未完成のブログ

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Aug 23, 2010
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カテゴリ: FALLOUT3
鉄拳のエリカ






第209話【オルモストパーフェクト】


エレインの動きについて行けない。集中力が落ちている。

マスターの言葉を思い出すも頭と体がバラバラで対処できない。

「聴勁」

それは相手の動きを読み取る技術。

偶然ながらわたしはこれまでの戦いで何度かそれを体現できた。

エレインの暴力の嵐の前では集中する事も出来ず「聴勁」を使う事も出来ない。

仕切りなおせばあるいは・・・



エレインのラッシュが止む。目の前で左手を突き出した構えをとっている。

「・・・・・・」

恐ろしいくらいに隙が無い。エレインはもう構え方も会得したというのか。

「なんだそのめは、エレインきにいらない。かくしわざがあるならやってみろ」

パラライズパームしかない。

そして崩拳を最高の威力のある状態で当ててしとめなければならない。

立ち上がってエレインの間合いに入り体勢を崩しに掛かる。

「それか、エレインもだいぶできるようになった」

わたしとエレインはお互いの体勢を崩そうと間接、腕、指、膝、を触れては振り払う。

マスターとこの稽古をした時わたしは10手と持たなかった。

「エレインくやしい」



この技術は理屈や動きだけを見て覚えれるものではない。自分の体の事を理解して姿勢を保つ鍛

錬をしなければできない。エレインの体はまだ子供で未熟、本人が思ったようには動かない。

エレインはわたしの体勢を崩す事が出来ずにもどかしさを覚えているよう。

わたしはマスターとこの稽古をしていた時アンナの事を思い出していた。

彼女は瞬発力、持久力、平行感覚、リズム、器用さを持っている。アンナがその気になってマス



エレインはすぐに覚え再現できる。でも熟考し、真の意味を理解しようとしていない。

わたしがマスターに習ったものは形だけを真似して出来るものではない。

エレインがアンナと同じ頭脳、運動神経を持っていたのならわたしは絶対に勝てないだろう。

「うううううううううっ」

エレインが真っ赤な顔をしている。徐々に早くなる手をなんとか捌く。

「くうううううう・・・これでしね!ほうけん」

エレインが崩拳を放ってくる。

わたしも同じ技で迎え撃つ。放ったタイミングはほぼ同時。

「うぐぐぐ・・・・・・」

エレインの拳は僅かに届かずわたしの拳はエレインの腹部に突き刺さっている。

彼女はリーチの差を考えてなかった。

わたしはそれを利用した、彼女が崩拳を打ってくるのに合わせてわたしも打つつもりだった。

崩拳のカウンターで崩拳を炸裂させる。

「げほっ・・・」

エレインが大きな血の塊を吐いた。崩拳の手ごたえで彼女の内臓を破壊した感触があった。

それでもわたしのコートの端を掴み、倒れまいとしがみついてくる。

「げほげほ・・・それも・・・おぼえ・・・た!」

「パラライズパーム」

エレインの胸にパラライズパームを当てる。

「がっ・・・・・・!?」

エレインの動きが止まる。

「・・・・・・崩拳」

ほんの僅か、一瞬躊躇をした。それでもわたしはエレインの腹部に崩拳を放った。

「ぁ・・・・・・」

エレインは電源の切れたロボットのように倒れこむ。今度こそ彼女は立ち上がってこないはず。

もうわたしには一発の拳を打つ力も残っていない。

正直エレインとは二度と戦いたくないし会いたくない。彼女の事は確実にわたしのトラウマにな

るだろう。彼女がもう少し成長していたのならわたしは勝てなかった。

いや、油断をせず、武器を使い最適な手段で襲い掛かってきてたのなら勝てなかった。

彼女はわたしに対抗心を燃やすあまり格闘で挑み、幼さゆえに敗れた。

最も完成に近い存在だったエレイン。でも心があまりに未熟だった。

カイリーナが完成させたといっている112号はどんな存在なのだろうか。

わたしはそんな事を考えていると目眩いを起こして倒れそうになる。

「おっと・・・エリカよくやったな」

「ローレン・・・」

ローレンが支えてくれていた。彼女達もシスターズと戦っていたはず・・・

「シスターズは?」

「・・・なんとか倒した」

「・・・そう」

エレインとの戦いに集中しすぎてローレン達の事に気がつかなかった。三人とも無事で何より。

『ほう・・・お前たちが勝ったか。良いだろう頼みを聞いてやる、奥の扉に入るがいい。シスター

ズ、死んでしまった3人を回収しろ』

カイリーナは上からそういうとフロアーの扉を開ける。罠を張っているかもしれない。

扉をくぐりエレベーターで上に。その部屋にはバリアーで仕切られたVault風の研究室だった。

『ようこそ私の娘達よ。15年ぶりの再会だな』

「・・・・・・」

「ふん、バリアー越しで何を言うか」

「再会の感動を味わいたければそっから出てきな!」

黒いフードを取るカイリーナ。そこには中途半端にグール化した顔があった。

金髪で目は青い。頭髪はグールにしては抜けておらずわたしと似たような生え方。

『グール化の治療はずっとしているが限界があってな。まぁグール化してなければとっくに老衰

で死んでいるところなのだから悪いことばかりでもないが皮膚がこれなのがな。まぁ座れ、そこ

のソファーのテーブルに戦前の植物を育てて作ったコーヒー豆で淹れたコーヒーがある飲め』

ロボットがソファーのテーブルに飲み物を置く。

「毒は入ってないようだな」

『ふふふふ・・・96号(ローレン)が気づくのを解っていて淹れるものか。ただのもてなしだ安心

しろ。さて、座ったか?じゃあこれを見てくれないか?』

そういうとカイリーナは白衣のポケットから写真を取り出す。

「これは・・・」

「む・・・」

「・・・・・・」

その写真にはわたし達そっくりの白衣の女性が男性と並んで立っている姿が写っていた。

『それが私だ。お前たちとそっくりだろう?ホクロも私がついていたからシスターズの識別とし

て後からつけたのだよ。その写真の男も私のホクロを気に入ってた事だしな』

「この男性は?」

『気になるか101号?私の旦那になるはずの男だった。だが死んだ。その写真は西海岸の基地で

撮ったものでな、その写真の後彼はエンクレイヴの任務に出てそして帰ってこなかった。私の腹

には赤ん坊がいたがグール化の影響で流産、二度と産めない体になってしまった』

「・・・・・・」

『あの頃の私は全てが嫌になってた、愛する者を失い、立場を失い、そして自分の体も失いかけ

ていた。私に残ったものは知識と経験のみだった。私の生きる目的は研究しかなかったのだ。フ

ェラルグールになる恐怖と戦いながら私は狂ったように研究しついにシスターズを産み出した。

そこでようやく私は家族を得たのだ。自分から作った人工的な子供だが私は嬉しかったのだ、こ

のSecret-Vaultは自給自足できるようになっているからな。きちんとメンテナンスをしてやれば

半永久的に使える。この環境なら子育てをしながら研究もできる。シスターズが生まれてからの

この20年近くは私の人生で最も幸福な時間だったよ』

「・・・・・・子供を研究に使っておいてそれでもあなたは平気だったの?」

『最初は自分が何をしているのかと思い悩んだ事もあったがすぐに麻痺した。グール化した影響

か知らんが少しくらいのことでは何も感じなくなっていたのだ。それに子供達が成長し、驚くべ

き成果を挙げることのほうが私にとって大事だったのだ』

「狂ってやがる・・・」

忌々しげにつぶやくアンナ、ローレンもカイリーナを睨みつけている。しかしわたしはカイリー

ナに対する敵意は薄れている。Secret-Vaultに来て彼女の姿を見て、話を聞いているうちに彼女

がどうしようもない狂った科学者だとは思えなくなっていた。

このカイリーナがわたしのお母さん・・・どうにか説得して暴挙を止めさせられないだろうか?

アンナとローレンは彼女を許す気は無い様子。

どうすればいいのか。

どうすればより多くの人が幸せになれるのか。

シスターズもカイリーナも生き方を変えれば・・・

PITTのようなひどい場所でも生き方を変えればレイダーのようなソルジャーも変わっていった。

PITTに行く前のわたしは悪人はどんなことをしても罪は償えないと思っていた。レギュレーター

にもそう教わっていた。でも、悪人の中にも変われる人はいる。全ての悪人が許されざる存在で

はないことが解った。PITTの王アッシャーにサンドラ。この二人との出会いは私を変えた。

カイリーナもシスターズも変わって欲しい。

彼女たちも家族なのだから。

『ふふふふ・・・そして私の最高傑作が誕生した。112号、コードネームはオルモストパーフェクト

あえてこの名前をつけた。無限の可能性をこめてな』

カイリーナはベビーベッドを載せたワゴンを押してわたし達の目の前に112号を連れて来る。

209話終 次回へ






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Last updated  Aug 23, 2010 08:47:09 PM
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長月(ながつき) @ Re[1]:Fallout:NewVegas 第1話2話「目覚め」(11/19) Keyさんへ ありがとうございますがんばり…
久 遠@ Re:FalloutNewvegas121話「ストレンジトランスミッション!」(07/20) やほーい(=゚ω゚)ノ 何周遅れか分からないけ…
長月(ながつき) @ Re[1]:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年も…
久 遠@ Re:近況(12/30) あけましておめでとうございます。 今年…
長月(ながつき) @ Re[1]:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) こちらもFO4までに終わらせるつもりです!…
くおん@ Re:FalloutNewvegas103話「Vault22」(07/09) やあ( ´ ▽ ` )ノ EDーEとの意思疎通方法、…

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