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広島の大手蔵である加茂鶴酒造は1623年の創業。加茂鶴の命名は明治6年からです。「五大天」は、森羅万象万物創生の源である地水火風空(=五大)と無限の宇宙である天から命名されたそうです。それだけ力を入れた銘柄だけに、素材と知恵・経験を存分に発揮し、手間ひまを惜しむことなく造っているとのこと。大手蔵でもこのような差別化戦略で、従来のイメージとは異なった酒を市場に投入してきています。取扱いの酒販店も特定のところのみで、東京でも扱い店は少なく、入手は難しいようです。「五大天」シリーズは、大吟醸「空」、純米吟醸「風」、特別純米「水」、特別本醸造「地」のラインアップとなっています。さて、今回の「水(すい)」は、使用米は八反錦・ホウレイ、精米歩合60%、日本酒度+3.5、杜氏は安芸杜氏の幸田邦昭氏です。いつもの「旨い日本酒を飲む会」でいただきましたが、これがとても優しいお酒で爽やかな余韻をもたらしてくれます。毎回最後に挙手で人気投票をしますが、今回は大吟醸クラスの高級酒を別とすれば、一番支持率が高かったです。価格も一升瓶で2415円、4合瓶で1207円ですから手ごろな良酒と思います。西新橋の市村商店では扱いがありました。
2008/12/30
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三谷藤夫って、誰? といえば松竹梅を造る宝酒造の灘・白壁蔵の杜氏さんです。宝酒造といえば、「寶」焼酎を皮切りに「canチューハイ」で売上げを伸ばした焼酎メーカーのイメージが強いですが、関東大震災後、灘や広島の酒造メーカーを救済合併するなど、清酒では「松竹梅」をメインブランドとするご存知大手企業です。その「灘工場」が平成13年より「白壁蔵」として生まれかわり、高級志向の酒造りを目指しています。三谷杜氏は昭和7年生まれですから、すでに70歳代の後半となりますが、昭和23年から酒造りにたずさわり、昭和29年から宝酒造で働き、昭和43年に杜氏となっています。松竹梅の酒というと、日本酒にうるさい皆さんは一応に「えっ!?」という顔をされますが、この酒は山廃造りのわりにはクセが少なく、キレの良い飲みやすい味わいとなっています。使用米は五百万石、精米歩合60%、使用酵母7号系、仕込み水は宮水、日本酒度+2、酸度1.5、アミノ酸度1.4というスペックですが、一升瓶で2478円、4合瓶で1239円と、価格的に手ごろな、酒のコクを感じさせてくれる仕上がりになっています。ただ残念なのは、宝酒造の松竹梅白壁蔵HPでは、この酒はとても探しづらいサイト構成になっていて、かつリンクも誤っていることです。デザイン優先にしなくても良いと思うのに。
2008/12/24
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輪島の白藤酒造に続いて、能登町にある「竹葉」の数馬酒造を訪れました。強風で時折吹雪の舞う、日本海らしい風景で、海岸べりでは「波の花」がたくさん舞っていました。能登半島の外海側は北西の季節風が吹き荒れることから荒々しく、一方富山湾側に入ると嘘のように海面が穏やかになります。地元では外海を「男海」、内海を「女海」と呼ぶそうです。今は季節はずれですが、外海側の北沿岸では昔ながらの「揚浜式塩田」が有名で、塩は地元の名産でもあります。試しになめてみましたが、一瞬甘いような旨味を感じてから辛さがやってきます。塩田のすぐ脇の日本海ですが、強風に吹き飛ばされそうでシャッターを押したため、海面が斜めになっています。(汗!)また、本当に1004枚の水田が連なる「千枚田」も見所で、見事な景観です。「能登誉」を造っている輪島の清水酒造では、「千枚田」という銘柄も出しています。さて、本題の数馬酒造ですが、鉄筋4階建ての立派な蔵で、正面には大きな「杉玉」がぶら下がっています。新酒はまだ出来上がっていないので、枯れ酒林ですが、蔵出しに合わせて杜氏さんたちが新しいのを作ると言っていました。2階にある倉庫では、コンサートを開催することもあるそうです。今は仕込み時期ですので、資材を置く物置となっています。試飲場となる立派な応接室もあります。「ヤブタ式」の搾り器の前で、今期はじめて搾り出した酒をタイミング良く試飲させていただきました。夜は「竹葉」の純米吟醸酒を珠洲市の旅館でたんまり飲みました。カニや刺身や能登牛を堪能しながら、最高の宴となりました。「竹葉」はこちらのお店で扱いが多いようです。
2008/12/18
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昨年3月の能登地震で打撃を受けた蔵。操業を続けるか否か悩んだが、若夫婦の前向きな後押しによって、この冬も酒造りに邁進している100石ほどの小さな蔵、輪島の白藤(はくとう)酒造です。罹災直後には前々総理も視察に来られたようです。被害を受けた蔵を修復するにあたり、醸造タンクを洗米場に近づけたり、酒母室をそのタンクの真上の2階に設けたりして、人力運搬作業を極力労力がかからないように工夫されたとのこと。活気漲る洗米場、釜場農大・醸造学部卒のご長兄(現杜氏)が、洗米する米の種類と量、浸漬時間を確認する。なお、若奥さんも農大の同窓で、お会いした時は麹室から出てきたばかりで、半袖Tシャツ1枚ながら顔を真っ赤にしていました。(写真はありません。)百石の蔵ですから、仕込みタンクは6つと少ないです。再築して間もないので、新しい木の香りが漂います。ここでは全量「舟搾り」です! 奥さんは「ヤブタを買うお金が無いから・・」とおっしゃっていました。たしかに「粕歩合」が多くなるので効率は悪いですが、逆にそれを強みに出来ますよね。なお、搾りはまだはじまっていませんでした。残念!被災の苦労を乗り越えられてきた白藤酒造の奥様の、今や明るい笑顔がとても素敵でした。見学後、試飲をさせていただき、何本か宅急便で自宅へ送りました。そのコメントはいずれアップいたします。その晩は、輪島市内の寿司店で「奥能登の白菊」を飲みました。寿司と合って旨かった。「みき寿司」も手ごろな値段で良かったですよ。奥能登の白菊「輪島物語」はこちらから購入できます。(地震直後の蔵の被災の写真も載っています。)
2008/12/12
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普通酒でありながら、越後湯沢駅改札前の売店で4合瓶2600円で売っている酒とはどんな酒なのか?世間の普通酒の中では、定価は別としてプレミア価格が一番高い酒ではないでしょうか。(右側が普通酒です)この酒、希望小売価格は900円台なのですが、流通ルートが歪んでしまったせいか、なかなかこの価格では手に入らない。人気=需要と供給のバランスが崩れているわけですね。私自身はお酒にプレミア価格を払って買うことを一切しない人間なので、900円台で購入しますが、新潟県内の正規販売店からの取り寄せになるので、結局宅急便代がかさむことになります。それでもときどきこの甘ったるい、米臭い酒を飲みたくなることがあるのです。スペックの詳細は判りませんが、雪中梅の香りと旨味は独特で、この蔵ならではの強いアイデンティティを主張していると思います。越乃寒梅はキレイ(=淡麗)でちょっと辛くて、そして最近は旨味も感じさせてくれる。同じ新潟の「梅」系でも、酒質的には雪中梅はまったく別でしょう。もっとも雪中梅も特別本醸造以上になると甘さは抑えられてくるようです。この蔵では普通酒と本醸造が通年商品で、特別本醸造は11月から、純米酒は7・8月と季節限定の出荷となっています。なお、純米酒は定価で4合瓶2800円台ですから、造りとすれば純米吟醸規格です。先日、越後湯沢駅に降り立ったときに、冒頭の売店では特別本醸造が4600円、吟醸酒が6千数百円(各々4合瓶)で売っていましたから、いくら観光客相手とは言え、ひどい話です。さて、我が家に来る客人の中に「私はお酒が弱くてあまり飲めないんです」とふだん言っていたオッサンが、雪中梅を封切りしたとたんに目の色が変わって、ガバガバと私のペースの倍以上の速さで飲みだし、気がついたらうたた寝をしていました。この人、お酒の味がどの程度分かるかどうか怪しいものですが、ブランド力は凄いですね。
2008/12/09
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目黒線の武蔵小山といえば、お気に入りは焼き鳥の「まさ吉」ですが、最近ご無沙汰していて久し振りに覗いたらまだ開店前。そこで以前からちょっと気になっていた、日本酒の銘柄札が店の壁にたくさんぶら下がった「穂のか」という店に行ってみました。こちらも開店直前でしたが「少しお待ちいただければ・・」と入れてくれたので、カウンター席だけの店ゆえに、「どこに座ったらいいですか?」と聞きました。店によっては、常連客専用席があったりして、座ろうとしたら「ちょっとこちらへ・・」などと言われることもありますので、初めての店に行く時は必ず聞くようにしています。さて、少し待つ時間がちょうど良かった。なにせ、酒のメニューを見ているだけで5分や10分はつぶれてしまう。酒の種類は30種類くらいですが、その中味も充実。人気酒もたくさんあって、十四代、田酒、磯自慢、醸し人九平次、黒龍、飛露喜などがづらづら並ぶほか、一白水成、田人、白瀑、山吹極などしぶい酒もたっぷりあります。飛露喜は通年の特別純米以外に、季節ごとの酒が必ずある。これだけ並ぶと、仕入れている酒屋さんが分かります。ずばり店主に「かがた屋さんでしょう?」と聞いたら、その通りですと当たっていました。その酒販店の人もたまに来るようで、黒龍の水野社長も来られたことがあると言っていました。さてさて、メニューに人気酒がづらづら並ぶだけであれば、どこにでもある光景ですが、この店ではそれぞれの酒の「開封日」が記載されています。これは酒好きにはたまらない気配りで、フレッシュさが魅力的な酒は新しいものを、逆に開封してから少し日が経過してからの方が旨い酒は古いものを、と注文の参考になるのです。もちろんメニューには使用米や精米歩合の記載もあります。宣伝っぽい話ばかりになりますが、お通しがとてもお洒落で、細長い皿に3品載ってきます。例えば、湯葉とクリームチーズをあえたもの(美味しかった!)、鳥のつくね、かぶと味噌、というような感じで、お通しだけでも2杯くらい飲めてしまうでしょう。それから大事な話しがもう一つあります。お酒は「ハーフサイズ」という60mlくらいのグラスでも提供してくれるので、たくさんの種類を飲むことができます。(結局、この晩は9種類飲みました。)しかも全銘柄300円です!! 本醸造も、純米大吟醸も同じ300円です。(上喜元の純米大吟醸、美味かったですよ! 十四代も播州山田錦・中取り純米吟醸でハーフ300円でした。)刺身も美味かったし、文句はないでしょう。9種類飲んで、ちょっとつまんで、会計は3900円でした。「ごっつあんです!」 (秋田の「白瀑(しらたき)・ひやおろし」旨かったです。もう無いかな?)ということで、いろいろな人気酒を飲みたい、あるいは知らない酒にチャレンジしてみたい、という酒好きにはお勧めなので、さっそくその後続けてそうした飲み助を伴って通っています。ここまで読んでいただいた方は相当お酒好きと思われますので、場所をこっそりお教えします。東急目黒線武蔵小山駅(急行停車・改札一箇所)を、都立小山台高校側(北側)のエスカレータを上がり、校門を正面に見て右手へ塀沿いの細い道を(塀を左に見ながら)80m位行くと、蕎麦屋の並びにあります。(月曜日定休)
2008/12/04
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テレビ東京系の「ガイアの夜明け」で、「事故米」の特集をしていました。その番組の後半は、熊本の美少年酒造が事故米混入で、営業的な困難に直面している様子を描いていましたが、東京支店長の努力により、ようやく大田区内のスーパーで店頭陳列が許可されるシーンが映っていました。そのスーパーを調べてみたら大田区南馬込の「スーパーキタムラ」で、我が家から自転車で行ける距離だったので、興味半分で休日に出かけました。住宅街の桜並木通りにポツリとある地域型の店ですが、予想外に日本酒が充実しています。なによりも、主だった日本酒は蛍光灯を排した薄暗い一室に置かれていて、管理に気を使っていることがうかがえます。もっとも「美少年」は、テレビでも取り上げられたこともあって、通路に面した一番目立つ場所に陳列されていましたが。(TVでは試飲もしていました。)結局、失礼ながら美少年の純米酒はまたの機会に購入することとして、菊姫の「先一杯・純米酒」と「雪の茅舎」を造っている秋田の斉弥酒造がこの店専用にラベリングしている「馬込文士村」を買いました。今回はその中で、「先一杯(まずいっぱい)」です。「菊姫」は事故米問題を逆手に取るつもりはないでしょうが、最近のCMでは「全量山田錦使用」をうたっています。それは事実ですし、この蔵の以前からのアピールポイントでもあります。なにせ普通酒も山田錦ですから。この蔵の「鶴乃里・山廃純米」は、少々お値段がかかりますが、世界最大のワインコンテスト「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)」の第一回「日本酒部門」で、見事最優秀賞に輝いています。ワイン好きな欧州人は、ヌーボーのような新酒よりも、熟成したワインに価値を見出しますから、菊姫のようなどちらかというと熟成タイプの日本酒が好まれるのでしょう。今回の「先一杯」も、軽やかではありますが薄っすらと色づいたやや熟成感のある純米酒でした。「美味しい」ではなくて、「旨い」タイプのお酒と言えるのでしょうか。さまざまな料理と相性が良いでしょう。ということで、全国送料480円の店を見つけました。↓
2008/12/01
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