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2022年09月14日
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カタコトのうわごと [ 多和田葉子 ]
読み進んでいる。
カタコトかつ、うわごと、とは謙遜も謙遜、著者の日頃の学究としての有様をいかんなく発揮。

本書中、ふと、とか思わず、とかをドイツ語にどう訳すか、などの文章があったが、

あたしの中でキッカケになったのは、女性、と、考える、という行為との関係性とかを述べているところがあって、それこそ、ふと、思い出したことがあった。

ああ、そんなことがあった。と。

それは大昔、あたしが中学生の頃、だから、すでに60年以上前だ。
いや、まだ小学生であったか、。ま、その位前の事、、だから書いてもいいと思って。

亡母は、自宅を拠点に骨董屋を始めた。


中に、小さなキャビネットがあって、それは、幅が90センチ、奥行きは45センチくらいで、
天板の下に3個の薄い引き出し、両袖机のようにサイドに開き戸、
開き戸の幅で薄い引き出しがあるので、引き出しは、左右対称に小、大、小、となっている。

天板以外は網代細工がキッチリされており、ニス仕上げ。押さえに丸い紐状の物。
黄色系の木材であった。
キャビネットを眺めると、、それはまるで、工芸品のようである。

ある時、あたしは、センター部の引き出しを開けた。
そこには、、字が書いてあった。大きさは、一センチに満たないそれぞれの字ではあるが、字で、埋め尽くされていた!ブルーのインクで、当時いよいよ普及し始めた万年筆で書いたような感じだった。単語が書いてある。文章じゃない。
単語は平仮名ではなく、漢字である。
その、ひとつひとつの単語は、必ず「エッホン」と書いて、単語が続くのだ。
例えば、、エッホン消防署、エッホン地図、エッホン学校、エッホンなんとか、、という具合に。整合性も何もあったもんじゃない(と、当時の子供であるあたしは思ったが、今思うに、なにかの規則があったのかも)字の大きさも違えば、(おおよそは人のペンで書く字の大きさ)向きも違う、読む方が、身体の方向を変えて読むような、そんな字の集合体が一面に展開されている。

開き戸を座って、開けてみる。同じ、、。

ホラー映画に後ずさりする、、というような反応ではなく、あたしはそれに魅入られた。
エッホンなんとか、を、一つづつ読んだ覚えがある。
知らない言葉とか、当時の公衆トイレの落書きのような公序良俗に反する?ような言葉類は一切なく、ただただ、森羅万象の、世の中にあるものの色々を、書き手が、思いつく単語があったと、記憶している。同じ単語もあちこちにあったなあ、。

必ず、エッホン、というカタカナの次に単語、という規則はあるにしても。。。

それをつけると安心する?書き手は、彼、だったのだろうか。

そんな事を想起させる(結果としてだが)文章を読んだ。ということだ。
とりとめない章の括り方で、気軽に読んでくだされば、との思いが多和田葉子さんにはあったのであろうが、あたしには、付いて行くのが精いっぱい、と申し上げておきます。





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最終更新日  2022年09月14日 06時23分30秒
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