日本版レコンキスタ宣言   旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

日本版レコンキスタ宣言 旅立った孫と子孫への私の人生卒業論文

2025.10.27
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カテゴリ: 岡田奈々ちゃん
CINEMAS+のサイトより

可憐は時を超える——岡田奈々が咲く「魅せられた美女」「白い乳房の美女」 | CINEMAS+

昭和のテレビミステリーにおいて、「江戸川乱歩の美女シリーズ」は別格の存在だ。

艶美と怪奇、ロマンとサスペンス。

天知茂が明智小五郎に扮し、各回ごとに“美女”が物語の香りを決定づける。
なかでも1980年『魅せられた美女』、81年『白い乳房の美女』は、岡田奈々という女優の清新さがシリーズに柔らかな光を差し込んだ二編である。
ノスタルジーを纏いながら、いま観てもなお“面白い”。
その理由を、彼女の存在感を軸に丁寧に掘り下げたい。

岡田奈々という“妹系の発明”
70年代後半、アイドルから女優へと歩み始めた岡田奈々は、当時のテレビが好んだ“妖艶な大人の美女像”とは対極にある。

彼女が画面に立つだけで、乱歩特有の陰影に無垢と哀愁が同居する。
結果、シリーズの温度が一段階下がり、恐怖も官能も“人肌の温度”へ引き戻されるのだ。
この“妹分の可憐さ”が、残酷な事件を運命論ではなく「守りたくなる物語」へと変える。
天知=明智のダンディズムと岡田の初々しさのコントラストは、昭和テレビならではの“説得力”を帯び、視線を最後まで釘付けにする。

『魅せられた美女』——涙のラストに宿るアイドルの矜持

岡田が演じるのは、新人アイドル沖晴美。
プロダクションを巡る嫉妬と欲望に巻き込まれ、血の匂いのするスキャンダルの中心に投げ込まれる。
事件はハードだが、彼女の表情は一貫して“ひたむき”。
恐怖に揺れる瞬き、兄を思う涙、そしてステージに立つときの凛とした眼差し。

特筆すべきは終幕だ。
喪失の痛みを抱えながら、晴美は歌う——舞台装置の光が瞳の水面に反射し、ヒロインのプロ意識が物語をすっと結ぶ。

衣装は時代の空気を取り込みつつも、肌の見せ方は節度がある。
シリーズに常につきまとうエロティシズムの濃度を、岡田は可憐さで中和し、別種の色香に転じるのだ。

さらに忘れがたいのが、天知茂の一人二役(明智と晴美の“支え手”を兼ねる発想)が生む心理的な陰影だ。
守られる存在の晴美に、観客は自然と肩入れし、同時に明智の所作の一つひとつが“紳士の作法”として胸に残る。

乱歩の猟奇趣味に、優しさの輪郭が引かれる瞬間である。



一方の『白い乳房の美女』で彼女は、バレエ団に所属する野上愛子。

白基調の衣装、結い上げた髪、舞台袖の静けさ——バレリーナという設定は、岡田の線の細い美を最大限に引き出す。

物語は“地獄の道化師”を名乗る不気味な予告と連続殺人を軸に進む。

ピエロの指人形、石膏像、舞台装置——白い物質の冷たさが画面を支配するとき、愛子の涙と呼吸が生々しく立ち上がる。

彼女の演技は派手ではない。
だが、頬のこわばり、手の震え、微細な視線の泳ぎが、恐怖の温度を観客の皮膚まで伝えてくる。

姉・みや子(片桐夕子)の存在が放つ陰影の濃さも、結果的に愛子の“善良さ”を逆照射する。

明智が差し出すハンカチの一枚に宿る品格、肩に触れる手の重さ。

天知×岡田の関係性は、この回でより“保護”のニュアンスを強め、視聴者は「この子は必ず救われてほしい」と祈るように結末を待つことになる。

画面が教えてくれる“昭和のセンス”

両作に共通して目を奪うのは光と布の使い方だ。

スポットの縁、レースやシフォンの透け、ガラスや水面の反射——素材のきらめきが、岡田の肌理や瞳を一段引き上げる。

色数は決して多くない。だが、白・黒・赤(あるいは深い青)といった限定調の強度が、彼女の“清楚さ”を浮き彫りにする。

メイクは薄く、ヘアは柔らかい丸みを残す。
衣装は記号化を避け、シーンごとの心理に寄り添う。
結果、数十年を経ても古びない。
むしろ、ミニマル志向やクラシック回帰のいまの感性に寄り添い、「レトロでオシャレ」と見えるはずだ。

“いま観ても面白い”の正体
(1)視点の設計——無垢なヒロインに寄り添うカメラが、乱歩世界の残酷を“人ごと”でなく“当事者の震え”として伝える。
(2)リズム——事件の猟奇性と、ステージ/稽古/日常の緩急が、軽やかに運ぶ。
(3)俳優の相性——天知の粋と岡田の清らかさが、物語の温度をちょうど良いところへ着地させる。
(4)記憶装置としての美術——ピエロ人形、サングラス、髪飾り、石膏像…モチーフが鮮烈で、観終えても脳裏に残る。
その積み重ねが、「懐かしい」を超えて“現在にも有効な娯楽”を成立させる。

キャリアの流れの中で

岡田奈々は、アイドルとしての輝きと、女優としての実直さを両立させた稀有な存在だ。

のちの映画・ドラマのキャリアに先立ち、この二作で体得したのは“抑制の力”である。
泣き叫ばない、演技を大きくしない。

それでも画面の中心で観客の心拍を握り続ける——この重心の低さが、彼女の“清純”を記号ではなく具体的な演技術へと昇華させた。

どう観るか:再鑑賞のポイント
『魅せられた美女』は〈歌うヒロイン〉の美学。
最後のステージ、光の縁取り、髪飾りの煌めきに注目。明智の“紳士の距離感”も味わいどころ。
『白い乳房の美女』は〈白と恐怖〉の対位法。
稽古場の静、舞台の動、そして道化師の黒。岡田の微細な表情筋を追ってほしい。
両作とも小道具の象徴性が強い。
サングラス、指人形、石膏——物の手触りが物語る昭和のドラマ術を堪能したい。
結び——“可憐”は時代を超える

乱歩の世界は、ともすれば残酷の快楽に傾きがちだ。

だが岡田奈々がいると、物語は人の尊厳へ回帰する。

守りたい人がいる、だから探偵は走る。

昭和が遠くなったいま、これほど澄んだヒロイン像に出会えること自体が幸福だ。

『魅せられた美女』『白い乳房の美女』は、彼女の可憐さが作品の骨格を変えた稀有な例であり、ノスタルジーを通って現在へ届く娯楽として再確認しておきたい。

画面の端で、光が一瞬、瞳に跳ねる。

その瞬間だけで作品を見返す価値がある——そう言い切れる二編である。



---------------私の意見------------------------

私が高校生の時俺たちの旅で真弓役での奈々ちゃんファンになった私。当時明星や平凡等を読んでいた。部屋に奈々ちゃんのポスターをはり、レコードを買っていた。シャンプーはエメロン、ポッキーはマドラーだった。それから50年来年俺たちの旅50年が封切りされる。
それもアイドルポジション?でこうやって再評価されて、令和の世に蘇る。

凄いということと、18歳の私の女性を見る目は確かだった(笑)前妻には三行半突きつけられたけど(汗)

本日の一曲  昭和ブルース  天知茂さん  非情のライセンス




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文武両道





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最終更新日  2025.10.27 06:30:05
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