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我が家の小庭は常緑樹が多いので寒中でも緑の葉が茂っている。その中に、これまでも写真を掲載してきたが土佐文旦の木はたった一本ながら葉が密集して鬱蒼としている。黄色い実が、ちょっと数えただけで7,80個生っている。直径5cmくらいから10cmほどまで大きさは様々。 その実を鳥がついばんでいる。秋には柿を食べに来ていたが、柿の木だけはすっかり枯れたので、もう小庭で鳥たちが食べられるものといえば土佐文旦だけである。私が近づくと飛び去ってしまうので鳥の種類を確認できないのだが、ツグミ、ヤマガラ、ホオジロ、ヤマバト・・・いずれかだろう。 自分の体より大きな実を地面に落とし、じつに器用に厚い皮を剥き、夏蜜柑のような房をきれいに食べ尽くす。皮ごと食べてくれると私としては後片付けが楽なのだが、美味しいところだけ食べるのは人間だって同じだ。中身だけをきれいに食べていることに、こちとらはただただ感心している。実のところ、ものみな枯れたこの寒い冬に、鳥たちは何処で何を食べているだろうと、鳥たちが来ない日はちょっと心配する。ハハハ、余計なお世話ですかな?
Jan 30, 2026
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千年の老木あおぐ冬野かな 青穹(山田維史) 夢を見た。母がクケ台(クケは糸へんに行)で裁縫をしている。ふと手を止めて、「白馬岳に登ろうかしら」と言った。私が「やめなさい、登れはしないよ」と言うと、「このまえ登ったわよ」。「それはもう十年以上前のことでしょう」「十年も経ったかしら」「白馬どころか墓場に行くことになる」「ははは、白馬じゃなくて墓場ネ」 ・・・この夢に、事実はまったく反映していない。母がまだ若かった頃、私が小学校に入ったか入らない頃、たしかに和裁をしていたしクケ台もあった。クケ台とは着物などを縫うときに布がたるまないように一端をクリップで抑えるL字型の道具。・・・「白馬」に「墓場」を掛けた語呂合わせから引っ張り出した夢だたのかもしれない。 そしてまた夢を見た。何か日常的な事件がすでに起こった後である。見知らぬ人が私に説明した。その言葉は明瞭ではっきり聞こえたが、途中で不明瞭になった。しかし私はその人の言っていることが何のさしさわりもなく理解できた。・・・夢が切り替わった。もしかしたら半睡半醒の状態だったのかもしれない。私はなぜ夢の中の言葉は明瞭なときと不明瞭なときがあるのだろう。しかも不明瞭な言葉をなぜ理解できるのだろうと考えていた。そして、あゝ、と思いついた。言語としてではなく言語を形成するはずの「観念」がパルス(pulse) で発信されているのだ! 言語や文字を形成している観念が、一瞬の火花を散らすように発信する。それはもしかすると「言外の意味」を悟ることと同じ現象かもしれない。・・・目が覚めた。 老木や千年の冬越してきて 青穹
Jan 29, 2026
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過日アメリカのミネアポリスで移民関税捜査局員 (ICE) によってレニー・グッドさんが射殺された。24日、その抗議活動に参加していたミネアポリス退役軍人医療システムに勤務していた集中治療室看護師のアレックス・プレッティ氏が連邦捜査官によって射殺された。 この事件を踏まえてオバマ前大統領夫妻が声明を出した。また、トランプ大統領報道官も広報を出した。トランプ大統領と共和党を支持するフォックス・ニュースの政治担当協力記者で特に移民危機に関する執拗な取材で知られるビル・メルギン氏もコメントを出している。さらに全米バスケットボール選手会が声明を出した。 私は以下にそれらの日本語の翻訳を掲載してみようと思う。オバマ前大統領夫妻の声明は原文も掲載させてもらうことにする。【オバマ前大統領夫妻の声明】STATEMENT BY PRESIDENT OBAMA AND MRS. OBAMAThe killing of Alex Pretti is a heartbreaking tragedy. It should also be a wake-up call to every American, regardness of party, that many of our core values as a nation are increasingly under assault.Federal law enforcement and immigration agents have a tough job. But Americans expect them to carry out their duties in a lawful, accountable way, and to work with, rather than against, state local officials to ensure public safety.That's not what we're seeing in Minnesota. In fact we're seeing the opposite.For week now, people across the country have been rightly outraged by the spectacle of masked ICE recruits and other federal agents acting with impunity and endanger the residents of a major American city. These unprecedented tacticsーwhich even the former too lawyer of the Department of Homeland Security in the first Trump administration has characterized as embarrassing, lawless and cruelーhave now resulted in the fatal shootings of two U.S citizens. And yet rather than trying to impose some sembance of doscipline and accountability over the agents they've deployed., the President and current administration officials seem eager to escalate the situation, while offering public explanations for the shootings of Mr. Pretti and Renee Good that aren't informed by any serious investigationー and that appear to be directly contradicted by video evidence.This has to stop. I would hope that after this most recent tragedy, administration officials will reconsider their approach, and start finding ways to work constructively with Governor Walz and Mayor Frey as well as state and local police to avert more chaos and achieve legitimate law enforcement goals. In the meantime, every American should support and draw inspiration from the wave of peaceful protests in Minneapolis and other parts of the country. They are a timely reminder that ultimately it's up to each of us as citizens to speak out gainst injustice, protest oue basic freedoms, and hold our government accountable. オバマ大統領夫妻による声明アレックス・プレッティ氏の殺害は、胸が張り裂けるような悲劇です。また、政党に関わらず、すべてのアメリカ国民にとって、国家としての中核的価値観の多くがますます脅かされているという警鐘となるべきです。連邦法執行機関と移民局職員の仕事は過酷です。しかし、アメリカ国民は彼らが合法かつ責任ある方法で職務を遂行し、州や地方当局と対立するのではなく、協力して公共の安全を確保することを期待しています。しかし、ミネソタ州ではそのような状況ではありません。むしろ、その逆の事態が起きています。ここ1週間、全国の人々は、覆面をした移民税関捜査局(ICE)の職員やその他の連邦職員が何の罰も受けずに行動し、アメリカの大都市の住民を危険にさらしている光景に、当然ながら憤慨しています。この前例のない戦術――トランプ政権下で国土安全保障省の元弁護士でさえ、恥ずべき、無法で、残酷だと評した――が、今や2人の米国市民の射殺事件という結果に至りました。にもかかわらず、大統領と現政権当局者は、派遣した職員に規律と説明責任を課そうとするどころか、事態をエスカレートさせようと躍起になっているようです。プレティ氏とレニー・グッド氏の射殺事件については、真剣な捜査に基づくものではなく、ビデオ映像の証拠と真っ向から矛盾する説明を公に提示しています。このような事態は止めなければなりません。この直近の悲劇を受けて、政権当局者がこれまでのやり方を見直し、ウォルツ知事、フレイ市長、そして州警察と地元警察と建設的に協力し、さらなる混乱を回避し、正当な法執行目標を達成する方法を模索し始めることを願います。その間、すべてのアメリカ国民は、ミネアポリスをはじめとする国内各地で広がる平和的な抗議活動の波を支持し、そこからインスピレーションを得るべきです。これらの抗議活動は、最終的には私たち市民一人ひとりが不正に対して声を上げ、基本的自由を訴え、政府に責任を負わせる責任を負っていることを、時宜を得た形で思い出させてくれます。【政府報道官のコメント】ドナルド・トランプ大統領は、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者から日曜日の短い電話インタビューで、アレックス・プレッティ氏を射殺した国境警備隊員の行動は「正しい」ものだったかと問われた際、2度にわたり回答を拒否した。大統領は、政権としてこれ以上のコメントを出す前に、この銃撃事件について調査中だと述べた。「我々は全てを調査し、精査しており、結論を出すつもりだ」とトランプ大統領はジャーナル紙に語った。この報告書が発表されたのは、トランプ大統領がミネソタ州のティム・ウォルツ知事をはじめとする民主党指導者に対し、連邦移民局と協力し、「我が国に滞在する全ての不法移民犯罪者の迅速な国外追放」に取り組むよう呼びかけた直後のことだ。トランプ大統領は民主党指導者が従うべき4点の計画を示し、移民税関捜査局(ICE)や国境警備隊と協力し、「左翼の扇動者による移民捜査の違法な妨害」を助長しないことが重要だと述べた。【フォックス・ニュースの協力記者ビル・メルギン氏のコメント】新着情報:昨日のミネソタ州での銃撃事件以来、私は移民執行に関わる6人以上の連邦関係者(上級幹部を含む)と話をしてきました。彼らは皆、銃撃事件後に国土安全保障省(DHS)が主張する一部の主張や言説に、ますます不安と苛立ちを募らせていると語っています。具体的には、DHS職員がテレビに出演し、アレックス・プレッティが連邦職員の「大量虐殺」を企てていた、あるいは「最大限の損害」を与えようとしていたと主張する声明を発表したことに、強い不満を抱いていると聞きました。しかし、多くの動画がそれらの主張が不正確であることを示すにもかかわらず、そうした発言は出回っています。銃を携えて連邦法執行機関の活動に自ら参加するという、とんでもない決断だったと彼らは主張していますが、プレッティがホルスターに収めた銃を抜いたことは一度もなかったように、彼が法執行官を殺害するためにそこにいたという証拠はありません。これらの情報筋によると、国土安全保障省(DHS)職員からのこのメッセージは、広報活動と士気の観点から壊滅的なものであり、信頼と信用を失わせているという。民主党が国境封鎖を偽って主張した時や、ハイチ人が国境で鞭打たれていると嘘をついた時と比べても、その影響は大きい。情報筋の中には、今回の銃撃事件に対するDHSの対応を「危機広報のあり方に関するケーススタディ」と評する者もいる。ある者は「うんざり」して引退したいと思うほどだと述べた。また別の者は「DHSが状況を悪化させている」と述べ、さらに別の者は「DHSは間違っている」「我々はこの戦争に負けている。支持基盤と報道の自由を失っている」と付け加えた。これらの情報筋は皆、今回の事件は最終的に「ひどい銃撃」、つまり数秒のうちに起きた「最悪な」状況になるだろうと考えている。おそらく捜査官は「銃声」を聞き、驚いた捜査官が発砲したのだろう。捜査官はスローモーション映像を何枚も撮る余裕はなく、瞬時に判断を下さなければならなかった。情報筋は全員、大量送還計画を支持しているものの、その実施方法とそれに伴う操作に深刻な懸念を抱いている。多くの情報筋は、全く別の機関である国境警備隊の行動について、ICEが常に非難されていることに不満を表明している。私は、DHSの言動が信頼性を損なっているという懸念から、DHSにコメントを求めました。【全米バスケットボール選手会の声明】不正との戦いの最前線に立ってきたミネアポリスで、またしても銃撃事件が起きたというニュースを受け、NBA選手たちはもはや沈黙を守ることはできません。今こそ、これまで以上に言論の自由の権利を守り、正義を求めて抗議活動を行い、命を危険にさらしているミネソタの人々と共に立ち上がらなければなりません。NBA選手の友愛は、アメリカ国民そのものと同様に、グローバル市民によって育まれたコミュニティです。私たちは、分断の炎によって、私たち全員を守るべき市民の自由が脅かされることを決して許しません。NBPAとその会員は、アレックス・プレッティ氏のご家族と、コミュニティのメンバー全員の安全と幸福に、心からお悔やみ申し上げます。【以上の記事のソース】 YouTube Jack Cocchiarella氏のチャンネル
Jan 26, 2026
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紅の冴え悲しくもあり寒椿 青穹(山田維史) 弓張の月の下ゆく灯油売り
Jan 25, 2026
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トランプ大統領は自分をたたえ賛同しない人物をまるでそれが大統領としての仕事であるかのように絶え間なく攻撃したり職を解任したりしている。深夜にSNSに攻撃の投稿を何時間もやっているという報道がある。その攻撃の標的にされた人のリストが、私の手元に記録されているだけで17人になる。テイラー・スゥィフトさんもその一人だ。 現在もっとも注目されているのが特別検察官ジャック・スミス氏へのトランプ大統領の攻撃である。スミス氏は過去2回の大統領選挙におけるトランプ氏の違法行為、そして大統領退任後に国家機密を含む文書を違法に保管したこと、その隠匿のために司法妨害を繰り返したことなどについて告発した。トランプ大統領はジャック・スミス特別検察官に対して報復に出たのである。 さて、そのスミス氏の公聴会での弁明の様子を記録した映像がブレイキング・ニュースとして報じられていた。その弁明の終始をここに日本語に翻訳してみようと思う。理路整然とした大変わかりやすい英語である。英語の方も掲載したいが、それはやめておいた方がよさそうだ。【ジャック・スミス特別検察官の公聴会における弁明】 ジョーダン委員長、ラスキン筆頭委員、委員会の皆様、特別検察官としての私の仕事についてお話しする機会をいただき、ありがとうございます。 私は祖国を愛し、祖国の礎となった中核原則を深く信じています。30年近くにわたり、共和党政権と民主党政権の両方でキャリア検事として勤務し、家庭内暴力やギャング暴力から公的汚職、全米各地の選挙犯罪まで、幅広い事件を手掛けてきました。また、海外でも戦争犯罪を起訴してきました。私は政治家ではなく、特定の党派の支持者もいません。私のキャリアは、法の支配を堅持することで祖国に奉仕することに捧げられてきました。 公職に就いて以来、私のアプローチは常に変わりません。恐れや偏見なく、事実と法律に従うことです。経験豊富な検察官は、個々の事件の結果が私たちのコントロールを超えていることを知っています。私たちの責任とは、正しいことを、正しい理由で、正しい方法で行うことです。これらの原則は、特別検察官としてのキャリアを含め、私のキャリアを通して私を導いてきました。私のチームの仕事ぶりを誇りに思い、本日、私たちの仕事に関する虚偽や誤解を招くような報道を正すためにここに出席する機会を得られたことを感謝いたします。 特別検察官としての私の在任中、私たちは司法省の方針に従い、法的要件を遵守し、事実と法律に基づいて行動しました。私は、トランプ大統領の政治的所属、活動、信念、あるいは2024年の大統領選挙への立候補の有無に関わらず、決定を下しました。トランプ大統領が起訴されたのは、彼が自らが守ると宣誓したまさにその法律を故意に破ったことが証拠によって立証されたためです。2つの異なる地区の大陪審は、提出した起訴状で被告人として挙げられた彼の行動に基づき、この結論に達しました。 トランプ大統領は2020年の選挙での敗北を受け入れるどころか、選挙結果を覆し、合法的な権力移譲を阻止するための犯罪計画を実行しました。2021年1月に退任した後、トランプ大統領はマー・ア・ラゴ・ソーシャル・クラブに機密文書を違法に保管し、それらの文書の保持を隠蔽するために繰り返し司法妨害を試みました。極めて機密性の高い国家安全保障情報が、宴会場とバスルームで保管されていました。 本日、委員会で証言するにあたり、私は明確にしておきたいのは、トランプ大統領を訴追するという決定を含め、特別検察官としての私の決定を堅持するということです。我々の捜査により、トランプ大統領が犯罪行為に関与したことについて、合理的な疑いの余地のない証拠が得られたのです。もし今日、同じ事実に基づいて元大統領を訴追すべきかどうか尋ねられたら、その大統領が民主党員であろうと共和党員であろうと、私はそうするでしょう。誰も、この国では誰も法の上に立つべきではありません。そして、法律により、彼は責任を問われるべきなのです。だから私はそうしたのです。これらの事件の事実に基づいてそうしなかったなら、検察官として、そして公務員として、私の義務を破滅させるようなものだったでしょう。私は、私のチームの評議会、判断、そして助言に感謝しています。 トランプ大統領は、これらの事件に取り組んだという理由だけで、キャリア検察官、FBI捜査官、そしてサポートスタッフに復讐しようとしているのです。これらの人々を中傷し、報復を求めるのは誤りです。献身的な公務員の方々は私たちの最高の存在であり、彼らと共に奉仕できたことは光栄でした。 国際的な場も含め、30年近く公務に携わる中で、法の支配がいかに揺らぐかを目の当たりにしてきました。私が懸念しているのは、私たちの多くがそうであったように、この国で法の支配がたいへん長い間機能してきたということです。法の支配は法そのものが執行するものではありません。それを適用するには、私たち全員が共に決意を固める必要があります。他者のために献身的に奉仕することが求められ、特に困難で費用がかかる場合にはなおさらです。そうした費用を払う覚悟があるかどうかが、法の支配とこの素晴らしい国への私たちの献身を測り、決定づけるものです。ありがとうございます。 (ジャック・スミス氏)YouTube PatriotNation-Media January 24. 2026, BREAKING【山田註】 ジャック・スミス特別検察官のこの弁明で重要なのは、トランプ氏の行為の犯罪性について「合理的な疑いの余地のない証拠」と述べている、その「合理的」という言葉である。これはあらゆる裁判においてそれ以上がない決定的な言葉である。捜査官や事件関係者等による恣意的な(思い込みや都合良く捏造した)ものではないということにほかならない。
Jan 24, 2026
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私がアメリカ合衆国大統領の言動に関心を寄せるのは、その任期の現在まで約25%に達した時点で、実行された、あるいは実現を宣言している政策が、日本の国会に相当する合衆国議会の承認をまったく得ないままに行われたということ、すなわち民主主義にもとづく議会政治がまったくと言っていいほど機能していないようであること。全米で連日のように繰り広げられている民衆の抗議活動のプラカードに書かれている「独裁者」とか「専制政治」という言葉が、決して誇張ではないらしいこと。国民は日常生活においてそれらの言葉で指摘されていることを実感しているのだということを、私は各種媒体の映像によっていわば「目撃」しているからである。歴史を文字によって想像でおぎないながら辿るのとは全然異なる、政治的パラダイム理論の揺らぎ、危機、崩壊・・・あるいはその維持になってくるかもしれないが・・・要するに、歴史の流れの中にいて個人として容易には(明瞭には)実見認識できないような事態を、私は見ているという自覚である。 私は人間の精神構造、心理にもっとも関心がある。そのひとりひとりの精神構造を知ることは不可能なので、私なりに標本を抽出しなければならない。もちろん私自身の精神構造や心理は最初の標本である。 私がドナルド・トランプ氏に関心を寄せるのは、上述の政治的な動向以外は、その精神構造と心理的動線である。ここに私の観察を述べようとは思わないが、国際的な公人がここに来てついにトランプ氏の政治手法をその精神構造や人格において公然と指摘しはじめている。これは外交的には驚くべきことだ。公人がそのような視点で他国の首長について公言するのを、少なくとも私は耳にしたことがなかったかもしれない。 たとえば、英国議会で自由主義民主党のエド・デイヴィー議員はトランプ大統領をギャングスター(犯罪組織の一員)と指摘した。TYTの動画でデイヴィド・シュスター氏は、「かつてのトランプは子供じみたただの有害な人格だったが、いまは激怒した狂人」と称した。 ・・・私はこれらの指摘をただしいと思うが、きわめて強烈な自己愛に起因しているであろう。考えられるのは幼児期のネグレクト(無視状態。育児放棄)、かつ、精神的な自己防御装置が完成した時点で、突然、その「肉化した鎧を着た強さ」を他から認められるという経験。それは生涯にわたる一種の「秘密保持」として精神と心理に固着する。普通、知性は他者との共感的な繋がりによって高度に、そして深さにおいても発達していくが、秘密保持が固着すると、知性は秘密保持のためにだけ働くようになる。いわゆる常態化した虚言癖(嘘つき)である。嘘の上に嘘を際限なく重ねてゆくので、自ら吐き出した蜘蛛の巣に絡め取られて嘘から脱出できなくなる。表現としてはナルシズムの悪となる。これはよほど強大なカタルシス(触媒反応)がない限りその人生の最期まで変わることはない。 このような人は、往々にして自覚すること無く悪しき自己を他者に投影する。たとえば仮想恋愛。相手はなんとも思いもしなければ存在さえ認識していないのに自分に恋愛感情をもっていると強烈に思い込む。あるいは一国の大統領が、第三者からみれば彼自身がファシストであるのだが、他国の大統領をヒットラーだと名指して攻撃し、あまつさえ侵略するなどである。 日本の政治家にもこの種の精神構造の人物が少なくなくなっているような気がするが、さて・・・?Hook Global 英議会のデイヴィー議員Rebel HQ デイヴィド・シュスター氏レイチェル・マドー・ショー
Jan 23, 2026
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ロスアンジェルスの2月21日デモンストレーションのプラカードに書かれた英語を読んでみる。このデモンストレーション行進 (march) は、十字路 (crossroads) の交差点 (intersection) で参加者 (participant) が四方向 (four directions) に分かれ、交通信号 (Traffic signal) が変わるたびに横断歩道 (oedestrian crossing) を回遊 (migration) していた。プラカードに書かれた言葉に、他の都市のデモンストレーションではなかったひねりのきいた知的な表現が見られた。このちょっとした表現の差異はアメリカの何かを反映しているのだろうか?⚫️ Make America free again, Oppose Despots、 while there is still time. アメリカをふたたび自由に、独裁者たちに反対、まだ時間があるうちに。⚫️ No Faux King Way. 不品行な王の進行に反対。⚫️ Democracy ≠ Autocracy, We stand for Good. 民主主義は独裁政治ではない、我々はグッドさん(善良)とともにある。 *数学の不等号が使われていた。ミネアポリスで移民関税捜査局員に銃殺され政府が銃殺者を擁護していることに対して、殺害されたグッドさんと善良さとを掛け言葉にしている)⚫️ Get your tiny hands off our Democracy. おまえのちっぽけな手を私たちの民主主義からどけろ。 ⚫️ CE GTFO 移民関税捜査局員は出てゆけ。 *ICE = Immigration and Customs Enfotcement. GTFO (gtfoh;出てゆけ) はめずらしい言葉だ。⚫️ HONK if you're with her (自由の女神像), もし自由の女神と一緒にいたいなら警笛を鳴らせ。⚫️ The CONSTITUTION is not a SUGGESTION. 憲法は提案ではない。⚫️ Major anti Trump sign. 反トランプの大きな合図だ。⚫️ If we the people have nothing left to lose then we the people will fight like we have nothing left to lose! 私たち国民が失うものが何もないなら、そのとき私たち国民は失うものが何もない者として闘うだろう!⚫️ Abolish ICE. 移民関税捜査局制度を廃止せよ。⚫️ So tired of this shit. このクソの事態にはうんざりだ。⚫️ Impeach him. 彼を弾劾せよ。⚫️ The Republican Party Says "Let Us Pray Prey." 共和党は言う「祈ろう 苦しもう」。⚫️ Prosecute ICE. 移民関税捜査局を起訴せよ。⚫️ Democracy needs your courage. 民主主義はあなたの勇気を必要としている。⚫️ You can't spell INCELL without ICE. ICE無しに独房入り (Incell) と綴れない。⚫️ Faces of Fascism. ファシズムの面々。⚫️ End the ICE Age. 氷河期の終わり(移民関税捜査局の終わり)。⚫️ Empathy melts ICE. 共感が氷 (ICE) を溶かす。
Jan 22, 2026
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山田維史「蝙蝠傘とシルクハット」2016年 キャンヴァスに油彩Tadami Yamada "Umbrella and Silk Hat" 2016, Oil on canvas
Jan 21, 2026
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毎日刻々と世界が分断され、権力の暴力によって民主主義が破壊されるのを、私は見ている。結局は私自身が巻き込まれていると言うことだ。政治的な人間としてではなく社会的な生活者としてである。私はこの危機感を他の誰かとグループワークのように共有しようとしているわけではないが、民主主義を保持すべきと意志している世界中の人と共有したいと思っている。民主主義破壊の危機はローカルな問題ではないからである。 さて、9日ほど前になるが、ドイツ大統領フランク・ワゥター・シュタインメイアー (Frank Walter Steinmeier)氏が、重大な、驚くべき演説をした。アメリカ合衆国の現政府を「盗賊の巣窟」とみなし、トランプ大統領の政治を「強盗政治」とみなした。きわめて紳士的節度ある人格と言われているシュタインメイアー大統領の演説で重要なのは、まさに歴史的というべき思い切った表現で「世界が破壊されている」と言った点にある。主権国家を踏みにじり、ルールは大国にあり小国は大国のルールで支配されるべきだという思想が実行されている。世界はアメリカ大統領のルール(オーダー)の支配下にあるわけではない。・・・これがシュタインメイアー大統領の演説の骨子である。 私は早くにアメリカ現政権の政治手法を「ギャングライク」と言ったが、これまでアメリカと連携して民主主義の保持に努力してきたドイツ(ヒットラー独裁の惨劇を通過して)の大統領が、その僚友を徹底的に指弾したことに驚嘆した。世界はいま、そこまで民主主義が危機に瀕しているということだ。シュタイメイアー独大統領「USは世界を破壊している」
Jan 20, 2026
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山田維史 「薔薇の処女」2004年 キャンヴァスに油彩Tadami Yamada "Rose Maid" 2004, Oil on canvas
Jan 19, 2026
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寒灯や父子の遊びにぎやかに 青穹(山田維史) 寒灯や父子の遊び聞こえくる 夕暮れてすでに夜の帷があたりをつつんでいた。ご近所から幼い子供がお父さんと遊ぶ声がにぎやかに聞こえた。老人が多い街で、子供の元気で楽しそうな声が聞こえると、私はなんとなく嬉しい。幼児のまるで悲鳴のような甲高い声に、どんな遊びをしているのだろうと想いながら笑っている。 ふと私自身の幼少年時代を思い返し、私は父と遊んだことがなかったなー、と思った。今聞こえる子供の声は、お父さんと鬼ごっこでもしているのだろうか・・・。 私は父とそのように遊んでもらったことはないが、私や弟たちが友達と連れ立って川遊びに行く時などは付き添って見張りをしてくれたし、私が苔の採集のために鉱山の坑内を見せてほしいと言えば、会社の休日に見せてくれた。氷橇を大工さんに作ってもらったり、標本に添付するラベルを私の注文どおりに総務課のかたにお願いしてガリ版印刷してくれもした。あるいは家族旅行の列車の車窓から私がめざとく見つけた植物を、次の停車駅につくやいなや列車から飛び降りて採ってきてくれた。列車が発車してしまい、父は追いかけて飛び乗ったものだ。現在ならとても考えられない。私は車窓から身をのりだして、まるで映画のシーンのような状況にハラハラした。・・・私の父はそんな人だった。まもなく20年忌である。
Jan 18, 2026
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CNNが考古学の興味深い研究を報じている。題して「古代の陶器に描かれたデザイン、人類の数学的思考示す最古の証拠か」。紀元前6200年から紀元前5500年の間に北メソポタミアで栄えたハラフ文化のもとで作られた陶器に描かれた花文様は、人類の数学的思考を行った初期の事例かもしれないという。研究結果を発表したのはエルサレムのヘブライ大学の研究者たち。 発掘された陶器には食料作物は描かれていず、描かれた植物はその375すべての断片において花びらの数は4枚、8枚、16枚、32枚、64枚であることが確認された。これらの数字の使用は「幾何学的順序」を形成しており、対称性(シンメトリー)と反復に基づく数学的推論の一形態を示唆している。その倍数化の順序にしたがって円を分割すると区切られた単位は左右対称を形成していた。しかもこの数字の使用は数百キロの地域にわたり、偶然とは考えられない・・・と言うのが、研究論文の主旨である。 この説論に対してメソポタミア数学の研究を専門とするデンマーク・ロスキレ大学の名誉上級准教授イェンス・ホイロップ氏はCNNの取材に対して懐疑的反論を述べている。当時の人たちに対称性の感覚があったことは確かだが、円を美しく分割する行為に幾何級数的な思考はなく、単に円を半分にしているだけだ、と。 以上はCNNが伝えている内容である。 さて、私がこの記事に興味を惹かれたのは、私自身が「幾何学的感覚」に思考を左右される傾向があることを少年時代から自覚しており、また自覚がなかった小学生のころも、たとえば授業参観等で学校を訪れた母が「息子の絵はすぐに判る」と言っていたようだが、たしかに私の絵は記号的抽象化を幾何学的に構成したものだった。そんなことは私自身はまったく意識していなかったのだが、大勢の児童の絵のなかから母はすぐに私の絵を判別できたのだ。後年、この自ら幾何学的感覚と称している感覚は、このブログの左フリーページに掲載している詩「遊卵飛行」の文字列構成にもあらわれている。いわゆる字面(文字列のヴィジュアル)を、字数を同じくして凹凸となるように作っている。それは詩の底にあるテーマが「宇宙的生殖」の表現を意図しているからでもある。潜在主題を字面で表面化する。そこに精神の幾何学的嗜好(思考)がはたらく。そうしないではいられない感覚のベクトルである。 ・・・というわけで上記の考古学研究を興味深く読んだのだが、じつはこの考古学研究に数学者として反論したホイロップ准教授に、私は逆に疑問を抱くのだ。対称性に対する感覚がある人が、円を美しく分割してゆく行為は、数学思考ではないのだろうか? 「数学思考」と言語化された意識はなくても、倍数化をイメージ(図像)として実現する行為は、すでに数学思考であるとなぜ言えないのだろう? つまり、私が言いたいのは、数学思考はすべからく言語化されたものであるか? ということである。 次のような例はホイロップ氏はどのように御説明されるだろう。アンティーク家具の修復家の動画から、17世紀に英国でオーク材で製作されたチェストの文様である。文様は全体としても部分を見ても左右対称である。しかし大きな四重円の中央の花模様の花びらの数は11で、ここだけは対称性を失っているのである。・・・私は、こう考える。数学的思考で対称的に文様を施したのだが、円中央の花模様の彫刻はスペース分割が恣意的になったのだろう、と。つまりここに彫刻された花は、上記のハラフ文化の陶器の花模様を描いた思考とは全然ちがうということである。私はエルサレムのヘブライ大学の研究者たちの説論に賛同する。(画像はArie FunitureRestration の動画より )CNN「古代の陶器に描かれたデザイン、人類の数学的思考示す最古の証拠か」
Jan 17, 2026
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1月15日は伝統的年中行事で「小豆粥(あずきかゆ)の日」である。我が家も小豆を煮たが、粥にはしないで鏡餅を下ろして(鏡開)、善哉汁粉にした。 いちにちを重ねて今日の小豆粥 青穹(山田維史) 日をかさね重ね来たりて小豆粥 いま此処にありと思いて小豆粥 あずき粥あすの命は知らねども 甘きこと塩で引き立て小豆粥 重ね餅ひらいて吾を映し見る
Jan 15, 2026
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昨夜、読んでいた本を置いて眠りについた。まもなく午前1時半ころに目が醒めた。そのまま床に入っていたが全然眠れない。結局4時ごろまで眠らず、新聞配達のオートバイクの音を聞きながらようやく再びの眠りについた。私は就眠も起床も良い方で、眠れないなどということをほとんど経験したことがない。起床も、イラストレーション原稿の締め切りに追われる半生だったが、私は目覚まし時計を持っていない。明日はこれこれの時間に起きなければならないとなると、ちゃんとその時間に目が醒める。まことに都合が良くできている人間である。体内時計が調整しやすいのかもしれない。ということで、まあ、昨夜は眠らなくともよい心身の状態だったのだろう。 朝の茶のたちまち冷えて寒雀 青穹(山田維史)
Jan 14, 2026
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先日、私は十数年ぶりに『菅江真澄遊覧記』の第1巻を読み始め、その後も読みつづけている。著者菅江真澄が出自を語らず書きもしなかったので謎の多い人物であるとも書いた。生まれは三河とされている。三河の何処であるか詳しい出生地は不明である。 ところで昨夜、同書を読みながら「くめじの橋」の章(巻)で、菅江真澄が信州善光寺に至った記述に私はまたまた「おや?」と注意した。善光寺とその近辺の寺々で7月1日から10日まで施餓鬼があり、仮屋を建てて凶作の年飢え死にしたものの霊を弔う。菅江真澄はちょうどそのときに居合わせた。そして次のように書いた。「礼拝の人々の声や御堂にはいった人の唱える南無阿弥陀仏の声は、鯨のほえるように聞こえてくる。」 私が「おや?」と注意したのは、「鯨のほえるように」という記述である。鯨の吠える声を知っているのは、鯨が身近にいたからではないか? そう、三河である。三河師崎の捕鯨漁は室町時代までにはよく知られていた。その頃から三河師崎で始まったとされる銛で鯨を突く「突取法(とっしゅほう、つきとりほう)」は、江戸時代には多くの書籍挿画に描かれ、浮世絵にも描かれている。 菅江真澄が三河の生まれであることは、彼自身がその方面に旅に出る人に、1786年1月28日、「故郷の三河に手紙を託した(植田義方宛)」と書いていることで判明している(「かすむ駒形」の巻、平凡社版第2巻26p)。彼は「鯨のほえるように聞こえてくる」と書いているのである。彼は幼少期から故郷を離れるまでの年月に、三河師崎あたりの鯨漁を見ていたか、少なくとも鯨の吠える声を実際に聞いたのである。犬や鶏の鳴き声に喩えるのとは訳がちがう。菅江真澄の詳しい出生地は三河の陸の奥地ではなく、海辺に近かったのではないか、と私は推測した(注)。(注)このとき旅人に託した植田義方に宛てた手紙の返事が、3ヶ月後の同1786年4月28日にもたらされた。その記事に、「父母の国三河の吉田」とある(「はしわの若葉」の巻、平凡社版第2巻58p)。吉田は三河湾の一番奥、現在の豊橋市の豊橋公園に吉田城趾がああるが、そのあたりを指す。父母の国と書いているが、菅江真澄自身の出生地であるか否かははっきりしない。
Jan 12, 2026
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ミネアポリス、ワシントンDC、ニューヨークのデモンストレーションより⚫️ The people demand ICE out of our communities. (移民関税捜査局はわれわれの共同社会から出て行くことを求める. *ICE = Immigration and Customs Enforcement)⚫️ This Is some straight up NAZI BS . (これは完全にナチスへの売り渡しだ)⚫️ ICE out of NYC now! ICE out of DC now! (移民関税捜査局は今すぐニューヨーク市から出て行け! 移民関税捜査局は今すぐワシントンDCから出て行け!)⚫️ Stop ICE terror from New York City to Minneapolis.(ニューヨークからミネアポリスまでの移民関税捜査局のテロを止めろ)⚫️ ICE is an occupation force! (移民関税捜査局は占領軍だ!)⚫️ ICE must go! The whole Trump fascist regime must go now! (移民関税捜査局は今すぐ消え去らなければならない。トランプのファシスト政権は今すぐ消え去らなければならない!)⚫️ Abolish ICE. (移民関税捜査局を廃止せよ)⚫️ Fight Ignorance Not Immigrants. (移民ではなく無知と戦おう)⚫️ History is screaming. Are you listening? (歴史が金切り声をあげている。聞いているか?)⚫️ ICE Agents are stinky Losers. (移民関税捜査局員は負け犬だ)⚫️ I Like My ICE Crushed. (私は氷が砕けるのが好きだ。*ICEに移民関税捜査局と氷を掛けている)⚫️ Stop ICE Murders. (移民関税捜査局の殺人を止めろ)⚫️ Remember! Renee Nicole Good, RIP (思い出せ! レネ・ニコラス・グッド、ご冥福を。*レネ・グッドさんは!CEに銃殺された)⚫️ ICE kills the Good. (ICEは善良さを殺した。*GOODに「善良」と罪のないレネ・グッドさんを掛けている)⚫️ Congress there as an oth to protect the Constitution not Trump. (議会はトランプではなく憲法を守るという宣誓をしてそこにある)⚫️ In the Name of Humanity, We Refuse to accept a Fascism America. (人間性の名において、私たちはファシズム・アメリカを拒否する)⚫️ ICE Kidnaps, Murders, Lies. You're Next. (ICEは誘拐し、殺人をし、嘘をつく。次(に狙われるの)はあなただ)⚫️ Believe the evidence of your eyes and ears. (あなたの目と耳の証拠を信じろ)⚫️ Our ICE is Natural. Our Values are Human. (私たちのICEは自然だ(氷だ)。私たちの価値は人間だ)⚫️ The only ICE MN wants frozen Lakes.(ミネソタ州が望むICEはただ湖が凍ることだ。*ミネソタ州は10,000の湖が存在する州として知られている)⚫️ ICE is new GESTAPO. (移民関税捜査局は新ゲシュタポ(ナチスドイツの秘密警察)だ)
Jan 11, 2026
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昨夜いつものようにベッドに横になってここ数日読んでいた英語の本、ジェイムス・ジョイス「若い芸術家の肖像 (A Portrait of the Artist as a Young Man)」を途中でやめ、気分を変えるつもりで「菅江真澄遊覧記」(全5巻。東洋文庫、平凡社刊)を十数年ぶりにその第1巻を再読しはじめた。内田武志・宮本常一による現代語訳である。 民俗学に関心があるなら同書を知らない人はいないだろうが、菅江真澄は1754年頃に三河で生まれたことが判っているだけで、30歳のときに母と弟に別れを告げて旅に出た後、76歳で秋田仙北郡神代村梅沢(現・田沢湖町)に死去するまで故郷に帰ることはなく、またほとんど自らの出自等を語らなかった謎多い人物である。諸国を旅して薬草の知識をもって人に施薬したり風俗誌・地誌・日記を書いている。日記は人に見せるためであったようで70冊に及ぶがその全てが現存しているわけではない。佐竹藩明徳館に献納された地誌等著書は35冊、図絵11冊、そのほか現在国会図書館収蔵本、他の図書館収蔵本がある。これらの本は版行本ではない。すべて自筆稿を清書して装丁したものである。 さて、私はこうして描き始めたが、第1巻目を読み進みちょっと驚いた記述にであったのだ。全然たいしたことではない。私は7日のこのブログ日記で七草粥を食べたことを書き、ついでに「七草」という言葉が最初に使われた文献として孫引きであるが、慈鎮和尚(じちんかしょう;慈円)の拾玉集にある歌を示した。その慈鎮の歌が「菅江真澄遊覧記」第1巻「伊那の中路」に出ていたのだ。いや、「七草」の歌ではない。菅江真澄が信州松本を過ぎて洗馬(せば)に至り、雲の中に遠く有明の山を望んだときに慈鎮の次の歌を思い出したのである。「夏ふかきみねのまつか枝風越へて月影涼しあり明の山」(夫木集) ・・・私がちょっと驚いたというのは、私が前日に引用した歌の作者が鎌倉時代の歌人慈円こと慈鎮和尚だったが、たまたま再読し始めた本の著者菅江真澄がやはり慈鎮の歌を引用していた。その偶然の出会いに驚いたのである。ただそれだけのこと。これを読んでくださった方は気が抜けたであろう。 菅江真澄は旅をして実地見聞しながら風俗を書き地誌を書いた。ちょうど同じころ、菅江より42歳若いシーボルトが長崎で開業医をしながら日本の植物を採集し博物学的研究をしていた。菅江が76歳で死去する4年前の1826年にシーボルトは日本の国防上の問題から追放になった。菅江真澄に秋田の地誌をく書くように勧奨したのは佐竹藩々主佐竹義和(よしまさ)と推測されているが、佐竹義和は学問文芸に秀でた人物であった。18世紀、ヨーロッパ文化圏は「光の世紀」「知の世紀」と称されているが、日本もまた同様の思潮が胚胎していたのである。 さらに付け加えるなら、私は拙論『江戸の「松風」』で慶紀逸「武玉川」を材に採って、平安・鎌倉時代の歌に表現された松風が江戸時代にはどのように感性的に変化したかを検証した。その松風が、菅江真澄が引用した慈鎮の歌に表現されている。鎌倉時代の松風である。臨済禅の「厳谷栽松」の直接的な表現ではないが、松風越しの月影に心の清らかさを表現する感性は禅思想に通じるものである。それは江戸の町人にはなかった感性である。菅江真澄は江戸にはまったく寄らなかったらしいが、松風に関する句はひとつも詠まなかった与謝蕪村と同時代の人である。彼はこの慈鎮の「まつか枝風 (松が枝風)」をどう受け止めたのだろう。知り得ぬことながら知りたいものである。 さらにひとこと。冒頭に述べたジェイムス・ジョイス「若い芸術家の肖像 (直訳すれば、若い男としての芸術家の肖像)」という書名に、私は堀田善衛「若い詩人の肖像」(新潮社 1968年刊)を連想する。堀田氏のこの小説は私が大学生の頃にある文芸雑誌に連載されていた。文芸誌の書名は忘れた。当時私は「群像」(講談社)、「文学界」(文藝春秋)、「文芸」(河出書房新社) の3誌を購読していたので、そのうちのどれかだったが・・・。この二書の書名、似ているのだが、私は堀田氏の書名はジョイスからの借用(?) ではないかと推測している。
Jan 9, 2026
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今日1月7日は伝統的な年中行事では「七草」である。というわけで我が家でも例年のごとく朝食は七草粥だった。春の到来の魁に野に出て若菜を摘むのが本来の姿であるが、もう数十年も前から八百屋やスーパーマーケットで小籠に入れられた七草セットを贖うようになった。それはそれとして、つまり雅な風習はおいておき、実利的に昔なら冬季のヴィタミン不足を補ったのであり、現在ならその栄養面はともかくも正月料理でもたれた腹ごなしというところだろう。言うまでもないが野草・山菜は庶民の日常食。しかも味付けは塩のみである。まあ、野暮なことを言っていないで、私は朝からトントンと俎板を叩き、熱々の七草粥を楽しんだ。 ついでにちょっとお勉強。 小野武雄編著「江戸の歳事風俗誌」(昭和48年展望社限定出版)から孫引きすれば、「七草」という言葉が初めて使われたのは慈鎮和尚の「拾玉集」の中の次の歌だという。すなわち「けふぞかしなづなはこべら芹つみてはや七種のおものまいら」。 慈鎮和尚(じちんかしょう)は慈円(1139-1225)の諱(いみな)。鎌倉時代の人。 しかし若菜摘みは古く平安時代からあり、古今集の光孝天皇の御製「君がため春の野に出でて若菜つむ我が衣手に雪はふりつつ」は、誰でもが今に知るとおりである。源氏物語の若菜の巻の由来でもある。春に先駆けて芽を出し若葉を出した野草を扇などに並べて、それこそ雅な堂上貴族の雅な遊びだったかもしれないが、粥に混ぜ込んで食べていたことも事実であった。
Jan 7, 2026
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山おろし草木掃きて寒の入り 青穹(山田維史) 骨打ちて夜は地にしむ寒の入り 旅立ちの備えと文に寒の入り 子らのこえ遠くで弾ける寒の入り 子らのこえ小鳥にまじる寒の入り 子らのこえ小鳥は庭で寒の入り
Jan 6, 2026
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山田維史「自画像 - 2026年1月5日17時30分PM - 80歳」 トランプ政権はついにギャングライクな本性を発揮し、主権国家ベネズエラを攻撃して大統領夫妻を「拉致」し、ニューヨークに連行した。米麻薬取締局事務所に護送されたと報じられている。ベネズエラの政情がいかなるものであろうと、それはベネズエラ国民の問題であり、主権国家を攻撃して大統領を拉致するなどあるまじきことである。トランプ大統領は意気揚々と、「今後はアメリカがヴェネズエラを運営する」と宣言した。まさにロシアがウイクライナに侵攻したのと本質的には同じである。プーチンがウクライナに対して宣告したいと思っている言葉を、トランプが言ったのである。さすがにプーチンとトランプの怪しい関係がとりざたされるだけに、やることが同じだ。国際法違反もはなはだしい。アメリカ合衆国がひとりの男によって「ならずもの」国家に転落するなどと、知性をそなえたアメリカ合衆国々民の誰が想像しただろうか。「嘘つき常習者」だとか「王はいらない」とか「独裁者はいらない」などと、党派争いの中で指弾していれば済む問題なのだろうか。
Jan 4, 2026
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初夢やこういうことか今更に 青穹(山田維史) 行き暮れて八十路の迷い初夢に 初夢を捨てて飯食う八十路かな 初夢や思いもせぬぞ悟逹など 荒畑や長靴ひとつ冬ざるる
Jan 3, 2026
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山田維史Tadami Yamada
Jan 1, 2026
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