
医者役の畠山さんは終始、発声をブッフォに特化させており、さすがの舞台巧者ぶりを見せておりました。
公証人の清水さん、重みのあるカヴァリエバリトンで美声。あの不思議な万年筆で本当に遺言状を書いていたからビックリ‼️
リヌッチョの村上公太さん、リリックテノールなのだが、スピント気味に力強く歌っていた。
シモーネ河野さんはやはり俳優のような見事な演技で牽引する。最近放送された東京二期会のコジでも演技力ハンパ無かった。新国立劇場に欠かせない救世主のような存在です。
頭に帽子のスキッキのアリアはもっと演奏が早くてもよかった気がする
フィレンツェの悲劇
ビアンカのヴァイスバッハも、グイードのポメロイもワグネリアンシンガーですごいパワー
ポメロイはジークフリート系のヘルデンテノール。Wagner作品で聴いてみたい。
シモーネのTJマイヤーはバスバリトン
独り歌いの部分はWotanの繰り言にしか聴こえません
以前ミュンヒェンで聴いたなあ
音楽はまさにリヒャルト・シュトラウスの「サロメ」と「エレクトラ」のミックス
オマージュ作品なのでしょうか
シモーネがグイードに布地を売りつけるところが「サロメ」のヘロデがサロメにヨカナーンの首を諦めさせようと説得する音楽にそっくり。
後半のダンスシーン、リュートのシーンは、「エレクトラ」でエレクトラが踊り狂うシーンにそっくり。
コンマスは小林壱成さんだったようですね?すばらしかったです。
Photo Album
Photo: ©Shevaibra, courtesy of the artists
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Gianni Schicchi by Giacomo Puccini
Libretto : Giovacchino Forzano
FACH
Gianni Schicchi (age 50) baritone
Fach : lyric baritone / Charakterbariton (aka Verdi bariton)
lower tessitura with range to G5, stronger and fuller voice
Arias : Si corre dal notaio - buffo aria
Range : B3 to G4
Lauretta (age 21) soprano Fach : lyric soprano
Arias : O mio babbino caro
Range : D#/Eb4 to G#/Ab5
Rinuccio (age 24) tenor Fach : lyric tenor
Arias : Firenze è come un albero fiorito
Range : F3 to A#/Bb5
Zita (age 60) contralto
Gherardo (age 40) tenor
Nella (age 34) soprano
Gherardino (age 7) soprano or treble
Betto di Signa(貧しくみすぼらしい恰好, 年齢不詳)bass
Simone (age 70) bass
Marco (age 45) baritone
La Ciesca (age 38) mezzo-soprano
Maestro Spinelloccio, a doctor bass
Ser Amantio di Nicolao, a notary baritone
Pinellino, a cobbler bass
Guccio, a dyer bass
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フィレンツェの悲劇
(今回は再演。新国立劇場における初演は2019年4月)
Place: Simone's residence in Florence
Time: 16th-century
セットは芸術的ですばらしい
最初フィレンツェの有名な建物(ドゥオモ、市庁舎、ポンテ・ヴェッキオ)がコラージュされた幕がかかっている。この幕は照明によって一部向こうが透けて見えてくる。
幕が開くと当時の建物を真っ二つにして布地がそこから木の根のように這い出ている。
クジャクの羽の模様が建物には書かれている。
床は大きな木の幹が縦横に這っている。
しもてにダイニングテーブルと椅子がありそれにくっつくようにベッド様のものがある。
かみてには無数の糸車。
あれオランダ人?と錯覚してしまう台数の多さ
演出の時代は読み替えておらず16世紀のままである(根拠:衣裳、小道具)。
照明が暗くはっきりは見えにくいお化け屋敷っぽい見た目
このセットはダリなどのシュールレアリズムの世界を連想させる
シュルレアリスムの時代<第一次大戦後~第二次大戦前>とこの作品のプレミエが1917年なのでやや近い時代ということでの発想か?
ジャンニ・スキッキ
セットが「フィレンツェの悲劇」のものを使いまわすのかと思ってたらまったく違うセットが張り出してきた
このセットは粟國さんお得意のファンタジー・メルヘンちっくな世界で
誰かのデスクの上
ダンテの胸像のミニチュア
巨大なペン、インク壺などの文房具
天秤ばかり。飾りではなくこれはけっこう芝居に使ってた
機械動力で上げ下げしているようだった
最初にブオーゾがどこで死んでいるかというとベッドではなく本の上。もちろんその本はダンテの『神曲』だ。
引き出しがあって人が出入りできる。
誰かがデスクでダンテの『神曲』を読んで想像を膨らましている世界という設定らしい。
粟國さんの昨年の「連隊の娘」や、同じく新国立劇場のダブルビル「子どもと魔法」の世界と共通する「粟國ファンタジー・ワールド」の一環か。とても素敵です。
詳細続く
「羊飼いの王様」終演後アフタートーク 2025年11月11日
愛の妙薬@池袋 2025年11月09日
羊飼いの王様@藤沢 2025年11月08日
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