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2025.08.31
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​​ 黒田三郎「あなたは行くがいいのだ」・「賭け」 (黒田三郎詩集・思潮社) 今日の 案内 「荒地」派 の詩人 黒田三郎 (1919年・大正8年~1980年・昭和55年) の始まりの詩集 「一人の女に」 に収められている2篇です。
戦後詩 というジャンルが、かつてあったということはもう忘れられているのでしょうか。文学史的な定義がどうなっているのか知りませんが、 「荒地」、「列島」 という同人誌が 1940年代の後半から50年代 にかけて発刊されていて、そこで書いた詩人たちの詩を 70年代 に20代になった戦後生まれの、 ボクのような世代 ​「戦後詩」​ として読んだわけです。
 まあ、好みの問題にすぎませんが、ボクの場合は 「荒地」の詩人たちの詩 を読んだわけで、そこに書かれている 「詩」 が、あの頃、教科書で出会った 立原道造 とか 中原中也 の詩とは違うことに惹かれていたのですね。大きな違いは戦争体験だと思いました。だから 「戦後詩」 なのですが、戦後生まれの世代であったボクなんかは、 中原や立原の天才的な抒情 には、もちろん強く惹かれてはいたのですが、 戦後詩人たち の戦場体験を背景にした、暗い 社会性 が魅力的だったのでしょうね。一方に、彼らと同時代に 「二十億光年の孤独」 を書いた 谷川俊太郎 が、すでに活躍していた時代でもあって、 田村隆一 鮎川信夫 を暗い学生下宿で読んでいるのは、少々時代遅れだった気もします(笑)。
​​​​ で、今日は 「荒地」 の詩人 黒田三郎 の詩です。 戦場から帰ってきて、結核に苦しんでいる青年 「恋」 (?)。戦後でしょ(笑)。​​​​
「あなたは行くがいいのだ」  黒田三郎

あなたは行くがいいのだ
男爵夫人の舞踏会に
あなたは行くがいいのだ
病みついた僕に電話であいさつなどせずに
あなたは行くがいいのだ
並木道の向こうへ

僕はひとり夕やみの入ってくる窓辺にいて
一枚一枚きれいな衣装をぬぐように
今は過去をぬぎ捨てねばならぬ
ああ みんなぬいでしまったときに
僕はひとりの病人となり
サナトリウムへ行ってしまうのだ

都会のわけのわからぬ忙しさのなかで
いつのまにかがたがたの自動車のように
僕は動かなくなってしまったのだ
自分の走って来た何万キロの道を
海に行く道や曲がった道 泥だらけの道を
にわかに僕は思い出さねばならなくなった

あなたは行くがいいのだ
恋人よ
窓辺にいて僕は思う
あなたの首にかかる髪の毛を
あなたのやわらかな腕を
あなたのすらりとのびた脚を


「賭け」  黒田三郎

五百万円の持参金付の女房をもらったとて
貧乏人の僕がどうなるものか
ピアノを買ってお酒を飲んで
カーテンの陰で接吻して
それだけのことではないか
美しくそう明で貞淑な奥さんをもらったとて
飲んだくれの僕がどうなるものか
新しいシルクハットのようにそいつを手に持って
持てあます
それだけのことではないか
ああ
そのとき
この世がしんとしづかになったのだった
その白いビルディングの二階で
僕は見たのである
馬鹿さ加減が
ちょうど僕と同じ位で
貧乏でお天気屋で
強情で
胸のボタンにはヤコブセンのバラ
ふたつの眼には不信心な悲しみ
ブドウの種を吐き出すように
毒舌を吐き散らす
唇の両側に深いえくぼ
僕は見たのである
ひとりの少女を
一世一代の勝負をするために
僕はそこで何を賭ければよかったのか
ポケットをひっくりかえし
持参金付の縁談や
詩人の月桂冠や未払の勘定書
ちぎれたボタン
ありとあらゆるものを
つまみ出して
さて
財布をさかさにふったって
賭けるものが何もないのである
僕は
僕の破滅を賭けた
僕の破滅を
この世がしんとしづまりかえっているなかで
僕は初心な賭博者のように
閉じていた眼をひらいたのである
詩集「一人の女に」(1954・昭森社)

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最終更新日  2025.08.31 12:20:23
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