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30代の半ばから30年間、映画館から遠ざかっていました。それでも記憶に残っている数本の映画があります。たとえば 「麦の穂をゆらす風」
、 ケン・ローチ
がアイルランドの悲劇を描いた映画でした。 「何か」が失われていきます。 毎日の暮らしに必要な、小さな 「何か」 ですが、それがなになのか、多分、言葉にすると微妙に間違いそうな 「何か」 です。家族のそれぞれが、その 「何か」 を失い、少しづつ 「すれ違い」 が始まります。あたたかく、しかし、哀切で不安に満ちた世界が、小さな家族の中に少しづつ広がってゆきます。
暖かい大団円の好きな人は、見ない方がいいかもしれません。そういえば 「麦の穂をゆらす風」
でもそうでした。あれから10年以上たって、 80歳 を越えたケン・ローチ
の現代社会を、そして、そこで生きる人間を映し出す映像の 「きびしさ」
と 「やさしさ」
が、この映画を忘れられないものにすると思いました。
監督ケン・ローチ Ken Loach
製作レベッカ・オブライエン
製作総指揮
パスカル・コーシュトゥー グレゴリア・ソーラ バンサン・マラバル
脚本ポール・ラバーティ
撮影ロビー・ライアン
美術ファーガス・クレッグ
衣装ジョアンヌ・スレイター
編集ジョナサン・モリス
音楽ジョージ・フェントン
キャスト
クリス・ヒッチェン(父親 リッキー)
デビー・ハニーウッド (母親 アビー)
リス・ストーン (高校生の息子 セブ)
ケイティ・プロクター (小学生の娘 ライザ・ジェーン)
ロス・ブリュースター(運送会社の現場監督 マロニー)
2019
年・ 100
分・イギリス・フランス・ベルギー合作
原題「 Sorry We Missed You」2019
・ 12
・ 15
シネリーブル神戸no38
追記2019・12・23
「
Sorry We Missed You」
について 町山智浩
さん
がラジオで語っているのを読みました。この言葉は、宅配の人の 「不在票」
の言葉なんですね。 「残念ながら、ご不在でした。」
っていうあれを、英語で言うとこうなるそうです。なるほど、納得しますね。それにしても、作品全体を実にシャープに表した題だと思いました。
それにしても、 「自己責任」
っていう言葉が、何故、はやり始めたのか、どんな世界を作りつつあるのか、ちょっと立ち止まって考えてみる必要があると思いました。
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