日本語で話そう

October 6, 2011
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カテゴリ: ホスピスへの道



日に何回となく回診に来られるホスピスの先生方はほとんどの場合、丸いパイプ椅子を持って病室に入って来られるのだ。
付き添いの看護師さんも同様だ。
皆で椅子を引っ張って歩かれる光景はちょっと面白い。

立ったまま患者を見下ろして診断するでもなく、ベットに寝ている患者の目線に一番近い高さで、付き添う家族の目線と同じ高さで、まるで悩み相談でも受けるセラピストのようにゆったりと座って症状やつらさの悩みを聞いて行かれる。

そして診断が終わると、椅子を畳みまたその椅子を持って次の病室に移動するのである。

忙しい先生なのにホスピス病棟に流れる時間のようにゆったりと移動される。
いや、そのゆったりの時間をそうやってホスピス病棟の中に作り出しているのかもしれない。



P1040589.jpg


↑先々週ロンドンから母に届いたスコットランドのお土産。




同じ状況のお隣の奥さんと一緒に、タクシーを飛ばして家に帰りお風呂に入り、洗濯をし、会社に行く前夫が干してくれた洗濯を取り込み、朝夫が明けてくれた雨戸を閉め、ゴミ当番の掃除をして。一時間でまた二人でホスピスに取って返す日々を繰り返した。


今日、自宅のソファに座って所在無げにあたりを見回し、あの忙しさを遠い昔のように思い浮かべる。
あの生活をまだ続けている彼女に身体を気遣うメールを打って、「ふっ」とまた溜息。






心にちょっぴり開いた穴埋めに少し時間がかかりそうです。
たぶんほんの少しの時間。

たっぷり出来てしまった自由になる時間で海でも眺めに行こうかな。
それとも秋の海は寂しいから

やめて

買い物に行こうかな。
映画でも見てがははと笑おうかな。
電車に乗って知らない街で降りて、果てしなく一日歩くのもいいかな。








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Last updated  October 6, 2011 09:48:02 AM コメント(17) | コメントを書く
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