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スウェーデンの森の奥深くで想像を絶する恐怖に襲われた男たちを描いたイギリス製ホラー。パブで酒を酌み交わしながら、旅の行き先について話し合うルーク、ロバート、フィル、ハッチ、ドムら5人の友人たち。しかしその帰り道でルークとロバートが強盗に遭遇し、ロバートだけが殺されてしまう。事件から半年後、4人は最後の晩にロバートが行きたいと話していたスウェーデンへハイキングにやって来る。道中でトラブルに見舞われ森の奥深くへと迷い込んだ一行は、不気味な廃屋で一夜を明かすことになるが……。出演は「ジュラシック・ワールド 炎の王国」のレイフ・スポール、テレビシリーズ「ダウントン・アビー」のロブ・ジェームズ=コリアー。身の毛もよだつ化け物の正体は自分の心に巣食う恐怖なのか?Netflixにあったこの映画。登場人物は男ばっかりでむさ苦しいし、慰霊のハイキングだから終始雰囲気は暗いし、ほぼ森のシーンばかりで動きがない。しかもハイキング初心者のおっさんが足を怪我してグチグチいってるシーンとか、まじ違う意味でイライラしたけど、全体的な雰囲気は良き。スウェーデンの森っていうだけで人智を超越した「何か」がありそうな予感。その静かな恐怖が胸をキリキリさせる。いわゆるホラー的な一人また一人と『捕食』されていく流れは定番だけど、森全体が得体の知れない「何か」が支配する檻のようで恐怖を増幅させる感じ。根元としてあるのは、作中でも触れられていたスウェーデン系の北欧神話、、なのかな?でも、アレが神秘的な守神であるとか、人々を導いたり幸福をもたらす類いのものであるとは到底思えない。終盤に出てきた人たちはアレを崇拝してたけど、対価に生贄を寄越せなんていう神様は信用できないよ、普通に。人のはらわたを食いちぎって?それを木に吊るす神様って何?本当に神様なの?ラストは主人公の男に反撃されて怯んでるし。で、まんまと逃げられてるし。神様ではなく、せいぜい根性の悪い悪魔くらいの存在なんじゃないかなって思った。ただ、シルエットはめちゃくちゃかっこいいんだよね笑それも、燃え上がる炎に照らされた姿がなんともエモい。このシーンだけは一応、神々しく見えた。それまで得体の知れないもの止まりで、存在をしっかり示してこなかったから余計に。演出の妙だよ。そんな得体の知れないアレから逃げられたということは、主人公は過去のトラウマという『恐怖』に打ち勝ったっていうことでいいのかな?最後、親友が助けてくれるとは思わなかった。主人公が見捨てたせいで亡くなってしまったのに、いい奴すぎる、、主人公は最後まで好きにはなれなかった。この映画のハイライトは、森の中にある廃屋で一夜を過ごすシーン。特に、この小屋に入って二階に上がり、そこで不気味なミイラ?のようなものを発見する場面。ここが一番怖かった。翌朝、男の一人が全裸でミイラの前で土下座してるとか、、いろんな意味で恐怖でしかない。ハイキング初心者が近道するために森に入るのはダメ絶対。この映画自体がイギリス産なので、出演者はみなイギリスの俳優さん。正直、みなさんあまり知らない方ばかりで、、主役のルーク役のレイフ・スポールは『ライフ・オブ・パイ』をはじめとする有名映画にちょこちょこ出演してるみたいだけど。マネー・ショートとかにも出てたんだ、、全然気づかなかった。ジェラシックワールド系は見てないからなー
2021.09.26

何者かに殺される誕生日を繰り返すタイムループから抜け出したツリー(ジェシカ・ロース)は、恋人のカーター(イズラエル・ブルサード)と楽しく過ごすつもりだった。ところが彼のルームメイトのライアン(ファイ・ヴ)が殺人鬼に狙われるタイムループに陥り、理工学部で学ぶライアンたちが開発した量子冷却装置(SISSY)が原因だと判明する。彼らは研究室に行き、そこで装置から放たれたビームをツリーが浴びてしまう。またまた死のループに陥ったトリーが選択する自分の未来とは!?まさかの『ハッピー・デス・デイ』の続編です。ヒットした映画の続編はあんまり、、の定説があるけど、今作は普通に面白かった!でも、続編で一番気になるのはキャストがちゃんと続投しているのか?というところ。大丈夫、今作は全員続投してます笑こういう部分って結構大事。最初の始まりはトリーではなく、カーターのルームメイトのライアンから始まるのが、なんか憎い演出だった。ライアンが車中泊から目覚め、部屋に戻るまでが結構ドキドキ。これが18日の月曜日だったら?1でのトリーの努力が水の泡になるところを、翌日19日だったと分かった途端、ちょっと安心。でも問題はここから。1でトリーは死のループから逃れたが、そのタイムループが今度はライアンに飛んでしまう。その上、1から続く死のループの原因が、ライアンら理工学部が開発したシシーという装置であることが判明。なんでトリーに降りかかったのかは明言されてなかったけど、死のループが「自分を大切にしてなかった彼女に何かを思い出させるため」といった神秘的な理由でないところが妙にリアル。装置に関してはガバガバ理論だけど、ストーリーに直接関係ないからいいや笑そしてひょんなことからまた、死のループがトリーに戻ってきてしまう。ここで発狂してしまうトリーがとにかくキレキレ。そりゃ頭おかしくなるよね、せっかく終わったと思ったのに、またループが始まっちゃうんだもん。でも、このループ世界は何かが微妙に違う。1とはまた別次元の18日の月曜日に飛ばされたことで、彼女を取り巻く環境に変化が生じていた。トリーとルームメートのロリの関係は改善されており、教授と不倫もしていない、母親が生きている、そして何よりカーターとダニエルが付き合っている世界線。カーターとダニエルのキスシーンで見せたトリーの顔芸が面白すぎた笑そして1から引き続きの死亡集も健在。今回は何度も死ぬことでアルゴリズムを解読する、というよくわからない理論から、トリーが死ぬことが求められ、殺人鬼に殺されるくらいだったら、自分で死ぬわ!っていう思い切りの良さによるもの。自殺シーンだから気鬱になりそうなところを、めちゃくちゃ底抜けにポップだから、これも全然見てられる。こういうところでいちいちコメディしてくれるトリーが本当に愛おしいわ。しっかりカーターとダニエルに嫌がらせまでしてるし笑さすがだよトリー。しかもこの世界線はロリがトリーを憎んでいない。なので、一体誰が「この世界」の殺人鬼なのか?というミステリー部分もあってよかった。ロリに助けられるという、前作から見ていたら、ちょっと胸熱するシーンもあり。彼女、本当はいい人だったんだな、、で、1の死闘をくぐり抜けてきたトリーは今作でも逞しすぎる女子大生。カーターを助けるために自分から発電所に突っ込んだり、ロリを助けるために銃をぶっ放す姿がカッコ良き。最終的にトリーは母親が生存しているこの世界より、元いた世界に戻ることを選択する。カーターと自分が恋人になりかけていた世界に。でも、その世界にはもうロリはいないんだよね、、トリーが窓から蹴り落としたから。なのに危険を冒して、『この世界』のロリを助けたい!って果敢に行動するのはすごいと思う。最後、彼女に「ごめん」って謝るのも、些細なきっかけで歪み合うようになってしまった、「向こうの世界のロリ」への謝罪でもあったのかな、、何はともあれラストはしっかりハッピーエンド。、、と、思いきやまさかのどんでん返し。あれは流石にダニエルかわいそうじゃないかな?笑主役はもちろん、トリー役のジェシカ・ローテ。前作から引き続きのキュートな部分とバイオレンス上等な部分に加えて、今作ではより正義感と逞しさが爆発しているトリー。死のループ経験者だからちょっと余裕があるのが面白い。本当に魅力的なキャラ。カーター役は変わらずイズラエル・ブルサード。前作を踏襲する人の良さだけど、それゆえに影が薄かったような気も。カーターよりキャラが立ってたのがライアン、サマール、アンドレという化学研究サークルの面々。特にサマール役のスラージ・シャルマは有名な『ライフ・オブ・パイ』で主演を演じた俳優さん。カーターと付き合っていながらしっかり浮気しているダニエルも、今作ではしっかり見所あり。でもループをダニエルに移したって、多分彼女はトリーほど上手に殺人鬼と対峙できないと思う笑ダニエル役はレイチェル・マシューズ。今作では善玉のロリはルビー・モディーンが続投。トリーとロリが手を取り合うシーンが、新鮮でもあり物悲しくもあった、、
2021.09.25

文なしから大富豪になったレオニデスが毒殺され、私立探偵のチャールズ(マックス・アイアンズ)が捜査に乗り出す。屋敷には愛人がいるらしい若い後妻、映画製作の資金が欲しい長男ら一族が勢ぞろいしており、巨額の遺産をめぐって火花を散らしていた。捜査が進むにつれチャールズは、一族全員に動機があることに気が付く。野望に塗れたやんごとなき一族が生み出した『ねじれ』の意味とは!?ある日、成り上がり者の大富豪の遺体が見つかった。どうやら毒殺されたらしい。被害者は生前から金にものを言わせて傍若無人に振る舞い、周囲からの反感も大きい人物であり、華麗なる一族の誰が犯人でもおかしくはない。しかも依頼主の女性に莫大な財産を相続させるという遺言書が出てくる始末。果たして、誰が犯人なのか、、?、、と、いうかなり古典的でどこかで見たことあるような映画でした笑アガサ・クリスティの作品は好き。今読んでも楽しめる作品が沢山ある。でも、今回の作品はトリックや動機に目新しいものはなかったかな。どちらかと言えば犯人の存在自体に重点と驚きを置いていて、映画的にもそのピークからクライマックスまですごく早かった。探偵の捜査もあまり捗っておらず、一族勢ぞろいして朗々と推理を披露するシーンもない。子供が犯人っていうのは確かに珍しくはあるかも。あと、ラストはちょっと意外だった。ただ、これはある意味配役の失敗だと思う。なぜなら名優と誉高い、あのグレンクローズが依頼主(ヒロイン)の大叔母さんという立ち位置で出演してるんです。だったら絶対何か起こるでしょ笑グレン・クローズが出てきて、何もなく終わるはずなくない!?って笑あんな猟銃構えて存在感しかない登場をして、どの場面にあっても彼女に思わず目がいってしまうほどの魅力があるのに、ただ被害者の妻の姉(だったかな?)でした!くらいの役で終わるはずがないって疑ってしまうのは自然だと思う笑そしてそんな、彼女が命をかけて守ろうとした一族の面々は皆、個性的な人ばかり。まず、亡くなった大富豪アリスタイド・レオニデス自身、一族とは全く関係のない貧困層の出身であり、並々ならぬ強烈な野心で成り上がった男。その上、晩年には再婚して年若い後妻を迎えており、一家に波紋をもたらしている。そして彼の息子たちもそれぞれ人生に行き詰まっており、またその妻たちも自分の人生の薄暗い先行きしか見えていない。ならば、そんな両親を見て育つ子供たちは果たして、、?この時点で十分、この一族にある歪な『ねじれ』がちゃんと見えてくる。『ねじれた家』って、高貴とは程遠いアリスタイドという人物が一族に入り込んだことに始まり、最終的に些細な理由で殺人を犯してしまう孫娘に至るまでの、一族の妬み嫉み欲望野望がこんがらがってねじれた、、という意味なのかなって勝手に思った。(全然違うかもだけど。原題はなんだろ?)うーん、ソフィアが割とまっとうに生きているのが不思議に思えるくらいです。まあ、いがみ合う華麗なる一族ってある意味魅力的だよ笑むしろ探偵のチャールズに一番魅力を感じなかった、、やんごとなきお方たちが個性的すぎて霞んじゃった感じかな。主演はそんなちょっと影が薄くなってたチャールズを演じたマックス・アイアンズ。と思いきや、主演はイーディス大叔母さん役のグレン・クローズ。稀代の名優の名にふさわしい役だった。最後の最後まで一族の名誉を守ろうとした彼女の姿はこの映画に無情の哀愁を漂わせてましたよ、、妹がどこの馬の骨とも知れない成り上がり者のアリスタイドと結婚した時、大叔母さんは自分しかこの一族を守ることが出来ないって感じたのかな、、原作未読だから想像でしかないけど。後妻とその愛人が逮捕された時も気にかけていたし、強くあり厳しくもあり優しくもある。チャールズ役のマックス・アイアンズ、ソフィア役のステファニー・マティーニはこれからの俳優さんなのかな?出演作はまだ少なめ。問題は一族の息子世代の面々。長男フィリップはジュリアン・サンズ。眺めのいい部屋、キリング・フィールド。英国発美男子俳優の、まさに代名詞!そしてその妻グレタはまさかのxファイルのスカリー役でお馴染みのジリアン・アンダーソン。個性爆発。最初見たときクレオパトラかと思った。次男ロジャー役のクリスチャン・マッケイこそ、、うん、あまり見た記憶がない俳優さん(それでも裏切りのサーカスとか、マダム・フローレンス!夢見る二人とかには出てるんだよね)その妻クレメンシーは人気ドラマ『シャーロックホームズ』にも出演しているアマンダ・アビントン。華麗なる一族の配役は豪華なるものであった。
2021.09.24

毎晩飲んだくれながら、さまざまな男性と関係を持つ大学生のツリー(ジェシカ・ロース)は、誕生日を迎えた朝にカーター(イズラエル・ブルサード)のベッドで目を覚ますが、1日の出来事をすでに経験したような違和感を抱く。そして1日が終わるとき、マスクをかぶった何者かに殺されてしまう。しかし目を覚ますと、ツリーは再びカーターの部屋で誕生日の朝を迎えていた。何度殺されても犯人に立ち向かう姿が逞しすぎる!これはずっと観たかった映画。けど、そのうち観に行くのを忘れ、タイトルも忘れ、最近たまたまNetflixで見つけたので鑑賞。「ああ、そういえばこういうあらすじの見たかった映画あったなー」と思ってたら紛れもなくこれだった笑ありがたいよNetflix。内容は控えめに言ってめちゃくちゃ面白かった!!まず一番に主人公のトリー(日本語吹き替え版ではなぜかツリーではなく、トリーと呼ばれていた)が、いい感じの美人でいい感じにビッチなんです笑こういうスラッシャー系の映画によく出てくる正統派パリピ女子っていうのかな。主人公の恋人の友人の恋人くらいの遠い立ち位置で、しっかり男好きで、結構序盤に惨たらしい死に方をする役目を与えられる人物くらいってイメージ。いわゆる死に要員。で、今作ではそんなアメリカ産純正ビッチが主役。ひょんなことから死のループに巻き込まれてしまい、殺人鬼に殺された途端にまた、その当日の朝に戻ってしまう。このループから逃れるためには、殺人鬼を突き止め、そしてこの一日を生き残らなければならない。だけど、トリーは至る所でやらかしまくっている女。誰から恨みを買っているのか、なぜ自分が命を狙われるのかさえ本人はわかっていない。そこで好青年カーターの助言で、自分の死のループを生かしつつ犯人探しを始める。ここからトリーが軽快なBGMに合わせて、とにかく死にまくる。いわゆる死亡集ですね笑凄惨なシーンのはずなのに、ポップでテンポがいいから全然見てられる笑結局、死ねばこの日が無かったことになるのを逆手にとって、好き放題やりまくるのもいいよね、こんな状況なのにトリーは前向きすぎるんよ笑そんなこんなあってトリーは過去と向き合う。彼女が半ば自暴自棄に生きるきっかけは、母親の死。それも自分と同じ誕生日で、とても仲が良かった母親が、二人の誕生日だった日に死んでしまうという悲劇に見舞われたから。元々はいい子だったのが物語の端端からわかる。せっかく犯人を突き止め、返り討ちにしてこれでもう大丈夫!ってなったのに、カーターを生き返らせるためにもう一度自分から死を選んだり、、トリーが生きて朝を迎えたら、カーターの死が事実で正史となってしまうから、犯人に「今度は絶対仕留めてやるから覚えてろよ」的なことを言ってダイブするのカッコ良すぎるわ。ラストのどんでん返しも良き。まあ真犯人は怪しくはあったけどね笑(トリーが何度目かの死亡シーンで車ごと爆発させられる時、その着火に使ったのがあのローソクに見えたんだけど、違ったのかな?この時、犯人あいつかもってなったけど、、)これだけ色々紆余曲折あって、殺される理由それ!?ってなったけど、、ある意味トリーっぽいわ。ちなみに本来は死ぬバッドエンドだったらしい。試写会で酷評されたから、現在のエンドになったみたいだけど、、そりゃそうでしょ。死ぬ度に強く、素直に、可愛くなるトリーがちゃんと生き残るエンドでよかった!主演はジェシカ・ローテ。強くたくましく可愛い。最初はビッチまっしぐらで反感多そうなトリーだけど、目の周りをパンダにして何度も死して尚、生きる道を懸命に模索する彼女を好きにならないわけない。素敵な役だった。そんな彼女を支える好青年カーター役にイズラエル・ブルサード。死亡集の元となる作戦を提案した張本人。彼の助言がなければ、あの愉快なシーンはなかった笑トリーのルームメイトのロリ役にルビー・モーディン。すらっとした美人さん。そしてトリーも所属する意識高い系サークルのリーダーのダニエル役のレイチェル・マシューズは今作の監督を務めたクリストファー・B・ランドンの姪っ子らしい。
2021.09.22

大司教惨殺事件で逮捕されたのは、彼の侍者のアーロンという青年だった。売名家と呼ばれている弁護士マーティンは、事件の話題性から無償での弁護を申し出た。あどけないアーロンの表情を使ったマーティンの作戦も、明らかにされていく宅地開発に絡む大司教への恨みや“悪魔払い”の名のもとにビデオに収められた醜聞も、元恋人の検事ジャネットによって次々と提出される物的証拠の前にはなす術が無かった。そんな時、アーロンの精神分析を担当したアーリントン女医がつかんだ事実とは……。最後のどんでん返しにちゃんとゾッとしたよ!こちらの映画は1996年の作品。多分、有名だから観たことあるかなと思ったけど、全く一ミリも観たことなかったです笑だから最後はちゃんと裏切られたし、ちゃんと見応えあったし面白かった!序盤は「ハリケーン」や「逃亡者」みたいに、無実なのに容疑者になった人間を救う映画だと思ってた。紆余曲折を経て、最後に法廷で無罪判決が下って「うぉぉぉやったぜーー正義ーーー」みたいな笑けど、容疑者のアーロン青年を弁護するマーティンの作戦が尽く検察(元カノ)によって打ち崩されていくあたりから、ちょっと雲行きが怪しくなってくる。そして、精神科医のアーリントンとアーロンが会話するシーン。アーロンが二重人格だとわかり、わかったはいいが、結局アーロンの中にいるロイが大司教殺害の犯人だとわかって愕然。二重人格とはいえ、やっぱりアーロンが殺してたんか、、となった。でも、これは使えるとマーティン。アーロンが悪いのではなく、ロイがやったのだ。ロイの存在を証明できればなんとかなる、と。しかも、そのトリガーを元カノに法廷で引かせるという方法もなかなかトリッキー笑で、この作戦は成功し、アーロンの無罪が見事に証明された。いや、普通によかったねってなったよ、この場面では笑(大司教が清廉潔白な人間ではないことが示唆されてたし)ただ、本当はアーロンは二重人格でもなんでもなかった。その上、アーロンの正体がおどおどしたアーロン青年ではなく、粗暴で不良なロイであったというのが、、なんか救いようがない、、気弱で優しい青年が自己防衛のために、荒々しい人格を作り出したのならまだちょっとは救いがあったかもしれないけど、最初から悪辣で邪悪な方のロイが主人格だったのは、ある意味この映画のハイライトだと思う。より悪質さが増す。そして恐怖も増す。このシーンに至るまで、本当に全く疑ってなかった。アーロンが「首を怪我させてすみませんでした、お大事にって言ってください」みたいに言った時、マジでマーティンと同じタイミングで、ん?ってなったよ笑え、それ知らないはずじゃないの?だって別人格が出てる時、記憶ないって言ってたじゃん、、ってしかも彼女?のリンダ殺害にまで絡んでたし、理由も救いようのないくらい馬鹿みたいな理由で殺してるし、、マーティンよりアーロンが上手だったよ。演者の豹変がマジ怖かった。独房を後にするマーティンにひたすら話しかけるアーロンが怖すぎた。でも、こういうどんでん返しのあるラストって後味悪いけど最高なんよ。主演はリチャード・ギア。最近だとハチとかシャル・ウィー・ダンスなどのリメイク作品によく出てるイメージ。今回も、いい映画でいい演技してるなー。で、そんなリチャード・ギアさえ霞んでしまうほどの存在感だったのが、アーロン役のエドワード・ノートン。まじで怖かった。おどおどした自信なさげなアーロンと、狂気に満ちたロイの演じ分けがとにかく凄い。この作品でアカデミー賞助演男優賞にノミネートされたらしいけど納得すぎる。そして個人的に好きな女優さんのローラ・リニーが検察官のジャネット役で登場。演技も顔の造形も好き。公平なミリアム判事役にアルフレ・ウッダード。この人は絶対どこかで観た!って思ってWikiを調べたらデス妻のアップルワイトさんだった。そして同じく、どこかで観た!ってなった精神鑑定医?のアーリントン役はファーゴのフランシス・マクドーマンド氏だったんよね、、全然わからなかった。記憶曖昧すぎる。後はERのアビー役の女優さんが出てたり、アグリー・ベティのスアレスパパが出てたり。この年代の作品もやっぱりいいな。
2021.09.19

典型的なアメリカ市民・トゥルーマン。だが彼の暮らす環境は、どことなく不自然だ。それもそのはず、実は彼の人生は、隠しカメラによってTV番組「トゥルーマン・ショー」として世界中に放送されていたのだ!家族や友人を含めたこれまでの人生が全てフィクションだったと知った彼は、現実の世界への脱出を決意する…。メディアによって作られた人生の悲喜劇に、見事なリアリティを与えているジム・キャリーの熱演が光る傑作コメディ。これのどこがコメディなんだよ恐ろしく不気味なホラーじゃんか!!この映画、ジム・キャリーが出てるからコメディだと騙されることなかれ。これは間違いなく身の毛もよだつホラーです笑彼の快活な笑顔とか、珍妙で面白い動きとか、多彩な表情とかには騙されないで、まじ。枠組みはコメディにしてるけど、絶対ホラージャンルだよ、これは。少なくともダークコメディ。ダークすぎるコメディ。序盤はまだ楽しめるよ。序盤は。、、いや、正直に言うと、序盤から騙されなかった。だってあらすじ読んでから見たから笑だからより怖い。最初から怖い。トゥルーマンはまだいいとして、彼を取り巻く環境とか周囲の彼に対する「愛!平和!ピース!」みたいな対応とか、張り付いた同じ笑顔、同じ仕草、無理やり作られた平穏な日常がとにかく怖い!!みんな役者なんだよ!父親も母親も嫁も、親友もいつも挨拶する双子のおっさんも、友達も仕事先の同僚も全部!!何も知らないのはトゥルーマンただ一人。彼だけが純粋にこの作られた世界の住人として存在している。あとの人たちはただの仕事としているだけ。演じているだけ。この、胸がむかつくらいに奇妙な日常が、美しい街並みや心優しい住人たちっていう仮面をかぶって彼のそばに平然と横たわっているのが、、言いようのない違和感で気持ちが悪くなるくらい。この映画って笑えるの?全然笑えないんだけど、、一番胸糞悪くしているのが、トゥルーマンショーに関わる人たちが人一人の人生を狂わせているという感覚が全くないというところ。本当の自由もなく、架空のお伽話の世界で作り物の日常の中で生きていることが、それを全世界に配信されてることが、どれだけ人の尊厳を傷つけて弄んでいるのかを理解してない。島から出さないために水に対するトラウマをわざと植え付けるとか、、正気の沙汰じゃないよ。まあ、一応誰も彼もが平然としているわけじゃない。特に嫁メリルはもう発狂寸前だったよね、、彼女の場合は自分可愛さかもしれないけど、そりゃ精神的に疲弊するよ、こんな世界。他の人たちはトゥルーマンが帰宅したら、はい仕事終わり、って感じかもしれないけど、結婚してるメリルは気が休まらないだろうし、、かといって上からの命令でちゃんと口論中でもスポンサー商品を宣伝しないといけないし。あの意味のわからないタイミングで宣伝入れるってやばすぎるよ、、メリルの血走った目が明後日の方向を向いてるんよ、、怖すぎるで、このトゥルーマンショーのプロデューサーは一番罪深いはずなのに、それを微塵も理解してない。トゥルーマンは確かに望まれて生まれてこなかったけど、だからと言ってこんな世界中に見世物にされるのは違うよね、、ずっと見守ってきて子供のように思っているなんてのはただのエゴ。ラスト、作り物の世界から本当の世界に飛び出そうとするトゥルーマンを諭すシーン。いや、まじこいつ何言ってんの?感が強すぎた。だからこんな紛い物にトゥルーマンが騙されず、自分の道を自分で一歩進んだシーンはすごく良かった。しかも彼らしい言葉で。ローレンも10数年くらい?経てもトゥルーマンを助けようと動いてくれてたし。(彼女の部屋に、「トゥルーマンを自由に!」って書かれたポスターがあって、番組から追放されてからも外で活動しててくれたんだなって思った)それが本当の愛情だよね、守りたいから鳥籠に閉じ込めとくのは単なるエゴ。一応、ハッピーエンド?で終わってよかった。トゥルーマンのこれからの人生も大変かも知れないけど、自分で自分の人生を意思決定できることの有り難さと責任は、絶対に彼の人生をいいものとすると思う。で、あれだけトゥルーマンの一挙手一投足に固唾を飲んで見守ってきた視聴者の変わり身の早さにも恐ろしさを感じたけど笑彼らにとっては暇な日常を埋める娯楽の一つでしかなかったんだよね、トゥルーマンショーも。大衆意識の変化の速さがまたホラーだった。主演はコメディ作品でお馴染みジム・キャリー。でも彼は絶対これをコメディだと思ってないと思う笑コメディが得意な俳優さんが、こういう役を演じてくれるからより怖さとか不気味さが増すんよね。諸悪の根源である番組プロデューサーはエド・ハリス。いや、僕にはちゃんとトゥルーマンに対する親の愛情があるんだよ、的な感じだったけどまじ洒落臭い。スターリングラードの将校役は好きだったなー。作中一番好きな役(役者っていう意味で)はメリルを演じたローラ・リニー。狂気だった。ひたすら狂気だった。彼女の神経質そうな笑顔が怖すぎたけど、めちゃくちゃよかった!真実に気づき始めたトゥルーマンをなんとか制御しようとテンパる彼女がちょっとかわいそうに見えるくらいだった笑
2021.09.18

ジョー・グラス(ジェラルド・バトラー)が艦長を務めるアメリカ海軍の攻撃型原子力潜水艦ハンターキラーに、ロシア近海で行方不明になった同海軍原潜の捜索命令が下る。やがてハンターキラーは、沈没したロシア海軍の原潜を発見し、生存していた艦長を捕虜として拘束する。さらに、ロシアで極秘偵察任務にあたるネイビーシールズが、世界の命運を左右する巨大な陰謀をつかむ。それを受けてハンターキラーは、敵だらけのロシア海域に潜航する。終始あり得ない展開ばかりだけど勢いで乗り切れ!これはオススメされてみた映画。でもオススメされなくても観たかもしれない映画。なぜなら、潜水艦を題材にした映画が何よりも好きだから笑あの、敵も味方も目視できない暗い海の中で、微かな振動とかノイズ、スクリュー音、耳を澄ませば聞こえるほどの敵が出すかすかな物音を敏感に感じ取って、そこから戦術や策謀を練ったり攻撃したり、時には回避したりっていう展開が好き。自分の位置と相手の位置をちゃんと補足してなきゃいけない。敵艦の性能も熟知していないとだめ。近づきすぎてもダメ、攻撃手段の魚雷も無限にはない。淡々と読み上げられる距離計。見えないのに確実に近づいてくる魚雷の音。海上から攻める駆逐艦と海底から攻める潜水艦の攻防。まじで緊迫感がたまらない。Uボート系は割と見てる。あの救いようのない映画の中でも屈指の救えなさを誇る、Uボートも観た。マジで救いようがなさすぎて泣いたくらい。敗戦国に救いはないんだよね、、だから序盤の戦闘シーンだけでかなり引き込まれた。まあ、初手であんな簡単に撃沈させられて拍子抜けしたとか、その後のあんな氷山の一角に潜水艦が隠れられるのか?とか、反撃の手段なさすぎてモヤモヤしたり、終盤もいや攻撃されたのなら浮上してないで潜水しろよ!って思ったけど、、(潜水しても間に合わないから一緒かな?)それ以上に不思議なのが、なんでアメリカがロシア大統領の救出すんの!?ってところだと思う笑ストーリーの流れ的には分かるよ。国家間の争いにしないために、クーデターを起こした一味だけを敵として、大統領を救い出し、指揮系統を取り戻すっていうのは理解できる。で、なんかあまり精鋭感がない特殊部隊(一人は新入りスナイパー)を投入して、別任務で近くに来てた潜水艦にピックアップされるのは、、行き当たりばったりな気がしないでもない。ロシアなのにロシア人いないのかよ。アメリカ映画だからか、ほぼ全部アメリカ任せなのが違和感だった。ロシア大統領のSPの彼はカッコ良かったよ。ラスト、ロシア艦隊の船員たちが反旗を翻す場面もよかった。でも、グラスはなんで何もしなかったんだろ?絶対にロシアの駆逐艦が迎撃してくれると思ってたのかな?アンドロポフの存在があるから。でも、アーカンソーには大事なロシア大統領も乗ってるんだけど?笑撃沈されてたら確実に国際問題になってるよ。あと、ロシア駆逐艦に大統領が乗っていることを告げるべき!みたいな話になった時、通信が出来ないからダメだ、みたいにグラスは言ってたけど、アンドロポフがちゃんと通信できたじゃん笑一人一人名前を呼んで、私が乗っている感を出してたし笑通信できるなら、最初から大統領に話をさせてたら良かったのにーでもそうなるとラストの展開がなかっただろうな。こういう矛盾があると、マジでロシア大統領の存在感が薄くて逆にかわいそうになってくる。シナリオの都合で端に追いやられて、、(見落としてただけかな?)まあ、その後まさか駆逐艦が自国の防衛拠点に砲弾を打ち込むとは思わなかったけど笑さすがにオーバーキルやで。この時のロシア駆逐艦側の艦長の様子は映ってなかったけど、内部抗争みたいなのがあったのかな?艦長はあまりアンドロポフに思い入れはないみたいだし。色々考察()が残る不思議映画だった。主演はジェラルド・バトラー。300の人。300は観たことないけど、「ディスイズスパルタァァァ!!」の人だよね、多分。個人的にはトゥームレーダー2とか、完全なる報復のイメージかな。有能な艦長かもしれないけど、確証もなく船員や大統領を危険に晒す二つに一つの賭けをやったのはリーダーとしていただけない。そしてこの映画を不思議映画にしてしまった一つの要因に、ゲイリー・オールドマンの存在が大いにある。だってこんな名優が出演してたら、絶対何かあるって勘ぐるよね?笑もしかして二重スパイとか?本当の目的はアメリカ大統領の命?国家転覆?みたいに、かなり陰謀の夢が広がったのに、何もなく終わってしまった。一人だけ存在感がありすぎるんよ。ロシア側の艦長アンドロポフ役はミカエル・ニクヴィスト。あの破壊工作でよく生きてたなーって思った。ある意味ロシア大統領より権力あるのかな、このひと笑
2021.09.17

核汚染の影響によって、人類が食料に困窮するようになった世界。レオノーラ(ギッテ・ウィット)、ヤコブ(トマス・グルスタッド)と娘のアリス(トゥーヴァ・オリヴィア・レーマン)は、あるホテルで食事も提供するチャリティーの演劇が上演されるのを耳にする。ホテルに向かった一家は、支配人マティアス(ソービョルン・ハール)から演劇はホテル全体を舞台にして上演されると聞かされ、俳優陣と区別するための仮面を渡される。やがて次々と観客が謎の消失を遂げ、アリスもレオノーラたちの目前で姿を消す。ある意味このタイトルをつけることが一番のホラーかも!?Netflixで見つけたこの映画。特に前情報がなかったから、もしかしたらホテルで一人また一人と消える系の殺人事件でも起こるのかな、って思ってみたら、まさに殺人ホテルで殺人が起こっちゃったよって感じのかなりストレートなお話だった笑ひねりなし。これって原題は何だったのかな?もし、全然違うタイトルの意味だったら、盛大なネタバレになってるよ。本当に殺人が起こったのか?はたまたただの悪趣味な悪戯なのか、役者たちの演技なのか、どこまで本当か嘘か、、的なサスペンスを楽しむものと思ってたけど、殺人ホテルって言われたら、、そりゃ、絶対殺人おきますよ笑客と演者を仮面で分けて、気になった演者がいたら客が付いていくっていう設定もいいし、(こういうアトラクション実際にあったし)ホテル全体が劇の舞台って感じでおどろおどろした雰囲気もいいけど、主人公家族は早々に外してたし、仮面の意味どこ行った笑これって客のみんなが仮面外してたら、結局誰を襲ったらいいか分からないとかいうオチなのかな?総じて仮面持ってない方が安全っぽい。ラスト付近では仮面を他人に被らせることで危機を回避してるし。カニバリズムに関してはね、、終末世界で誰も彼もが食糧難に陥っているのに、このホテルにだけ潤沢な食材があるとは思えないし。序盤、主人公家族たちが肉を頬張るシーンで察する人は察すると思う。でも、このホテルの陰謀を当事者である役者たちが知らなかったって無理があるような気もする。役者の女が「金品を奪うだけじゃなかったの!?」って驚いてたけど、この世界に金品があってももう意味なくないか?経済も国家もないような世界だと思うし、金品よりも必要なのは食料だよ、肉だよ、肉。で、結局、真実を知った役者たちが悪の根源だった支配人を吊し上げて終わり。解体チームの作業着を着た男たちと役者チームは仲間じゃなかったのか。しかも作業着を着た男たちのそのあとは不明だし。悪が悪になりきれてなくてもやもや。ただ、レオノーラがかつての役者魂を燃やしてみんなを先導する姿はカッコ良かった。彼女がどれだけ熱意を持って訴えかけても、みんなそれをただの演技だと思ってしまう。だったら演技には演技って感じで、初めて彼女が元役者だった設定が生きた感じ。最初は理想的放任主義の癖に、何か起こったら周囲に当たって心配して、「アリス、アリス」連呼しまくって五月蝿いっていう、なんか一貫性のない母親だったけど笑本物の役者はすげーよ。そして終末期の世界だから、別にホテルから逃げ延びたって、平和な日常に戻れるわけじゃない。外は相変わらず薄暗くて暗澹としている。そういうことを思えば、少しでもかつての平和な世界を彷彿とさせる、平穏な夢を見せてくれる殺人ホテルの方が、遠くから見て光輝いて見えるのもなんか納得できる。この無常感がある終わりが好きだな。スプラッター感やホラー感は少なかったけど、ダークな雰囲気が良き。ノルウェーの映画なので、役者さんは知らない方ばかり。ただ、監督であるヤーラン・ヘルダルは撮影当時、弱冠17歳ということに驚き。豪華絢爛さと、おどろおどろしさって紙一重だと思う。その絶妙なバランスを作り出したのが純粋にすごい。タイトルネタバレがなかったら楽しく観れたのかなーでも最初のお肉頬張るシーンで大体察するよね笑
2021.09.16
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