新国立劇場ラ・ボエーム2020初日

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2020年01月24日

カテゴリ： OPERA

Photo Album
Photo:©Shevaibra, courtesy of the artist

NNTT
La Bohème
2019/2020 SEASON
Music by Giacomo PUCCINI

The New National Theatre, Tokyo (NNTT)
24 Jan.2020

Conductor: Paolo CARIGNANI
Production: AGUNI Jun

Costume Design: Alessandro CIAMMARUGHI
Lighting Design: KASAHARA Toshiyuki

Mimi: Nino MACHAIDZE
Rodolfo: Matteo LIPPI
Marcello: Mario CASSI
Musetta: TSUJII Akiho
Schaunard: MORIGUCHI Kenji
Colline: MATSUI Hiroshi
Benoit: SHIKANO Yoshiyuki
Alcindoro: HARE Masahiko
Parpignol: Munenaga Terada

Chorus: New National Theatre Tokyo Chorus

新国立劇場　ラ・ボエーム
初日
2020年1月24日

指揮パオロ・カリニャーニ

美術パスクアーレ・グロッシ
衣装アレッサンドロ・チャンマルー
照明　笠原俊幸

ミミ　ニーノ・マチャイゼ
ロドルフォ　マッテオ・リッピ
マルチェッロ　マリオ・カッシ
ムゼッタ辻井亜季穂
ショナール森口賢二
コッリーネ松位浩
ベノア鹿野由之
アルチンドロ晴雅彦
パルピニョール寺田宗永

東京交響楽団
新国立劇場合唱団

スター満載の新国立劇場ラ・ボエーム
客の興奮半端なし
マチャイゼは歌手というよりほぼ女優
彼女のゆっくりのアリアを許してついていくカリニャーニもすごい。

マリオ・カッシ超イケメンに泣かせる演技
イタリアの伊達男日本上陸万歳

ロドルフォのリッピ
明るく高くよく伸びるキラキラのロドルフォヴォイス
大満足
演技もコミカルでやっぱりイタリア人がやると芝居が自然。

ムゼッタ　美しく高い声のソプラノ。大胆な演技に会場沸く。

コッリーネ松位さん　豊かで包まれるような見事なバス。アリア以外出過ぎないところもさすが。アリアは圧巻のすばらしさ。

ショナール森口さん、若々しく躍動。悲しみにも味があった。

粟國さんの細かい演技付けがすごい。

詳細続く。

マチャイゼは昨年の夏のザルツブルク音楽祭のルイザ・ミラー題名役を見た。
出産で声が重くなったのか
リリコどころかドラマティコに変身していて驚いた。
やはり今回も同じ印象で
声が重く
リッピが軽く高い声なので逆に合ってたかも？
アリアはすべてゆっくり過ぎるテンポでしかも間を取りながら歌うのであるが、演技がものすごいのでそういうものかと思ってしまうw

ロドルフォは最初慎重だったが最初のアリアで大拍手もらって以降グングンよくなり3幕以降素晴らしかった。
1幕の冷たき手をのアリアでは最高音も短くではあるが到達しクリアー
第1幕の幕切れのHigh Cには挑戦せず楽譜どおり。
主役二人のプッチーニらしい派手な重量級のパワーが客を熱狂させた。

カッシはイケメンな上に演技が泣かせるので終始目が離せない。イタリアの大スター。

パルピニョールの寺田さん道化になりきった動き！身が軽い。お声も美しくよく通る。

カバー歌手が驚き！イタリア留学中の砂田愛梨さんがムゼッタのカバー！
先日我孫子でマゼットを聴いたばかりの高橋正尚さんがショナールのカバー。
カバーもどんどん若い才能を入れているところがすばらしい！

＊＊＊

粟國さんの演出のすばらしいところは台本に書いてあることをできるだけ再現しようとすること。台本に書いていないことも表現するが、基本元の台本の根幹を壊すことは絶対ない。
彼はイタリアで育っているのでイタリア語の演出を一言一言すべてつけるのだ。
それはそれはすごい。
彼の演出を理解するためには台本のイタリア語を覚えてみる必要がある。

パリの屋根が続く遠景が映し出される
その中に浮かび上がる部屋。

ボエームといえばもう圧倒的にMETのゼッフィレッリ演出が染み付いているので
多くの人はセットがちょっと二階建てになっていてかみてに張り出したバルコニーがないと満足しない
しかし普通はそんなすごいセットはできにくい。

粟國さんの演出でのセットは真ん中に大きな柱がある。
これをマリオはけっこう使っていた。

部屋は続きの二部屋でかみてにもしもてにも入り口がある
もちろんしもて側は裏口。
表の玄関はかみて側のドアだ。
ドアの外には廊下も見えていて
急な階段はさすがに見えないが
ドアの外の廊下まで見せるというのは新国立劇場のフィガロの結婚でもやっていた。
このボエームは過去に二回は見ているので同じことを書いていたとしたらすみません。

しもてがわにマリオの演じるマルチェッロのイーゼルがある。
かみてがわにはロドルフォのデスクがあり
中央の柱に奥にはストーブがある。

しもてがわのセットはかみて側より階段数段分高くなっている。

Per vendicarmi, affogo un Faraon!

L'amore è un caminetto che sciupa troppo.

二人はロドルフォの芝居の脚本の紙を燃やして暖を取る

Che lieto baglior!

Già dell'Apocalisse appariscono i segni

コッリーネが帰ってくる。
コッリーネが帽子を帽子掛けにかけるとはらはらと雪が落ちる。
外は雪が降っているのだ。
演出細かい！

第二幕を破くときの音、プッチーニの音楽に合わせている。
粟國さんの演出はこういうとこプッチーニがそう書いているのでそう演出しているのだ
Come scritto

Pensier profondo!

Là c'eran baci!

子供たちが薪を運んでくる
子供が駄賃をいっちょまえに請求する
子供が芝居めちゃうま
ショナールが口上を始める

二人はさっそく机を運びディナーの支度を始める
燭台を二本取り出して食卓に置く。
しかし

Chi?
誰が？

マルチェッロはフランスパンを折って食べようとしている
コッリーネはサラミ？

きょうはカルチェラタンに繰り出そう
不機嫌になる三人
でも飲むのはここでもいい
途端に喜んで盛り上がる三人

かみてのドア
ドンドンドン
どなた？
大家です
いっせいに裏口から逃げようとする４人
しかし…
（ここは粟國さんが付け加えた演出）
大家が入ってくる
仕方ない
マルチェッロは大家を座らせ金をテーブルの上に置く
大家が取ろうとするが先にマルチェッロが押さえる
まあ一杯
マルチェッロは金の袋をそっとショナールに渡す
ショナールはしまう

Briccone !

大家をからかう４人がユーモラス

mia moglie

女房持ちだったのか、浮気とは汚らわしい、と４人は結託して大家を追い出す
請求書を取り上げる

buona sera a Vostra signoria

３人は出かけようとするがロドルフォは仕事が残っている

Io resto

誰？
女の人だ！

火を

Tanta fretta?

このへんの残念そうなロドルフォの演技がコミカルですばらしい
手ぶりがイタリアーノ
Matteo Lippi was born in Genoa in 1984

ミミは廊下に出るがそこで鍵がないのに気づき
そうこうしている間に火が消える

ロドルフォも火をわざと消して真っ暗になる

あっ

あったんですか？

いや…

ロドルフォは鍵を足で踏んで隠している
すばやく拾う

ミミはそれに気づくが見ないふりをする
このへんの演技の機微もさすが
まるで映画みたい

ミミは床に這いつくばって両手を床につく
実際にはドレスの上に置いている手に
ロドルフォが手を重ねる

Che gelida manina!

前述

大拍手

Mi chiamano Mimì

大拍手

Non sono solo. Siamo in due

O soave fanciulla

Già mi mandi via?

このへんのがっかりした演技もさすがのリッピ。

ロドルフォはミミを口説こうと…

C'è freddo fuor

柱を挟んで向かい合う二人

するとミミは妖艶な笑みを浮かべると

Vi starò vicina!

と言いながらロドルフォの手に自分の手を重ねる

有頂天のロドルフォ

E al ritorno?

ごまかして出口に行くミミ

Dammi il braccio, mia piccina

Amor!

ミミはばっちりHigh C!

大拍手

そのまま第二幕へ
カフェモミュス

舞台は八百屋舞台になっていて人であふれている。

ショナールはラッパにけちをつけたため楽器屋が怒って去ろうとする
ショナール慌てて追いかける

しもてにはコッリーネ

パルピニョールの声が響く

舞台セットがどんどん展開し
かみてにカフェモミュス

perché son io il poeta,
essa la poesia.

詩的にミミを紹介するロドルフォ

パルピニョールは大きな山車に乗っていて

Ecco i giocattoli di Parpignol!

と叫ぶと高いところから飛び降りる

ジャンプしまくりです

おもちゃが欲しいと駄々をこねる子に
おもちゃを渡すパルピニョール
母親にしっかり代金を請求する

テーブルにはミミに買ってあげた、リボンのかかったプレゼントの箱が。

マルチェッロは皮肉を言う

ムゼッタが車に乗って登場
車が故障して煙を出していて運転手が慌ててる
ムゼッタが車を下りるのに手を貸す。
ムゼッタはマルチェッロを認めて隣にテーブルを出させる

マルチェッロはムゼッタを見ない

Il suo nome è Musetta;
cognome: Tentazione!

ムゼッタはマルチェッロの気を引こうと、お皿を落として割る

おろおろするギャルソンが片付ける

ムゼッタは芸能人で女性たちがサインをもらいにくる

La commedia è stupenda!

Stupenda !

業を煮やしてムゼッタは歌うことに

その前にコートを脱いでゴージャスなドレス姿になるのでミミが
「ほらっすごいわよ、見て見て！」とマルチェッロを促す。
このへんの演技も自然でマチャイゼすばらしい。
マルチェッロは完全に無視を決め込んでいる

Quando men vo

彼女が歌いだすとたまらずかみてがわのテーブルに逃げる

重唱へ

すばらしい！

Ah! Marcello smania

最終手段
ムゼッタは悲鳴をあげる

どした？

痛いの

どこが？

あんんんんし

音楽に合わせてスカートをたくし上げる
周りに殺到する男たち
ムゼッタは膝まで足を見せたり隠したり大忙し

かみてではムゼッタに見とれていた男が恋人と大喧嘩になり去られてしまう

マルチェッロは頭が沸騰しついに…

Gioventù mia,
tu non sei morta

Sirena!

抱きあいぶっちゅーとキスする二人
わーお。

スペクタクルシーン
彼らはかみてにはける
鼓笛隊の行進
行列についていくムゼッタ一行
もちろんアルチンドロに買わせた戦利品もしっかり男たちに運ばせる
ムゼッタが女王様のように男に担がれて手を振る
ウェイターに請求書を渡され驚く顔のアルチンドロ

大拍手

第３幕

雪

奥に飲み屋
手前に税関の建物と門

夜明け前

ミミが来る

門番に聞く
女性にマルチェロを呼ばせる
セットが変化し
しもて側に飲み屋が出現する

マルチェッロが出てくる

ミミ！

ミミはいったん奥に隠れる

Mimì di serra è fiore

ミミが出てくる
動揺するロドルフォ

すぐに近づいて抱きしめる

マルチェッロはムゼッタの嬌声にかっとなる
このムゼッタの笑い声がスゴイ！
さすが！

D'onde lieta uscì al tuo grido d'amore

大拍手

Dunque è proprio finita?

マルチェッロはムゼッタを口説いていた男を殴りつける
その色男を制止する店の男

四重唱

Rospo !

Strega !

そこまで言われて悲しくなり、泣きながら走ってかみてに去るムゼッタ
マルチェッロは呆然となって居酒屋の前のベンチに座り込む
マルチェッロは悲しみに耐えている表情
あ～もう演技うますぎる！

Ci lascerem alla stagion dei fior!

二人の圧倒的パワーに客席大喝采

第４幕

Non batte? Bene!

Lavoriam

O Mimì tu più non torni

すばらしい！

マルチェッロは描いていた風景画をどける
するとそこに

e n'esce di Musetta
e il viso ancor

なるほど
このムゼッタの絵
タッチがモジリアニなんです！
そういうとこもすごいこだわりが！

L'ora del pranzo di ieri

彼らは丸一日何も食べていないのだ

ショナールとコルリーネが戻ってきて
大騒ぎになる
武士は食わねど…
の４人

冗談を言ったり
踊ったり

ギゾーに呼ばれましてな…

なわけないじゃない！
という手ぶりのコッリーネ
演技にはすべて意味を持たせている

ショナールが歌おうとすると

やめろ！

じゃあ

ファンダンゴ

マルチェッロの女声

Rispetti la modestia

騒いでいるとムゼッタが現れる

ミミが…！

迎えにいくロドルフォ

ベッドをかみての部屋に運ぶ

Ah! mia Mimì, sempre, sempre !

ムゼッタ
Voglio morir con lui! Forse m'aspetta

しーっ！

ムゼッタ
何もないの？
（ショナールに

悲しみに沈み柱にもたれかかって二人を見ているマルチェッロ

ムゼッタとマルチェッロはミミの最後の願いを叶えるために出て行く

Vecchia zimarra

Addio, addio

すばらしい！

ショナールは水差しを持って出て行く

ショナールが出て行き
ロドルフォは柱に寄りかかって涙を抑えられない

ミミが起き上がろうとしている

mia bella Mimì!

e cerca, cerca

ショナールがそっとドアを開けるが二人が抱き合っているのを見てそっとドアを閉める

ミミが咳き込む

ショナールが驚いて入ってくる

ムゼッタがミミにマフを渡す

毛糸の時代が感じられるもの

ミミはもう目が見えず
ロドルフォと勘違いする

ロドルフォは泣きだす

e... dormire

マルチェッロはかみてにいる

ショナールはミミの手がマフから出て垂れているのをベッドに戻そうとする

脈がない！

ショナールはマルチェッロに告げる

マルチェッロはすぐにミミの脈を取りに行く

死んでる…！

コッリーネが戻る

マルチェッロはロドルフォの視界をさえぎるようにミミのベッドの前に仁王立ちになる。
もう涙、涙です！

異変を感じたロドルフォははっとマルチェッロを見て

quell'andare e venire,
quel guardarmi così

Coraggio !

Mimì

Mimì

悲しみの中ピンスポになり暗転

全幕了
大拍手！

カーテンコールがえんえん続いた。
お客さん熱狂のボエーム
初日終演です。

カーテンコールでもまだ悲しみの世界から戻っていないマリオ
入り込んでいたのですね！

お疲れ様でした。

＊＊＊
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2012年01月22日　 Aris Argiris as Marcello, NNTT La Boh?me 新国立劇場ラボエーム

2016年11月26日　新国立劇場ラ・ボエーム2016

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