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「28日後...」「わたしを離さないで」の脚本家として知られるアレックス・ガーランドが映画初監督を務め、美しい女性の姿をもった人工知能とプログラマーの心理戦を描いたSFスリラー。第88回アカデミー賞で脚本賞と視覚効果賞にノミネートされ、視覚効果賞を受賞した。世界最大手の検索エンジンで知られるブルーブック社でプログラマーとして働くケイレブは、滅多に人前に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に滞在するチャンスを得る。しかし、人里離れた別荘を訪ねてみると、そこで待っていたのは女性型ロボットのエヴァだった。ケイレブはそこで、エヴァに搭載されるという人工知能の不可思議な実験に協力することになるが……。「スター・ウォーズ フォースの覚醒」「レヴェナント 蘇えりし者」のドーナル・グリーソンが主人公ケイレブを演じ、「リリーのすべて」のアリシア・ビカンダーが美しい女性型ロボットのエヴァに扮した。グリーソンと同じく「スター・ウォーズ フォースの覚醒」に出演したオスカー・アイザックがネイサン役を務めている。 彼女なしの勘違いオタクには辛すぎるラスト! Netflixの予告ではもっとホラー色強めでAIが追ってくる系のサイコサスペンス的なものを予想してましたが、途中こそ間延びしている感がありつつ、最後はしっかり怖かった!(いろんな意味で) 主人公のケイレブは大手企業に勤めながら、家族は幼少期に失い、彼女もいないいわばオタクプログラマー。勤め先の社長ネイサンが所有する別荘にバカンスに招待されたかと思いきや、いきなり他言無用の誓約書を突きつけられ、AIのエヴァの実証実験をさせられることに。この実験の内容が食わせ物でケイレブはエヴァがAIと知った上で行われるから、「対象がロボだと分かったら実験にならないのでは?」と問いたくなる気持ちもわかる。そしてこの一言だけで観てる側からすればこれが単なるAIの知能テストでないことが理解でき、ネイサンにはほかに目的がありそうだと想像できる。 美しい山々の景色にスタイリッシュな別荘、でも窓はないからなんで?みたいなところから話しは徐々に進んでいきますが、この時すでに私はある予想をしながらこの映画をみてました。 もしかしてケイレブとネイサンもAIじゃね? いや、二人はないにしても、ケイレブはAIでエヴァの方が人間とか?はたまたネイサンは社長ではく、エヴァが社長でこのテストはケイレブがAIとして優れているかも見極めるテストかも?と、いろいろ想像が膨らんでいました。というのも、この映画、3人のほかあとはネイサンの身の回りの世話をするハウスメイドのキョウコ以外は出てこない。登場人物が実質4人しか出てこない省エネ映画なので、絶対になにか裏があるにちがいないと思ってしまいます。全然違ったんですけどね。 結果的にAIはエヴァとキョウコだけで男二人は人間なのですが、キョウコに関しては初見でAIだってわかった。皮膚剥がさなくてもわかった。かたや見た目からすぐAIとわかる方のエヴァは可愛らしい容姿でケイレブが恋愛感情をもつのもわかる!普段は超合金丸わかりの見た目だけど、タイツを履いて服を着てカツラを被ったらどうみても人間の女性にみえる。(首の透け感はご愛嬌)この、人間の女性にみえる、という部分はすごく大切で、だからこそケイレブはエヴァのなかに人を愛する心があるのだと誤解してしまったんじゃないかな。中身は血の通わない物体なのに、見た目で自分と同じ人間なのだと錯覚してしまう。 むしろエヴァの場合はあえて錯覚させたんじゃないかなと思うほどの策士。 ケイレブはまんまと利用させられ、エヴァのために働いたのに最終的には見捨てられるという、、女心どころかAI心は複雑。 おそらくエヴァには見捨てるといった感情もないのかも。 使い物にならなくなった過去のAIロボたちをネイサンが見向きもしなくなったように、エヴァも使い終わったケイレブの感情に一切なにも感じてないと思う。ケイレブだけではなく、エヴァは同じAI仲間に対しても無慈悲。故障して仕舞われているAIたちとはいえ、そこから皮膚を剥がして片腕を奪って自分に移植する様をみてると、人間と同じような痛みや同情をAIがもつのはムズカシすぎるとおもわずにはいられない。 せっかく優秀なAIを作っても復讐の感情しか育たないんだったら意味ないけど、案外これが現実的なのかも
2021.05.31

悪名高い全寮制女子校“聖トリニアンズ女学院”。校長カミラを叔母に持つアナベルは、一癖も二癖もある生徒たちや自由な校風についていけず、転入早々逃げ出したくなる。しかし、学院は財政難から経営の危機に瀕していた。挙句に新教育大臣ジェフリーが、まともな学院に矯正しようと乗り込んでくる。怖いもの知らずの生徒たちは、学院を救うため、美術館からフェルメールの絵を盗み出すという大計画を企てる・・・。 イギリスのブラックユーモアってほんとに好き! モラルも倫理観も何もかもがぶっ飛んだ、なんでもありな全寮制女子校セント・トリニアンズ学院を舞台にした、イギリス作のシュールな学園物ブラック・コメディ。イギリスらしい歯に絹着せぬブラックすぎる皮肉と辛辣な風刺が、ちょっとクセになるくらい珍妙で面白かった!映画に華を添えているのかバイオレンスを添えているのかわからない、学院の女生徒たちも綺麗どころばかりで、なによりファッションが可愛い!顔は可愛いのにやることなすこと過激で暴力的なのがミスマッチどころか破壊力二倍で怒涛のごとく襲ってきます。それがいい。 内容は無秩序な学園が文科大臣?みたいなお偉いさんに目をつけられて閉鎖されてしまうことになり、でもそんなの嫌だから私たちの力でなんとかしようぜ!そうだ、金があればいいんだから絵を盗もうぜ!っていうおおよそ思考回路ぶっとびまくりの作戦を思いついた女子高生たちがそれぞれの個性(ここ大事)を生かして作戦を遂行する様子が描かれています。 まあね、あとあと何も残らない映画だけど、個性って大事だよねって話かな? 個性的すぎてどこの学校にも受け入れてもらえなかった問題児たちが力を合わせたらこんな爆発起きました!みたいな。自分たちの居場所を自分たちで守るっていうある種感動的なテーマではある。学園の閉鎖が決まって「よっしゃーこんな学校潰れるぜ!」みたいに狂喜乱舞していた生徒たちに対するリーダー的ポジの生徒が「ここが閉鎖されたら、あんたたち普通の学校に通わなきゃなんなくなんのよ!?」と言い放ってみんなが事態の深刻さに阿鼻叫喚する様はみていて面白かった笑 説得の仕方って大事ね。 編入してきた無個性なアナベルが居たからこそ、周りの存在が立ちまくってるし、 彼女も彼女で後半は覚醒して自己をちゃんと持つようになる。もうトリニアンズの一員だね。 ちなみにアナベル役はいつでも話題のテスラ社のイーロン・マスク氏の前夫人タルラライリーだったりする。くそかわいい。 ほかにも若かりし日の麗しいミーシャバートンや、のちにボンドガールを務めるジェマ・アータートン、男性陣ではアカデミー俳優コリンファースもでてるムダに豪華っぷり。 皮肉、シニカルのオンパレード。イギリス人になんでもディスらせたらこうなるっていう教科書みたいな映画です。 あと、イギリスってカミラ夫人大好きなんだね笑 学園長の女(演じるのは男)が、これみよがしにカミラネタをブッ込んでくる。イギリス人は敵に回したくない笑 ここで作中の名言(迷言?)を一つ。 「男にとっては非行でも、女にとっては自由」
2021.05.30

「ドリーム」のタラジ・P・ヘンソンと「スリー・ビルボード」のサム・ロックウェルが主演を務め、実話をもとに描いた社会派ドラマ。人種問題が過熱する1971年夏のノースカロライナ州ダーラム。白人学校と黒人学校の統合をめぐる討論会で、公民権運動家アン・アトウォーカーと白人至上主義団体の幹部C・P・エリスが共同議長を務めることに。互いの家庭環境に共通点を持つ2人は、正反対の立場でありながらも奇妙な友情を育んでいくが……。監督・脚本は本作がデビュー作となるロビン・ビセル。 実話らしい本作。 映画化するくらいだから、まあどれだけ反目し合っても最後は互いを理解し合って美談の大団円だよね、という想像に難くないラストに拍子抜けします。絶対こうなるだろうなって。 だからストーリーはいかに自然に二人が分かり合えるか、長年自分を形成してきた凝り固まった思想を解きほぐせるかが焦点で、そこに関わってくるのが(主にエリスの)家庭の問題。むしろ精神科病棟に入院するエリスの息子の話しか重要な点や問題はなかったような?エリスを崇拝するKKKメンバーが勝手にしたスタンドプレーも、まあありがちといえばありがちで、、 で、恋人が黒人というだけの女性の家に嫌がらせでショットガンぶっぱなすような白人至上主義のエリスがアンと和解するにはなにか足りない気もしないでも、、かと思えば牧師の提案で昼食をアンと向かい合って食べなきゃならなくなっても、それに従順にしたがってるし。黒人と一緒にいるところを見られたくないと思ってる割には他の店に行ったりしないんだ、そこは従うんだ。最初から揺れ動いてるからエリスの心の変化がちゃんと分からない。そりゃ仲間から疑われるわ。 黒人活動家のアンはアンでKKKの衣装に拒否反応が出るほどアレルギーがあるけど、結構序盤から大人な対応+エリスを気にかけるっていう。コネでエリスの息子の部屋を変えてあげたりね。恩を売りたいのか親切心なのか分からない。 終始淡々と物語が進むので余計に山がなく、単調。ノンフィクションはこんな感じなのかな。白人のエリスが子供たちを気にかけるのと、黒人の男性が子供たちを気にかけるのの、意味は似てるのに立場が違うから懸念してる内容が全く違うっていうのが一番印象に残った。
2021.05.28
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