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有名なホラー映画女優だった母・アマンダ(マリン・アッカーマン)を交通事故で亡くしたマックス(タイッサ・ファーミガ)。3年後、失意の底から立ち直った彼女は、友人たちに誘われ、母が出演していた80’sホラー映画を鑑賞することに。ところが突然、映画館で火災が発生。パニックになって逃げ惑う中、気が付くと、物語の中に入り込んでしまう。冒頭シーンが目の前で起こったり、映画の登場人物のはずのカートたちに会ったりとありえない出来事に戸惑いながらも、ナンシー役を演じている母にも会え、マックスは喜びの涙が止まらなかった。だが、当然、殺人鬼ビリーも出現し、次々とシナリオ通りに殺されていく・・。母の命が危ない!! ファイナルガールに選ばれた処女と殺人鬼が繰り広げる壮絶な一騎討ち! Netflixの予告では時間ループ物?って思ったけど、全然そんなことなかった笑 ひょんなことから映画のなかに入った主人公たちが、凶悪な殺人鬼ビリー(ほとんどジェイソン)から逃げながら、反撃する様を描いたコメディ作品。80年代然とした物語構成を逆手にとった、ある種皮肉めいた手法が良き。 まず、なにも考えず観れる映画っていいよね笑 小難しいトリックも複雑な伏線もなくて、あれ?もう一回見ないとわからないかも?ってシーンもないから巻き戻す必要なし。 お話はすごく単純明快。主人公のマックスの母親は、80年代に活動していた女優のアマンダ。彼女は一世は風靡していないが、ごく小さなコミニティにカルト的な人気を誇るスラッシャー映画の出演者の一人だった。が、不慮の事故で3年前に亡くなってしまう。ある夜、母親の面影を追い求めながら彼女が出演する映画を見ていたマックスは、仲間数人と共に突然、映画の世界へと取り込まれてしまう。母親と感動の再会をしたのも束の間、本来だったら殺人鬼ビリーを倒す、ファイナルガールになるはずだった女性が早々に死んでしまい、映画のシナリオが変わってしまった。(ファイナルデットシリーズみたい) 果たして誰が殺人鬼ビリーを倒す、ファイナルガールなのか!? マックスたちは映画の世界から抜け出せることができるのか!? みたいな話し。 確かに、こういう殺人鬼に追い回されて一人一人殺される系の映画って、最後はあまり派手じゃないけど、堅実な女の子が残るよね。海外では、そういう女性をファイナルガールっていうらしい。13日の金曜日とか、ラストサマーとか。エイリアンのリプリーもそうなのかな? 映画の中には、80年代のコレ系の作品に対するオマージュというか、パロディが沢山。 まず、舞台がキャンプ場といういかにも何か起こりそうな場所、登場人物は全員が頭のネジがぶっ飛んだ人たちばかり。女性が意味もなく裸になって、その途端に殺人鬼が現れるっていうスラッシャー映画の王道。この映画の場合はファイナルガールはバージンっていう設定で、ビリーを倒す役目がマックスに回ってきます笑 なんかこれ、すごく安直だけど、映画自体もそういうシナリオで進んでいくのが面白い。 つまり、マックスは無敵なんです。絶対に死なない。この映画の中で、惨たらしい殺人鬼のビリーを倒せるのは彼女ただ一人。あとの人たちはそれぞれ派手にでも地味にでも死んでいくけど、マックスだけは絶対に死なないシナリオになっている。 終盤、仲間が一人、また一人と死んでいって、マックスはアマンダを二度と失いたくないので、アマンダを守って逃げ惑います。でも、アマンダがいる限り、マックスは『ファイナルガール』じゃないので、悲劇はどれだけ経っても終わらない。自分がアマンダの子供とほのめかすマックスに、アマンダは「私は消えない。映画を見ればまた会えるから。私は映画スターよ」と言い残し、自らビリーの犠牲になることを選びます。外に出て、軽快な音楽とともに、わざと目立つように踊りながら服を脱ぎ始めるアマンダ。 時を経ても、たとえ映画の中でも、子供を守ろうとする母親に感動。(この時、現実のアマンダはマックスを産んではいないけど、なにか通じるものがあったのかな) ここ、すごくいいシーンでもあるけど、裸の女が出てきた瞬間に、ビリーが現れるのがちょっと笑える。 で、母親を殺されたマックスは怒り心頭で覚醒。 得物(マチェーテ?)を構えながらビリーに特攻する前、ここの字幕が、「処女をなめんなよ!」になってて、バチバチにカッコ良かった! もうね、得物の扱い方がプロなんです笑 飛んだり跳ねたり、それまでのおどおどしたマックスはどこにもいない。最強のファイナルガールであるマックスは見事、ビリーとの一騎討ちに勝利する。で、エンドロール。 ラストのどんでん返しも良かった。助かったと思ったけど、、みたいな。まあ、そんな簡単には出られないよね。スラッシャー映画ほど続編が出るのもわかるし。いい終わり方だと思う。これ系の続編てめちゃくちゃありそうだから、どこまで続くかわからないけど笑 スラッシャーを皮肉ったコメディ映画かと思いきや、結構見応えがあって面白かった。ファイナルガールが絶対に死なない、映画を終わらせるためにビリーも彼女を殺せないっていうところを逆手にとった作品。他にも、唐突な回想を利用してビリーから逃げる手法とか、意地悪なギャルが地味子と和解して結託するシーンとか、すぐに裸になりたがる女の手にミトンをつけて脱がせないようにするとか、終始下品なことばかり言う男とか、とりあえず「ああ、なんか80年代の映画っぽい」ってところがたくさん。 如何せんこの映画自体がB級っぽい感じだから、出演者はあまり知らない人ばかり。主演のマックス役はタイッサ・ファーミガ。目がめちゃくちゃクリクリしてる。アマンダとの別れのシーンがよかった。アマンダ役はマリン・アッカーマン。うーん、存じない方だけど、娘を守るために自分を犠牲にした踊りには鬼気迫るものがあった。
2021.07.26

DNA操作で生まれた"適正者"だけが優遇される近未来"不適正者"として自然出産で生まれた若者が適正者に成りすまして宇宙へ旅立とうとするが・・・。ひたむきな努力と夢を諦めない情熱が遺伝子という呪縛を突き崩す!Netflixにあったから偶然鑑賞。あらすじだけ見たら、ホラーちっくで主人公が取り憑かれたように自分の夢を追い求めて周囲も自分も破滅する、的なものなのかと思ったけど、予想以上に作品に哀愁と品があった。控えめに言ってめちゃくちゃ良き。イーサン・ホークだからいいのかな。決して自分では変えることができないとされてきた『遺伝子』という運命を、自分の知恵と努力で覆そうと抗う姿と、各々がちゃんと考えて行き着いた先であるラストシーンに涙しそうになる。物語は近未来。生まれてくる子供の遺伝子を当然のように操作し、優秀な者のみに地位と名声が与えられ、それ以外の者が人間であって人間ではない、不適正者として扱われる世界。ここでは親が子供に対する一番最初にして、最大のプレゼントがより優位な遺伝子を与えることとなっていた。しかし、主人公であるヴィンセントの親は、この潮流に反して遺伝子操作をせずに自然のままでヴィンセントを授かる。その結果、生まれてすぐにヴィンセントは病気がちで寿命から才能から並以下の『不適正者』と診断され、本当なら父親の名前を授けられるはずだったのに、その名は遺伝子操作をきっちりと行った優秀な弟『適正者』であるアントンに与えられた。遺伝子という変えられないハンディを背負いながらもヴィンセントは子供の頃から抱いていた、宇宙飛行士になるという壮大な夢を追い求める。なんていうか、、とりあえずヴィンセントがいいやつなんだよ笑彼は高潔で品があって、でも決しておごらずに自分に足りない部分を補おうと必死で努力する。『不適正者のヴィンセント』では一生宇宙にいけないと実感した彼は、DNAブロカーに接触して不慮の事故にあった(これも色々あるんだよね)優秀な適正者に成り済まし、『適正者のジェローム』に扮してガタカに潜り込むんだけど、ここでは髪の毛一筋でも検査されるとすぐ正体がバレてしまうので、神経質なまでに自分という痕跡を消す。その姿がなんかいちいち悲しいよ。逐一パソコンを掃除して髪の毛が落ちてないか確認して、家に帰るとアカスリで汚れを落として皮脂一つも外で落とすまいと必死。ヒロインのユマサーマンと一夜を過ごしたあとでさえ、彼は朝一で部屋を出て夢中で浜辺の砂を自分に擦り付けてヴィンセントの存在を消そうとする。本当に悲しい。そうやって正体をバレまいと苦心してるヴィンセントを見てると、哀れというよりはひたすら悲しくなる。自分を否定(DNA的な意味で)し続けるのが生活の一部になっているのが悲しい。報われて欲しい。しかも実際、ヴィンセントはかなり優秀。遺伝子的には落ちこぼれと言う烙印を生まれながらに押されたけど、ガタカに入った後の成績や実績は彼の努力によるもの。その結果、エリート揃いのガタカの中でもトップクラスのエリートになり、見事宇宙飛行士の候補にまでなった。ヴィンセントは先天的な才能が一切なく、腕っ節ひとつで今の地位を築いた。その裏にはたゆまない努力と強靭なメンタル、そして夢を追い求める純粋な情熱とこの遺伝子に支配された世界に風穴を開けてやろうという反骨精神がある。逆にもう一人の主人公というべきなのが適正者として生まれ、将来を約束された身でありながら、不慮の事故で半身不随となったジェローム。自身の適正者としての身分をヴィンセントに売る代わりに、生活の保障をしてもらう契約を結んだ人物。最初は飲んだくれたりやさぐれ感あったけど、徐々にヴィンセントの熱意に感化されて互いを理解し合える親友のような立場になっていく。おそらく彼も遺伝子を頂点とする、この階級社会の犠牲者なんだろうな。かつてのジェロームはオリンピックで活躍できるほどの有能な水泳選手だった。けど、彼の首にかかっているのは銀メダル。ヴィンセントは銀メダルでも凄いと言うけど、ジェロームは明らかに不服そうだった。どうして遺伝子的に優秀な自分が、一位じゃないんだと言わんばかりの顔をしていた。事故にしても自分から車の前に飛び出たって言ってたし自殺的な部分があるんだろうな。ヴィンセントよりもはるかに恵まれた環境に、それも生まれてすぐ適正者としての幸運な環境にいながら、ジェロームは彼なりに苦悩していた。よく言うのは、中学で成績優秀で学年トップクラスの生徒が、高校で有数の進学校に入ると途端に周囲のレベルがあがり、勉強がついていけなくなって落ちこぼれになる、みたいな感じかな。不適正者と適正者の間には明確な境界線があるけど、適正者には適正者たちによる熾烈な競争があるわけで。なまじ神童だ秀才だ、と散々言われて育ってきたからプライドも高いだろうし、勝って当たり前の世界で勝ち続けることって想像以上に苦しいんだろうな。今はまだ自分達より下(こんな書き方イヤだけど)の不適正者達がいるから優越感に浸れるけど、これが全員適正者の世の中になったら、適正者ってなに?ってなるような気がする。より争いが酷くなりそう。ただ、この二人は似てるのか?笑作中では当然のように二人が似てて、ヴィンセントの正体を疑った警察までもが騙されるっていうシーンがあるんだけど、いいのかそれで笑まあ多分、血液は嘘つかない的なあれで、見た目なんかはどうでもいい世界なのかな。そこさえ入れ替えときゃなんとかなる。アメリカンサイコ的な、スーツ着てれば皆同じみたいな。物語の冒頭、ヴィンセントの正体を疑っていた医者?が殺害されるけど、もちろんヴィンセントは犯人じゃない。そんな人道に悖る行為はしないのがヴィンセントです。血は偽るけど笑腑に落ちないのはこの犯行を自供したガタカの局長が、本当に宇宙船打ち上げ延期を理由に医者を殺すかな?ってところです。ガタカを統べる権力者が、そんな単純で小さな理由で人殺しをするのか。だって別に何度も打ち上げはしてきたんだし、その一本が延期になったって大勢に影響はそれほどないはず。多分、局長もヴィンセントの正体に薄々気づいてたんじゃないかな。で、直向きな彼に同情して、正体がバレるのと打ち上げ延期を阻止するため(この宇宙船にはヴィンセントが搭乗予定だったから)、ヴィンセントのために殺人を犯したんじゃないかなって想像した。ヴィンセントに協力的な人はガタカ内に他にもいて、例えば掃除夫のおじさんはヴィンセントが飲んだゴミとか、髪の毛とかをさりげなく処分してたし、ユマサーマンも要所要所でアシストしてくれたし。ラストの抜き打ち検査のシーンでも医者の一人がヴィンセントが不適正者とわかっていながらデータを書き換えてヴィンセントが搭乗出来るように計らったし。めちゃええシーンだったよ。みんな実は、ヴィンセントが不適正者だと気付きながら、でも、そんな運命に抗う健気な彼を影から応援してたんだったら、それは遺伝子関係なくヴィンセントの純粋な人柄によるものだろうな。遺伝子的に優秀なはずの弟のアントンはそこに胡座をかいて、人間的にも優秀さでもヴィンセントには勝てなかったよね。警官が悪いってわけじゃないけど、エリート揃いのガタカには入社できてないわけだし。ラストシーンは悲しいけど、ああいう方法でしかジェロームの苦悩は終わらなかったんだろうな、、彼は後悔したんだと思う。不適正者だけど努力して夢を叶えたヴィンセントを間近で見ながら、優秀と言われた自分自身をもう少し信じて、大切にしてあげればよかったって。自分がいたらいつか正体が露呈するかも知れない。自分の人生を本当にヴィンセントに与えて託した。最後にヴィンセントに対して出来る最大の献身がああいう形になったのなら、苦しいけどジェロームの意思がしっかり表れてたよ。主演はイーサン・ホーク。名前は知ってるけどあまり映画を観たことがない役者のひとり。Wiki見たらパージに出てるんだね、、観たことあるけど全然知らなかった。お父さん役かな?多分その時はイーサン・ホークの顔を知らなかったんだよ笑ヒロインはユマ・サーマン。二人はこの映画の共演をきっかけに結婚した。(後に離婚)ユマ・サーマンも最後まで裏切るか?ってキリキリしてたけど、ちゃんとヴィンセントの理解者でよかった。ジュード・ロウも言うことなし。リプリーに続き誰かに間違えられる系俳優。ヴィンセントを最後にかばう医者にサンダー・パークレー。エアホースワンでは裏切り者の非道なテロリストだったけど、今作ではひたすらいい人。ヴィンセントは周りに恵まれたね。遺伝子じゃなくて人に恵まれてる。あと地味にDNA仲介人がメン・イン・ブラックの頭吹っ飛ばされてもすぐ生えてくるエイリアン役の人だった。こういうの見つけるのも面白い。
2021.07.25

1996年、アトランタ爆破テロ事件の実話。警備員の男、リチャード・ジュエルが爆弾の入ったバッグを発見したことで、多くの人々の命が救われた。だがFBIは、爆弾の第一発見者だということを理由に彼を容疑者として逮捕。彼は、一夜にして国民のヒーローとなり、そして一夜にして全国民が敵になった。リチャードの味方になったのは、世界いち無謀な弁護士、ワトソン・ブライアント。ワトソンが捜査に異議を唱える中、女性記者のキャシー・スクラッグスの記事をきっかけに容疑の報道は熱を帯びていく。「事実」とされた報道の「真実」はどこにあるのか。そんな態度だったら疑われちゃうよおじさん!こちら、実話を基にした映画。そういう映画の主人公って当たり前だけど実在した人だし、すごく丁寧にその人に不利な部分はなるべく省くし、今回なんかは無実なのにあらぬ疑いをかけられた側で最終的にその冤罪は晴らされたまさに清廉潔白な人。普通だったら視聴した後はスッキリして、今後のこの人の人生に幸あれ、くらいには思うんだけど、びっくりするほどこの主役に共感できなかった笑これはもうこの脚本がそういう風に仕向けたとしか思えない。ある意味モヤる映画。全ての始まりはこのリチャード・ジュエルという人物。この方、遊園地の警備員なんだけど、ひょんなことから爆弾を見つけて周囲の人間を避難させ、テロから多くの人の命を救ったまさにヒーロー。の、はずが、「こんなどこにでもいるおっさんがヒーローなわけねーだろ」って感じで、第一発見者は疑われるセオリー通りに目をつけられてみんなのヒーローから一気に容疑者へ。そこから、昔の職場の知り合いだった弁護士を味方につけて疑いを晴らすために奔走するんだけど、、実際、彼のアリバイは完璧で、絶対に犯行に関わっていない旨がちゃんと描かれてる。のに、メディアは彼を容疑者と騒ぎ立て、FBIは法律スレスレどころかしっかりアウトな強引な捜査をしてくる。冤罪はもちろん悪だけど、リチャード・ジュエルは無駄に正義感が強くて、ただの警備員の自分をFBIと同等の法を司る者?的な位置に置いてるし、仲間のように振る舞っている様は痛々しい。そうやって自分の心を保つために理由をつけてるのかも知れないけど、ワトソンがキレるのも分かるわ。本人にそのつもりがなくても、理不尽ことを強要されてもヘラヘラしてて媚びてるようにも見えるんだよね。だからと言って冤罪は良くない(大事なことなので二回言っておく)でもやっぱり伝え方とか、振る舞いってすごく大事だと思う。リチャード・ジュエルは自分がやってないからそう言えるかもしれないけど、端から見たらその余裕さとか、プライドとか振る舞いとかがすごく不思議に見えてくる。不思議に見えた後は疑いの芽が出てくるし、一度そうだと決めたらFBIやメディアだって引くに引けない。スネに傷がない人間なんていないけど、その後どう振る舞うかが重要だよ。「黙っていても、あれは僕は正しいことをしたんだから何も言う必要ないよ」的な羊のようなお人好しスタンスは付け入られるだけ。だから相手方に乗り込んで自分の意見をしっかり言った部分はよかった。「次、不審な荷物を見つけた警備員はリチャード・ジュエルのようにはなりたくなりから、その爆弾を見て見ぬふりするんじゃないか。そして安全がなくなってしまう」本当にそうだよね。リチャード・ジュエルのしたことは称賛されはしても、咎められるようなことは一つもしてない。一度、振り上げた拳を降ろせなかったプライドの高いFBIが一番悪いんだよ、クズすぎる。こういう冤罪を晴らす系実在の映画では、ルービン・カーター事件が題材となったデンゼル・ワシントン主演の『ザ・ハリケーン』の方が好きかな。この映画は徐々に証拠を揃えて力を合わせて冤罪を勝ち取った感が痛快で気持ちいいけど、今回の映画は早々に強固なアリバイがあるのに、みんなそれに見て見ぬふりをしてリチャード・ジュエルの人間性を攻撃しまくって、だけどリチャード・ジュエルにも共感できる部分とか同情できる部分が少なかったのが面白く見れなかった点かな。これ系はベタだけど、法廷での「うおぉぉぉこれで無罪やー!!」的なノリが見たかった。でも最後、事件から数年後にちゃんと真犯人がつかまって無実が証明されたけど、容疑者でないからと言ってヒーローにも戻ることができない、っていうところは切なかった。警官にはなってたみたいだからよかったの、、かな?実在の人物リチャード・ジュエルを演じたのはポール・ウォルター・ハウザー。ある意味はまり役。そんな彼を弁護するのがサム・ロックウェル演じるワトソン・ブライアント。サム・ロックウェルはいまだにチャーリーズ・エンジェルの人ってイメージ。あと、ベスト・オブ・エネミーズにも出てた。この映画の中で一番好きなのはキャシー・ベイツ!この人を見るとミザリーを観たくなってくる不思議。あと、タイタニックの女主人でも出てたなー取り敢えずミザリーのあの狂気はなかったけど、主人公のお母ちゃんとして可愛そうな立ち位置をしっかり演じておられました。ちなみに今wiki見たら監督はクリント・イーストウッドだった。うーん、結構退屈な映画だったよイーストウッド。
2021.07.24
史実を基にしたポール・ブリックヒルの同名小説を、スティーブ・マックィーン、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンらオールスターキャストで映画化した戦争ドラマ。第2次大戦末期、ドイツにある絶対に脱走不可能といわれた捕虜収容所で、連合軍兵士250人の大量脱走計画が持ち上がる。連合軍兵士とナチス軍のせめぎ合いや集団脱走の顛末が壮大なスケールで描かれる。監督は「荒野の七人」の巨匠ジョン・スタージェス。共演にリチャード・アッテンボロー、ジェームズ・ガーナー。不朽の名作と言われる所以がこれでもかと詰まった間違いなく傑作!この映画、最初は先入観があって「この時代の映画って、、」って思ってたけど、間違いなく面白い。でも一度観ただけでは登場人物多すぎて覚えられず、再度チャレンジ。それでもやっぱり面白かった。言わずと知れた映画史に残る名作のひとつ。例えこの映画を観たことのない人でも、劇中に流れる大脱走マーチは絶対に一度は聞いたことあるはず。むしろ、この音楽って、この映画からきてたの?って目から鱗だった。この時代の映画って別に大どんでん返しがあるわけでも、劇的なシーンがあるわけでも裏切りがあるわけでもないけど、単調にならずずっと観ていられる。昔の映画は昔の映画で良き。現代にはない爽やかさ?みたいなのがある。正直、1963年ってたぶん親もまだ生まれてないと思う笑だから豪華俳優陣の共演なんだと思うけど、俳優に関しては分からない。スティーブマックイーンとチャールズブロンソンくらいかな、聞いたことあるのは。おそらく当時としては名の知れたスター揃いだったんだろうなーとしか。お話は実話を基にしている。第二次世界大戦最中、ナチスドイツの捕虜収容所から総勢250名で文字通り、大脱出を図ろうと画策する将校たちの姿を、多方面から描いた群像劇。それぞれの知恵や長所を生かしつつ、個性豊かな面々がユーモアとシリアスを織り交ぜながら決死の脱走を図る。そもそもこの収容所には、なぜか脱走経験の前科がある人ばかりが集められている。腐って卵は同じカゴに、みたいな説明あったけど、これってドイツかなり迂闊じゃね?と思う。エキスパートが揃っちゃったんだよ、これで。まあ仕方がない彼らが揃わないと大脱出しないんだから、その矛盾は目を瞑りましょう笑なんせ脱走経験者ばかりだから、色々な役割の人が揃ってる。穴堀屋、仕立て屋、調達屋、身分証明書を作るグループと多岐に渡る。脱走してフランスから脱出するまでが計画に入っているので、怪しまれないようにフランス語の勉強などもする念の入れよう。みんなで工夫して、掘ったトンネルから出てきた土を処分したり、わざと騒ぎを起こしてドイツ兵の目を逸らして道具を盗んだり、大きな音を歌を歌って誤魔化すだけのグループがいたり。チームワークがとりあえず良すぎる!そしてドイツ兵が甘すぎる!笑だって普通にベッドの板を間引いたらなんか気づかないか?身分証を盗まれた兵とかも鈍感すぎるし、収容所内で密造酒を作ってることに気づかないとか、それを手に独立記念日にどんちゃん騒ぎしてても黙認だわ、ちょっとあれな感じ。まあ、そのどんちゃん騒ぎが元で掘っていた穴が一つ見つかって、仲間の一人アイブスが現状を悲観して自死してしまうけど、こんな事もあろうかとちゃんと別ルートの穴を予め掘ってたし、わりかし脱走までは順調にことが運びます。この映画を観る前、なんとなくスティーブマックイーン扮するヒルツが主体となって大脱走チームを編成しているのかと思いきや、ヒルツは一匹狼の脱走王で他と群れない。よく一人で脱走しては捕まって独房送りになっている。まさに独房の常連。だから集団脱走計画を発案した事実上のリーダーであるバートレットたちから計画に参加するよう促されても当然のように断る。(多分、アイブスのためだろうけど)これがなんか意外だった。結局、仲間のアイブスが亡くなったことで、計画に協力的になる流れ。ただ、現実でもそうだったようにこの脱走計画、250名の脱走を目指していたけど、実際のところは50名ほどしか脱走に成功していない。掘ったトンネルが思った以上に短く、森まで到達してなかったのが一番ダメだったと思う。途中で歩哨に見つかってしまうのだ。しかも、戦時下を生き延びたのはその中でもたったの4、5人?ほどだったという非常に過酷なもの。これもまた、映画を観るまでは、「どうせみんな脱獄に成功したんでしょ?ハッピーエンドなんでしょ?」と思ってたけど、全然違った。前半のユーモラスな話の展開とは裏腹に、後半はかなりシビア。ヒルツがバイクを駆ってドイツの追手から逃げるシーンは一番有名だとけど、これも最後は結局捕まってしまう。初見の時はこのシーンに唖然とした。逃げられなかったのかい!スティーブマックイーン!他の脱走者たちも過酷な運命を辿る。脱走途中で命を落とす者はもちろん、最終的には大半が捕まり収容所に連れ返され、運悪くゲシュタポに捕らえられた人たちは秘密裏に処刑されてしまうのも、、なんかノン・フィクションを見せられてる感じがして暗く重苦しい。でも大前提として、やっぱり公共交通機関を使うのはまずいと思う。すぐに検問所が設けられて身動き取れなくなってしまうし、そうなると逃げ場がなくなる。彼ら的には脱走計画が露見するのがもう少し後になると見越して、少しでも遠くに逃げるために列車やバスを乗り継ぐのはわかるけど、、それにしてもバートレットは残念すぎるし、マックもなんで部下に注意しろと忠告していた簡単な罠に自分が引っかかるんだ、、残念すぎる。コリンに関してはこうなることが薄々わかっていたと思うし、それでも外の空気を吸えただけ満足していたのだと思いたい。ヘンドリーは最後までコリンを守ろうとした!でもヘリで逃げるのは目立ちすぎるよ!もっとこそこそ逃げようよ!無事フランス脱出を果たしたのは、いずれも派手な動きを取らず、公共交通機関を使用しなかった3人(劇中ではね)これが正しい逃げ方だと思うな、、運任せなところもあるけど、やっぱ検問所張られると、どれだけ偽装パスがあっても辛い。ラストは華麗に収容所に舞い戻ってきたヒルツが、独房に入れられてなお懲りずにまた脱走するんだろうなって感じの終わり。まじ不屈の精神すぎる。ドイツ側ももうちょっとヒルツの処遇を考えた方が良くない?彼、絶対またやらかすよ笑実際はこの脱走計画には反ナチ的な将兵が協力したり、収容所にいた捕虜の半数近くが力を貸していたりと、本当に大規模なものだったみたい。映画ではドイツ兵のそういったそぶりはなく、鈍感で間抜けなドイツ兵がヘンドリーに踊らされてる感じで描かれているけど、ドイツ兵の協力なくして、この規模の脱走は不可能だろうなとは思う。トンネルの画像がネットにあったから見てみたけど、うん、確かに森までは届いてないし、有刺鉄線のすぐそば。このちょっとした差が命取りになるのか、、としみじみ。主演はご存知スティーブ・マックイーン。普通にかっこいいわ。バイク駆るのが上手だなーって思ったら普段から颯爽と乗り回していたらしい。絵になるわけだ。あと知ってるのはダニー役のチャールズ・ブロンソンだけどさ、、出演してる映画はほとんどしらないんだよね。本当に名前を知ってるだけ。でも強面だけど閉所恐怖症で心優しいダニーは素敵だった。閉所恐怖症なのにトンネル掘るって単純にすごくね?Wiki見て気づいた俳優的には、バートレット役がジェラシック・パークのハモンド?社長さんであるリチャード・アッテンボローだったり、そんなバートレットを庇って死んだアシュリー・ピットがネイビー犯罪捜査班のダッキー役のデビット・マッカラムだったり。まじダッキーにはびっくりした。若かりし頃が美男子すぎてでびっくりした。ヘンドリー役はジェームズ・ガーナー。存じていません、すみません。でもヘンドリーの飄々としてるけど義理堅い男は良き。
2021.07.10
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