日本語で話そう

September 29, 2014
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カテゴリ: 中山道六十九次



今回は中央線木曽路の野尻から出発である。東海道新幹線を使って名古屋廻りで行くか迷う所であるが、ちょうど山の家に滞在していたので朝4時半に起きて中央高速を走って南木曽駅に車を置いて電車で2区間戻る方法を選んだ。

辺りの風景はすっかり秋の様相を見せて、真っ青な空にピンクのコスモス、田んぼは黄金色に輝いていた。
巨岩が重なり前回訪れた寝覚ノ床のような景勝を見せる木曽川の清流に添ったり、山間の里を曲がりくねった道に入ったり、木曽ヒノキの薄暗い森の中を通り抜けたり、そのあたりの中山道はいろいろ変化に富んでいる。

島崎藤村が書いているように木曽路は山の中なのである。
中央線の線路も19号線の道路も中山道も木曽川も本当に狭い谷合を互いに編むようにして下って行く。

里を通ると田の畔に、神社の境内に、曼珠沙華が群れて咲いていて、東海道の旅や中山道の旅で季節が巡って来る度に思い出す釈超空の句。

山際にたわわに実った栗の木からこぼれ落ちたいがぐりの中にはまだ大きな栗が入っていた。

中山道を歩き始めてからずっと、中津川に近づいたら名物の栗の茶巾絞りを食べようと狙っていたが、季節はドンぴしゃ栗の季節にここを通過することになった。南木曽の先の妻籠宿に着くのが待ちどおしく、ついつい歩みも速くなった。



車の置いてある南木曽駅で妻籠まで空腹を我慢できない夫のためにお昼を食べた。
その日の最終目的地、妻籠までは4キロぐらいしかない。妻籠でたっぷり遊べる。

  • 中山道.jpg


竹藪を抜け、田んぼをくるりと回ると、妻籠宿。
途端に、がやがやと騒がしく中仙道を歩いていた時は何人かの外国人と日本人にしか会わない田舎道だったが、宿場の中は観光客でごった返していた。

入り口の鯉岩、水車小屋、高札場を抜けると土産物を売る店や、茶店を覗く人達で狭い道路は溢れていた。

妻籠宿、馬籠宿は中山道の中でも一番のハイライトである。
住人達は互いに、「家を貸さない」「家を売らない」「家を壊さない」という約束を守っているので、江戸時代の宿場そのものの雰囲気が味わえる。



  • 妻籠.jpg


しかし、最初は大きい宿場だと思ったそこも3回目ともなるとどこに何が有るか分かってしまってちょっと興味が薄れた。エミリーのたっての願いで来たし、プイさんとも来たなあ。

そんなことを考えながら、中津川の名物茶巾絞りを売っている茶店に入って栗を食べ抹茶を飲んだ。
もちろん、その日の最終目的地であるから、道中の荷の重さを考えなくてもよい。茶巾絞りと栗蒸し羊羹も買い込んでタクシーで駅まで引き返したのである。

1時間かかった南木曽妻籠間の道のりはタクシーで15分であった。




そして、木曽路のところどころで歩きながら眺めていた御嶽山が噴火したというニュースを聞く。
木曽の人々は、信仰の山、御嶽を「御嶽さん」と崇め、谷の反対側の木曽駒が岳を「木曽殿」と親しみを込めて敬う。



御嶽山の噴火で亡くなった方々のご冥福をお祈りします。









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Last updated  September 29, 2014 11:34:30 AM コメント(5) | コメントを書く
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