クリスマス商戦、アクセサリー販売強化　県内百貨店

クリスマス商戦が本格化し、県内の百貨店がプレゼントの定番、アクセサリーの販売に力を入れている。１２月の約１カ月は年間売上高の４割に達する書き入れ時。ただ、近年は不況を反映して単価は下落傾向にあり、各店とも低価格帯にも品ぞろえを広げながらも、デザイン性で特色を出したり、自分用に購入しやすい商品を拡充したり、工夫を凝らしている。（末永陽子）

　「ブライダル需要は安定しているが、プレゼント用などは厳しい」とは、大丸神戸店（神戸市中央区）。

　今季はアクセサリー全体の価格を見直し、１万円台の商品を豊富にそろえた。１８金を使った２万～３万円の商品以外に１万円台の１０金を展開。また、クリスマス限定品は自分用にも人気で、種類、数量とも例年以上に増やした。男性向けに１万３千円程度の腕時計も初めて導入した。同店は「価格帯を広げて、２０代前半からでも買いやすいようにした」と話す。

　「地元発」で特色を出すのは、そごう神戸店（同）。７日から、神戸を拠点に活動するデザイナーらのアクセサリーを扱う特設売り場を設けた。指輪やネックレスだけでなく、男女ペアで使える携帯ストラップなど手軽に購入できるものもそろえる。同店は「他店では購入できないような個性的なデザインも多い」と意気込む。

　大阪市の阪神梅田店では、アクセサリーの平均購入額が２００８年の約２万２千円から１万８千円に落ち込んだ。「今年も低価格化の傾向は続く」（広報担当）とみて、３５ブランドで１万円台の商品を用意した。

　首都圏の一部の百貨店では、クリスマスプレゼント向けの限定アクセサリーの中心価格帯を、昨年の１万～２万円から３万円に引き上げるなど持ち直しの動きもある。しかし、県内の百貨店関係者は「節約疲れした消費者も多く、昨年よりは期待できるが、本格的な消費回復にはいたっていない」と厳しくみていた。