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スノードロップというのはエデンを追われたイヴが地上で初めて迎えた冬の日、野原の草花が無くなった一面の雪原に嘆いていた所に現れた天使が、イヴを慰めるために降っていた雪をこの花に変えたという花の名前です。和名は待雪草。こんな花ですね。
題名を見て、なんとなくそういうことを思い出して見ました。 吉田浩太
という 監督
の 「スノードロップ」
です。西原亜希さんの表情に唸りました。 映画は 現代社会の実相 とでもいう、 貧困、老い、痴呆、家族離散、セイフティー・ネットの実態 を一人の孤独な女性を描くことで突き詰めていくことを狙っている作品だと思いましたが、筋を追うことに真面目過ぎて、手際のいい作品とはいえない印象でした。
「みじめだったんです。」 しかし、 主人公の女性 が、泣いたり笑ったり一切することなく、この ひとこと を口にしたときにギョッとしました。演じている 西原亜希さん が、初めから終わりまで、
この言葉を発する女性を演じきっていらっしゃった!その演技には心うたれました。
この ことば を、本当に 「聴く」 ことはできたのだろうか?という疑問は、見ているボク自身にも突き刺さる問いでした。
私たちは出来事の原因や経緯を知ることで、わかった気になったり、安易な同情を寄せたりしますが、果たして、本当のところ、何がわかっているのでしょうね。
「むかふ」の「む」は身であり、「かふ」は交わふであると解していいなら、考えるとは物に対する知的な働きではなく、物と親身に交わる事だ。物を外から知るのではなく、物を身に感じて生きる、そういう経験をいう。(「考えるという事」) 小林秀雄 の有名な言葉ですが、 映画を「見る」という事 についての覚悟のようなものについて感がさせられた作品でした。 拍手!
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