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そのムカシ、たばちゃん♪という装置は、日本全国に散らばる「お客さん」にコントローラーを 握られていました。あっちから こっちから、あっちへ こっちへと 振り回されて、それはそれは 大変な日々でした。ある日、たばちゃん♪はコントローラーのコードを ぶっちぎりました。もう、やってられんわっ!!当然のことながら、あっちから こっちから 非難を浴び、あっちこっちで 軋轢が生じましたが、長い時間をかけて、たばちゃん♪は、自分のコントローラーを 自分の手元に 取り戻しました。そして さらに長い年月が経った ある日、たばちゃん♪は 自由の身になりました。自由になった たばちゃん♪は、新しいことを始めました。(中略)そして いま、たばちゃん♪は、自分のコントローラーが ふたたび どこかの 誰かたちに 握られ始めているのではないか?という疑問を 持ち始めました。ああ。いけない。これでは また、ムカシと同じことになるわ。けれども すでに、自分で コントローラーを握っていたとしても自分の人生を 完全にコントロールできるわけではないということに うっすらと気づき始めていたたばちゃん♪は、考えました。あえて、どこかの誰かたちの指令に 乗っかってみたら、どうなるのだろう?コントロールされていることを 意識した上で、コントロールされてみるのです。こうして、たばちゃん♪の新しい実験は始まったのでした。(つづく・・・かもしれない)ちなみに、当時、「つまり、日本全国の『お客さん』たちが、たばちゃん♪のコントローラーを 握っているわけですね?」と言ったのは、雪見大福コーチだよ。おしまい。ありがとうございます。
2021.09.15
えっ?まさか・・たばちゃん♪は、愕然としました。この状況は、あのときと 同じでは・・?衝撃の あの 白ずきんちゃん事件から、はや 4年半が 経とうとしていました。この数年間。自分が ‘いいひと’ブランドの 白ずきんをたくさん 重ね着していたことを 知ったたばちゃん♪は・・・1枚ずつ 白ずきんを 脱いできました。これまで 長い年月をかけてコレクションしてきた、大切な 大切な、白ずきん。それらを 手放すのは断腸の想いでしたが、たばちゃん♪は、やってのけました。どの白ずきんも 思い出深く、捨てるのは 容易では ありません。それでも、白ずきんを 脱ぐたびに、悩みのタネだった 頭痛は軽くなっていきました。また、ある程度 軽くなると、もっと もっと自由になってみたくなりました。あるときは、イヤイヤ。そして あるときは、自ら すすんで。たばちゃん♪は白ずきんを 脱ぎ続け、いつしか すっかり 身軽になっていました。必要最低限の白ずきんだけ 残したたばちゃん♪は、数年前の自分を 懐かしく 思い出すこともありました。あの頃の私は、とっても 大変だったわ・・・どうして あんなにも白ずきんを 必要としていたのかしら?いまの たばちゃん♪にはその理由が わかっていました。そして いつのまにか自分が 以前ほど 白ずきんに 頼らずとも生きていけるようになってることにも、気づいていました。すっかり 身軽になった たばちゃん♪は、これまでとは違う山道を歩き始めていました。険しそうに見えた その山は、いざ 登り始めてみると意外と楽しい 遊歩道でした。が、ある日のこと。遠くで 誰かが 叫んでいる声が聴こえました。白ずきん、ちょうだーい!たばちゃん♪は、いつもの癖で白ずきんを 深く 被りなおしました。そして 聴こえないふりをしました。数日後、また 同じ声が しました。白ずきん、ちょうだーい!たばちゃん♪は、どきどきを隠して白ずきんを 手で 押さえ、走り出しそうになるのを ガマンしながら早歩きで 前へ進みました。こういうとき、走って 逃げると、相手は よけいに 執拗に追っかけてくる。数年前の 白ずきん事件によって、たばちゃん♪はそれを 痛いほど 学んでいました。だから、その叫び声には 気づかぬふりをしたまま、どこか 大きな木の陰に隠れて やりすごしてしまおう、と 考えたのです。それでも、その‘逃げ出したい気分’は、相手に 察知されてしまったようです。白ずきん、ちょうだーい!!相手は、さらに 速度を上げて白ずきんちゃんに 迫ってきました。たばちゃん♪は、泣きたくなりました。この状況は、数年前のあのときと同じだわっ!追いかけてくるひとは 替わっているけれど、これって、私のいつものパターンじゃないのっ!!たばちゃん♪は、途方にくれました。みんなが欲しがる 高級ブランド白ずきんは、もはや たばちゃん♪の手にはほとんど 残っていないのです。けれども、そのことを知らないひとが、たばちゃん♪が 白ずきんを まだまだ たくさん 持っていると 期待して、追いかけてきているのかもしれません。たばちゃん♪は、逃げるのを あきらめました。きっと、私が 逃げるから、追ってくるんだわ・・・私は、白ずきんを、持っていません!それが 相手にも わかるよう、立ち止まってみました。近くで 見てみれば、たばちゃん♪が 以前のような ‘白ずきん持ち’でないことがわかってもらえるでしょう。ところが、相手は おかまいなしです。あの手 この手を 使って、たばちゃん♪から 白ずきんを 奪おうとしています。たばちゃん♪は、途方にくれてしまいました。そんなとき、ふっと 思い浮かんだのが、自分の持っている新しいずきんのことでした。実は、たばちゃん♪は、最近、白ずきんに代わる 新しい持ち物を手に入れていたのです。それは、‘透明ずきん’その 透明ずきんは、ある業界で 流行しているものであり、とても高価なものでもありました。その透明ずきんに魅せられた たばちゃん♪は、なんとか 努力を 重ねて自分専用の透明ずきんを 手に入れ、日々 お手入れを していました。この透明ずきんは、取り扱いが とても 難しいのですが、お手入れをすれば するほど 艶が増し、味わい深い ずきんへと 育っていくものなのです。ぱっと 見たところ、ファッション性は イマイチだけれども。この透明ずきんには計り知れないパワーがある、ということを、たばちゃん♪は 確信していました。もしかしたら、すべての問題は、この透明ずきんで解決できるのかもしれない。そんなふうに思い始めていたところでもありました。こんなケースにでも、透明ずきんは 有効なのかしら?たばちゃん♪は、半信半疑のまま、透明ずきんを身にまとい始めました。実は、この 透明ずきんは、大リーグボール養成ギプス並みに装着し続けるのが 困難なものでもあるのです。でも、きっと。ここに、解決方法が、ある!これまで 繰り返してきた 自分のパターンとこの透明ずきんとの間にはなんの関連性もあるようには 見えませんでしたが。たばちゃん♪は、すがるような気持ちで透明ずきんを 握り締めました。いつも 被っている必要はありません。必要なときだけ透明ずきんを 被れば、良いのです。たばちゃん♪の 新たなる ずきん生活が始まろうとしていました。(つづく・たぶん) http://www.funwarist.comふんわりすとでは、2013年3月31日までの間、ふんわりすと おうちサロンでの施術 1件につき 2,000円を 義援金として 被災された市町村役場・団体へ 寄付します。自分のために 時間とお金を使うことが、誰かのためになる!そんな輪(和)に、ご協力いただけると 嬉しいです。 クリックするだけで募金ができます。 輝く女性のためのチャリティーセッション毎月5名さま限定です!対面もしくは電話にて。たばちゃん♪のセッション体験記は、こちら 東北振興サポートセンター 甦れ!はまなす Hamanasu 目に見える部分だけでなく、多方面からのサポートを 展開中です。ご支援くださる方は・・・ ⇒ こちら ふんわりすとでも、おうちサロン寄付金枠より年間支援しています。丁寧な事務局さんで、安心して 託せますよ。
2012.05.17
白ずきんちゃんは、おでんやさんのおやじさんに 卵を勧められた あの夜 から ずっと、卵を見ないようにして 過ごしてきました。卵を見ると、なんだか 落ち着かない気分になるからです。自分が、たかが 卵に対して 妙なコンプレックスを持っていることは、わかっていました。それが どこから来るのか? も、薄々わかっていました。というのも・・・幼い頃から、白ずきんちゃんは、生卵が 苦手でした。あの、どろっとした白身。どんなに切ろうとしても、切れません。あの、とろっとした黄身。唇にくっつくと、皮が1枚増えたように感じます。ただでさえ あまり好きではない 生卵でしたが、白ずきんちゃんは 毎日 卵を 食べなければなりませんでした。白ずきんちゃんのお母さんが、卵が大好きだったからです。白ずきんちゃんは、泣きながら 卵かけごはんを 食べました。「卵は栄養があるんだから」という理由で、卵かけごはんを残すことは 許されませんでした。・・・そんな幼児体験が、わたしを 卵から 遠ざけることになったに違いない。おとなになった白ずきんちゃんは、そう分析しました。もちろん、ゆで卵にしてしまえば、白身も黄身も、感触は まったく変わります。が、大きくなるにつれ、白ずきんちゃんは、卵が おでんの花形的存在であり、卵が サンドイッチの一番人気の具であり、煮卵が入るか否かで ラーメンの価格が異なる。という世間の掟を知るようになりました。そして、卵って、そんなに 世間では重要視されている食材だったのね!?そんなにも素晴らしいとされている卵が 苦手な わたしなんて・・・と、卵と自分との関係を ねじまげ、いつしか、生卵だけでなく、ゆで卵に対しても、見当違いなコンプレックスを 抱くようになっていたのでした。白ずきんちゃんは、そんなコンプレックスを隠すため、卵なんか 食べなくたって、たんぱく質は 大豆から 摂ればいいわ。という持論を展開してみました。が、本当は、人並みに卵を食べることができない自分を、ひそかに 悲しく 思っていました。また、そんな悲しい自分いることが 悲しくて、「卵」というと やけに ぴくん! とする自分がいることも、白ずきんちゃんは 知っていました。白ずきんちゃんは、このような 壮大なる卵物語を抱えて、生きてきたのです。ある日、白ずきんちゃんは、田舎道を お散歩していました。よく晴れた、とても気持ちのいい午後でした。白ずきんちゃんは、ある家の庭に、ニワトリが 二羽 いるのを 見つけました。あ、ニワトリさんだ!動物好きの白ずきんちゃんは 駆け寄りました。ニワトリさんたちも、揃って 首を こちらへ回すと、白ずきんちゃんの方へ とことこと 走ってきました。庭には 二羽 ニワトリが いる庭には 二羽 ニワトリが いる庭には 二羽 ニワトリが いる・・・くわっこっこっこっこっこ・・・とつぜん、白ずきんちゃんのまわりは 真っ暗になり、まるで 地震のように、足元が 大きく揺れはじめました。白ずきんちゃんは、立っていることが できずに、しゃがみこんでしまいました。ふと気づいて 目を開けると、白ずきんちゃんは、広い広いお庭に ぽつん、と 座っていました。見覚えのない 場所。それも そのはず、そこは、白ずきんちゃんが まだ小さな頃、家族で遊びに来た、田舎の親戚の家のお庭でした。そこに座っている白ずきんちゃんも、そのときと同じ、小さな小さな子供になっていました。でも、さすがに、その頃の白ずきんちゃんはまだ よい子印の白ずきんを かぶりはじめてはいないようでした。 くわっこっこっこっこっこ・・・大きな声がして、小さな白ずきんちゃんは 飛びのきました。向こうから、大きなニワトリが、白ずきんちゃんに向かって 突進してきます。うわぁ!白ずきんちゃんは、地面に這いつくばり、アタマを覆いました。ニワトリさんが、走ってきた!ニワトリさんが、わたしを食べに、きた!白ずきんちゃんは、ぶるぶると 震えていました。が、ニワトリは、白ずきんちゃんを狙っていたわけではなく、そのまま 白ずきんちゃんのそばを 通り抜けていきました。それでも、白ずきんちゃんの震えは 止まりませんでした。ニワトリさんの姿が 視界から消えて ほっとすると同時に、白ずきんちゃんは 大きな声で うわぁぁぁぁん と 泣き出しました。怖い、怖い、ニワトリさん。怖い、怖い、ニワトリさん。白ずきんちゃんは、いつまでも 泣き続けていました。お嬢さん?どうかしましたか?ふっと われにかえると、通りすがりのおばあさんが、不思議そうな顔をして白ずきんちゃんの顔を のぞきこんでいました。ニワトリは、白ずきんちゃんからは遠く離れたところで、エサを つっついていました。あ、ごめんなさい。なんともないです。おとなに戻った白ずきんちゃんは、無理やりニカっと笑って見せると、ニワトリが二羽いる庭の前から、足早に立ち去りました。白ずきんちゃんは、ずっと・・・自分が、卵がキライなんだとばかり 思っていました。そして、その原因は、幼い頃の卵かけごはんにある、と、思っていました。そう思うだけの材料は 揃っていました。もちろん、それも 大きなひとつの原因では あるでしょう。が、もうひとつ。ニワトリが 怖い。白ずきんちゃんは、ニワトリが とても とても 怖かったので、ニワトリを連想させる卵も、一緒に キライになったのです。それは なんだか すっ飛んだ理論のようにも思えたけれど。白ずきんちゃんの胸の奥で、小さな白ずきんちゃんが こくり、と うなずいたのが、おとなになった 白ずきんちゃんには、わかりました。あのときの、ニワトリが突進してきたときのことを、白ずきんちゃんは まったく 覚えていません。大きくなってから、「昔こんなことが あったのよ」と 家族から何度も 聞かされていましたが、自分では 覚えていませんでした。あの、ニワトリの鳴き声が 聞こえた瞬間、白ずきんちゃんの消された記憶が 呼び覚まされたのでしょう。そして、あのときのことを まったく 覚えていなかったからこそ。動物好きの白ずきんちゃんは、もちろんニワトリも大好きで、「ほんとは ニワトリが 怖かったのだ」ということにはなかなか 気づけなかったのでしょう。その出来事があってから しばらく、小さな 白ずきんちゃんは、ニワトリには 決して 近寄ろうとしなかったそうです。それほど、白ずきんちゃんにとって、そのときのニワトリは、とても 怖いものだったのでした。わたし、ニワトリさんが 怖かったんだ・・・。白ずきんちゃんは、ちいさな声で 言ってみました。気づいてみれば、ずっとずっと、心のどこかで、ニワトリのことを 怖れていたような気も しました。わたし、ほんとは、ニワトリさんが 怖かったんだ・・・。白ずきんちゃんは、もういちど、ちいさな声で 言ってみました。だからといって、ニワトリが 怖くなくなったわけでもなければ、ことさら 怖くなったわけでも ありませんでした。ニワトリ、ニワトリ、ニワトリ・・・自分が 卵を食べられない理由が、あの日のニワトリと 関係していたなんて。たまご、たまご、たまご・・・卵とニワトリといえば 切っても切れないものだけど、まさか このふたつが 自分の卵嫌いにつながっていたなんて。考えてもみなかった、白ずきんちゃんでした。白ずきんちゃんは、どきどきする胸を押さえながら、白ずきんを深くかぶり直し、ぶつぶつ つぶやきながら 歩き出しました。その、白ずきんを深くかぶり直すことが、自分の、いつものパターンだということに・・・白ずきんちゃんは、まだ 気づいていませんでした。○白ずきんちゃんシリーズ1○ おでんの卵 ご予約状況は こちら から ご覧いただけます。 ただいま、『光と影の法則』キャンペーン中。心屋仁之助さんの新刊、『光と影の法則』を、直筆メッセージカード付きで プレゼントしちゃいます☆ ~千人の方に一羽ずつ鶴を折ってもらって、それを糸で結んだ千羽鶴を8月平和公園に持っていこう~私、しばらく 折り紙を持って歩いています。参加してくださる方は、お気軽に声をかけてくださいね。 クリックするだけで募金ができます。
2009.04.15
目覚ましが鳴った。やっとの想いで目をこじ開け、体を起こす。隣で、猫までもが けだるそうに あくびをしている。また、いつもの一日が 始まった。朝の時間は 貴重だ。手早く 身支度と猫の食事の世話をし、追われるように家を出る。6Fから 下りのエレベーターに乗ると、珍しいことに、3Fで 止まった。世帯数の少ない このマンションでは、エレベーターで住人と 出くわすことは あまりないのだ。3Fからは、ランドセルを背負った女の子が「おはようございます」と うつむきがちに 乗ってくる。「おはようございます」声をかけ、ちらっと見ると、301号室のFさんちの子だった。そういえば、きのうの朝も、このコと 一緒だった。2日連続だなんて、ほんと、珍しいわ。そんなことを考えている私を尻目に、彼女は、通りの向こうの友人のもとへと 駆け出していった。私は、駅へ向かう。いつも同じ時間に家を出るから、周りの風景も いつも同じ。空き地では 猫が3匹、寝そべっている。幼稚園バスを待つ お母さんたちは、子供の手を取ったままおしゃべりに夢中。あ、あのカップル。いつも 手をつないで ご出勤なのに、今日は喧嘩でもしたのかな。微妙な距離を保ったまま 歩いている。駅に着けば、いつもの満員電車が 待ち構えている。この路線は 本数が多いので、乗客数も ハンパではない。さすがに 駅では「いつもの あの人」なる存在と出くわすことはないけれど、ホーム上でのアナウンスの声は、いつもと 同じ、あの駅員さん。到着した電車に乗り込み、1時間ほど ぎゅうぎゅうと押されながら立っていれば、いつもの時間に いつもの駅に着く。いつものコンビニに寄り、いつもの店員さんから お釣を受け取る。いつもの守衛さんに挨拶をして、当然のことながら いつもの会社のカギを開け、中に入る。いつものように 簡単に 机の拭き掃除をすれば、いつもの会社生活もスタートだ。私は、わけもなく、ふっと ためいきをついていた。なんか、おかしい?そう 感じ始めたのは、お昼すぎだった。私は、いつもと変わらぬペースで 仕事を こなしていた。ここのところ、注文の数が減っているため、午前中は ほとんど 電話も鳴ることがない。きのう入力したと思っていた伝票の束が 未入力箱に入っていることに気づき、その入力作業で 数時間が過ぎていた。突然、電話が鳴る。ディスプレイに表示された番号を見て、イヤな予感がした。A社の営業マン、Sさんだ。きのうも、同じような時間に電話をかけてきて、納品した製品について クレームをつけてきたのだ。よくよく話を聴いてみると、結局 Sさんの勘違いだったのだが、その前に 散々 怒鳴り散らされたのが、憂鬱の種となった。どうしたんだろう。きのうの件は、解決したはずなのに。また なにか 見つけたのかしら。少々 うんざりしながらも、しかたなく 受話器を持ち上げる。「おいっ どうなってんだよっ!?」うわぁ、最初のひとことまで、きのうと同じだ。Sさんは、私に ひとことも口をはさませぬまま、数分間 しゃべり続けた。が・・・クレームの内容が、きのうと まったく同じなのだ。どうしたの?Sさん、この暑さで アタマ おかしくなっちゃったのかしら?きのう、ちゃんと納得していたじゃないの!ようやく 言いたいことを 全部 言い放ち、ひといきついた Sさんに、私は 恐る恐る 切り出した。「その件につきましては、たしか きのうも お電話を・・・」「なにっ!?あんた、なに 言ってんだよ!?今日 届いた品物だぞ?」Sさんの怒りが 再燃した。????やだ、このひと、ほんとに 忘れちゃったのぉ?納品だって、今日じゃなくて きのうのはずなのに。しかたないなぁ。しかし、この仕事を長くやっているうちに、いつしかクレーム客に対しても それほど 腹が立たなくなっていた。まずは 言いたいことを 全部 吐き出させてから、きのうと同じ内容を、同じ順番で、説明する。いつもの このパターンが、結局は 問題を一番早く解決する、ということを、私は 知っていた。「あ、そう。そういうことだったのか。ごめんな、怒鳴ったりして。」Sさんの そんな謝罪の言葉まで、きのうと同じだった。そう。彼だって、悪いひとではないのだ。ほっとしながら 電話を切ると、終わるのを待っていたかのように、上司に呼ばれた。「ちょっと、これ。これ、どうなっているんだったっけ。」え? また?これも、きのう、説明したじゃないの!!イラつきながらも 再度 説明すると、もの忘れをするような年齢でもない上司は、 ふんふんと 初めて聞くような顔をして、熱心に聞いている。今度は 社内の人間だけに、ちょっと 嫌味を言ってやりたくなった。「あのぉ。これ、きのうも ご説明したと思うんですけど・・・」すると、彼は 弾かれたように 書類から 顔を上げた。「え?そうだったか・・・・?いや、聞いてないよ。だって 俺、きのうは 出張だったろ??」やだ。このひと、大丈夫?出張は おとといでしょう?私は あきらめて、静かに微笑み、頭を下げた。「あら、そうでしたね。失礼しました。」私も もう若くはない。面倒くさいことは、極力 避けるようにしていた。仕事を終えた後、いつもの電車に乗っていつもの駅で降り、いつものスーパーで買い物をして、家に向かった。きのうまでだと思っていた特売が 今日も続いていて、買い忘れていたものを 数円 安く手に入れられたのが、嬉しい。家まで あと少しだ。角を曲がろうとした 私は、飛びのいた。一方通行を逆走してきた車が、ものすごい スピードで 突進してきたのだ。あと1秒 私の方が早かったら、間違いなく轢かれていただろう。「まったく、危ないわねぇ。大丈夫だった?」通りすがりのおばちゃんが 眉をひそめて 声をかけてくれた。・・・・・。言葉が 出てこなかった。私は、きのうも、ここで、一方通行を逆走してきた白い車に 轢かれそうになったから。そして、間違いなく、日傘を差した このおばちゃんが、そっくり 同じ言葉で 声をかけてくれたのを 覚えていたから。「わ、わたし・・・。きのうも ここで 轢かれそうになりましたよね?」そんな言葉を口にする勇気も なかった。さっきの上司と同様、否定されるだろう。アタマのおかしい子だと思われるかもしれない。「ありがとうございます。大丈夫です。」なんとか声をしぼりだし、おばちゃんに 頭を下げるのが 精一杯。とにかく早く、家に帰りたかった。目覚ましが鳴った。やっとの想いで目をこじ開け、体を起こす。隣では、猫までもが けだるそうに あくびをしている。手早く 身支度と猫の食事の世話をし、追われるように家を出る。エレベーターのボタンを押すとき、少し どきどきした。また 301号のあのコと会ったら、どうしよう。3Fで エレベーターが 止まった。あのコが乗り込んできた。私の どきどきは おさまらなかった。会社に着くと、たしかに きのう入力したはずの伝票の束が「未入力箱」の中に 舞い戻っていた。いくら 同じような内容の伝票とはいえ、間違いない。きのう入力したものだ。お昼すぎには Sさんから クレームの電話。それが終わると、上司から お呼び出し。スーパーでは まだ 特売が 続いていて、私は あの角で また 轢かれそうになった。翌日も、同じだった。その翌日も、その翌日も。その翌日も、その翌日も、その翌日も。私は 朝、エレベーターで 301号のコと会い、会社では まったく同じ内容の伝票を入力した。お昼すぎには、Sさんからのクレームの電話を受け、上司に 同じことを説明し・・・夕方は、いつまでも特売の続くスーパーで買い物をして、いつもの角で 白い車に 轢かれそうになった。毎日、同じ服を着た、日傘を差したおばちゃんが同じ言葉で 声をかけてくれた。いつのまにか 「週末」という概念が 私の中から消えていた。土曜も 日曜も 祝日もなく。寝坊をすることもなく、遊びに行くこともできなくなり。私は、いつもと同じ。いつもと まったく同じ一日を、繰り返すだけだった。『人生は、予定通り』いつ どこで、誰が 言っていたんだっけ。そのときは、まさか こんな意味で使われる日が来るとは思ってもみなかったけれど。まさに『予定通り』と表現するのがぴったりな日々を私は 毎日 忠実に 再現していた。あぁ。もう どれくらい前になるのかしら。あの頃、私は 「また いつもと同じ一日が始まる」なんて思っていた。毎日、同じ。それが 不満だった。たまには 違う人生を生きてみたい。そんなふうに思ったこともあった。だけど・・・毎日 同じように見えていたけれど、実は まったく 違う毎日を 生きていたのね、私は。本当は、一日 一日が 違う体験の積み重ねだったのね。まったく同じ日を繰り返している今だからこそ、わかったことだけど。それが わかれば、充分だった。もう同じ毎日を繰り返す必要は、ない。あと1秒。あと1秒 早く、この角を曲がれば・・・。私は、いつもより 1秒だけ早く。その角を曲がるべく、大きく 足を 踏み出した。車の急ブレーキの音が響き、私の体が 宙に舞うのを。私は じっと 見つめていた。<完>P.S. もちろん フィクションです。 7月のご予約状況は こちら から ご覧いただけます。 クリックするだけで募金ができます。 「森のひびき」コンサート&ワークショップ 詳細は、こちら です。 五感を奏でる歌うたい Fuekoさんのライブは こちら から。
2008.07.16
太陽に誘われて旅人がコートを脱いだように。真冬の太陽をいっぱい浴びて、たばちゃん♪はご自慢の白ずきんを 脱ぎ始めました。1枚、また1枚。いつしか たばちゃん♪のアタマは、数ヶ月前とはくらべものにならないくらい、軽くなっていました。ある日、妙に肌寒さを感じた たばちゃん♪は、ショーウィンドウに映った自分の姿を見て、びっくりしました。着ているドレスが、破けていたのです。でも、たばちゃん♪が びっくりしたのは、服が破けていたからでは ありませんでした。自分が着ているのが、大事にしまってあるはずのお気に入りの薄いピンクのドレスだったからです。たばちゃん♪は、今日 そのドレスを選んだつもりは全然 ありませんでした。でも、このドレスを着ていると、みんなが「キレイだね」と褒めてくれるからでしょうか?自分でも気づかないうちに、ことあるごとに ほぼ毎日‘勝負服’として このドレスに袖を通すようになっていて・・・ご自慢のピンクのドレスは、くたびれ、破けていたのでした。そういえば、思い当たることがありました。数週間前、歌うたいのおねーさんに ステージ上に呼ばれたたばちゃん♪は、そのドレスに着替えなきゃ!と 慌てました。そのとき、たばちゃん♪は セーターとスカートだったのでキレイな歌うたいのおねーさんの近くへ行くには、ドレスに着替えなくてはならなかったのです。でも、歌うたいのおねーさんは 優しく言いました。ちがうねん。そのドレスを着てるたばちゃん♪じゃなくても ええねん。呼ばれた瞬間 着替えようと慌てふためいた自分自身に、どこかヘンだな?と気づいていた たばちゃん♪は・・・彼女の言葉で、自分の考えが正しかったことを知り、それを見ないようにして そっと心の蓋を閉めたのでした。だけど、今。たばちゃん♪は、ショーウィンドウに映った自分の姿を見て。はっきりと ドレスの正体をも 見てしまったのです。私は、この ピンクのドレスを着ることで自分に価値があるかのように見せていたのね。このドレスは、たばちゃん♪のお気に入りの装いではあったけれど。これが いつのまにか 自分の‘勝負服’になっていたこと、しかも 自分が 無意識のうちに それを選んで身につけていたこと。それを知った たばちゃん♪は とてもショックを受けました。この服、お気に入りだったけど、捨てた方がいいのかしら。結構 高かったし、着心地はいいから もったいないんだけど・・・でも。白ずきんを たくさん かぶっていたときとは違い、たばちゃん♪は すでに わかっていました。この服も、無意識のうちとはいえ、私が選んで着ていたのよね。私が 自分で ‘勝負服’として活用していたのよね。たばちゃん♪は、そのドレスが、破けているとはいえ、まだまだ着られる質のよいものであることも 知っていました。そうね。これからは‘勝負服’としては着るつもりはないけれど・・・その服は、捨てずに 持っていることにしました。そのとき。たばちゃん♪が姿を映していた ショーウィンドウの、お店の中の様子が目に入りました。売り場では、美しいおねーさんが 服を選んでいました。そのおねーさんは、試着室から出てくると、自分の姿を 真正面から鏡に映し、しっかりと 見つめていました。その姿を見た たばちゃん♪は、あることを思い出しました。そういえば、このドレス。もとはといえば ビジネススーツだったんだわ・・・そうなのです。もともと、その服は、お仕事用に買ったものだったのに。たばちゃん♪は、それを なぜか パーティー用ドレスとして。自分を美しく見せる道具として。ことあるごとに 無意識のうちに それを選び続けていたのでした。自分は そのドレスを身に着けていることで価値があるのだとどこか深いところで 固く信じ込んで。だけど、たばちゃん♪は、その美しいおねーさんがしっかりと鏡に目を向けている姿を見て、なぜか気づいたのでした。・ドレスに 価値証明を くっつけない・自動的に手を伸ばすのではなく、必要なときに 自分の意志でその服を選ぶこの2つができるなら、その服を捨てる必要がないことに・・・。そして、お仕事服としても活用できることに・・・。たばちゃん♪は、いつでも好きなときに その服に袖を通すことができる、ということを 心の中で確認して。とりあえず その服を 洗濯することにしました。いつでも 選択できるように。≪たばちゃん♪自作自演ドラマ ☆ 白ずきんちゃん・2≫【企画】たばちゃん♪【構成】たばちゃん♪【脚本】たばちゃん♪【プロデューサー】 たばちゃん♪【ディレクター】 たばちゃん♪【アシスタント・ディレクター】 たばちゃん♪【音楽】たばちゃん♪【制作】たばちゃん♪【主演】たばちゃん♪【助演】歌うたいのおねーさん Fちゃん。美しいおねーさん Mちゃん。 【原作】白ずきんちゃん↑ エンドロールのつもり~ Fin.~ピンクのドレスの代わりに かわいい施術着 着ています♪(ある意味‘勝負服’・・・?)
2008.03.14
たばちゃん♪主演ドラマ「白ずきんちゃん」むかしむかし。いつの頃からか、たばちゃん♪は 白ずきんを被りはじめました。なぜならば‘良い子’というロゴのついた白ずきんを被っている方が先生にも 両親にも、ウケがよかったからです。その白ずきんを手にいれるため、たばちゃん♪はいろんな努力をしました。大きくなるにつれ、‘良い子’ブランドの白ずきんから‘いいひと’ブランドのものへと ターゲットは変わりましたが毎日 白ずきんを求めて いろんな努力をしました。努力の甲斐あって、いつしか たばちゃん♪は立派な白ずきんを手にすることができました。それなのに。たばちゃん♪は、自分が すでに 白ずきんを被っていることに気づかず、「もっと!もっと!!」と 努力を重ねました。白ずきんを手にいれるために。「もっと!もっと!!」努力するたび、新しい白ずきんが、たばちゃん♪のアタマにどんどん重ねられていきました。いつも アタマが重いことが たばちゃん♪の悩みのタネでしたが、白ずきんを手にいれるためには、そんなことは どうでもいいことで、さらに努力を重ねる日々でした。ある日、たばちゃん♪は、誰かに追いかけられていることに 気づきました。「白ずきん、ちょうだぁぁい!」たばちゃん♪は、逃げました。あくる日、別のひとが追いかけてきました。「白ずきん、ちょうだぁぁい!」たばちゃん♪は、必死で 逃げました。そのあくる日も、また別のひとが追いかけてきました。「白ずきん、ちょうだぁぁい!」たばちゃん♪は、また ものすごい勢いで 逃げました。どうして みんな、私を追いかけてくるの?世間を捨て、山に篭りたい気分でした(笑)ある日。逃亡生活に疲れ、乱れた髪を直すため、街のショーウィンドーを覗きこんだ たばちゃん♪は、 びっくりしました。わ、私。こんなに 白ずきん、被ってたのぉ?白ずきんを被っていたことに気づいていなかった たばちゃん♪はびっくりしました。高級ブランド・白ずきんを こんなに いっぱい 被っていたんだもの。みんな「ちょうだぁい」って追いかけてくるのも もっともだわな。たばちゃん♪は、自分で自分に ツッコミをいれました。 【たばちゃん♪のコーチングミニ講座】このような「○○であるからには △△なのは もっともだぁ」というのを、コーチング用語で<妥当性承認>といいます(笑)みんなが追っかけてくるのは、たばちゃん♪が 高級ブランド・白ずきんを これ見よがしに自慢げに いっぱい 被っていたからだったのです。はっと 気づいた たばちゃん♪は、白ずきんを全部 脱ぎ捨てることにしました。ええいっ。こんな白ずきんなんか、要らないわっ。でも。長年 白ずきんを被りつづけていたおかげで。たばちゃん♪のアタマからは、いろんな心配が離れません。私のアタマ、ずきんの被りすぎで ハゲてるのではないかしら?いやいや、白ずきんを脱いだら、私のアタマ、存在してないかも??白ずきんを脱いでしまったら、みんな 私のこと、「たばちゃん♪」だとわからなくなるんじゃないかしら???いやいや、白ずきんを脱いでしまったら、私が私でなくなるかも????だけど、たばちゃん♪が 一番心配していたのは。白ずきんを脱いでしまった私は、誰にも愛されないかもしれない。それは、とても怖いことでした。が、ある朝。お手洗いの個室の中で(笑)、たばちゃん♪は 気づきました。みんな、白ずきんを狙って、たばちゃん♪を 追っかけてきているように見えたのですが・・・実は、たばちゃん♪が 心の底で そんなことを怖れていたものだからみんなが「そんなことないわよ~」と 追っかけてきていたのかも・・・ということに、気づいたのです。 ↑未検証のため、まだ<仮説>です。 きゃぁ。わたし・・・。目立つのが好きでないはずなのに。 自作・自演のドラマを みごとなまでに 演じきっているじゃないのぉ。台本をよーく見ると。【企画】たばちゃん♪【構成】たばちゃん♪【脚本】たばちゃん♪【プロデューサー】 たばちゃん♪【ディレクター】 たばちゃん♪【アシスタント・ディレクター】 たばちゃん♪【制作】たばちゃん♪【主演】 たばちゃん♪【エキストラ・協賛】 世界のみなさん。私、役職 これくらいしか 知らんねん。しきちゃん、抜けてたら 突っ込んでくんろ(笑) 突然、たばちゃん♪は 笑い出しました。個室の中で。あほくさー。やってらんねー。おまけに、うっとーしー今や、白ずきんを被っていようと、脱ぎ捨てようと・・・そんなことは どうでもよくなっていましたとさ♪~ 中途半端だけど、おしまい ~【企画】たばちゃん♪【構成】たばちゃん♪【脚本】たばちゃん♪【プロデューサー】 たばちゃん♪【ディレクター】 たばちゃん♪【アシスタント・ディレクター】 たばちゃん♪【制作】たばちゃん♪【主演】 たばちゃん♪【エキストラ・協賛】 世界のみなさん。 ↑ エンドロールのつもり(笑)
2007.12.07
ハシラセテハ イケナイ突然、アタマの中に、細い声が響いた。私は、会社員。毎日片道1時間かけて、通勤している。いつものように、ホームの先頭に近いところで電車を待っているときだった。今日は 家を出るのが遅れてしまった。イライラしながら 電車を待っている私のアタマに、突然。ハシラセテハ イケナイ細い声が、響いた。走らせては いけない?周りを見渡すが、周囲の人々の変わった様子はない。空耳かしら?やっぱり、疲れているのかもしれない。こめかみを軽く揉んだ私の脳裏に、血みどろの大惨事の一場面が一瞬、浮かんで・・・消えた。「1番線には、まもなく○○行きが参ります。黄色い線の内側に下がってお待ちください」アナウンスが 遠く、聴こえる。コノジカンニ、コノバショデ、デンシャヲ ハシラセテハ イケナイ全身を駆け巡る ぞっとした感覚。鼓膜に響く、細い声。目の前に広がる 血みどろの色、色、色だけ。考える間もなく。私は、ホームへと・・・飛び降りた。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=A駅の隣、K駅のホームには、アナウンスが 鳴り響いていました。さきほど、A駅におきまして、線路内に人が立ち入ったとの情報が届いております。ただいま安全確認を行っております。安全の確認が取れ次第、運転を再開させていただきます。お急ぎのところ 大変ご迷惑をおかけしております。今 しばらく お待ちください。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=「早く、早くホームに上がりなさい!」駅員の声が、私を追いかけてくる。マダ、ダメダ。マダ、コノバショカラ デンシャヲ ダスワケニハ イカナイとても立ち止まってはいられない、ぞっとした感覚を身にまとい、私は 駅員から 逃げる、逃げる、走る。砂利の鋭さが ハイヒールを突き抜け、転びそうになる。アッチダ。アッチで、ソレがオコル。アッチノ、SKセンヲ、トメナケレバイケナイ!ぞっとする感覚は、消えない。ますます強くなる。ソレが なんのかは、わからない。だけど、私が、ソレを止めなければいけない。私は、必死で、SK線の線路へと走った。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=A駅の隣、K駅の駅のホームでは、人があふれ、入場制限が行われていました。大変お待たせをしております。ただいま、A駅におきまして 線路内に人が立ち入った関係で全線 運転を見合わせておりましたが、KT線・UT線に関しては安全の確認が取れましたので、まもなく運転を再開いたします。ご乗車になってお待ちください。なお、SK線に関しましては、その人が SK線の線路へと移動したため、引き続き 運転を見合わせております。あらかじめご了承ください。*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=急に。全身を覆っていた ぞっとした感覚が、消えた。脳裏に響く、あの細い声も、聴こえなくなっていた。血みどろで鮮明な色の拡がりも、もう感じない。ソレは、終わったんだ。ううん、ソレを 防ぐことが、できたんだ・・・。なにひとつ 状況はわからないまま、私は ソレが未遂に終わったことを感じ取った。安堵のあまり、その場に へたへたと 座り込む。あの声は。あの おどろおどろしく拡がった色の洪水は。あの、全身を覆う、ぞっとした感覚は。なんだったのか?ソレを防ぐことが出来た以上、もう、なにも残っていない。私がしたことは、ただの、いや、かなりひどい迷惑行為。誰に、なにを、どのように、説明したらよいのだろう。起こらなかった出来事を 見せることも、証明することも、できはしない。だけど。ソレを防ぐことで、多くの命が助かったことだけは、確かなのだ。私だけが、そのことを知っている。「お、いたぞーーー!?」向こうから、駅員が数名、走ってくる。私は ゆっくりと 立ち上がり、また、走り始めた。コンナトコロデ ツカマルノハ、マッピラゴメンダ!アタマに響いた 最後のその声は。たしかに、私のものだった。今朝、線路内に人が立ち入った!とのことで、電車が20分くらい動かなくなりました。ようやく動き始め、いつもより さらにひどい混雑した車内。この出来事が、ここにいるひとたち全てのために起こっているとしたら?そんなことを考えました。で、こんなことだったら おもしろいかな、と♪もちろん、フィクションです。私は おとなしく、駅のホームで電車を待っていました (⌒-⌒;) ふんわりフレクソロジー、予約可能日は こちらです。
2007.09.05
綺麗ね。だろ?この、冬の富士山を見せたかったんだ。ありがと。えっ ? いま・・・‘見せたかった’って、言った?・・・・・。うん、言ったよ。私に、見せたかったの?うん、今日くらい晴れてないと ちゃんと見えないから。だから、風邪ひいて ちょっとツラかったけど、無理してでも、今日、ここに来たかったんだ。ありがと・・・。いつも、茶化してばかりのひとだから。今日だって、自分が見たいから 富士山を見に来たのだとばかり思ってた。「富士山が見たい」と言って、河口湖へ行ったり。芦ノ湖へ行ったり。このひとは、よほど富士山が好きなんだな、って思ってた。ありがとう。夕陽に包まれる富士山を じっくり眺めることのできる、ここに連れてきてくれて。ありがとう。‘見せたかった’って、言ってくれて。いつも そうやって、ちゃんと言ってくれないと、わかんないよ?------------------------------------★☆ フィクションです (⌒ー⌒) ☆★
2007.02.04
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