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2006年02月02日
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カテゴリ: 沖縄関係
沖縄の民話「ミルク神(弥勒)とサーカ神(釈迦)」

ミルク神(弥勒)とサーカ神(釈迦)は、隣村同士に住んでいました。

サーカ神は、
「働いて難儀するより、働かないで人の物を取って食べた方がいい。」
と、言っていました。
ミルク神は大変な働き者で、
「働けば働くほど幸せになる。働かないといけない。」
と、村人に教えていました。

ミルク神の住む村人は、皆働き者だったので村は大繁栄です。


ある日、サーカ神はミルク神にこう言いました。
「隣村同士に住んでいると、お互いに面白くない事もある。そこで相談だが、蓮華の花が先に咲いた方が、好きな土地を取ることにしようではないか。」
と、言いました。
「ああ、それでもいいよ。」
と、ミルク神も答えたので、二人の神様は、蕾の蓮華を持って目を閉じて座りました。
すると、徳の高いミルク神の花が先に咲きました。
サーカ神は、薄目を開けて見ていたので、先に咲いたミルク神の蓮華と自分のまだ蕾の蓮華を取り替えると叫びました。
「さあ、私の花が先に咲いた。ここに立って見える所はみんな私の土地だ。ミルク神は、ここから見えない所へ出て行け。」
すると、ミルク神が言いました。
「それはありがたい。ここから見えない土地は、私にくれるのか。」
サーカ神が取った土地は、高い山続きの荒涼とした土地ばかりでした。


一方、ミルク神が取った土地は低地で、人が沢山住みつき、作物も良くできました。
サーカ神は、益々ミルク神の村が栄えるので、いまいましくなりました。
そこで、サーカ神の顔に似た細面のネズミを造り、ミルク神の土地に放しました。
ネズミは、作物を食い荒らし、家の壁をかじり壊し、どんどん数を増やしました。
やがて、赤ちゃんの鼻や手足まで、かじるようになりました。

ネズミを退治する為の猫を造り放しました。
猫は、造り主のミルク神に似た丸顔です。
その頃の猫は、今の様に大きくなく、壁の穴に隠れたネズミも捕って食べることができました。
サーカ神は、自ら放したネズミが全滅しそうになると、ミルク神の所へ来てこう言いました。
「ミルク神よ、お前は馬鹿な奴だ。その猫が、もっと大きければ沢山のネズミを退治できるのに。」
そう言われたので、ミルク神は、猫を今の大きさにしました。
するとネズミは猫に追われても狭い穴に逃げ込み、全滅する事はなくなりました。

サーカ神は、ネズミ作戦は失敗に終わり、今度はイノシシを造り畑を荒らさせました。
イノシシは、一度に広い畑を荒らす事ができるので、ミルク神の住む村の百姓は困ってしまいました。ミルク神は、対抗策としてイノシシを追い払う犬を造りました。
「サーカの土地は、山の土地。サーカモノは、山に帰れ。」
と、言って放しました。
すると、犬はイノシシを山に追い払い、村には出てこなくなりました。

サーカ神が造ったネズミとイノシシは、サーカに似て顔がとんがり、ミルク神が造った猫と犬は、ミルクに似て顔が丸いのです。

その頃は、生き物全てが人と話ができました。
ある日、
サーカ神は、生き物達を集めると目隠しをさせ、火種を隠してしまいました。
すると困った事に、人間は煮炊きができなくなります。
そこでミルク神は、生き物を全部集めて言いました。
「お前達、サーカ神が火を隠すのを見なかったか。」
と、聞きました。
殆どの生き物達は、
「目隠しをされていたのでわかりませんでした。」
と答えると、そこへ、バッタとセミがやって来て、こう言いました。
「はい、私達は見ました。」
セミとバッタは、目が顔の脇の方にあったので、目隠しされても見えていたのでした。
ミルク神が、
「どこに隠したのか。」
と聞くと、
「浜にあるアンチャクラの木と黒石に隠しています。」
と教えてくれました。
黒石を叩き擦り、火を出そうとしましたが、火花が散るだけで火は着きませんでした。
そこで、木を使い「ヒヌクギ(擦り回し火を起こす道具)」を作ると火が出てきました。
それ以降、人間はまた火を使い、物を煮て食べる事ができるようになりました。

ミルク神は、こう思う様になりました。
「ああ、ここに居れば、いずれサーカ神に殺されるかもしれない。」
そう思うと怖くなり、船を造り始めました。
向うに見える遠い島に、銭や米俵を船に乗せて渡りました。
その島は、とても貧乏な島でしたが、ミルク神はその島の王様になりました。
そして、島人にこう教えました。
「人の物を一つ取ると十倍の損」
その教訓を生かし、その島は立派に栄えるようになりました。
一方、サーカ神の島では、
「いくら作っても、どうせ人に取られてしまう。」
と言い、何も作らないので栄えませんでした。

「なぜ、ミルク神の島は、どんどん栄えるのに、自分たちの島は、どうして栄えないのだろう。」
と言い、サーカ神の島人が不思議がり相談していました。
「そうだ。栄えている理由を、ミルク島で習おう。」
サーカ島人は、船でミルク島に渡りました。
すると、船着き場の近くの畑で、二人の百姓が喧嘩のように言い争っていました。
言い争いの内容は、畑の境界線が曲がっていたのか、真っ直ぐだったのかという争いでした。
サーカ島人は、
「ああ、ミルクの島でも争いをする人がいるのか。」
と思っていると、言い争いの一人が、
「ここは、元々貴方の土地だから取ることはできない。」
と言い、するともう一人も、
「貴方は頑固で困る。この畑はお前のだよ。」
と、言い争っているのでした。
サーカの島から来た人が、仲裁に入りました。
「それなら、真ん中から分けるのはどうでしょうか」
と言うと、
「いやいや、私達のミルク様は他人の物を一坪取ると十坪の損、十坪取ると百坪の損と言います。人の物を取ると損をするから嫌です。」
と言って互いに譲りませんでした。

これを聞いたサーカの島人は、あきれて自分の島に帰っていきました。

ミルク神は今でも「ミルク様」として、島で崇められいます。






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最終更新日  2006年02月02日 07時24分42秒
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