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2024.04.20
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テーマ: 児童養護施設(7)
カテゴリ: 心理職




 今回は、主に子どもについて、【その子どもがほんとうに求めているのは何なのだろう?】ということをお話できればと思っています。


 児童養護施設にいると、ほんとうにびっくりするくらいの寄付が届きます。食べ物から生活用品から衣料品から玩具から学用品から、あるとあらゆる 【もの】 がたくさん届きます。匿名のかたからのいただきものもたくさんあります。
   実際のところ、大人(職員など)の視点からすれば、児童養護施設で生活するようになった子どもたちって、逆にものすごく恵まれているよね、と感じることも多いようです。


 社会的養護の中で生活するようになる前は、子どもたちの生活はとても悲しいものでした。
   食事も満足に与えられることがなかった子ども。安心して毎日を過ごすことのできる 【居場所】 もなくて、徘徊せざるをえなかった子ども。いつも同じ衣服で過ごしていて、頭にはしらみがわいている子ども。
   そんな子どもたちが、家庭から離れ、社会的養護の場で毎日を過ごすようになると、そういった衣食住などの基本的な要素がある意味"過剰なくらいに”満たされていくことになります。

   いわゆる、 マズローの欲求5段階説 における 物質的欲求 、つまり 生理的欲求 (食べたい、寝たい、呼吸したい、排泄したいなど)や 安全の欲求 (精神的にも肉体的にも健康で、経済的にも不安を感じない生活がしたい)は、すごく満たされていくことになります。


 これは、大人の視点からすれば、「児童養護施設で暮らす子どもって、恵まれているよね」というように感じられることが多いようです。
   社会の中には、家庭から引き離さなければならないほどではないと大人が判断しているけれども、その境遇は児童養護施設で暮らす子どもたちとそこまで大きな差はなく、上で言う、物質的欲求をなかなか養育者が満たすことができずに欠乏や不安の中で毎日を過ごしている子どもはたくさんいます。
   そんな子どもたちに比べると、児童養護施設で暮らす子どもたちはなんと恵まれていることか。
   こんなにいろいろな人たちからの寄付を受けて、支援を受けているのだから、当然子どもたちは、深く寄付してくれている人たちに、支援してくれている人たちに、そして社会に感謝しながら生きていく べき だ、と。


 ところが、実際の子どもたちはどうかと言いますと、いろいろ寄付や支援をしてくださっているかたがたにはとても心苦しいのですが、はっきり言って、感謝の気持ちを表現することはまずありません。


   そして、そうやっていただいた 【もの】 をたいせつに扱うこともほとんどありません。
   平気で嫌いなものは残すし、興味がなくなればぞんざいに扱うし、時には自分たちの怒りやイライラを発散させる相手として選んで、ぼろぼろにしてしまったり、壊してしまったりすることも日常茶飯事です。
   お礼の手紙や色紙をみんなで書くことも多いですけれど、それはほとんどが大人主導で、子どもたちはそれに従って通り一遍のことばを書き連ねるだけです。


 念のためあらかじめ申しておきますと、私は児童養護施設などへの寄付が無駄だとか、必要ないとか、そういったことが言いたいのではありません。


   それはなぜなのだろう?ということを述べてみたい、ということが、この稿の趣旨になります。



では、長くなりますので、続きは『【もの】と【かかわり】②』で書いていきます。





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最終更新日  2024.07.18 12:34:40
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