仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2025.04.12
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カテゴリ: 宮城




経緯は次の通りだ(河北新報などから)。
・2024年5月 町と企業が立地協定
・ 6月 町議会が用地取得など予算案を否決
・ 7月 町議会が関連予算案を否決
・ 9月 町議会が住民投票実施条例案を否決
・ 12月 町民有志(SSP賛成)が議会解散請求に向けた署名活動を開始
・2025年1月 住民有志が解散請求に向けて署名簿を提出
・ 2月 町議5人が一部署名が無効として異議

 (署名簿2510人。町選管が有効と判断は2135人。法定必要数は2127人。)
・ 3月18日 町議3人が、署名の一部が無効として町を仙台地裁に提訴
・ 3月27日3 町議3人が、判決が出るまでの執行停止を仙台地裁に申し立て
・ 3月31日 住民投票を告示(20日投開票)
・ 4月8日 仙台地裁が執行停止を求める申し立てを認める決定
 (死亡者や代筆要件不充足が11人あり、必要数を下回る蓋然性が高い。解散請求可決で町議失職の恐れが生じる。)
・ 4月9日 町が住民投票を中止(期日前投票所を閉鎖)
・ 4月10日 町長が即時抗告見送りを正式表明

今回の住民投票の背景にはSSP構想への意見の対立があるが、住民投票の可否そのものは、あくまで法定の要件を満たすかだけで決まる制度上の客観的な問題だ。制度上の客観的な問題と書いたが、しかし、選管の中立性を疑うような報道もされている。

記事によると、地裁決定への対応について、9日午前、町長は町選管の判断に従うと説明したが、選管の判断を経ずに町が即時抗告を決められることが判明して選管の会合は開催が見送られるという混乱も露呈した。そして、最も焦点となる解散請求に向けた署名簿の有効性の判断について、町選管が町長の影響力を受けて慎重さを欠いたと示唆されているのである。

私見を述べれば、町議会での数度にわたる否決や、リコールの動きなどは、自治制度の枠内で行われてきた論議を交わすプロセスであって、その観点からは何ら違法でも不健全でもない。ただし、賛成にせよ反対にせよ自分の立場を押し通すためにルールをゆがめることが、万が一あるとすればそれは当然違法であり、自治の健全性への重大な脅威である。



地域の自治を考える一つの教材だと、思う。

■この記事の後の関連記事   大郷町問題(続)-直接請求と争訟について (2025年04月16日)





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最終更新日  2025.04.16 08:33:00
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