日本語で話そう

September 23, 2021
XML
カテゴリ: 日本語で話そう
先日狭い道路に車で入ってしまってバックするのに四苦八苦した話を面白おかしく報告したのに、そんな話は月の向こうに霞んでしまった。


シャンディ、昨日家族で東京に行った。4歳の息子と彼女の夫、2歳のバギーに乗った娘。
さてりんかい線電車に乗ろうと夫と2歳の子と自分が乗り込んで息子が乗っただろうと後ろを振り向いたら閉まったドアの向こうに息子がいたんだとさ。
アメリカ人なぜ日本の電車が時間通りに来るか知らない。ラッシュだろうと積み残しがあろうと時間通りに着いて、時間通りにドアが閉まって動くのだ。
さて車内は動揺して泣く彼女と慌てる夫と心配する日本人。りんかい線だから、電車は海の上を走る。次の駅は海を渡った向こう。遠い。
駅に着いて引き返すと、息子は泣きながらしっかり警察官に手を繋がれていたそうだ。警察官じゃないと思うけど。誰かが駅員に通報してくれたようだ。
人生最大の衝撃にショックを受けた息子を慰めるため、好きなソフトクリームを買ってあげたら、選んだのが抹茶ソフト。

だんだん話の先が読めてきた。

あるアンティーク市場で。
息子がトイレに行きたくなった。父親がなかなかないトイレを探しに遠くまで連れて行ってる間。アンティーク市場で目に入った石の地蔵菩薩。「日本には何千と寺が有るけど、後継者不足で廃寺になったところから出された地蔵菩薩だよ」と言われたんだとか。
その古物商英語もなかなか上手だったんだろうね。zoom画面から写真を見せられる。道祖神のような作りで石にお坊さんの絵が彫ってある。
古物商が言うには「地蔵菩薩は子供を守る仏だ」。
おお、おお、なんと見透かされていること。
地蔵菩薩はまあ、民衆を守る身近な仏様に違いないけれど、電車事件の後で、今最も弱いところを突かれた彼女。
買うだろうな。

買ったんだそうだ。庭に置いて子供を見守るようにと。
トイレからしっかり子供の手を引いて帰ってきた夫に、「この地蔵持って帰ってね」
その日はもちろん車じゃない。これ持って帰るの?と目を丸くした彼女の夫の顔が想像できる。
しっかり重い石の地蔵をリュックに入れ背負い、緑の抹茶ソフトを垂らしたシャツを着た息子の手をしっかり握って、電車に乗って遥々家に帰って来た時は、彼女の夫、最後の丘を登るのがやっとだったとか。


「あなたと一緒に旅はしたくないよ」と言っておいた。何買うかわからないもの。

あ、オチはまだ続く。昨日は息子の4歳の誕生日。最悪の誕生日のやり直しを今日やるんだそうだ。

ついでに私も付け足しておいた。今度からは子供を守る神社のお守りでも買った方がいいよ。旦那さんも軽くて良いねと喜ぶよ。きっと。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  September 23, 2021 11:23:00 PM
コメント(6) | コメントを書く
[日本語で話そう] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: