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1愛される男になる

山内一豊は、父親の仇だった信長が小隊を率いて自ら先陣に立つ姿に打たれて家来になる決心をします。

お城の滅亡以来、彼を守り抜いて来た新右衛門・吉兵衛も前田吟さん・武田鉄矢さんの演技力で「本当に、一豊が好きなんだなー」と微笑ましく思います。

何故、一豊は信長に従い新右衛門や吉兵衛は一豊に尽くすのかここに謎があります。

2皆殺しより“調略”

竹中半兵衛は、少人数で暴君の斉藤龍興を無血開城させました。

しかし、それで国を乗っ取るのではなく心を改める様に主君を諌めただけで自らは隠居しました。

彼は、“権力”よりも欲しいものがあったのです。

半兵衛は、信長の直参になる要請を断り藤吉郎(秀吉)の部下になりたいと申し出ました。今で言うなら、社長に請われて面接しているのに部長の下で働きたいと答えるようなものです。

彼は、“名誉”よりも欲しいものがあったのです。

このスタンスこそが、彼を時空を超えて「天才軍師」と呼ばせるのでしょう。

また、彼を日参して説得した藤吉郎は当時の問答無用に急襲する戦術を避けて相手に出向いて要の部分を説得する手法を多用しました。

敵の集団を構成している基礎部分の“心の在り様”を変えさせてしまう のが彼のやり方です。

そのコツは「相手の身になって、考える」方式です。

新しい父親に嫌われ流浪した浮浪児だった藤吉郎は、「人間、旨いもん食って安全に寝れらて好きなもんと住めりゃ幸せだな」との基本を掴んだのではないでしょうか。

彼は、小兵達に惜しみなく食わせ給与を与える代わり“スピーディに目的を達成させる”流儀を編み出しそれをそのまま敵方にも持ち込みます。

単身敵城に乗り込んで部下や女子供の生命を保証する代わり、和議や領主のみの切腹で解決しました。

家族が飢え病気や火傷や外傷で苦しみながら死んで行く戦争と、楽しく面白い暮らしの為に意地を棄てる和議(平和)と並んだら人はどちらを選ぶでしょう。


「刀を持たぬ、人蕩らし」と嘲笑されても、藤吉郎は動じません。
あたら死者を並べるより、合理的でしかも天下取りに近い手法を選んだのでしょう。

3敵を認めるものは、敵を超える

信長も、自分の命令以上に行動する藤吉郎や半兵衛を認めるばかりか高く買いました。

現代のトップダウン方式は、正しく彼が自らの老臣や兄弟すら追い出した“下克上”そのものです。

しかし、ここには通常大きな落とし穴があります。(06・1・19の日記参照)彼は、優れた部下に寝首を斬られかねない危険を省みない代わり自分の考えのみに固執せず他者を受け入れる事で大きな可能性を獲得して行ったのでしょう。

人間には、心があります。

ちっぽけな嘘や虚栄ばかりの権力者に、誰が“心から”従うでしょう。


残念ですが、信長も秀吉も巨大な城を構える頃には攻撃性の暴走やその不安感から湧き出る保身で精神のバランスを崩していた模様です。

信長は自らを神とし秀吉は朝鮮に出兵して子飼いの部下を疲弊させてしまい、豊臣家早期滅亡の要因になりました。

そんな中、一豊は生涯側室も持たずお家を存続させています。ここからも、何か学ぶ事がありそうです。





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最終更新日  2006年02月01日 21時40分22秒


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