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Tadami Yamada's monochrome cuts -#1
Tadami Yamada's monochrome cuts -#2
■Yamada's Article(1)卵形の象徴と図像
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■Yamada's Article (5) 城と牢獄の論理構造
■Yamada's Article(6)ムンク『叫び』の設計と無意識
■Yamada's Article (7) 病める貝の真珠
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■Yamada's Article(10)狐信仰とそのイコノグラフィー
■Yamada's Article (11) 江戸の「松風」私論
■Yamada's Article (12) 伊勢物語「梓弓」について
■(13)英語訳論文「ムンクの『叫び』の設計と無意識」
■(14)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』
■(14-2)英語訳論文『狐信仰とそのイコノグラフィー』
■(15)英語訳論文『卵形の象徴と図像について』
■(16)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(1)
■(16-2)英語訳論文『夢幻能の劇構造と白山信仰との関係考』(2)
■(17)英語訳論文『モンドリアンの自画像について』
■(18)英語訳論文『霧に対する感性の考察』(1)
■(18-2)英語訳論文『霧に対する感性の考察』(2)
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■(19-2)英語訳論文『エドヴァルド・ムンクの去勢不安』(2)
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Jun 24, 2007
心で唄うということについて
(2)
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音楽という芸術は、楽譜において一応完成しているのだけれど、演奏するとそれはまた別の評価がでてくる。優れて音楽的にもなれば、音楽を喪失してしまうことだって起らないわけではない。聞き手にとっては、たとえばクラシックなどは何度も何度も演奏に接して耳を肥やしてようやく演奏者の音学性を判別できるようになることも多かろうが、歌謡曲などは必ずしも高度な音楽的素養がない聞き手でも瞬時に善し悪しを判断できるものだ。
もってまわった言い方をしたけれど、歌謡曲の場合、歌い手が曲想を歌唱法としてどのように構成するかということは、重要な問題になってくるにちがいない。それは楽譜に表現されたことを超えることもあるかもしれない。また歌い手の資質によって同じ曲でも、まったくことなる肌触りにもなりうる。歌の深さとか大きさというのは、そういうことだろう。
美空ひばりの代表曲『リンゴ追分』は、彼女の歿後、他の歌手によって唄われることもあるが、まあ、私はいまだにどれも感心したことがない。芸の不思議はそういうときに考えさせられるのである。もっとも『リンゴ追分』に関しては、ただ一人だけつくづく感じ入った歌唱を聞かせてくれた人がいる。美空ひばり本人がまだ存命中のテレビ番組でのことであったが、その人とは勝新太郎である。30年くらいも昔のことだが、私の耳にはいまだにその歌が残っている。『リンゴ追分』のメロディー・ラインはそんなに難しくは無い。しかし、唄うとなると、これは難曲なのではあるまいか(私はアマチュアの芸事に関心がないので、私が言及するのはプロフェッショナルについてである。念のため)。
難曲と言えば、『ひばりの佐渡情話』(西沢爽作詞、船村徹作曲)は、美空ひばりの厖大な曲のなかでも屈指の難曲なのではないだろうか。同じ船村徹氏作曲の『哀愁波止場』(石本美由起作詞)と双璧かもしれないが。
『ひばりの佐渡情話』を美空ひばりはどのように唄っているかを分析してみると、興味深いことがわかる。
「佐渡の荒磯(ありそ)の岩かげに
咲くは鹿の子の百合の花
(略)・・・・」
「佐渡は四十九里 荒海
ひとりしょんぼり離れ島
(略)・・・・」
一番と同じ「佐渡」という言葉で始まっている。けれども彼女は、この「佐渡」を、一番のように野太いドスのきいた唄い方でうたいはしない。どう言ったらよいだろう、たゆたうような、うねるような唄い方をする。場合によっては右手で波のようなフリをつけながら・・・
このとき表現は「四十九里」という距離感と次の「離れ島」を先取り表現しているのである。船村氏の楽譜上の表記は同じであるはずだから、これは明らかに美空ひばりの歌唱的創意なのである。
このような歌唱的工夫はプロフェッショナルな歌手なら誰もがやっていることではある。だが、美空ひばりの場合、みずからの表現を聞き手の側にたって批評する客観性がきわだって優れているように私には思える。あるいは言い方をかえて、歌のイメージの造形が絵空事に終わっていない、と言ってみようか。つまり、リアリティーがあるのである。
「こころで唄う」とは、凡百の歌手が口にすることだが、そう言ったからといって実現されるものでもない。また私は意地悪なことを言ってしまったが、芸というのは「言った者の勝ち」ではないから、じゃあ心で唄うとはどういうことで、どういうことが聞き手と歌手との間でおこるのか、それに答えられる歌手はなかなかいないのではないか。
私に言わせれば、それは聞き手がリアリティーを感じるかどうかということだ。
歌手の側からは、書かれた歌詞、書かれた文字をメロディーにのせて唄っているのではなく、文字は消えてしまっている状態。自分の身に添った、自らの人生を歌い上げること。つまり歌手自身のリアリティーこそが「心」なのだ。
美空ひばりが『悲しい酒』をうたいながら涙を流すことは、知らない者がいないほどである。元NHKアナウンサーの生方恵一氏が彼女と一緒に仕事をし、その涙が「美空ひばりの涙なのか、加藤和枝(本名)の涙なのか分らなかった」と言っている。何百回、何千回とうたい、そのつど同じところで涙を流すのだから、それは「芸」なのである。観客は彼女がいつ泣くだろうかと思い、泣くことを期待している。彼女はその期待に見事に応えてみせるのである。「芸」の涙とはいえ、人間の情動と生理作用との関係で、泣きながら正しい音程・かくあるべき歌唱表現を実現することはほとんど不可能にちかいので、美空ひばりはそこにも音楽的な統御という「芸」を見せるのである。そして、生方氏の鋭い観察にも「馬脚」をあらわさないほど、『悲しい酒』はリアリティーがあるのである。
美空ひばりの御子息加藤和也氏が以前どこかで語っていたが、彼女は自宅で手仕事をしながらも何度も何度もひとつのフレーズを口ずさんで練習するのだそうだ。そのような姿は和也氏以外はほとんど目撃した人もないのであろうが、私は美空ひばりがどのように歌唱を構成しているかを検証すればするほど、和也氏の証言に「さもあらん」と納得する。天才であることは間違いない。だが、天才と言ってしまえば何もわからなくなる。和也氏の話にとても嬉しいものを感じるのだ。
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Last updated Jun 25, 2007 02:41:29 AM
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Re:心で唄うということについて(06/24)
ちゃれ3
さん
AZUREOさんの あまりに深い観察に
軽々しくコメントしてはいけないような気がしますが、
すごい!と一言いいたかったので。。。 (Jun 26, 2007 02:18:32 AM)
返事を書く
Re[1]:ちゃれさんへ(06/24)
AZURE0702
さん
ちゃれ3さん
>AZUREさんの あまりに深い観察に軽々しくコメントしてはいけないような気がしますが、すごい!と一言いいたかったので。。。
遠慮なくコメントをどうぞ。ちゃれさんらしくないゾー。逃げ足が早いのに。
こんどちゃれさんのピアノ演奏を徹底分析しましょうか? どこで作曲家の意図を超えて天上にかけあがってゆくか等々。
-----
(Jun 26, 2007 06:05:44 PM)
返事を書く
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AZURE702
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Re[1]:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03)
shiwashiwa1978さんへ 拙作をご覧くださ…
shiwashiwa1978@
Re:山田維史の「蝶」が出てくる作品(07/03)
素敵です。 作品集は無いのでしょうか。
AZURE702
@
Re:「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに)(08/21)
三角野郎(絵本「マンマルさん」)さんへ …
三角野郎(絵本「マンマルさん」)@
「比叡おろし」(汚れちっまた悲しみに)
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