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1962年に2作目となる『鯨神』で芥川賞を受賞。1970年代に入ってからは執筆の主軸を官能小説に移し、週刊誌等で人気を博して一時代を築いた。美食家としても知られた。
私は氏が官能小説に移行する前の、エロティシズムが横溢する短編小説集『花魁小桜の足』の装丁画を手がけている。新書判と文庫判との2冊、いずれも双葉社の刊行である。この装丁画は私が手がけた装丁画のなかでは異色であるが、谷崎潤一郎文学に並列するような、宇能鴻一郎氏の初期作品の装丁画を手がけることができたことを嬉しく思っている。エロティックな高度な文学作品を題材にして描いてみたいと思っていたからだ。
宇能鴻一郎氏を追悼いたします。
宇能鴻一郎『花魁小桜の足』双葉社
新書版1984年刊、文庫版1988年刊
装画:山田維史 油彩
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