全3件 (3件中 1-3件目)
1

2017.05.18
あのひとは、紳士だしオシャレだし、トークが上手で優しい男。運転手つきのロールスロイスに乗っていて、自家用ジェットで私をどこにでも連れていってくれた。あのひとに奥さんのいることはわかっているけれど、そんなことに私、こだわってない。あのひとは苦労人だし、叩き上げの部分も信用できる。ただ、あのひとは出世はしたけど、ゴールデンレトリバー、そう、ワンコちゃんなのよ。「犬なんかの囲いものになるなんて、絶対に許さない」と、昨日、兄さんにそういわれた。だけど、相手が犬だからって、心が優しくてお金もあるひとの誠意を受けないのは女として、どうかしていると思うのよ。あの人は犬だけど、とってもハンサムで血統証もある。あのことは、どうするべきか気になるけど、あのひとが望むならば、私は全てを受け入れる気持ちだ。友達の理恵は、「犬とやるなんて、つまり、獣○じゃない。あんた、頭おかしいんじゃない。そもそもあのスケベ犬がお金もちじゃなかったら、あんた妾になろうなんておもわなかったでしょう?」と、喫茶店のテーブルの向こうで怒っていたけど、それって動物に対する偏見だと思うの。彼は仕事のセンスもいいし、ケチケチしてないし、何より私を愉快な気持ちにさせてくれる。こないだは、ヒトカン五千円もするお寿司をご馳走してくれたし、だいたい、あのひとに連れていってもらう店には値札がない。そういうゆとりってなにより大切だと思うの。だから、わたし、行くわね、あなた。あなたは優しくしてくれたけど小さな会社のサラリーマンでそれは貴重なお仕事だし、頑張っていると思う。でも、あなたにはあなたのふさわしい相手がいるのよ。さようなら、あなた。お幸せにね
2017.05.05

2017.05.05
全3件 (3件中 1-3件目)
1