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2006年02月07日
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カテゴリ: 沖縄関係
宮古の民話「ニチィ花」(伊良部町)

むかし、とても貧しいニチィと言う男が居ました。
山に薪を取る事で、なんとか家族を養っていました。
その帰り道、一軒の大きな家の前を通りかかると、その家の中から賑やかな唄や三味線の音が聞こえてきました。
ニチィは、あまりに賑やかで楽しそうなので、お祝いでもしているのかと思い、薪を背中から降ろすと恐る恐る庭に入り、家の中を覗いて見ました。
すると突然、
「誰だ、勝手に屋敷に入り込む奴は。」
と、言う声と共に、屋敷の下人衆に取り囲まれました。
「やゃ、あの薪はお前のものか。勝手に人の屋敷に入った罰として取りあげろ。」

ニチィの家には、妻と生まれて間もない男の子がいました。
取り上げられれば生活に困るので、必死に抵抗しました。
ニチィは撲殺され、死体は家の柱の下に埋められてしまいました。

それから7~8年経った頃、ニチィを殺した大金持ちの家に、大変きれいな花が咲いて評判になりました。
噂は広まり、遠くから大勢の人々が見物に来るようになりました。
欲張りの金持ちの家では、この時を逃すなとばかりに、その花を見に来る人から沢山のお金を取っています。

その噂は、ニチィの息子の耳にも入りました。
「お母さん、向こうの家にきれいな花が咲いていると言うんで、見に行きたいなぁ。」
と、言いました。
が、その家で夫が殺されている事を知っている母親は、
「あの家に花を見に行ってならないよ。」

殺された一件は、息子にはまだ一言も言っていません。
息子も知りません。
しかし、息子は胸騒ぎがしてなりません。
ある日、
「お父さんの名前は、何と言うの?」

「お父さんは、ニチィと言う名前だよ。」
と、母親は答えました。

数日が経ったある日、息子はどうしても見たいと母親に強請り、お金を貰いその花を見に行きました。その家に着いて、主人に尋ねました。
「このきれいな花の名前は、何と言うのですか?」
「貧乏人が。まぁ、お金を持ってきたのだから教えてやろう。この花はニチィ花という花だ。」
と、主人は答えました。
男の子がそれを聞いて、
「ああ、やっぱりお父さんの花だ。お父さん。」
と、きれいな花に声をかけると、その大きな花はポロリと地面に落ちてしまいました。

怒った主人は、男の子を殴り蹴り、大変な目を合わせました。
しかし、それ以来その花は咲かなくなり、金持ちの家は急に貧乏になった。






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最終更新日  2006年02月07日 09時14分59秒
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