はは、とルルーシュが軽く笑う。「スザクは本当にバカだな、アレで当たり前だろ。日本人がブリタニアの皇子を嫌うのは当然だ、ブリタニアは強盗の国だから」「そんな事・・・」「本当の事だ、だけど君が気にする必要はない。だから、これは僕が受ける義務なんだ」「そんなの違うだろ、お前はナナリーを守ってるいい奴じゃないか」「泣くなよ、何でそこで泣くんだよ?」「だって、違うんだもん、お前は俺の友達だろ」お前が泣かないから俺が泣くんだというと、何だそれと綺麗な笑顔をルル―シュが浮かべた。
2008.02.23
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『ゼロに忠誠を誓い、私の命令のみを聞いて私を守れ!!』―彼は、親友である柩木スザクは引き離すというか、すでに自分の計画からはずれている・・・つもりだった。神根島でのあの時、なぜあんな愚かな事を口走ったのか、それは明らかに冗談というか、スザクではなく、周囲を囲む数人のブリタニア軍人に向けたつもりだった。取り押さえられ、ギアスの力を発動した。「ユーフェミア様に騎士証を変換してきますね、ゼロ。・・・いや、ルル―シュ。僕が君を守る」「違う、それはお前の気持ちじゃない、お前は自分でユフィの騎士になった!」「僕はルルーシュの騎士だ、君以外の命令を受けるつもりはない」翡翠の瞳が赤く点滅する。笑顔はいつもの穏やかな笑顔を浮かべて、膝を折って、唇を手のひらに乗せる。「望んでいた事じゃないか、何を落ち込む必要がある」「・・・・シーツー、俺は・・・。いや、何でもない」カタカタとパソコンのコンソールに手を滑らす。「私は言ったはずだ、立ち止まる道はない。これでナナリーを守る騎士ができてよかったじゃないか」「シーツー、お前は・・・っ」「今更、何を哀しむ。お前はこれまでもたくさんの人間の思いを踏みにじってその力を使ってきたじゃないか」その言葉にルル―シュはシーツーから手を離した。「・・・・俺はこんな形望んでない」その時、扉が開いて、パイロットスーツ姿のスザクがつかつかと歩いて、シーツーの前に立ちふさがった。「ルル―シュをいじめるのは止めてください。彼を傷つけるようならシーツーさん、貴方でも許しませんよ」「いいんだ、スザク、彼女は俺の共犯者なんだから」「でも・・・」「スザク」まだ納得してないようだったが、やがて考えがまとまったのかスザクはルルーシュに笑顔を浮かべて、「うん、わかったよ、ルル―シュ。ごめんね」さらりとその白い頬に触れる。主人を見る騎士としての瞳、純粋すぎる翡翠の瞳が今のルルーシュには見ていてつらいものだ。だから、視線をそらした。「ちょっと、スザク、あんたまだランスロットの調整中でしょっ」「あ、ごめん、カレン」それじゃあ、ルル―シュ、またねと言われてスザクは去っていった。学園に戻り、いつもの日常に戻る。「スザク、お前ユーフェミア様の騎士を解任されたって本当か?」「うん、リヴァル、情報早いね」「会長から聞いたんだよ、いやあ、驚いた驚いた」「うん、でも仕方ないよ、それ以上に大切な人を守るという夢見つけちゃったから」「そっか」「軍の命令逆らったし、ユーフェミア様には迷惑をかけたくなかったから」「大変だな、ルル―シュ」「・・・ああ、そうだな」ただその2人の会話を聞いていたルルーシュの顔は沈んでいた。スザクはルルーシュの手を取ると校舎に向かって走り出した。「行こう、ルル―シュ」「引っ張るな、スザクっ」「大丈夫だよ、ルル―シュ」「何が・・・」「僕が君を守って、傍にいるから」
2008.02.22
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テーブルの下に奇妙な感触がすると思って、ルル―シュが覗こうとするとスザクが足先で自分の足元をなでていた。「どうしたの?ルル―シュ」「お兄様?」なでる事が面白いのか、スザクは三人でお茶を始めた時からずっとナナリーに気付かれないように手のひらを握ったり、足をなでたりしている。「スザク、お前・・どういうつもりだ」っておい、テーブルクロスの下で膝を撫で回してくるな、どこのオヤジだ、貴様は。「何が?ルル―シュ、相変わらず紅茶の入れ方上手いね」あくまでも気付かれないフリか。「・・・それはどうも」ナナリーが咲世子さんと話している間、ルル―シュはスザクの腕を奪って廊下へ呼び寄せた。「どういうつもりだ」「何の事?」首を傾けるな、何なんだその好青年風の笑顔は。「さっきのセクハラまがいの事だ、・・・・人を不快にさせる真似して楽しいか?」「うん、楽しい」ルル―シュは頭に血を上らせて、スザクの制服のすそを掴んだ。「・・・スザク、貴様っ」「だって、ルル―シュが悪いんじゃないか、僕に嘘をつくんだから」「?何の話だ?」「ごまかさないで、この前街中であるいていただろ、金髪のストレートの女の子と。僕とのデートを断って楽しかった?」天然なのは言いが、なぜこいつは一々人を誤解させるような言い回しをするんだろう。この前も僕たちが出会ったのは運命だとか言ってるし。日本人の男同士の友情、というのはよくわからない。スザクの笑顔の背後から見える般若、というか禍々しいオーラが見えるのもわからない。「先週の日曜日はお前も急用が入ったし、俺も俺で用事があると言う事でその話は片付いていたはずだが」「そう言う事じゃなくて・・・、僕はなぜ僕よりその彼女との用事を優先させた理由を知りたいんだよっ」ルル―シュはスザクに腕をつかまれ、壁に叩きつけられた。翡翠の瞳が真正面からただルル―シュを彼だけを見つめてきた。「・・・スザク、お前」「・・・・・・・・・」頬が赤く染まっていき、なぜかスザクは恥ずかしそうにルル―シュから視線をそらした。「俺のことを」「そうだよ、・・・君には迷惑な気持ちかもしれないけど」「そんなに」「・・・ウン、でもあきらめるつもりないから」「友達と思ってくれるのも嬉しいが、友達思いも過ぎると嫌われるぞ。俺もお前も年頃なんだから、それぞれの生活を尊重しないとな」はい?今度はスザクの表情が固まった。「あ、言っておくが、その金髪の女は彼女ではなくただの遊び仲間だ。ナナリーのプレゼント選び(武器の輸送)を手伝ってもらっただけだ」「る、る、ルル―シュ、本気で言ってるの?」そこへ遠くのほうから、咲世子さんがルル―シュ様と呼んだ。「当たり前だろう、何で冗談を言う必要がある」「ルル―シュ・・・」「心配しなくても俺たちはいつまでも友達だ、俺はお前を裏切らない」ガーン、とどこからか岩が落ちてきたような音が聞こえたがルル―シュは気にせず、咲世子さんの下へ向かった。「・・・友達、友達か、ははは」そこへ軽くナナリーがスザクの肩を叩いた。「大丈夫ですよ、スザクさん」「ナナリー・・・」「お兄様、スザクさんのことが大好きですから」「ナナリー!!」「この前も言ってました、スザクさんは弟か兄のような家族みたいな存在だって、よかったですね」「やっぱり、兄妹だな、あの2人」シーツーがどこからかピザを食べながら呟いた。
2008.02.21
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「・・・怖いんです、このまま眠るとまたあの悪夢を見てしまいそうで」お兄様の手が優しく私の手を握ってくれる。「大丈夫だよ、ナナリー、俺はどこにも行かない、ずっとお前のそばにいるよ」「じゃあ、わがままをいっていいですか、手を握ってください」お兄様はブリタニアを憎んでいる、それはもう全てを焼き尽くすくらいに。お兄様はどんな時も私を大事にしてくれる。私の幸せのために人を傷つける事を自分を痛めつけている事も。この目が少しでも見えれば、この不自由な手足が少しでも動けばお兄様を苦しませずにすむのに。お願いです、お兄様。どうか、どんな時でも自分の命を優先してください。私には貴方が必要だということを、他の人も貴方が必要だと感じてください。「大丈夫かい、ナナリー」「ナナリー、スザクがユーフェミアの騎士になったんだ。祝福してあげよう」世界が優しくて暖かい世界であればというのは私の望み。でも、そこに貴方がいなければ私にとって何の価値もないんです。「お前の存在が間違いだったんだ!」ああ、それなのに私たちはまた奪われてしまう、生きる権利すら。お兄様の親友の柩木スザクという男に。
2008.02.20
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「ルル―シュ」その名前が唯一の幼馴染の免罪符。ただ一つ、すがるもの。「好きだよ」「やめろ」他人の悪意に敏感で、世界で唯一ナナリーを愛してる君。「綺麗でやさしくて友達思いで、意地っ張りで君とナナリーがいると綺麗な一枚の絵だよね」「おれは綺麗な人間じゃない、お前の思い違いだ」なのに、君は自分だけは愛せない。自分に執着しないで、いつ死んでもいいと思ってる。「誰よりも愛してるよ、君が好きだよ」「止めてくれ」耳をふさいで、瞳をそらす。聞きたくないと言うように。「好きだよ、愛してるんだ。誰にも君を渡したくない」「止めてくれ・・・・・!!もう、スザク・・・!」それはまるでのろいの言葉に似ていて、縛る鎖のようだった。そんなもの、望んでなんかいないのに・・・・・っ!!
2008.02.18
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スザクさんって太陽のようですね、と生徒会でお茶を飲んでいたナナリーがふとそう呟いた。「へ?」「あら、ナナちゃん、愛の告白?」「私は別に、そんな・・・」そういいながらも頬が赤い。ルル―シュはなにやら神妙な顔立ちをしている。「何と言うか、お兄様が優しいお月様なら、スザクさんは太陽みたいだなって、七年前に思っていた事を急に思い出して」あの頃に比べると、スザクさんおとなしくなられましたね、と言われてスザクはどう答えていいかわからず半笑いを浮かべる。「そうだな、昔に比べるとおとなしくなったな。7年前は自己中心的だったし、がさつでわがままでいかにもガキ大将って感じだったな」「・・・がさつになったのは君だろ、プライドの高さは変わらないけど」「そうか?俺ほど、謙虚な人間はいないと思うが」にやり、とルルーシュがいたずらを思いついたような子供のような笑顔を浮かべる。良く、言うと思いながらそんなルル―シュが気に入ってるのだから自分も大概悪趣味だ。太陽みたいと言われたが、それはルルーシュにこそ当てはまると思う。どこまでも綺麗で、いつもその光は僕をあの闇に落ちそうになる僕を引き上げてくれる。その笑顔も、怒った顔も、間抜けな顔もどうして僕のものじゃないのかな。君はどうしていつも僕以外の人間を見るのかな。綺麗な綺麗なルル―シュ。柔らかそうな唇から目がそらせない。ちろりと見える赤い舌が僕をドキドキさせる。
2008.02.16
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幻の中でルルーシュの姿を見た、酷く驚いた顔をしていた。「大丈夫、データにも残ってないんだ」僕がルル―シュを守らなきゃ、いや俺が傍にいてあげないといけないんだ、俺だけが、他の誰でもない。俺がルル―シュを助けなきゃいけないんだ、俺だけがその資格がある。「忘れろ・・・」俺だけがルル―シュを正せる。嫌われたくない、知られたくない、憎たらしい。でも、欲しくて欲しくて気が狂うほど欲しくて、いとおしくて、仕方がない。こんなにも君が好き、大好き。俺が俺が俺が俺が俺が俺があいつを守るんだ。七年間も彼だけを見てきた。だって、会えた。これは運命だ。ナナリーでも、生徒会の皆でもユーフェミア様でも特派の人でもこれは譲れない。彼は俺のものだ。誰にも渡すものか、ルル―シュは俺のものだ。「忘れるんだ・・・」ゼロ、貴様なんぞに絶対あの綺麗で正しい優しい親友を奪わせたりしない。僕、とルルーシュ最後に幸せになるのは、世界で生き残るのは僕達2人でいい。だって、そのためにこの手を父さんの血で染めたんだから。
2008.02.15
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女の子にとっても勝負だが貰う側の男子にとってもバレンタインデーとは愛という名の戦いである。「・・・・さて、男子諸君、今年は新しい危険要素が加わったわけだがもちろん勘のいい諸君ならわかるだろう」教室を暗くして、普段では見せる事のないまじめな表情でリヴァル・カルデモンドは黒板にチョークを置いた。「・・・ああ、もちろん」「あの柩木スザクか、確かに強敵だ。無視するには惜しい存在だ」「今回催しされるバレンタインデーでは仮面舞踏会も予定に入っている。生徒会から配るのはもちろん生徒会女子メンバーが作った義理チョコだ。しかしだ、重要なのは彼女たちのあの白い手で作って手作りという点だ」「・・・・・・・・・・・・・・・・おい、お前ら」教室の一番隅から怒りに満ちた声が低く響く。かなりご立腹の様子だ。「何だよ、ルル―シュ。人が珍しくシリアスに喋っているのに怒ったような声あげて」「いいかげん、この身体に巻きつけたロープを外せ、いいかげん痛いんだよ」「いやあ、ルル―シュ君にはぜひ我々に協力してもらおうと思って。その代わり、今年のバレンタインバトルロワイヤルは俺たちが守ってやるからさ」そういうと、ルル―シュはぐっと口を押さえた。「そうだよ、モテモテのランペルージならどうしたら女の子から本命チョコもらえるか知ってるだろ!?」どっ、とルルーシュの元に泣き顔の男子生徒たちが押し寄せた。転びそうになったが、ルル―シュは何とか持ちこたえた。「教えてくれ、敗者になりたくないんだ!」「教えてくれと言われても・・・、普通に頼めばいいんじゃないのか。好きな女がいるなら告白するとか」「何だよ、その答えは!?お前だって好きな女の子から本命チョコ欲しくないのかよっ」「俺は別に、ナナリーから貰えれば・・」「そういうシスコン的な話じゃないって、ルル―シュ君」
2008.02.14
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「待ってください、シュナイゼル兄様」「ほらほら、クロヴィス。早く行かないと、マリアンヌ様のお茶会が終わってしまうぞ、あそこのルルーシュとも遊ぶ約束をしてるんだろう?」「はい、兄様・・・!」それは思い出の中でのほんの一幕、あの頃の私はずっとこの優しい世界が続くと信じていた。「相変わらず、お美しいですね、マリアンヌ様」「うふふ、シュナイゼルは相変わらず口が上手ね」庭園の中のお茶会はいつもどおり暖かい雰囲気が流れている。「シュナイゼル兄様、来られたんですか」「おや、もうチェスは終わったのか?」ルル―シュはにっこりと可愛い笑顔で笑った。「・・・ええ、つつがなく」「ルル―シュ!!最後だ、もう一回私と勝負しろ!」追いかけてきたのか、白いブラウスを着たクロヴィスが額に汗を流しながら白のキングを握ったままテーブルの前に駆け寄った。「・・これはマリアンヌ様、失礼しました」マリアンヌの姿を認めると、クロヴィスは慌てて皇族らしく優雅な動作で敬礼をした。「いいのよ、そんなに畏まらなくても」ふわり、とマリアンヌが包み込むように笑った。それを見たクロヴィスがほおを赤くしたのを見てルルーシュがクロヴィスの足を踏んだ。「いった~!ルル―シュ、貴様・・」「何ですか、クロヴィス兄様」「~~っ」「ルル―シュは、クロヴィスが嫌いなのかい?」ルル―シュと手を握ったまま、ルル―シュを見下ろすとさっきまで笑っていたルルーシュが急に不機嫌になった。「嫌いではありません、ただあんまり相手にしたくないだけです」「苦手か、クロヴィスは君を可愛がってると思うが。あの子はほら、優しいから」「わかっています、でも・・・」その先はルルーシュは言わなかった。賢い子だというからわかっているんだろう、いくら皇帝陛下という同じ父を持ち、兄弟といっても成長していけばいずれその命を賭けて争いあう可能性があることを。強者がのし上がっていく国家、それがブリタニア。私たちの国だ。「クロヴィス兄上はバカです、あんなに隙だらけでは僕に殺される可能性があるのに。心許しちゃいけないのに。人が良くてだまされやすくて・・・」「嫌いではないんだね」「・・・はい」「だ、そうだよ、クロヴィス」「ルル―シュ!!兄さんは嬉しいよ!」「うわっ、いきなり力をこめて抱きしめるな!」
2008.02.13
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家庭科室からはほのかな甘い香り。「やだ、カレンッたら鼻にチョコがついてるよ」「えっ、嘘」「ニーナ、いい具合に溶けているかしら」「大丈夫だよ、ミレイちゃん」バレンタインを一週間に控えて、アシュフォード学園は異様な空気に包まれた。シャーリーはノーマルにハートのチョコレート。ニーナは、お酒が入った大人の味付けのチョコクッキー、カレンはゼロの仮面を思わせるチョコ、ミレイはロシアンルーレット形式にはずれが味噌やしょうががある弾丸型のチョコ。「さぁて、大体出来上がったしお茶にしましょうか」ミレイの一言で、皆エプロンを脱いで、お茶の用意をしてそれぞれの席に座った。「今年も盛り上がるといいわね~、バレンタインバトルロワイヤル」「バトルロワイヤル?」異様な言葉の響きに、カレンは首を傾けた。「ああ、カレンは初参加だったわね。知ってのとおり、我が生徒会の副会長はうちの学園でも女子にダントツでモテる。獣と化した女子生徒に追いかけられて大変だったのよ、中等部の時」「・・・ミレイちゃんや私で後一歩の所で助けたんだよね。それでルルーシュ宛のチョコは先着順になったんだよね。キスと先着20名の座をかけて女の子が2月14日で戦いあうっていう」「何ですか、それ」「会長って、格闘技好きでしたよね」「そうよ、一つの愛を得るには犠牲がつきものなのよ。うんうん、恋愛って怖いわよね」はっくしょん、とルルーシュが大きくくしゃみをした。「・・・風邪か」
2008.02.11
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「・・・黒の騎士団を殲滅せよ」「イエス・ユア・ハイネス・・・!!」幼さの残る優しい顔立ちにはかつての柔らかさがない。翡翠の瞳はただ目の前の主君に向けられる。ブリタニアの紋章が形どられた蒼のマントを翻して、白い騎士服を回りにちらつけながら、長い回廊を歩いていく。「見ろよ、同朋狩りの騎士がとおったぜ」「私たちにどろをなすりつけながら、なぜ平然としているんでしょう」「仕方ありませんわ、いつまでも魔女の騎士のままではいられないんでしょう、あの名誉ブリタニア人も」「ユーフェミア様はお飾りでいらしたから・・・」周りが何かざわざわと騒いでいる。「・・・しかし、それにしても彼のゼロに対する執着は凄すぎる」「ゼロをとりのがして、ユーフェミア様の仇を取れなかったから」その言葉でスザクは歩くのを止めた。翡翠の瞳に一瞬、幼さと怯え・・・何かわからないものが浮かび上がる。「ゼロをコーネリア様やシュナイゼルに引き渡せれば問題も解決しますのに」それ以上、聞きたくなくて同僚のラウンズ達の声も聞かずに何ヶ月ぶりの自宅に戻る。コーネリアは何年経っても、世界中にばら撒かれたユーフェミアの汚名、卑怯者の魔女という偶像を消して見せるといっていた。シュナイゼルはやはり、ユーフェミアを利用していたんだろうか。自分の弟と同じように。「ルル―シュ・・・」彼がゼロだった事は紛れもない事実なのに未だに彼はあんな酷い事をする人間じゃない。自分を捨てて、消えたんじゃないって信じたかった。「ルル―シュ・・」マントを脱ぎ捨てて、ベッドに横たわる。手にとってのは割れた仮面。あの時、自分が銃で割ったゼロの憎い男のはずの仮面。ユフィを殺したのも彼の意志じゃないって都合のいい事実ばかり考えてしまう。「忘れろ、忘れてしまえ」最低の嘘つき、卑怯者。彼は悪だった、彼は自分を信じていなかった。ルル―シュも結局は父さんと同じ人間だった。「忘れろ、消えてしまえ、お前なんか」ギアスの力が彼を変えてしまって、僕から奪った。「消えて、お願いだ、ルル―シュ・・・」―バカか、お前は。―友達だ。―お前、変わったな。何か、おとなしくなった。「君は間違ったんだ、ルル―シュ」頬に冷たい感触を感じたが、スザクは気付かないフリをした。「俺がお前を・・・」「俺を早く殺しに来て、ルル―シュ」
2008.02.11
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「友達だ、友達だよ」「久しぶりに使ったよ、このサイン」だって、父さんが悪いんだ、ブリタニアと戦争するから。だって、父さんが悪いんだ、ナナリーをいじめようとするから。だって、父さんが悪いんだ、俺からルル―シュを横取りしようとするから。助けてあげなきゃいけないのに、俺のルル―シュなのに。俺のものなのに。(違う、あいつはナナリーのもの、俺のじゃない)ルル―シュは強いけど、弱いから。泣かないから、甘え方を知らないから。凄く綺麗で妹思いのいいやつだから。あんなに綺麗な紫の目をしてるから。愛されるべき存在だから。(そう、俺が俺だけが、だって会えた、これは運命に違いない)
2008.02.10
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ルル―シュにとっての夜の時間は長い。生活の全てが黒の騎士団にかかるようになり、正義の味方として活動、宣伝、情報提供者との会合。確実に黒の騎士団の人員は増える一方だった。「リフレィンか、お前は使いたいと思うか?」シーツーがいつものようにベッドで寝そべりながら、ベッドの上に新聞を広げた。リフレィン、過去の楽しかった時を思い出させてくれる麻薬。日本人だった頃を忘れられないイレヴンが多く使ってしまう麻薬。輝くように短くて楽しかったあの夏の日。母親を殺され、あの男に存在を否定され、殺された戦争がはじまった日。侵攻が始まった日。「まさか、あんな過去に戻りたいと思わないさ」「ふうん、しかし、哀しい事やつらい事だけじゃなかったんだろうに」「まあな」そこへ、携帯の着信音が鳴り響く。「誰だ、こんな時間に・・・はい、ランペルージですが」『あ、ルル―シュ?よかった、帰ってきてるんだね』「スザク?どうした、こんな時間に」『近くの公衆電話からかけてるんだ、明日休みだよね。ねえ、今から君の部屋に行っていいかな?というか、泊まる準備はできてるんだけど』「ま、待て!今日は色々予定が・・・じゃなくて、何でお前は無計画なんだ、今日のところは帰って」『そうなの?もしかして、例の彼女?神秘的で自由な君の大好きの彼女?』?気のせいだろうか、スザクの声が苛立ったような。「いや、今日は誰も着ていないが」っていうか、大好きな彼女って誰だ?誰の事だよ。『・・・・今から行くね」「こら、スザク・・・<ガチャン、ツーツー>」「何で今怒ってたんだ?」ルル―シュは不思議そうに首を傾けた。「まあ、いいか。シーツー、というわけだ、隠れろ」「何で私が・・・・、明日はピザを倍頼むからな。ルル―シュ」「何だ」「スタンガンの使い方は知ってるな、あいつに何かされそうになったらためらいなく身体に当てろ」「はぁ?スザクがおれを襲うわけないだろ」「その信頼がどこまで続くかな」なんともいえない不気味な一言だけ残して、シーツーはどこかへ消えていった。「変な女だな」スザクが部屋に入るなり、ルル―シュの白い腕を掴んだ。「ナナリーから聞いたよ、君夜遅くまで夜遊びしてるんだってね。どんな遊びをしてるんだ」「スザク?何をそんなに怒ってるんだ。・・プライベートな事だ、お前には関係ない」スザクは無言のまま、力をこめていた手をルル―シュからはずした。「・・・いてて、お前という奴は力の加減を知らないのか?」「ルル―シュ」「しつこいぞ、ナナリーやお前に心配させているのはわかってるさ。詳しい事はいえないが、お前が思うような危険なものには関わってない」スザクが真正面からルル―シュを、ルル―シュだけを見つめる。「本当に?」「・・本当だ」「・・・・」「スザク?」やがて、スザクは笑顔を浮かべる。一瞬、痛みを我慢するような弱そうな表情を浮かべたがルル―シュは気付かなかった。「ゲームをしようか、朝まで。何をする?トランプ?人生ゲーム?あ、それとも僕と一緒に寝る?」「・・・気持ちの悪い冗談も言えるようになったんだな、そうだな、トランプをするか。お前、神経すいじゃくとポーカーが弱かったな」ルル―シュはにやり、と悪役風に笑った。挑戦的なアメジストの瞳がいじわるに光る。「でも、その前にシャワーを浴びてくる。実はまだ入っていなくてな」「うわっ、ちょっと、待って、ここで脱いじゃうの!?」スザクが慌てて上のシャツを脱ぎだしたルル―シュから勢い良く視線をそらした。「当たり前だろ、いつまでも汗臭い服を着られるか、ナナリーも寝ているし咲世子さんもいないし、ここからシャワールームはすぐそこだ。何を慌てている?スザク」「だ、だって」目が泳いでる、それに頬も赤い。どこか挙動不審だ。スザクが変なのはいつもの事だが、なぜこんなに固まっているんだろう。女じゃあるまいし。「安心しろ、カーテンは引いておく。男の裸なんかいつまでも見たくないだろうからな」「うん、僕君が出てくるまでお経を読んでるね」今度は顔が青いというか、苦笑している。「どこまで平静を保てるか、対処方法を考えるよ」「?じゃあ、シャワーを浴びてくるな」
2008.02.09
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「すみません、遅れてっ」生徒会の業務も中盤に差し掛かろうとしたその時、生徒会の新入りである柩木スザクが入ってきた。あのルル―シュが自ら友達と呼んだ名誉ブリタニア人の。「遅いぜ、スザク~、今日、書類の量が超多いんだから覚悟しておけよ」「ごめん、リヴァル。あの、ルル―シュは?教室にはいなかったみたいだけど」「シャーリーと学園の中を見回り中よ」「そうですか・・・」しゅん、と頭がたれる。まるで飼い主が他の犬に夢中なのを残念がっているように。その軍人と思えない愛らしさにミレイはくすくすと笑う。「あの2人、いつ仲直りするんでしょうね」一番隅で本を読んでいたカレンがふいに口を開いた。「だよな、俺もあの2人といると何かと気まずいんだよな。シャーリーもアレで結構強情だし」ミレイも今回のシャーリーには疑問を抱いている。ルル、という愛称で呼ばない事ももちろん、好意を抱いていた風でも生徒会メンバーであり、友達であるルル―シュをまるで初めて接する相手のようにぎこちない。「やっぱり、ルル―シュが強引に迫ったとか?」リヴァルは冗談混じりな笑顔に対して、ミレイはきわめて冷静な表情で一言言った。「それはないわね、ルル―シュ、ああ見えて奥手だから」「そうだよ、ルル―シュがそんなルールにそわない間違った事するはずないよ。他に原因があるんだよ」スザクがきっぱりとした口調でみんなの前で言い切った。「スザクって本当にルル―シュびいきだよな。わかってるか?あいつだってトイレに行くしおならとかするんだよ」「ルル―シュはしないよ!」「・・・その根拠は何なの?」「ルル―シュだから!!」何だ、それは。「・・だから心配なんですよね、あんなに綺麗だと余計な虫がいつつくんじゃないかって。ルル―シュも僕だけを見ればいいのに」「いや、ルル―シュにだって選択する権利あるでしょ?」「ルル―シュが浮気なんかしたら、僕どれだけあの世に送らなきゃいけないんだか・・・、どう思います?会長」おいおい、物騒な事言ってるよ、この人。本当にルル―シュにさえ関わなければ優しくていい奴なんだが。
2008.02.08
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「スザク皇子が妃を娶る為に国中から貴族や庶民の若い娘を今度催しされるパーティーを開くそうだ」ランペルージ家の珍客、自称魔女のシーツーが部屋でくつろいでる最中のこの家の長男ルル―シュに声をかけた。隣には次男のロロの姿もある。「それがどうしたんです?うちには兄さんと僕、ナナリーだけで他にいないでしょ」その時、バシャァァァァという音と一緒に華やかな花のような桃色の髪の少女が階段から落ちた。「・・・また、転んだんですか、ユーフェミア姉さま」黙ってさえいれば可憐系の美少年だというのにどこから拾ってきたんだろうか、この王様気質。いや、女王様か?育て方、間違えたかな。「すみません、今すぐ片付けますから」透き通った白桃のような肌、純度のアメジストをも思わせる瞳と流れるような柔らかな桃色の髪。紛れもなく正統派の美少女であるというのに着せられているのは古着のメイド服だ。「おい、ロロいいかげんユフィをいじめるのはよせ。ユフィもいちいち、父上やロロが言う事を気にしなくていいから。本来なら先妻の子供であるお前の方が立場上なんだから」「ルル―シュ・・・」ルル―シュはそっとメイド服のユーフェミアに手を差し伸べる。そこへ、ロロの鞭がはなたれる。「駄目ですよ、兄さん。お姉さまには自分がどういう立場なのかわからせないと」ユフィがびくりと震えて、ロロの絶対零度の微笑みを見つめる。「しかし・・・」「兄さんはユフィお姉さまには甘いんだから」「ルル―シュはああ見えて面食いだからな」「うるさいっ」一日中、こきつかれてユフィはとぼとぼとした歩きで井戸へと向かった。「・・・・いいのか、行きたかったんだろう、舞踏会。こんなドレスまで用意していたんだから」「シーツーさん・・・、はい、スザク王子とお話したかったです。初めて、パレードを見たときから彼の事が、でももういいんです」「ああ、私もよく覚えてるぞ。しかし、こんなにぼろぼろにされてはパーティーに参加できないな。私が用意してやろうか?なんなら、ドレスをこんなにした犯人を・・・」ユフィが力なく微笑を浮かべる。「いいんです、私は」「ユーフェミア」パンパカパーンという音と一緒に、ロマンチックなクラシック音楽が流れる。「嬉しいよ、やっぱり来てくれたんだね、ルル―シュっ」セレブ婚を望む乙女達から命の生還をした、少しくたびれた白い軍服に似た衣装を着たスザクが紺色のマントを翻して、嬉しそうな笑顔で駆け寄ってきた。ルル―シュは漆黒の貴族服と隣にカレンを連れて、営業用の笑顔から普段の表情に戻った。「・・・これはスザク王子殿下、今日も元気そうですね」「珍しいわね、あんたあれだけ結婚嫌がってたのに」「カレン!」しかし、カレンは気にしていないのか、いやみったらしい笑顔を浮かべている。「へえ、今日のダンスの相手はシュタットフェルト伯の令嬢なんだね。ねえ、それよりサロンで喋ろう、ルル―シュ」スザクも気にしていないようでニコニコとルルーシュの手を引いて、誘っている。「いや、お前の妃を決めるパーティーだろ、お前が抜けてどうする」「いいよいいよ、どうせ父さんが勝手に決めた事だから」「・・・・・まあ、いい。今日はお前に紹介したい子がいるんだ」「ルル―シュ、それ本気で言ってるの?知ってるよね、僕が妻にした・・・・」「はいはいっ、さあ、ユフィでて来い!!」
2008.02.07
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この笑顔は本当に本物か?「僕達が出会えたのも運命だよね、行政特区日本が完成すれば、僕達ずっと一緒にいられるよ」あの頃とは違う穏やかな優しい笑顔。目の前の友達の柩木スザクは確かにあのスザクだというのに小さな違和感が消えない。「そうか」「酷いな、ルル―シュは運命を信じないの」「生憎、俺は神とか運命だとか抽象的なものは信じない事にしてるんだ」父親を殺して、死にたがっていたお前を救うのはユーフェミアだろう。俺はもう差し伸べる手はナナリーしかない。「それにそう言う事はユフィに言ってやれ」「ルル―シュ?」「お前が大切にするべき人間は俺たちじゃないだろう、ユフィだ。相手を間違えるな」両手いっぱいにしてもまだ選べる未来が無数にあるお前達と違って、俺たち兄妹には数え切れるほどの未来しか残されていない。だから、そのためにお前達の夢を踏み潰す。「・・・・キスしていいかな」「駄目だ」「君は僕が好きだろう」「嫌いな奴とは友達にならない」「僕は好きだよ、君とずっと一緒に生きていきたいんだ、ルル―シュ」何て女々しい事を。間違いだと、最初から真っ白にしてお前がナナリーを選んでくれれば、俺はゼロでいられるのに。「手を離せ」冷たく切り捨ててしまえば簡単な事。
2008.02.06
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スザクとナナリーを近づかせるには、やはりスザクの意識を変える事だろうか、とシーツーに言ったら可哀想に、と呟いて抱き枕を抱いてシーツーは横になった。「?どういう意味だ」「・・・そうだな、なら明日にでもお前の手作りの菓子でも用意して、あの男とナナリーを2人にしてみたらどうだ」「!そうだな、シーツー、良く考えた。誉めてやろう」「気持ち悪い、頭をなでるな。どうせなら、ピザ4枚だ」「お前、昨日アレだけ食っておいて、どういう胃をしてるんだ」ルル―シュが半ばあきれたような眼差しでシーツーを見た。「トッピングと、ジュースも忘れるなよ」「食い意地張った女だな」「私はシーツーだからな」「この香り、リンツァートルテですね」「わかるのかい、ナナリー」台所にナナリーが入ってくるのをお手伝い中のスザクが見かけた。当たり前だが、もうその時には彼女の前にはとろけるような幼馴染の姿があった。ルル―シュのシスターコンプレックスも重症だな、と頭の隅に浮かべて。「はい、だってラズベリーの匂いがしましましたの、久しぶりですね、リンツァートルテを食べるのは」「そうだね、母が昔良く作ってくれたな、母さんは素朴なものが好きだったから」「ルル―シュ、後はオーブンで焼くだけなんだよね」「ああ、180度で20分~30分くらいでな」「それじゃあ、ナナリー、頑張るんだぞ」「はい、お兄様」廊下でなにやら甘い雰囲気でお互いの手を握り合う兄妹をスザクは苦笑いを浮かべながら見つめていた。「がんばって、スザクさんに気持ちを伝えてきます。だから、お兄様」「うん?」リンツァートルテを切り分けた後、「少し出かけてくるから、ナナリーの相手をしてくれ」とルルーシュが営業用の笑顔を浮かべて「ルル―シュ?」と首を傾けるスザクを尻目に出て行った。「・・・なんか、変だな。ナナリー、君は何か知ってるかい?」「い、いえ・・・」ナナリーがぽっ、と頬を染める。「あの、スザクさん、ご質問があるんですがいいですか?」「何、ナナリー?」「同い年のクラスメイトと年下の女の子だったらどっちが好みですか?」その台詞でスザクは自分がルル―シュの作戦に乗せられている事に気付いた。信頼されてるのも嬉しいが、少し寂しい。何で正面から言ってくれなかったんだろう。でも、ナナリーがそういうことを言うと言う事はそう言う事なんだろうか。「特にこだわりがないけどそうだな、ナナリーみたいな女の子は好きだよ」「そうですか、よかった・・・スザクさん、私のお嫁さんになってくれませんか」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・告白?プロポーズ?それにしても、なぜお婿さんじゃないんだろう。そう聞いたら、ナナリーが天使のように微笑んだ。「だって、私がお嫁さんになるのはお兄様ですもの。あ、そうなったら、スザクさんってお兄様のお兄様になるのかしら?」「う~ん、それはどうだろう・・・」「ナナリーって結構積極的に育ったよね」「そうか?」「ルル―シュ、僕とナナリーをくっつかせようとしたでしょ?」「え、それは・・・」「いいよ、慌てなくて、わかってるんだから。でも、多分無理だと思うな」「なぜだ!?ナナリーに女性の魅力がないというのか?」「ほら、僕とナナリーって恋のライバルだから」「は?・・・・・スザク、お前そういう趣味が。駄目だぞ、いくらお前が軍人だからって」「うんうん、君はそのまま純粋でいてね」
2008.02.05
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―貴方は・・・私の。―リク。小夜姉ちゃん?長い長い、それでいて短い夢を見ていた気がする。最後に見た夢は自分が吸血鬼になる夢だった。「・・・・・・・・・・起きた?リク君」冷たい朝の空気と薬のような匂い。見慣れたジュリアの笑顔。体は動かないし、何かで拘束されている?「リク、起きたのか?」「カイ兄ちゃん・・・・、あれ、学校は?」「いいんだ、今日は・・・・、お前はゆっくりと寝てろ」リクはその瞬間、ハッと表情を引き締めて、起き上がる。「そうだ、小夜姉ちゃんは!?確か、僕・・・ディーヴァに襲われて・・・」「もう大丈夫、全て終わったんだ、翼手との戦いは・・・、ディーヴァは死んだよ」普段泣かない強気な兄が泣いて、自分を抱きしめている。「死んだ?」よくわからないという風にリクは首を傾けた。「そう・・なんだ」「それにリク君、ディーヴァ以上に驚く事があるから。今は落ち着いて身体を休ませた方がいいわよ」「は?」退院して見せられたのは小夜に似た双子の赤ん坊。ガラス越しの容器の中で静かに息をしている。肌の色もピンク色だ。「・・・小夜姉ちゃんの子供?じゃあ、相手はハジ?それとも・・」「いや、俺じゃねえよ」リクは不思議そうに首を傾ける。「リク君、触ってみる?」「え、あ、はい。デヴィッドさん、ジュリアさんと結婚したんですよね、おめでとうございます」「・・・ああ」相変わらず難しい表情をしてるが、空気が柔らかい。リクが笑いながら、病室に入ると赤い目をした赤ん坊がいきなり目を開けて、泣き始めた。「おぎゃあああ~」「うわっ、何!?」あまりの声の大きさにリクは少し身体をビクつかせる。すると、続けざまに青い目をした赤ん坊は小さいながらもひっくひっくと泣きながら母親を求めるように手を宙に動かす。看護士の女性が赤ん坊の一人を抱き上げて、リクの元に持ってきてその赤い目の赤ん坊を優しく渡した。「・・・・ぅ?」リクはその赤ん坊を優しく抱き上げた。「やっぱり、小夜姉ちゃんに似てるな・・・、可愛い」赤い目がリクの姿を捉えた途端、ぴたっと泣き止んだ。そして、きゃっきゃっと嬉しそうに笑い出して、頬をリクに摺り寄せた。漆黒の夜の中、リクはあのフランスの動物園へと向かう。「リク、遅かったな」「カイ兄ちゃんも・・・、あ、ほら、早く行こう」リクの両サイドには蒼とピンクのサマードレスを着た双子の女の子がいて、リクの手を握っていた。
2008.02.04
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襟元をくいくいっとしながら、スザクがルル―シュに視線を向けて出て行く。幼いころ、よくやった秘密基地に以降という二人の間の合図だ。仕方ない、と思いながらリヴァルをおいてルルーシュはスザクの後についていく。「どう言う事?」「何の話だ」話し掛けられる前から大体想像できていた、スザクがカレンに向ける視線、アレは殺意だ。スザクからしたらテロリストと帝国の皇子を近づけたくないのかもしれない。幼馴染の友人として?ブリタニアに忠誠を誓ったブリタニア軍人として?「とぼけないでよ」少し前なら、その事で嬉しくなったり、傷ついたかもしれない。けれど、今となってはどこまでも遠い。柩木スザクは遠い存在になってしまった。今はもう最悪の敵でしかない。俺たちに差し伸べられる手などなかった、期待したのが間違いだったのだ。「とぼけるも何も何のことかわからないんだが」僅かに動揺したような表情を浮かべた後、ゆっくり息をついてスザクはルルーシュの肩にゆっくりと手を置いた。「冗談だよね、君がカレンなんかと付き合ってるなんて」ああ、それかと何でもない口調で言うとルルーシュと叫んだ。「なんかとは失礼だな、一応俺の彼女だぞ」笑顔を浮かべると、なぜかスザクが傷ついたような信じられないような表情を浮かべた。「だって・・・」「彼女も俺もお互いのことを思いやってるんだ、付き合うのが当然だろう」偽りでも彼女は良いと言っていた。「カレンは君にふさわしくない・・、だって彼女は」「―ブリタニアに逆らうテロリストだからか?」「ルル―シュ、どこでそれを・・・」「カレンに教えてもらった、彼女黒の騎士団とかかわりがあるんだって?」スザクは口をパクパクさせると、冷静さを少し取り戻したのか真剣な眼差しでルルーシュを見つめた。「わかってるなら、何で付き合おうと思うの?君はナナリーが危険な目に合っていいのか」「彼女なら大丈夫だ、カレンはナナリーを傷つけたりしない」それに、とルルーシュが一瞬沈黙した後、スザクに向かってこういった。「少なくともユフィよりは俺は彼女を信じたい」
2008.02.03
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スザクはユーフェミアの騎士になった。騎士叙任式から数日、ニコニコと笑いながら生徒会室から出てくるスザクの姿をミレイは偶然見つけた。「どうしたの?スザク君」「いや、ルル―シュが騎士就任おめでとうって言ってくれたんです、このところ、喋る機会というか、会う機会もなかったんですけど、まさかルル―シュが祝ってくれるなんて」それにキャンディーを二個貰ったんですよ、メッセージ入りの、とスザクがミレイにキャンディーの一つを手渡した。「へえ、どれどれ」『ブリタニアの犬が、生きて笑っていられると思うなよ』2枚目のキャンディーには、『死んで償うなんて甘いんだよ、この日本人が。地獄に落ちろ』「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」あ、やっぱり怒ってたんだ。それも最高値のレベルで。「ここまで僕を思ってくれるなんて、幸せだなって思います。ルル―シュ(とナナリー)の為にも、早く平和な世界を作らなきゃなって、ミレイさん、僕頑張ろうと思います」「本当に貴方たち、仲いいのね」「もちろん、僕達親友ですから」スザクは満面の笑みでそういいきった。
2008.02.02
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漆黒の髪、お母様とアメジストの瞳、綺麗な僕の・・・。僕の兄さん、ルル―シュ。「だ~れだ」「・・・ロロ、悪ふざけは止めろ、新聞が読めないだろ」「ごめん、でも一日ぶりでしょう。昨日はリヴァルさんの家?駄目じゃないか、賭けチェスなんて」ルル―シュは深くため息をついた。「本当にお前はまじめだな、ロロ。少しは柔らかくなったらどうだ」「兄さんこそ、頭がいいんだからもう少しまじめに授業を受ければいいのに」かちゃり、と食べ終えた食器を咲世子さんが手馴れた様子で片付ける。「あ、僕手伝いします」「ロロ様、しかし・・・」「いいですから、咲世子さんは次の仕事に行って下さい」にぱ~と無邪気な笑顔をロロは浮かべる。「それではルルーシュ様、ロロ様、失礼します」「ああ」「行ってらっしゃい」咲世子さんが部屋を出て行くと同時にロロは窓辺に向かって走っていき、勢い良くカーテンを広げた。「!こら、ロロ、まぶしいだろう」「すみません、兄さん。・・・・ねえ、兄さん、柩木スザクという名誉ブリタニア人の事知ってます?今度入る皇帝直属のあの騎士団の一人です」ロロのアメジストの瞳が鈍く光る。光の反射のせいでルルーシュは弟の顔が良く見えなかった。鈍く、また残酷で美しい、見るものをぞっとさせるような笑顔を浮かべている事を。「・・・?ああ、今朝のニュースでそういえば、そんな名前の奴がいたような。そいつがどうかしたのか?」「―僕はね兄さん、一度だってマリアンヌお母様の事もあの男がわ・・僕達に何をしたかということを忘れた日はない。お兄様もそうでしょう」「お兄様?どうしたんだ、いきなり・・まるで女の子みたいな言い方だな」ロロがルル―シュの細い首に手をまわす。「だからあの男に仕えるあの男も、柩木スザクも僕と兄さんの敵です。世界に彼が必要とされている事が間違いです、あんな男世界から弾き飛ばされてしまえばいい。柩木に幸せな未来なんか与えてやるものか」「どうしたんだ、ロロ?何かあったのか。今日のお前、なんか変だぞ」「大丈夫です、兄さんは僕が守ります、今度こそ」「ロロ?」
2008.02.01
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